《櫻井ジャーナル》

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2013.12.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 東京地検特捜部が公職選挙法違反の容疑で「徳洲会」グループを強制捜査、徳田毅衆院議員の母の徳田秀子、姉のスターン美千代と越沢徳美、さらにグループ病院幹部が起訴された。12月25日に東京地裁はスターン美千代の保釈を認め、その日の午後に東京拘置所を出たという。

 その 25日に沖縄県の仲井真弘多知事は首相官邸に出向いて安倍晋三首相と会い、「驚くべき立派な内容を提示してもらった」という驚くべき発言 をした。27日頃に名護市にある辺野古沿岸の埋め立てを承認する段取りになっていると見られている。

 徳洲会が強制捜査された段階で、 経済学者の植草一秀は2006年11月に行われた沖縄県知事選との関連を指摘 している。その年の9月には安倍が首相に就任、この政権が支援していたのが仲井真。その結果は仲井真が34万7303票、対立候補の糸数慶子は30万9985票で、その差は3万7000票。マスコミの出口調査では糸数がリードしていたという。そしてチェックの目が行き届かない期日前投票が11万0633票。この期日前投票に創価学会や徳洲会が関係していると推測する人がいる。

 仲井真知事だけでなく、多くの議員、特に与党の議員が徳洲会マネーを受け取っていると言われている。徳洲会から5000万円を受け取った猪瀬直樹都知事は辞任したが、特捜を動かしている勢力に逆らったなら刑務所行きになる、少なくとも議員はそう考えているのだろう。沖縄問題にしろ、特定秘密保護法案にしろ、徳洲会スキャンダルは脅しの材料であり、猪瀬知事の辞任は警告ということだ。

 かつて、沖縄はアメリカ軍にとって戦略の上で重要な位置にあった、つまり東アジアを攻撃するために最適の場所だったことは確かだが、だからといってアメリカが沖縄を占領することは許されない。連合国軍の占領が終わった段階でアメリカ軍も撤収し、沖縄人も主権を回復して当然だった。

 ところが、日本政府とアメリカ政府は「北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におく」と勝手に決め、アメリカ軍は「沖縄占領と同時に、住民を収容所に入れている段階で、白地図に線を引くようにして広大な軍用地を接収し、これを無償で使用し」たのである。

 また、1953年4月に公布/施行された布令109号「土地収用令」に基づき、真和志村案謝、銘刈、小禄村具志、伊江村真謝、宜野湾伊佐浜などで武装米兵を動員した暴力的な土地接収も行われている。(中野好夫、新崎盛暉著『沖縄戦後史』岩波書店、1976年)



 移民させられた場所は約束と違い、鉄道までの道もないジャングルの中で、橋も架かっていない大きな川が近くに流れ、氾濫原だった。しかも水を得ることは困難で、原因不明の病気もあった。正に棄民。

 実は、沖縄をアメリカへ差し出し、沖縄人を人身御供にしたのは昭和天皇にほかならない。豊下楢彦教授によると、1949年9月、アメリカによる沖縄の軍事占領が「25年から50年、あるいはそれ以上にわたる長期の貸与(リース)というフィクション」のもとでおこなわれることを求めるという内容のメッセージを天皇は出したというのだ。(豊下楢彦『安保条約の成立』岩波新書、1996年)

 どうして敗戦後にも天皇にそうした力があったのかは、本ブログで何度か書いたことのなので、ここでは割愛する。ただ、沖縄問題を昭和天皇抜きに語ることはできないということだけは強調しておきたい。

 1950年から53年にかけて朝鮮戦争が戦われているが、この戦争をアメリカが仕掛けた可能性が高いことは本ブログで何度か指摘した通り。その間、OPC/CIAに率いら得た国民党軍が中国への軍事侵攻を試みて失敗している。1954年にはジョン・フォスター・ダレス国務長官がベトナムでのゲリラ戦を準備するように提案、CIAはSMM(サイゴン軍事派遣団)を編成、破壊活動を開始する。

1957年にアメリカ軍はソ連に対する先制核攻撃を準備 しているが、その直前、55から57年にかけて琉球民政長官を務めたライマン・レムニッツァーは後に統合参謀本部議長となり、そのときにキューバへの軍事侵攻を正当化する偽旗作戦、「ノースウッズ」を計画している。この作戦はキューバ軍を装ってアメリカ諸都市で破壊活動を展開、最終的には無人の旅客機をキューバの近くで自爆させ、あたかもキューバ軍が撃墜したように演出するというものだった。

 アメリカの好戦派がキューバを占領したかった理由は、ソ連を戦略爆撃機や大陸間弾道ミサイルで圧倒しても、キューバにソ連の中距離ミサイルがあれば、反撃されてしまうということにあったのだろう。実際、そのソ連はキューバへミサイルを運び込み、ミサイル危機になった。アメリカの好戦派は1963年の後半にソ連を先制核攻撃する予定だったともいう。そうした計画に反対していたジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月に暗殺された。

 そもそも、沖縄を日本の「固有の領土」と言うことはできない。元々は琉球国。1609年に薩摩藩の侵略を受けて支配されるが、独立した王国としての側面も維持した。そうした関係を壊したのが明治政府。1871年8月に廃藩置県を実施したにもかかわらず、翌年の9月に琉球藩を設置、79年4月に沖縄県にしているのだ。

 こうした不自然なことをする切っ掛けは、1871年10月に宮古島漁民が台湾へ漂着し、一部が殺害された事件。当時の日本政府はこの事件を利用して台湾へ軍隊を出そうと計画し、そのために宮古島(琉球)を日本領だと主張できる形にしようとしたわけだ。

 台湾の後、朝鮮半島から中国へと侵略していくが、その始まりは琉球/沖縄の乗っ取りだったということ。沖縄は明治政府に植民地化され、昭和天皇によってアメリカへ売り飛ばされたということになる。その沖縄では今、日米両政府が辺野古沿岸を埋め立てようとしている。





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最終更新日  2013.12.26 03:52:02


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