やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2009年02月25日
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カテゴリ: 読書感想

 『戦争と平和』を読んでいて感じたことの一つは、ナポレオンとロシアが戦争をするのだが、戦場が最初はロシア帝国の領地でなくオーストリアだったり、プロシアだったりあの辺の地図がごちゃっとしてしまい、すぐには頭に入ってこなかったということ。

 それにロシアなのになんでフランス語も話すのだ?(もちろん上流階級だけだが)

 つまり日本という海に囲まれた島国頭なのだ。

 ああ、薄っすらしか解からない悲しさよ。

 ということでヨーロッパという土地柄に(bonbonさんというフランス在住の「コメンテーター」の「欧米文化」という言い方はおかしいという、ご指摘もありそれも目からウロコ)

 興味を持ち、手持ちの『私のヨーロッパ』を再読すれば、再読はするもんだね、まえには頭に入らなかった部分が、理解の助けになった。

 ヨーロッパの本質と歴史がやさしい文章で表されている。1972年の著書だから古いが、日常生活とヨーロッパ各地を旅してとらえた本質と特質は変わらないと思う。

 わたしなどのように観光旅行しかしない者には、人の目を通して知るほかないのだ。

 著者はヨーロッパを 「一反の着尺」…きものの模様にたとえている。

 裾から濃紫のぼかし、光琳風の縫い取りが腰にかけて薄くなり、肩のあたりで薄紫が消えて白になる。袖には縫いだけ。

 その着物をばらばらに断ち切った布で、何物を作って眺めても、本当のものは見えない。

「そういうルーズな国家群や領土の事情を、らくにゆるすだけの共同要素」で「成り立ったのがヨーロッパというものであった。」

 という本質特質。ルーズであったからこそ逆説的に、近隣地方の真似をすることなく、自分自身の個性を頑強に守ろうとする傾向がある文化。

 ところが先輩明治時代の人たちは、フランスの文化、ドイツの文化とばらばらに取り入れ、もたらしてくれた。だからわたしたちは「欧米文化」などと、ひとからげにしてしまいがちだ。

 ほんとうのヨーロッパ文化とはぼかしもようの一着の着物みたいで、

「市民共同体の生活ルールを、強制されずに守る意志と行動である」

 と著者はまとめているが、

 だとしたら、いまのわたしのアイデンティティだ。なあんだ(笑)

 でも、日本がなってるのかな?






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最終更新日  2009年02月26日 15時19分27秒
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