全16件 (16件中 1-16件目)
1
美術ファンのブログで、今年のベスト10が花盛りです。負けじとばかり、私も大掃除そっちのけで考えました。1 花鳥-愛でる心、彩る技 半年に渡って、三の丸に通いました。あの情熱は何だったので しょうか?若冲のお墓参りも果たしたし、今年はこれがやはり 一番ですね。2 若冲と江戸絵画(プライスコレクション)展 とくれば、2位は、やはりこれ。東京と京都での展示方法の趣 向の違いも面白かった。九州ではなんと元旦から、始まるので すね。3 ニューヨーク・バーク・コレクション展 思えば、ここでの若冲や蕭白・蘆雪が、今年の日本画追っかけ のプロローグとなったのでした。先日、奈良博で春日曼荼羅を 見てきました。こちらも、今年はここで観たのが始まりでした。4 国宝風神雷人図屏風 出光では伴大納言も忘れられないが、やはり宗達・光琳・抱一 の揃い踏みは圧巻でした。5 応挙と蘆雪 奈良まで2回、通った甲斐がありました。それにしても、仙台 に行けなかったのは、悔いです。6 仏像 一木(いちぼく)にこめられた祈り 国宝十一面観音さま、琵琶湖畔からはるばるお越し頂き、至福 の時をありがとうございます。前期の国宝如意輪観音さまには、 今年、京都と東京で2回も出会いました。不思議なご縁です。7 プラド美術館展 はじめて、洋物です。意外や意外。皆さんおっしゃるとおり、 ムリーリョの無原罪の御宿りが最高。ゴヤの魔女の飛翔は、ブ ラックな世界がいいです。諸星チックで。8 スイス・スピリッツ 山に魅せられた画家たち 何といっても、セガンティーニのアルプスの真昼ですね。竹橋 の近代美術館でも、大原美術館蔵のアルプスに出会えて嬉しか ったです。9 ベルギー王立美術館展 ここのところ、ベルギーの画家に詳しくなりました。マグリッ トの「光の帝国」。脳裏に焼きついて離れません。10 高島野十郎展 今年はじめて知った画家です。「美の巨人たち」での出会いが強 烈でした。ググッと惹き込まれました。 番外編 大絵巻展での鳥獣戯画と大混雑。 最澄と天台の国宝展での六道絵。 江戸の誘惑での北斎の名品。 生誕120年藤田嗣治展での乳白色の絵。 神坂雪佳展での金魚玉。。。。。そのほか多数。来年も楽しみが続 きます。
2006年12月28日
コメント(17)

今年の夏、「そうだ京都、行こう。」のポスターが三十三間堂でした。「父さんが連れて行く京都」と題して、「おい、父さんを尊敬していいんだぞ」「聞きたいことあるか、父さん勉強してきたんだ」「・・・」「いいんだ、分らなくても、まだ今は」とのフレーズが並んでいました。これを見たときから、次はうちの息子も絶対に連れて行こうと思っていました。やはり、あの1001体の千手観音がずらっと並んだ仏教テーマパークの壮観さをぜひ息子に味あわせなくてはと。まずは堂に入って、ズドーンと目に飛び込む観音像。ビジュアル的にはものすごいと思うのでしょうが、USJの人工的な迫力に慣れてしまっている息子は、ああこんなものかという感じ。案の定、このポスターの親子とまったく同じ状況に陥りました。私自身としては、雷神と風神の像を見て、今年、楽しませてくれた、宗達・光琳・抱一の風神雷神図屏風を思い出し、本尊の湛慶作の千手観音坐像の、とても82歳の老人が作り上げたとは思えない端正さにうっとりし、お気に入りの迦楼羅像に再び出会えて大満足でした。
2006年12月27日
コメント(2)

10月に観た内容とほとんど変わっていなかったのですが、今回、印象に残ったのは法隆寺金堂の天蓋です。天蓋とは仏像の頭上にある荘厳具のことです。大相撲の吊り屋根だと思ってください。普段の法隆寺では暗くてよく分からない天蓋が低くおろされていて、じっくりと観ることができました。木製の箱型で、鳳凰と天人などの彫り物が取り付けられています。楽器を奏でる天人に赤く色が残っていたのには驚きました。この天人も当然のことながら、飛鳥風の面長な顔立ちです。
2006年12月26日
コメント(2)

曇り模様の天気の中、レンタサイクルを借り、明日香村を廻りました。明日香村に出かけるのは初めてですが、天気が心配。まずは高松塚壁画館へと出かけました。先月500万人の来館者達成したとのことで、500万何人目かの来館順位。修学旅行の季節などはテーマパーク並みの待ち時間とのことですが、今日はガラガラ。発見当初の現状模写、絵を見やすくするために一部復元をした模写、盗掘口から古墳内部を覗いたところの再現など興味深い展示でした。女子群像、今見ても江戸の浮世絵師が描いたと言われても納得してしまいそうです。玄武、青龍、白虎を確認。素晴らしいのひとことです。朱雀が見当たらないのは残念。盗掘の際に消滅したようです。現在は白虎の絵もかびてしまいほとんど残っていないとのこと。昭和47年の発見から、わずか40年足らずで、千数百年残ってきた絵が消滅してしまうという哀しい出来事。人的ミスもあり、各方面の責任論もいろいろ取り沙汰されていますが、要はこれ以上の破損を防ぐということでしょう。今年から始まった解体補修のため、大がかりな建物が古墳の上に作られ、物々しいことになっていました。↓↓発見当初の高松塚古墳(案内板から)そのあと、石舞台古墳に向かいました。人懐っこい猫がいて、しきりに近寄ってきて、私の足に身体を摺り寄せてきます。玄室の中までついてきて、結局、一緒に古墳を一回りすることになってしまいました。↓飛鳥寺。鞍作鳥の作った飛鳥大仏釈迦如来像。幾度かの火災のため、やけどの跡も痛々しいお顔。ほとんど制作当時の部分は残っていないのですが、よくぞおわしますという思いでいっぱいとなりました。写真は自由にお取りくださいとのことで、のんびり写真を取っていたら、外は大雨。明日香村めぐりは、またの機会にということで、大慌てで駅に戻り奈良市内に出かけました。
2006年12月26日
コメント(0)

5年前発行の単行本。諸星作品は書店で気づくとすぐに購入するのだが、この本はすっかり見落としていて、ネットで見つけてすぐに発注した。唐の時代を舞台にした、著者得意の中国時代劇シリーズ。こちらは、幻想的味わいのある伝奇作品というより、碁を打つ美女剣士「碁娘」の活躍を中心とした活劇もの。碁のシチョウ同様の立ち回りをする翅鳥剣など、囲碁の技に基づく設定。表裏一体となった盤上の戦いと実践の戦い。囲碁好きには思わずにんまりとする作品だ。諸星作品では、唯一、西遊妖猿伝だけは、途中で挫折してコンプリートしていなかったのだが、これを機会に全巻、揃えこととしよう。
2006年12月22日
コメント(2)
![]()
国際情勢には詳しくないため、ミャンマーという国について知っていることは、かつてはビルマといったこと、アウンサンスーチーの民主化運動が弾圧されている程度のことぐらい。そのミャンマーの密林を舞台に繰り広げられる男たちの夢と挫折を描いた作品。読み始めのうちは、登場人物の名前が覚えられずに、混乱していたのだが、後半、密林での200万ドル争奪戦になってからは、いつもの船戸節が炸裂し、俄然、エキサイティングになる。また軍部独裁の政治状況とか、少数民族の弾圧の歴史など巧みにストーリーに織り込む展開はさすが。ミャンマーの歴史と現在の社会情勢のダイジェストが、わざとらしくなく、すんなりと頭に入っていく。無常観漂うラスト。「イラワジ河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。」といった感じで、読後は、すっかり疲労困憊してしまった。
2006年12月21日
コメント(0)
![]()
今年の乱歩賞受賞作。明治初年の東京で起こる大火。それを眺める謎の人力車夫という冒頭。そして、「三年坂で転んだ」という謎の言葉を残して死んだ兄の真相を解明しようと東京に出かけた主人公。ここまでのつかみは上々。幻想的であるのと同時におどろおどろしさも感じられ、これは!と期待したのだが、中途からだんだん、快調なテンポにブレーキがかかってゆく。話の展開が広がりすぎて、理解力が劣っていくのだ。ラストは無難にまとめたのだが、兄の死の真相にも今ひとつ説得力に欠ける終わり方だなぁと感じた。江戸から明治に変わっていく、時代の波に巻き込まれた人々の様子は興味深く読めた。また東京にある坂がたくさん登場し、あの坂だなぁと思いながら読むのは楽しかったが、土地勘が無い人にはさっぱり分らないだろうなぁ。
2006年12月16日
コメント(0)

「トゥルーデおばさん」(朝日ソノラマ)と同時に読む。どちらも、グリム童話を題材にした作品集。少し前のグリム・ブームの時にも、さほど関心がなく、映画のブラザーズ・グリムも見過ごしているのだけれども、この作品集がきっかけで、もう一度グリム童話を読み直したくなった。グリム童話もかなり不条理でダークな世界を構築しているようだ。「スノウホワイト」の方は、12作品。「トゥルーデおばさん」の方は、8作品。「ラプンツェル」を素材にした作品だけ、それぞれに別の話として載っている。ヘンゼルとグレーテル、赤ずきん、七匹の子やぎ、白雪姫、いばら姫、ブレーメンの音楽隊など、おなじみの話をホラー、SF、ファンタジー、コメディなど、いろいろなジャンルに脚色しているが、どれも諸星カラーで覆われていて、ファンにはたまらない。それぞれの作品にかもし出される不思議で不気味な雰囲気が、なんともいえない魅力である。「奇妙なおよばれ」や「七匹の子やぎ」(スノウホワイト)、「Gの日記」、「トゥルーデおばさん」(トゥルーデおばさん)など、迷い込んだ迷路のような場所の中で出会うさまざまな異変や化け物たち。ホラーの伝統に則った作品で、ゾクゾクッとする。身近な現代ホラーとなっている「いばら姫」(トゥルーデおばさん)は、オーソドックスな展開で分りやすく、「夏の庭と冬の庭」(トゥルーデおばさん)のコメディタッチの秀逸な落ちには、感心してしまった。
2006年12月14日
コメント(2)
![]()
イラストレーター山本タカトのおどろおどろしい表紙。てっきり江戸時代のホラー話を紹介した本かなと思ったのだが、実は歴史学者の著者が、さまざまな江戸時代の資料に残る不思議な話から、その実態を推察していくという趣向。たとえば、子どもの神隠しは、天狗の仕業ではなく、性的欲求の犠牲者(当時は男色も日常的だった)だとか、河童の正体は虐げられた生身の人間だったなど。他にも、結局は、現代でも事件になる誘拐・差別・いじめ・児童虐待・老人介護・家庭内暴力・DV・性犯罪・少年犯罪・精神病・・・・などが、当時は狐狸妖怪、幽霊のせいとみなされていたのだ。あるいは意図的にそれらのせいにされたのである。学校(藩校)や会社(お城)での陰惨ないじめ。200年経っても変わらない。今は刀を携帯していないだけよかった。江戸の魔界の現実は、21世紀の現代でも、同じように存在している。いつの世でも最も不可思議で怖いのは、人間の心と行動である。
2006年12月11日
コメント(2)

今年7月にオープンした、箱根芦ノ湖から引っ越してきた美術館。あちらでは、19世紀の絵画の展示が多かったような気がしましたが、青山では土地柄でしょうか、エコール・ド・パリの画家の展示がメインとなっていました。常設展のほか、企画展示として「ミレー、コローとクールベ展」も開催されていました。それにしても、知名度が少ないせいか、日曜日というのにガラガラでした。ぜいたくな空間です。この展示を例えば海外の○○美術館展と銘打って、都美術館か西洋美術館、またはデパートでやったら、間違いなく、ダリやエッシャーと同様、激混みでしょうね。それだけ出展作品の内容も素晴らしいものでした。4階建てになっており、4階はシャガールの作品18点。3階はピカソ、藤田、モディリアニ、ユトリロ、キスリング、ブラマンク、ローランサンなどの作品35点。2階が企画展としてミレー、コロー、クールベなどの作品22点。1階はレストランやショップとなっています。久しぶりにまとまった数のシャガールの油彩を観て、うっとりです。20歳の頃のゴーギャンの影響を受けていることがよくわかる絵から、晩年の絵まで展示されています。愛妻ベラへのオマージュとして描いた「ブルーコンサート」。シャガールおなじみのロバとかニワトリや空を飛ぶ花嫁と同時に描かれた緑のバイオリンを奏でるベラ。亡くなった妻への思いが切々と伝わってきます。「菊の花」。花瓶に生けられた3房の赤と黄色の菊の花。この絵がいちばん気に入りました。濃密だけれども、とても清楚なのです。やや厚塗りで、大きな筆致ですがとても艶やかです。ピカソの「本を読むコルセットを着た女」はキュビズムで分解された少女の絵ですが、やさしく温かみのある分かりやすい作品です。藤田の乳白色の裸婦には、いつ見てもうっとりです。「バラ」は白い花瓶の中に数本のバラの花。ほとんど枯れかけていたり、葉が落ちていたり、折れ曲がっていたりさびしい限りです。しかしながら、背景の白い壁との対比がみごとに表現されています。藤田のワビ・サビの世界の表現でしょう。左右上下のバランスよく描かれたモディリアーニの女性像も捨て難いです。キスリングの「金髪の少女」。緑の木々の前に立つキスリング独特の横長の目の少女。色調はあの磁器のようなつるつるではなく、本当に柔らかい感じが、心地よいです。ユトリロもローランサンもヴラマンクもどれもこれも名品ぞろいでした。企画展のクールベの風景画。どうもクールベのタッチは、モワモワとしたところがあって、近くで見るのは苦手なのですが、ここでの作品はそんなモワモワ感を覚えることなく、快適に眺めることが出来ました。シヨン城の湖畔にそびえる城。ロマンチックです。コローの描く森の木々、バルビゾンの香りたっぷり。実際に目にしたことがなくても、ああ、バルビゾンだと分かってしまう不思議さです。***********神宮外苑の銀杏並木が見頃でした。黄色いじゅうたんです。
2006年12月10日
コメント(10)

遅ればせながら、やっとダリ回顧展に出かけました。平日、夕方が空いているという話で、チケット売り場こそ並んでいませんでしたが、会場内はとても混んでました。特に各ブロックの最初の作品はコーナーということもあって、まさに黒山の人だかり、絵の前にたどり着くまでが大変でした。ダリも印象派やキュビズムの影響を受けたことが分かる初期の作品。なかでも気に入ったのは、「自画像(フィゲラス)」。暗い画面に赤いスカーフ?と眼帯?が印象的でした。「器官と手」という絵のあたりから、シュールになってきます。色も形も踊るようになってきます。何が描かれているのか分りませんが、気持ちが弾む明るく楽しい絵が多いので嬉しく感じます。フロイトの精神分析論の影響を受けているという「早春の日々」。これもがちゃがちゃしていて、なんだか分らないところが、面白いのです。「ミレーの≪晩鐘≫の古典的記憶の増大」は、あの晩鐘の二人の農民の夫婦の形をした巨大な石像を親子が見上げています。寂寥たる世界の果てにたどり着いたという感じを受けます。こういうイメージの作品に胸がときめきます。2階に上がるともうダリの本領発揮。「夜のメクラグモ・・・希望!」、みんな、溶ける溶ける・・・。背景でダンスを踊る二人の小さな人物になぜか、目が釘付けになりました。チラシにもなっている「記憶の固執の崩壊」。私がダリの作品を最初に知ったのは、美術の教科書にあった、ニューヨーク近代美術館にあるオリジナルの「記憶の固執」です。この作品と当時読んだ小松左京の小説「果てしなき流れの果てに」が、シンクロして、私の脳裏に強烈にインプットされました。どうせなら、オリジナルの方を観たかったなぁ。ダリの作品で好きなのは、ガラをモチーフとした一連の宗教的作品です。今回は会場最後に「世界教会会議」がありました。ルネッサンスの巨匠の描く宗教画の荘厳さとシュールな題材がうまく調和して、その迫力に心打たれます。先日出かけた、浦上玉堂の展覧会で、そこにそびえる山々が、屹立する男根に見えたのに対して、ダリの絵のあちこちに萎えるそれが見えたことが、面白かったですね。なお、ダリの絵やオブジェをもっと楽しむなら、こちらもお勧めです。
2006年12月07日
コメント(10)
![]()
一昨年の週刊文春ミステリーベストテンで第1位となった雫井脩介の作品。今までのスピード感溢れるミステリと打って変わって、さわやかな青春小説。マンションのクローゼットに残されていた前の住人のノートを読む主人公の大学生香恵。そこに書かれた女教師のがんばる姿に感銘を受ける。そんな時、香恵の部屋の窓を見上げていた青年と知り合って・・・という展開。残念だったのは、途中から結末に気づいてしまうこと。もう少し鮮やかなどんでん返しで、すっきりとだましてほしかったと思う。ただ、分っていても、ラストでは思わず泣けてしまった。後書きにもあるのだが、作者の身内の小学校の先生の出来事がこの本を書くきっかけになったそうだ。特別の思いがある小説なんだなぁと痛感した。文具店の万年筆売り場でバイトする主人公。文具好きの自分にとって、万年筆に関する薀蓄がでてくるのが楽しい。登場する万年筆のすべてが頭に思い浮かぶ。デルタのドルチェビータ・ミニなんて渋いペンを持つ主人公だ。けっこういい値段だし。
2006年12月06日
コメント(4)

展示作品の半分以上が前回のものと入れ替わっていました。今回の注目作品は、やはり国宝「東雲篩雪図(とううんしせつず)」。玉堂のリズミカルなタッチはほとんど見られず、もわぁっと霞んだ山。雪景色というより氷に覆われた氷山のようにも思えます。そこで、濃い墨で描かれた前景の木々浮き上がって見えるのですが、それがよけいにとんがって、肌を刺す痛みのように感じます。おまけに点々と飛び散る朱の墨。寒さの刃に切られて、血しぶきがあがっているようです。そんな中でも、ふもとの庵には高士が生活しています。そこだけ、わずかな温もりを感じます。とにかく、他の画家では観ることのできないすさまじい絵です。そうかと思えば、「奇峰連聳図(きほうれんしょうず)」というこんな極端な絵も描いています。浦上玉堂恐るべし。さて、前回から気になっている陰陽の表現。多くの絵にそのような表現が見えるのですが、その表現が強ければ強いほど、現実の世界から遠く離れた超俗の世界を表しているという解説が理解できません。何やら逆のようにも思えるのですが。前回、今回と膨大な玉堂の絵を眺めて、彼の小刻みでリズミカルな鋭いタッチ、あるいは大らかな丸いタッチのある絵に、すっかり魅了されました。やはり、音楽なんですね。(12/3まで、会期終了。12/1見学)
2006年12月04日
コメント(4)
![]()
先月末、実相寺昭雄監督が亡くなられた。訃報を聞いた時、思わず、机上に積読状態で置いてあるちくま文庫の「ウルトラマン誕生」を手に取った。(未読)ウルトラ世代の私にとって、少年の頃、夢を与え続けてくれた。自分が年を取るとはこういうことかと感じながらも、寂しい思いで胸がいっぱいになる。今年2月に亡くなられた佐々木守への追悼作品でもある完成したばかりの「シルバー仮面」が遺作となってしまった。今頃、ウルトラの星でにぎやかに宴会をしているのでしょうね御冥福をお祈りします。
2006年12月03日
コメント(4)

先日、汐留の松下電工ミュージアムで「重森三玲の庭」展を観たばかりなので、実際の庭を味わいたく、東福寺へ出かけました。まずは鳥羽街道駅を降りて、東福寺の塔頭「光明院」へ。JR東海の「そうだ京都、行こう」キャンペーンに使われてから、一躍有名になった重森三玲の作庭した波心の庭があります。玄関には、無料拝観は御遠慮くださいとの掲示。大きな竹筒の中に500円コインを投げ入れ、中へ上がります。さほど人も多くなく、落ち着いて庭を眺めるのにはとてもよい環境でした。すぐ後ろで福祉施設の建物建築をしており、大きなクレーンで機材の積み下ろしをしている光景が目に入ったのがやや気になりましたが。苔の山と白砂の間に多くの石が立っています。先ほど観た若冲の五百羅漢を思い起こしました。次に東福寺方丈に向かいます。通天橋を渡る人々でごった返していますが、方丈に流れてくる人はさほどの数ではありません。方丈の四方の庭も重森三玲の作庭です。まず方丈前庭は勇壮な海と島の表現がみごとです。威風堂々とした庭で、眺めていると身体の中に「元気」が沸き起こるような感じがしました。西庭と北庭は市松模様に配置されたモダンな庭です。東庭は立方体に刈り込まれたさつきがおもしろいです。北庭は、点前の方は、緑の苔と敷石がバランスよく配置されているのですが、奥に行くほど敷石の数が少なくなり、やがて消えていきます。これは、水墨画のぼかしを表現したものだそうです。東庭は白砂の中の円柱が北斗七星を表現しています。このような斬新なスタイルの庭園が古刹の禅寺に作られているのが、奇抜な取り合わせで、意表をつくおもしろさです。そのあと、特別公開の龍吟庵に行きます。さらに観光客は少なくなっています。今日観た重森三玲の庭の中では、紅葉もあざやかで、いちばんステキな庭でした。特に西庭の龍吟庭は、龍がとぐろを巻きながら、海中から黒雲を突きぬけ天に昇る様子を表現した姿を表現したものです。他の庭と違って、とても分りやすいです。竹垣も稲妻や雷紋を表していて、楽しいです。方丈正面の南庭は白砂だけで、草木も岩もありません。その上に、一瞬の突風でパッと紅葉が雨のように散っていき、驚きました。東庭は、住職が子どもの頃、山に捨てられて、狼に襲われそうになった時、二頭の犬がその身を守ったという故事を表現したものだそうです。赤い砂が使われているのが珍しいです。
2006年12月02日
コメント(2)

京阪電車深草駅を降り、山側へ10分程度歩くと中国風の赤い門が現れます。ここが若冲が晩年をすごした石峰寺です。本堂の脇を抜けると墓地があり、紅葉した楓の木の向こうに若冲のお墓がありました。三の丸尚蔵館やプライスコレクション展などで、今年一年、大いに楽しませて頂き、ありがとうございますと手を合わせました。さらに奥へ登り、ふたつ目の赤門をくぐると、若冲がデザインし、石工に彫らせた石仏群が目に入ります。野仏のマンガチックな優しいお顔。いつかどこかで見たようなやさしいお顔です。賽の河原とか釈迦涅槃とかそれぞれ、テーマのある場面設定がされています。五百羅漢もとぼけた味わいのある愛すべき姿です。若冲は厳粛で荘厳な表現より、万人に愛される仏の世界を求めたのでしょうね。
2006年12月01日
コメント(4)
全16件 (16件中 1-16件目)
1