《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2011.10.19
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 財政危機の尻ぬぐいを押しつけられようとしている ギリシャの庶民が抗議活動 かなり激しいものになっている 遅くとも2002年にはギリシャの債務問題が深刻な状況にあることを欧州委員会は気づいている 。その原因を作ったのがゴールドマン・サックスだということも認識していた。

 秘密裏に多額の資金を借りる手法があるとギリシャ政府に持ちかけ、多額の手数料を稼いだのがこの銀行。その取り引き自体に犯罪性はないようだが、大きな問題を引き起こしたことは事実で、多くの人から非難されている。この問題に触れずにギリシャの財政危機を語ることはできない。危機の根本原因が庶民にあるとするのは論外だ。

 複雑な金融取引を考えるゴールドマン・サックスの社員は頭が良いのだろうが、ラ・ロシュフコーの言葉を借りるならば、「頭のいい馬鹿ほどはた迷惑な馬鹿はいない」(二宮フサ訳『ラ・ロシュフコー箴言集』岩波文庫、1989年)ということだ。

 こうした金融機関の行動で経済が破壊されたのはギリシャに限らない。アメリカは勿論だが、日本を含む「西側」の国では例外なく庶民が食い物にされている。その根源には規制緩和や私有化の促進、つまり新自由主義経済がある。この経済システムをロシアや中国も導入しているわけで、この両国も無関係とは言えない。

 こうした金融取引が盛んになった一因は、富を強者が総取りする経済システムの広がりにある。滞留した資金が投機市場へ流れているのだ。ウォール街で始まった抗議活動に参加している人びとも、そのシステムを批判し、新たな仕組みを作るべきだと主張している。

 相場の世界では、最終的に素人が餌食になる。ギリシャもゴールドマン・サックスに食われてしまったわけだが、そうしたカネ儲け以外にこの銀行が何を考えていたのかはわからない。ただ、少なくとも結果としてはギリシャという「トロイの木馬」をEUに送り込んだ形になっている。いわばゴールドマンは攻撃側なわけだが、ウォール街では防御に回っている。巨大金融機関の天下が永遠に続くとは限らない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.10.20 04:45:31


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: