2023.01.09
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テレビドラマ「ひきこもり先生2」、第二回「言えなかったこと」のエンディングに流れていた曲がいいなあと思い、探してみた。行き着いたのはbaobab + haruka nakamuraの「カナタ」だった。ユーチューブでは ここにある 。三つのパートから成り、最初のパート(およそ1分)はギター(古楽器のギターのようだ)だけの伴奏で女性ボーカルがAA"BB"構成(各4小節)のシンプルなメロディを透明に歌う。さらにAはaa'、A"はaa"、Bはba'そしてB"はba"から成っている、つまり2小節ずつ表すと、aa' aa" ba' ba"となり、a、a'、a"はほぼ同じメロディなので、バリエーションらしいバリエーションはbだけということになる。Bの部分ではホルンのような音も入っている。続いて、パート2(およそ4分)は、最初のパートの4分音符を3拍子に変えて12/8の曲にしている。ピアノとギターのアンサンブルで、ボーカルは明るく控えめに弾むように歌っている。パート2の間奏からフィドルとリズムセクションが加わる。僕の限られた民俗音楽の知識では、ケルティックの音楽のように聞こえる。パート2が終わると最初のパートに戻るが、AA"だけで終わる。A"では男性ボーカルのハーモニーが加わっている。

「海は光の先のあなたを隠してしまう、おぼろげな夢の中であの日のよう笑ってみせて」

ある音楽サイト(rateyourmusic.com)によると、haruka nakamuraの音楽ジャンルは、Modern Classical, Chamber Music, Ambient, Instrumental Hip Hop, Contemporary Folk, Impressionismとある。音楽家やバンドにレッテルを張る必要はないかもしれないが、はじめて聴く人にはある程度の指針になるだろう。「カナタ」という曲に僕が感じるイメージは、平和に浸る、自然との親和、言葉に出せない懐かしさ、スピリチュアルへの憧れ、流れて行った感情の切れ端を追いかける、子供の頃の無邪気な遊び。

ユーチューブの 彼のページ に掲載されたbiographyを張り付けておく。
青森出身 / 音楽家
15歳で音楽をするため上京。2008年1stアルバム「grace」を発表。それまで主にギターを弾いていたが、2ndアルバム「twilight」以降、ピアノを主体に音楽を作るようになる。ミュート・ピアノソロアルバム「スティルライフ」「Nujabes Pray Reflections」など、いくつかのオリジナル・アルバムを発表。
最新作はTHE NORTH FACEとのコラボレーションで原宿の新店舗ビルSphereのために四季を通じて四枚のアルバムをリリースするシリーズ「Light years」
2020年より自主レーベル「灯台」を立ち上げ、「灯台通信」で手紙のように自身の言葉を伝える発信を行う。
北海道の馬だけが取り残された島「ユルリ島」とのMVや、ナチュール・ワイン「BEAU PAYSAGE」とのワイン、画家ミロコマチコとのライブペインティングなど多岐にわたるコラボレーションがある。杉本博司「江之浦測候所オープニング特別映像」、CITIZEN「BASEL WORLD」などの映像音楽を手掛け、「早稲田大学特別映像」では大隈講堂で早稲田交響楽団と共演。NHK「ひきこもり先生」「ひきこもり先生シーズン2」、中川龍太郎監督Huluドラマ「息をひそめて」、TVドキュメンタリー「安藤忠雄・次世代へ告ぐ」、任天堂「どうぶつの森」、ポカリスエット「NEO合唱 ボクらの夏」など、ドラマ、映画、CMなどの音楽を担当。
敬愛する写真家・星野道夫の東京都写真美術館写真展にて、星野の写真とピアノによる演奏会「旅をする音楽」を開催。
長い間、旅をしながら音楽を続けていたが、2021年より故郷・北国に帰り音楽をすることにした。


「カナタ」という曲は、haruka nakamuraとbaobabのコラボレーションだ。baobabの ホームページ からも貼り付けておこう。
2004年結成。Maika (歌 / fiddle) 、古楽器製作家でもある松本未來を中心としたアコースティックサウンドを奏でる兄妹ユニット。結成当初より大分県山香町を活動の拠点とし、小さな場から発信する音楽表現、ものづくりや土に根ざした生活の中から生まれる音づくりを続け、二人の音楽的ルーツであるトラッド、古楽、フォークを自由なアレンジとスタイルで生み出している。2007年のニュージーランド全20公演の海外ツアーを経て4枚のアルバムをリリース。自主制作でつくられたアルバムはインディーシーンでロングセラーを記録。CM、映画への楽曲制作も行う。これまでに数多くのミュージシャンとも共演を重ねる。カテリーナの森で、森全体を自らデザインし、自然環境と人、音楽やアートと暮らしの融合をテーマにした音楽祭”Sing Bird Concert"を14年間主催してきた。その活動は多くの共感者を集め、地域からの表現発信の核となっている。写真家・川内倫子とともに映像作品を制作。
2019年、baobab+haruka nakamura名義で「カナタ」を発表。
2022年5月、スコットランドツアーを敢行。
ユーチューブの「カナタ」の解説によると、兄の松本未來(みらい)がギター、妹のMaikaがボーカルとフィドル、そして、haruka nakamuraがピアノ。作詞・作曲はこの3人のリレー方式だったとある。この曲が生まれたのは、baobabの拠点であるカテリーナの森だった。ちなみに、haruka nakamuraには「カテリーナの讃美歌」という曲もあり、これも「ひきこもり先生」の前のシーズンで使われた。





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最終更新日  2023.01.09 05:40:29
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Re:baobab + haruka nakamura(01/09)  
まろ0301  さん
 さっそく聞いてみました。身体中よる年波のためにひびが入っているのですが、そのひびの中に優しく染み入ってくるような音楽ですね。
 だんだんと、聞けない音楽が増えています。ジャニス・ジョプリンなんか完全にダメで、コルトレーンもダメ。今はマイルスとビートルズ。時々、ポールモーリアなんか聞いて、嗚呼。もうだめだな・・と思っています。いい音楽を紹介していただきありがとうございました。
  (2023.01.09 22:27:45)

Re[1]:baobab + haruka nakamura(01/09)  
cozycoach  さん
まろ0301さんへ
試聴していただきありがとうございました。baobabは兄妹が中心となってやっているようで、羨ましいと感じます。同じような感覚で共同作業していける相棒がいて。安全地帯とかサザンなんかはいまだに一緒にやっているようですが、大抵のバンドは分裂してしまいますよね。方向性、音楽性が違ったり嫉妬もあったりして。その点、兄妹というのは存続確率が高いんでしょうか?

年齢とともに嗜好が変わっていくのは当然なんでしょうけど、身体の保守化というのはきっとあるんでしょうね。生物としてもう新しいものに挑戦する必要もない、それよりも身体に慣れ親しんだものをじっくり味わっていこう、というようなロジックが働いてるんでしょうか?それはそれで、その流れに身を任せるのもいいですよね。 (2023.01.10 04:58:53)

Re:baobab + haruka nakamura(01/09)  
ranran50  さん
cozycoachさんも、「ひきこもり先生」ご覧になっていらっしゃったのですね。

日本のドラマは、学園ものが上手だと思います~。

また連ドラで見たいな。

「カナタ」は優しい音楽ですね~。ドラマにもぴったりでしたね。

MVは初めて見ました。こちらもとっても優しいMVですね。

他のものもいろいろ聴いてみました。

少し、Kate Bushに歌い方が似ているのかなぁ~と思いました~。 (2023.01.11 17:17:40)

Re[1]:baobab + haruka nakamura(01/09)  
cozycoach  さん
ranran50さんへ

中学生や高校生に寄り添ってくれるような先生のドラマは割と好きです。特に彼の場合、自分がひきこもりなわけで、それだけ自分の苦しみと生徒たちの苦しみが、すれ違ったり助け合ったりするのは心に沁みます。シーズン3、あるんでしょうかね。ストーリー的には、今回もちょっと行き詰ってるように思いますし、展開が難しいんじゃないでしょうか?

「カナタ」は優しいですね。こういう優しさを多くの人は求めてるんですよね。Kate Bushは少し声に張りがありすぎるように感じます。ちょっと自分のコレクションを探してみましたが、こういう歌い方をする歌手は見つかりませんでした。Sophie Zelmaniの素人っぽさが近いかな?でも彼女の雰囲気は気怠すぎますね。Sara McLachlanは裏声が入りすぎてますし。MVもよくできてますよね。川内倫子という方が作ったようです。 (2023.01.12 10:36:40)

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