《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2017.05.20
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
アメリカが主導する同盟軍がシリアの南部、アル・タンフ近くで政府軍を攻撃

2011年3月からアメリカを中心とする侵略勢力はトルコを軍事作戦の最重要拠点にしてきた。そうした侵略勢力が手先として使ってきたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で空爆を開始してから劣勢になり、バシャール・アル・アサド政権の打倒は困難な状況だ。そこでアメリカはクルド勢力への肩入れを強めているのだが、それによってトルコとの関係が悪化してしまった。そこで新たな戦線として浮上しているのが南部、ヨルダンやイスラエルとの国境地帯だ。

5月に入り、アメリカ、イギリス、ヨルダンの軍隊がシリア侵略の準備を進め、アメリカ軍の部隊が侵攻しているとも伝えられていた。アメリカ軍の侵攻は「自由シリア軍」を訓練することが目的だとされているが、その実態はアル・カイダ系武装集団やダーイッシュと同じ。つまり傭兵だ。

シリア国内には侵略軍と連携する勢力がほとんど存在しなかったため、当初からサラフィ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団を中心とする傭兵が使われていた。バラク・オバマ政権はシリアの戦乱を「内戦」だと強弁、反政府軍の「穏健派」を支援するとしていたが、 2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が作成した報告書 はそうした実態はないことが報告されている。反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだということだ。

ほかの情報と照らし合わせても、この報告は正しい。報告書の中でシリアの東部(ハサカやデリゾール)にはサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されているが、これはダーイッシュという形で現実になった。

この報告書が書かれた当時のDIA局長がドナルド・トランプ政権で安全保障担当補佐官に就任する予定のマイケル・フリン中将。オバマやヒラリー・クリントンを含む侵略勢力がフリンを嫌うのは当然。ここにきてシリア国内の蜂起軍が出現した可能性はゼロに近く、これまでと同じように国外で雇われた傭兵の部隊をアメリカ、イギリス、ヨルダンが支援しているということだろう。

今回のアメリカ側の攻撃をロシア政府は批判しているが、アメリカの好戦派はロシア政府が核戦争を恐れ、アメリカの軍事作戦を妨害できないと今でも信じている可能性はある。その「信仰」が崩れたなら、彼らが1992年2月に立てた世界制覇プランは崩壊、戦争責任を問われる事態も想定できる。

アメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせれば自分たちが望む方向へ世界を導けるとリチャード・ニクソンは考え、イスラエルのモシェ・ダヤン将軍はイスラエルも狂犬のようにならなければならないと語ったが、ネオコンも脅せば屈すると考えている。アメリカ政府が機能不全になっている間に軍事的な緊張を一気に高めようとしているのかもしれない。安倍晋三政権が戦争の準備を急ぐのはそうした背景があるからだろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017.05.20 00:09:00


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: