《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2013.03.31
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 4月1日は「エイプリル・フール」、ジョークや嘘で人を笑わせる日なのだそうで、マスコミは「作り話」を伝えたりする。が、マスコミが作り話を流すのは日常茶飯事だ。東電福島第一原発の事故でマスコミが流していた「安全神話」が嘘だということを多くの人が認識するようになったはずだが、TPPでも作り話を伝えている。原発関係では、放射性物質の「安全神話」で人びとを洗脳しようとしている。

 マスコミは読者なり視聴者を騙して人びとを権力層にとって都合の良い方向へ導こうとしている。ノーム・チョムスキーが言うところの「プロパガンダ機関」だ。日本に左翼、あるいは反体制メディアが存在するというのは悪い冗談。せいぜい、体制に批判的な味付けをした「報道」をするだけである。

 重要な出来事を無視するということも珍しくない。記事だけでなく、翻訳本で重要な部分がごっそり抜けていて、驚くこともある。「西側」、特にアメリカの支配層が描くシナリオから外れた事実は見ざる、言わざるだ。

 最近の例では、現在、シリアでは激しい戦闘が続いているが、その実態を語らないどころか、偽情報を流してきた。「西側」の中でも特に日本のマスコミは酷い。

 リビアでは、NATOが空爆や電子戦を担当、地上軍の主力はLIFGだった。この武装勢力がアル・カイダとつながっていることは、2011年3月25日にイギリスのテレグラフ紙が当事者の証言として伝えている。(LIFGは2007年11月からアル・カイダの加盟組織になっている。)リビアで戦闘が始まった直後には「西側」でも反政府軍の正体は明らかにされていたわけだ。日本のマスコミが報道したかどうかは知らないが。

 そのリビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒されると、反政府軍の拠点だったベンガジでは裁判所にアル・カイダの旗が掲げられ、その様子は YouTube にアップロードされた。「西側」のメディア、イギリスの デイリー・メール 紙も伝えている。

 リビアの体制転覆を成功させた後、アル・カイダの戦闘員はシリアへ武器を携えて移動した。その際、 マークを消したNATOの輸送機もリビアからトルコの基地まで武器を輸送

 要するに、シリアの戦乱も外から持ち込まれたものだったのだが、CNNやBBCをはじめとする「西側」のメディアは、シリア政府が「市民を弾圧している」と宣伝していた。その「情報源」は「活動家」や「人権団体」なのだが、それはラベルにすぎず、実態は胡散臭い。

西側メディアが盛んに使っていた「活動家」、シリア系イギリス人のダニー・デイエム はその典型。外国勢力の介入を求める発言を続け、彼を「英雄」と見なす人もいたが、彼の話は嘘だと言うことが後に発覚する。 「シリア軍の攻撃」をダニーや仲間が演出する様子 を移した部分も含めた映像がインターネット上に流出したのだ。

 シリアのバシャール・アル・アサド政権を民主的だとは言えないだろうが、現在のような殺戮が行われてきたわけではない。遅くとも 1991年にアメリカ政府はシリアを含む国々の体制転覆工作を計画 2007年までにはイスラエルやサウジアラビアと手を組んでシリアなどに対する秘密工作を始めた 。今ではイギリス、フランス、トルコ、カタールなども目指す仲間に加わっている。現在の内乱は「西側」が仕掛けたということだ。

 シリアの西にあるホウラという場所で2012年5月に住民が虐殺され、「西側」のメディアは政府軍が実行したと宣伝しているが、報道内容と映像との食い違いは明白で、つじつまを合わせるためなのだろう、話は変化していった。

 現地に入ったロシアのジャーナリストは早い段階から反政府軍による犯行だと伝えていたが、それだけでなく、東方カトリックの修道院長も反政府軍のサラフィ主義者や外国人傭兵が実行したと報告、 ローマ教皇庁の通信社 が伝えている。さらに、ドイツの フランクフルター・アルゲマイネ 紙がキリスト教徒やスンニ派の国会議員の家族が犠牲になっていると伝えている。

マザー・アグネス・マリアム が批判する映像もインターネットで伝えられた。

 この段階で、シリアの体制転覆を目指すグループ、つまりイギリス、フランス、アメリカ、トルコ、サウジアラビア、カタールなどにとってローマ教皇庁は好ましくない存在になったと言えるだろう。

 支配層がひとつの仕組みを作り上げようとしている場合、事前にその問題点を指摘せず、仕組みができあがってからアリバイ工作的に触れる場合もある。それも表面を軽く撫でるだけだが。

 1933年にJPモルガンを中心とするウォール街の勢力がフランクリン・ルーズベルト政権を倒し、ファシズム体制を樹立する目的のクーデターを計画していたことは本ブログでも何度か書いたが、その際、クーデター派は次のように語っていたと議会の記録に残っている。

 「我々には新聞がある。大統領の健康が悪化しているというキャンペーンを始めるつもりだ。そうすれば、彼を見て愚かなアメリカ人民はすぐに信じ込むに違いない。」





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.03.31 23:42:59


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: