《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2014.03.06
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 クリミアの自治共和国最高会議はロシアへの編入を全会一致で議決、今月16日に住民投票が実施されるという。こうした動きはウクライナの東部や南部にある旧ロシア領の地域にも広がる可能性があり、暫定ファシスト政権や背後のネオコン(アメリカの親イスラエル派)は何らかの対抗策を講じてくるだろう。

 そのクリミアへ国連のロバート・セリー特使が通告なしに訪問、ウクライナ海軍本部の外で武装集団に囲まれ、クリミアから退去させられたという。セリーと言えば、 ビクトリア・ヌランド国務次官補とジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使が電話で話し合っているとき に出てきた名前だ。

 ヌランドはジェフリー・フェルトマン国連事務次長からオランダの元駐ウクライナ大使であるセリーを特使としてウクライナへ派遣することを知らされ、喜んでいる。そして、ヌランドの口から「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」という言葉が飛び出した。外交的に解決しようとするEUへの不満がそうした表現になったのだろう。つまりセリーはネオコンから仲間と見られている人物。今回の訪問もトラブルを見越してのことだった可能性がある。

 セリーを取り囲んだというグループは自衛軍だろうが、そうした武装集団を組織する理由は、キエフで起こったことを見れば明らかだ。ソチで開催されていたオリンピックの閉幕でロシア政府が動きやすくなる直前、キエフでは屋上からの狙撃もあって状況が急速に悪化したのだが、その混乱を煽っていたのはネオ・ナチだった。本ブログでは何度も書いているように、そのグループには実戦経験を積んだ戦闘員やNATO系の施設で軍事訓練をうけたネオ・ナチが参加している。

 2月25日にキエフを訪れたエストニアのウルマス・パエト外相は「西側」の報道とは違い、 「スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合体の誰かだというきわめて強い理解がある」 とEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級委員(外交部門の責任者)へ伝えている。 YouTubeにアップデートされた会話の録音が本物だということをパエト外相は認めた 。アシュトンは「西側」が支援している側が狙撃した疑いが強いことを、少なくともこの段階で知っていたわけだ。

 そうした狙撃が始まる前から「西側」に支援された反ビクトル・ヤヌコビッチ政権の勢力は石や火炎瓶をなげるだけでなく、ブルドーザーやトラックを持ち出し、ピストルやライフルを撃っていた。



Boulatov-2

Boulatov

 裸の男が雪の中に立たされている映像も警察の残虐さを示すものとされ、広められたのだが、この場合、警官とされた人物は、内務省の元役人で「祖国」の保安責任者になっているアンドレイ・ヅブロビクで、映像はテレビ・プロデューサーのアンドリー・コゼミャキンの「作品」だと指摘されている。

 右派セクターを率いるドミトロ・ヤロシュは現在、国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の副議長を務めているが、3月1日にドッカ・ウマロフなる人物に支援を要請している。このウマロフはアル・カイダのメンバーだと見なされている人物。今後、ウクライナをチェチェン、リビア、シリアのようにするつもりなのかもしれない。

 「西側」の政府やメディアは否定、あるいは無視しているが、キエフの暫定政権はファシストの強い影響下にあり、実戦経験、あるいは戦闘訓練を受けた多くのメンバーが参加しているため、そうした人間の潜入を水際で止める必要があり、自衛軍が編成されたのは当然のことなのである。セリー特使がネオコン側の人間だとも認識されていただろう。

 ロシア軍の存在にしても、新たに派遣されたのではないことが無視されているようだ。1990年代の終わりに結ばれたロシアとウクライナとの取り決めで、2万5000名までの部隊をロシア軍は駐留させられることになっていて、実際には1万6000名が以前からクリミアにはいた。つまり、今回、ロシアが送り込んできたわけではない。当然、暫定ファシスト政権も「西側」も知っていることだ。メディアだって知っているだろう。知っていながら知らない振りをしている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.03.07 05:16:01


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: