《櫻井ジャーナル》

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2019.02.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 アメリカ政府はベネズエラの民主的な政権をクーデターで潰そうとしている。これは本ブログでも繰り返し書いてきたことだ。

 アメリカ支配層が潰そうとしているニコラス・マドゥロ大統領は昨年(2018年)5月に実施された大統領選挙において67.8%の得票率でアメリカ支配層を後ろ盾とする候補者に圧勝した。マドゥロ政権は民意によって成立したのだ。

 このマドゥロ政権を倒そうとしているアメリカ支配層にEUや「リマ・グループ」も従っている。この「リマ・グループ」は「平和的な移行プロセス」を求めている。その主張を垂れ流す人たちもいるが、それは民意の否定にほかならない。

 アメリカ政府は昨年、ベネズエラ軍の幹部に接触してクーデターに協力するように求めたが、説得に失敗したと言われている。特殊部隊は侵略軍に対するレジスタンスの準備をしているともいう。ロシアの存在もあり、「軍事的な移行プロセス」は難しい状況なのだ。

 しかし、フアン・グアイドなる自称大統領へ権力を移行させるとする意思に変化はない。グアイドは2007年にアメリカのジョージ・ワシントン大学へ留学、新自由主義を信奉している。政権を奪取した暁には私有化を推進、国営石油会社のPDVSAをエクソンモービルやシェブロンへ叩き売るつもりだと言われている。

 グアイドがアメリカへ留学する2年前、アメリカ支配層は配下のベネズエラ人学生5名をセルビアへ送り込んだことは本ブログでも書いた通り。セルビアにはCIAから資金が流れ込んでいるCANVASと呼ばれる組織が存在、そこでベネズエラの学生は訓練を受けた。CANVASを生み出したオトポール(抵抗)!はスロボダン・ミロシェビッチの体制を倒すため、1998年に作られた組織で、ジーン・シャープの理論に基づいて運動していたと言われている。運動の目的は富の略奪だ。

 ベネズエラに限らず、アメリカの支配層は民主的な政権を潰してきた。例えば1953年のイラン、54年のグアテマラ、60年のコンゴ、73年のチリなどで民主的な政権をクーデターで倒している。

 1965年のインドネシアで実行したクーデターではスカルノを排除しただけでなくアメリカ支配層に刃向かいそうな人びとを大量殺戮、カルト化が進められ、その影響は今も続く。

 2011年3月にはシリアへジハード傭兵が送り込まれて戦争が始まるが、シリアのバシャール・アル・アサド大統領は選挙で選ばれている。その前の月にはリビアでも体制転覆作戦が本格化しているが、この国の生活水準はEU並み、あるいはそれ以上だった。

 2014年にアメリカ支配層はウクライナでクーデターを実行、やはり民主的に選ばれた政権を倒している。その手先になったのはネオ・ナチのグループで、このグループは今でもウクライナで大きな影響力を持っている。

 アメリカの巨大金融資本は1932年の大統領選挙でニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが当選するとクーデターを計画した。ファシズム体制の樹立を目指したのだが、これはアメリカ軍の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー少将によって阻止され、その議会証言が記録に残っている。ジョン・F・ケネディ大統領暗殺の背後にアメリカ支配層が暗躍していたと信じる人は少なくない。それを示す事実も明らかにされてきた。

 そのアメリカ支配層は体制転覆を正当化する口実として「民主化」や「人道」などを掲げる。そうした手法を政策として採用したのはロナルド・レーガン時代。「プロジェクト・デモクラシー」だ。アメリカ国内では偽情報で庶民を騙す目的で「プロジェクト・トゥルース」が始められている。こうした心理操作は効果的だった。






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最終更新日  2019.02.06 12:27:08


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