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2014.04.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
イゴール・チュバロフ駐エリトリア露大使とセルゲイ・バハレフ駐ジンバブエ露大使との会話

 ビクトリア・ヌランド米国務次官補とジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米大使とがウクライナの閣僚人事について相談する会話、あるいはエストニアのウルマス・パエト外相がEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)にキエフにおける狙撃の責任者は暫定政権側にいると報告している会話など「西側」にとって都合の悪い音声がYouTubeにアップロードされてきた。それに対抗してなのかもしれないが、如何せん、中身がない。

 バハレフとされている写真が昨年死亡しているユーリ・ドゥビニンだということはともかく、英語訳が正しいとするならば、会話の内容は他愛もない雑談にすぎず、ヌランドやアシュトンらの会話とは深刻度が本質的に違う。

 今回の会話を誰が録音したのかは不明だが、暫定政権、あるいはアメリカやEUの機関が盗聴したのだとするならば、こうした内容の会話しかアップロードできず、しかも写真を間違えているということは、かなり追い詰められているのだろう。

 暫定政権のアルセン・アバコフ内相は多くの死傷者を出した狙撃に関し、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領の指示で行われたと主張、ベルクト(警官隊)のメンバー12名を狙撃の実行者として逮捕したと発表、治安機関SBUのバレンティン・ナリバイチェンコ長官は、その作戦にロシアの治安機関FSBが関与していると主張している。

 狙撃については、リビアやシリアでの経験から、体制の転覆を目指す勢力が実行するだろうと予測されていた。狙撃は始まって数日後にキエフ入りして調査したエストニアのウルマス・パエト外相はEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ次のように報告した:

 「 全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。 」「 新連合はもはや信用できない。

 クーデターまでSBUの長官を務めていたアレクサンドル・ヤキメンコによると、最初の狙撃はアンドレイ・パルビーが制圧していたビルからのもの。現在は国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の議長を務めるパルビーはネオ・ナチの「ウクライナ社会ナショナル党」を創設したひとりとしても知られ、クーデターの舞台になった広場を管理、指揮していた人物だとも言われている。

 ヤキメンコによると、狙撃部隊のメンバーにはウクライナの特殊部隊員も含まれていたが、ユーゴスラビアなど他国からやって来た傭兵が主力で、パルビーもアメリカの特殊部隊と接触していたという。

 アメリカ軍がクーデターに関与していることを示す文章も伝えられている。「アノニマス」と名乗る集団がハッキングで入手した電子メールとされるもので、その中にはアメリカの駐在武官補佐官ジェイソン・グレシュ中佐とウクライナ参謀本部のイーゴリ・プロツュクとの間で交わされたものがある。それによると、 クリミアで住民投票が行われる前に、ロシア軍の特殊部隊を装った戦闘員にウクライナ空軍第25基地を襲撃するようにグレシュ中佐は指示 している。

 キエフの暫定政権や「西側」の政府、メディアはクリミアがウクライナから離脱する動きを見せたとき、ロシア軍が軍事侵攻したと宣伝していたが、実際は駐留軍だった。つまり、1997年にウクライナとロシアが結んだ協定で、クリミアにある基地を20年間、使用する権利をロシアは与えられ、さらに25年間の延長が認められていた。駐留が許される人数は2万5000名と決められ、1万6000名が駐留していたのだ。

 ウクライナとの国境近くにロシア軍の部隊が集結、今にも軍事侵攻するかのように「西側」では宣伝されてきた。 アメリカ下院の情報委員会で委員長を務めるマイク・ロジャーズは代表的な扇動者 で、NATOのアナス・フォー・ラスムセン事務総長も戦争に前向きな姿勢を見せているのだが、 アメリカのネットワーク局、NBCでさえ、ロシア軍のウクライナに対する軍事侵攻が近いというような状況ではないと報道 している。

 自分たちの知られたくない実態を隠すため、そうしたことを相手が行っているかのように暫定政権や「西側」は宣伝しているのだが、中身はない。圧倒的なプロパガンダ力で押し切ろうとしているのかもしれないが、事実はインターネットで流れ続けている。

 ユーゴスラビアへの先制攻撃では「人権擁護団体」の信頼度が大きく低下、アフガニスタンやイラクへの先制攻撃から「西側」、特にアメリカのメディアが信用されなくなり、リビアやシリアへの軍事介入ではカタールのアル・ジャジーラが同じことになった。ウクライナのクーデターではEUのメディアもアメリカと同じ水準まで信頼度が低下しているようだ。ところで、日本のマスコミは欧米やカタールのメディアに比べて格段にレベルが低く、情報に興味のある人びとからは端から相手にされていない。





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最終更新日  2014.04.05 19:56:01


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