《櫻井ジャーナル》

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2013.09.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 時間が経過するにつれ、アメリカ政府はシリアを攻撃しにくくなってきた。イギリス政府やフランス政府の主張に同調、化学兵器の使用を口実にしてシリア政府軍を攻撃しようとしていたが、日々、その根拠が崩れている。

 アメリカの政府や議会にはイスラエルやサウジアラビアから強い圧力がかかっているらしいが、アメリカを含む大多数の国で、世論はシリア攻撃に反対していると伝えられている。日本のマスコミがよく使う怪しげな「国際社会」はどうだか知らないが、世界の人びとは戦争に反対しているわけだ。(そう言えば、日本のマスコミはこの件で御得意の「世論調査」をしているのだろうか?)

 そうした中、ロシア政府はひとつの提案をした。 シリア軍が保有する化学兵器を国際管理の下に置いたらどうか というもので、シリア政府はすぐに同意、バラク・オバマ大統領も歓迎すると発言している。ただ、ジョン・ケリー国務長官や安全保障問題担当のスーザン・ライス補佐官はシリア攻撃の姿勢を崩していないようで、ホワイトハウス内で意見の対立が生じているのかもしれない。

 今年3月にも化学兵器の使用が問題になったが、このとき、国連独立調査委員会のメンバーである カーラ・デル・ポンテは反政府軍が化学兵器を使用した疑いが濃厚だと発言 し、ロシア政府は化学兵器を使ったのは反政府軍だとする100ページの報告書を7月に国連へ提出している。この話を口実にしてシリアを攻撃することが難しくなっていたということだ。

 そして8月21日の攻撃だが、ロシアの ビタリー・チュルキン国連大使 は文書と衛星写真に基づき、ダマスカスに近く、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、毒ガス攻撃を受けたとされるゴータで着弾していることを国連の臨時会合で示したという。この話が伝えられた後、シリア攻撃を主張する声は急速に小さくなり、アメリカ政府は孤立していく。

 オバマ政権は国際的に孤立するだけでなく、国内でも支持者を失っていく。国民が戦争に反対しているだけでなく、軍の内部でも「アル・カイダのために戦いたくない」として攻撃に反対する声が出てきたのである。

イタリア人ジャーナリストとベルギー人教師 が解放されたのだが、拘束していた戦闘員が8月に化学兵器を使ったのは反政府軍だと話しているのを聞いたと証言している。隣の部屋で戦闘員がスカイプで話している会話を、半開きのドアを通して聞いたというのだ。

 今後、時間が経過すればするほど、シリアを攻撃する口実が崩れていくだろう。ロシア政府の提案は、オバマ政権が面子を保ちつつ逃げられる道を作ったとも言える。シオニストやサウジアラビア王室の圧力があっても、この辺が潮時だとオバマ大統領が考えたとしても不思議ではない。





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最終更新日  2013.09.10 20:51:47


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