秘密会談の前月、アメリカではリチャード・ニクソン政権がスタート、ヘンリー・キッシンジャーが大統領補佐官に就任している。そのキッシンジャーは彼のスタッフに対し、日本もイスラエルと同じように核武装をすべきだと語っていたという。(Seymour M. Hersh, “The Samson Option,” Random House, 1991)
これに対し、1961年からアメリカ大統領を務めたジョン・F・ケネディ大統領はイスラエルの核兵器開発に厳しい姿勢で臨む。ベングリオン首相と後任のレビ・エシュコル首相に対し、半年ごとの査察を要求する手紙を送りつけ、核兵器開発疑惑が解消されない場合、アメリカ政府のイスラエル支援は危機的な状況になると警告したのだ。(John J. Mearsheimer & Stephen M. Walt, “The Israel Lobby”, Farrar, Straus And Giroux, 2007)