音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2017年01月06日
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カテゴリ: ジャズ


ジャズ批評11月号の特集が「ジャズ・ピアノの名盤」と題されていて、ジャズの名盤が紹介されていた。
このような特集というと、ジェームズ・p・ジョンソン、ジェリー・ロール・モートンなど歴史を絡ませた、お決まりの名盤紹介だと思って読み始めた。
紹介するのはアルバムではなくピアニストで、彼らのアルバムを紹介するというスタイルだった。
最初は予想通り進んだが、途中から知らないアルバムが沢山出て来て、

大変参考になった。
その中で、ジャズ・ルネッサンスと題して1990から2000年にかけてのピアニストの名盤が紹介されていた。
このジャンルの最後に、ジョーイ ・カルデラッツォが紹介されていた。
カルデラッオはブランフォード・マルサリスのグループでの演奏を聴いていて、独自のアプローチが気に入っているピアニストだ。
若いかと思っていたら1965年生まれで、50歳を過ぎている。
そのプレイからは想像できない年齢で、意外だった。
そこで掲載されていたアルバムは、彼の名前をタイトルにした2000年にリリースされたアルバム。
スポティファイで色々試聴したら、「HAIKU」(2003)が良かったので、購入しようと思ったが、残念ながら廃盤だった。
この中の「Just One of Those Things」は他のピアニストからは聴かれないユニークなもので、この曲だけでも買う価値があると思う。
仕方がないので、一番新しいと思われる、「Going Home」を購入した。
カルデラッツォの特徴は、スタンダードのアプローチが独特で、いつも新鮮な驚きを与えてくれる点だ。
このアルバムでも、「アラバマに星落ちて」と「マイ・フーリッシュ・ハート」が取り上げられていて、特に奇を衒っているわけではないが、クールでフレッシュなアプローチが楽しめる。
「アラバマに星落ちて」は筆者のデフォルトが『キャノンボール・イン・シカゴ」での演奏なので、バタ臭いキャノンボールの演奏との大きな違いにルーツや年代の違いを感じる。
濃厚な表現ではなく、どちらかというと、とつとつとした表現だが、何とも言えない味わいを感じる。
「マイ・フーリッシュ・ハート」も魅力的なイントロに続く香り高いメロディーがいい。
タイトル・チューンはソロで、温かみのあるタッチがなんとも心地よい。
ブックレットには作曲者がクレジットされていないのが不満だが、スタンダードを除くと自作なのだろうか。
気に入ったのは「Why Me」。
水晶のような透明な冷たさを感じるサンドとクールな佇まいが何ともスタイリッシュだ。
「Manifold」と「Mike's Song」はテンポが速い。
どちらもクールな佇まいだが、内に秘められた熱さが感じられる。
マレットを使ったドラムソロから始まる「Legend」はフリーフォームに近い曲でアルバムの中では異色のナンバー。
ブランフォードの加わった、「I Never Knew」はいつものカルテットの演奏だが、中間部にカルデラッツォの長いソロが入っている。
音数は少ないが一音一音に説得力がある。
ソロのあとは残りの全員が次第に加わり、熱い演奏を繰り広げる。
この演奏を聴いていると、ウエットなテナーに対するクールなピアノのコントラストが絶妙で、ブランフォードがカルデラッツォを高く評価しているかわかるような気がする。
ベースとドラムスはあまり表に出てこないが、確かな技巧でカルデラッツォをサポートしている。

Joey Cardelazzo:Going Home

1.Manifold
2.I Never Knew
3.Why Me
4.Stars Fell on Alabama
5.Legend
6.One Way
7.My Foolish Heart
8.Mike's Song
9.Going Home

Joey Calderazzo(P)、Orlando le Fleming(B)、Adam Cruz(Ds)
Branford Marsalis(ts 2 only)

Recorded at Manifold Recording Studio on August 17-18,2014





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Last updated  2020年09月23日 14時36分25秒
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