《櫻井ジャーナル》

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2011.11.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 トルコがイギリスに替わってシリアに軍事的な圧力を加えている一方、アメリカとパキスタンとの関係がさらに悪化している。アメリカの無人機による攻撃で市民が殺されているアフガニスタンやパキスタンでは反米感情が高まっているが、11月26日にNATOのヘリコプターと戦闘機がパキスタン北西部にある検問所を一方的に攻撃し、少なくと28名のパキスタン兵を殺したことで状況はさらに悪くなった。アフガニスタンでの戦争に影響が出ることは避けられないだろう。

 パキスタンとアメリカとの間がギクシャクしていることを示す事件が今年の1月にはすでに起こっている。 パキスタン北東部でパキスタン人を射殺したレイモンド・デイビスというアメリカ人が逮捕された のだが、この人物はCIAのエージェントだった。特殊部隊を経てXe(ブラックウォーター)で働き、CIAに雇われ、外交旅券でパキスタンに入国していた。

 逮捕前、デイビスはパキスタン北西部のワジリスタンを訪れているのだが、ここはアメリカ軍が無人機を使って執拗に空爆、少なからぬ住民が犠牲になっている場所。デイビスが逮捕されてからワジリスタンでの空爆がしばらくの間、止まったことから、この地域での空爆にデイビスが何らかの形で関係、殺されたパキスタン人は同国の情報機関ISIの人間ではないかと推測する人もいる。

 アフガニスタンで秘密工作を始めた当時、CIAはISIの全面的な協力を受けていた。ソ連軍がアフガニスタンに軍隊を入れる半年以上前、ジョン・ジョセフ・リーガンCIAイスタンブール支局長はアフガニスタンのリーダーたちと会談したのだが、会談相手を選んだはISIだったのだ。

 その後、アメリカの情報機関や軍はソ連と戦う「自由の戦士」としてイスラム武装集団を組織、訓練をする一方で資金や武器を提供した。その中にアル・カイダも入っていたわけである。その武装集団とアメリカ軍は戦っている。ISIとの関係が悪くなるのは当然だと言えるだろう。

 今回の検問所攻撃を受け、NATOのアフガニスタンへの補給ルートを断ち、国内にある無人機の基地を閉鎖するように求めるべきだとする声がパキスタン政府の中で高まっている。アースィフ・アリー・ザルダーリー大統領は自国の軍隊に対抗するため、アメリカ軍に助けを求めていたという。このことを示すメモが明るみに出ているのだ。今回の一件で大統領と軍との関係はさらに難しくなるだろう。

 パキスタンの検問所を爆撃すればパキスタン側が反発することは当然であり、アメリカ政府も承知の上で攻撃したはずである。(アメリカは気に入らない存在を「誤爆」で破壊してきた過去がある)トルコ政府のはしゃぎぶりは暗示的だ。





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最終更新日  2011.11.28 03:23:01


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