音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2010年01月10日
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カテゴリ: 映画



 意味不明な題名ですが、フランス映画です。

映画ジャッジで批評を見たら悪くなかったのですが、日本公開は昨年の5月ですでにDVDも出ています。


DVDで済まそうかとも思ったのですが、やはり劇場で見る方がよいと思い、見に行きました。結論から言うと、なかなか微妙な作品だったと思います。

簡単に言うと、遺産相続のお話です。

 有名な画家だった叔父の残したパリ郊外のイル・ド・フランスにあるアトリエに住む女性エレーヌ(エディット・スコブ)が亡くなる。

その家には、コローの「セーヴル街道」「木陰の門」などの絵画や、アール・ヌーボーの家具など高価な芸術品が多く飾られています。

それらの遺産は、3人の子供たち(シャルル・ベルリング、ジュリエット・ビノシュ、ジェレミー・レニエ)に相続されますが、残すべきか、処分すべきか。

そこから、3人の苦悩が始まっていきます。

 遺産相続に関しては、私も昨年手続きなどをしてみて、なんて非生産的な手間のかかることだと思いました。

この映画のように莫大な遺産を相続した場合には、それはそれは手がかかることだと思います。

ストーリーはそういう意味で単純なのですが、そこに3人のうち2人が中国とアメリカに住んでいるという事情やら、フランス在住の長兄フレデリックの高校生の娘の非行などのエピソードが付け加えられて、物語に厚みを与えようとしていたと思います。

 この映画の呼び物は、オルセー美術館が全面協力したコレクションがみられることだと思います。

私が見たことのない作品ばかりですが、細部が分からないため、もっとクローズアプしてほしかったと思います。

出来なかったのは照明の関係でしょうか。

 映画は、ほとんどがエレーヌの家の中と外のシーンで、変化はあまりありません。

その代り、その室内の美術品を堪能しろということなのかもしれません。

 国に寄贈された家具が、オルセー美術館に展示されているのを見て、フレデリックが「寂しそうだ」と感想を漏らしています。

いままで、身近にあったものが、他人の手に渡るとは、そういうものなのかもしれません。

本来、人間の住居とともに生息?していた美術品が、美術展などの施設に置かれるのがいいのか、問題提起しているようですが、協力がオルセー美術館なので監督の皮肉でしょうか。

 この映画で特徴的な美術品はフェリックス・ブラックモンの花瓶。

日常使っていたもので、この家に住んでいた家政婦エロイーズに譲られる。

それはエレーヌが「花瓶が空だと虚しい」と言っていたことを、子供たちが覚えていたからでした。

この花瓶がなかなか洒落ていて気に入りました。

ブラックモンはほかにもう一点、ガラスの器がありましたがこれもよかったです。

そのほか、オディロン・ルドンの「ドメシー家の装飾画」、ドガの「右足の踵を見る踊り子」という彫刻、ルイ・マジョレルの書斎机「 」、ヨーゼフ・ホフマンの戸棚など、私が知らない物ばかりで、ためになりました。


フレデリック夫妻がオルセー美術館に行ったときに、美術品の修復も描かれていましたが、短くもう少し詳しく見たかったです。

 映画のインパクトは強くなく、映画に出てきた美術品や家具が記憶に残るというのは、どうなんでしょうね。

オルセー美術館側としては成功、映画の制作側は半分失敗みたいなところでしょうか。

 キャストでは、エレーヌ役のエディット・スコブと娘のアドリエンヌ役のジュリエット・ビノシュが本物の親子みたいによく似ています。

また、この映画で一番活躍するフレデリック役のシャルル・ベルリングがなかなかいい演技だったと思います。

それからフレデリックの娘シルヴィー(アリス・ド・ランクザン)が後半大きくクローズアップされますが、それまでのストーリーと脈絡がなく、唐突な感じが否めませんでした。

最後の、どんちゃん騒ぎもそれまでのムードと異なり、余計だったと思います。

 映像は柔らかいタッチで、とても美しいかったと思います。

特にエレーヌの家のなかや、周辺の木々や草花など、柔らかな光に包まれた映像はとても美しく、まさに芸術品並みだったと思います。








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Last updated  2010年01月10日 16時21分44秒
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