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好悪の感情を越えて、圧倒されてしまう。登場人物たちの抱える絶望に、一緒に呑み込まれてしまいそうになる。なかなか、映画の世界から現実の世界に戻ってこれない…そんな状態に陥る映画は久しぶり、という気がする。冒頭が先ず衝撃的で。ニュースでもなく、ドキュメンタリーでもなく、フィクションの背景として震災の映像がスクリーンに映し出されたことが先ず衝撃でした。不意打ちというか。不愉快であるとか、明確な感情が湧く以前に理解できない理由で、いきなり肩を突き飛ばされたような痛み。その行為が受け止められず、感情が無になって呆然としてしまうような感覚に先ず掴まって。どんなにいい映画であっても、今はまだ震災を物語の背景として使って欲しくない、と柊は先ず思ってしまいました。実際に被害にあった場所を撮影に使ったとしても、また、セットを作りだしたのだとしても、どちらにしても自分の中に芽生えた違和感が拭えないまま。震災を、主人公の心象を象徴する映像として選んだのだとしても、柊の心の中には別の痛みが疼いてきます。出来れば、震災とは関わらない設定にして欲しかったです。…ってそのことは別として。暴力的なシーンや、信じられないような発言に思わず目を伏せてしまいそうになるのですが主役の二人、住田と茶沢の容赦ないやりとりに惹きこまれて、最後まで目が離せませんでした。物語の設定、台詞の一つ一つが痛々しいの一語に尽きるのだけど、最後の場面にはぐっとこみあげてくるものがありました。未来が見えなくて、不安に押し潰されそうで、死ぬことを選んでおかしくないような状況にあっても心の中に希望の灯は、ちゃんとともる。灯れる。たとえそれが不確かな、夢みたいな想像に過ぎなくても。一度それを夢見たらまだ生きられる。そんな瞬間を目撃したような気がします。それにしても、痛々しすぎる映画だ…。主演二人の演技は素晴らしかったです。若いからこそ、体現できる世界観かも。次にどんな作品を選んで、どんな役を演じてくれるのかすごく期待してしまいます。 *映画の公式HPは→こちら
2012.01.27
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短編ひとつ読み終えるたび、胸の奥で輝く星が、ひとつずつ増えていく感じ。読み終えた後もその輝きは消えなくて、自分を元気づけてくれる感じ。うまい。うま過ぎる!物語に惹き込む、出だしの一文も。ぴりっと〆る最後の一文も。情景がぱっと頭に浮かんでくる比喩の一つ一つ、その文章も。胸を締め付けるような現実も、せつなさも、ユーモアも、この作品集には溢れていて読み終えてしまうのが本当にもったいなくて、いつまでも森絵都さんの作品世界に浸っていたかった。どの作品が一番好きか、なんて答えられない。どれも好き。それでも、あえていうならユーモアたっぷりの「クジラ見」とか、「クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の…」や「ラストシーン」「母の北上」が好きだなあ…って思います。長編にはない、短編ならではの味わいってあるよなあって思います。それを心ゆくまで堪能させていただいたように思います。至福…のひとときでした 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)……
2012.01.21
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二足歩行型ロボットを見たとき、「中に人が入っていたりして…」って疑った経験を誰もが持っていたりするのではないでしょうか。それをそのまんま、映画に作っちゃうところが「すごいなー」って思います。しかも、中に入っているのがおじいちゃんというのがミソですね。観客はロボット(潮風)の中に鈴木さんというおじいちゃんが入っていることを知っているのでしぐさや行動のひとつひとつにぷぷぷ、と笑ってしまえるのですがそれでも中盤以降は、ロボットが本物だと信じている人達を騙している事態を、どう収拾付けていくのか気になって気になって。なので、ラストはうまくまとめたなあって思います。やっぱり誰も、誰にも憎まれて欲しくないもの。一緒に鑑賞したお客さん達には鈴木さんと同じ年代の方たちが多くて、映画館内には始終くすくす、楽しそうに笑う声が響いてました。そのおかげで柊も映画を観ながら心おきなく、笑うことができました。工業用のロボット等と違って、二足歩行型(人に近い形)のロボットを製作することの意味ってなんなんでしょうね。疑似人間を作り出したいという願望なのかなあ。柊には近未来、SFの物語世界しか想像できないのですが。 *映画の公式HPは→こちら今年最初の(映画館での)映画鑑賞は「ロボジー」になりました。「ヒミズ」も観たいと思いましたが、最初はやっぱり笑いたいかな…と。先日DVDにて「モールス」観ました。「ぼくのエリ 200歳の少女」のハリウッドリメイク版です。 物語など大きく変えられることがなく、ほぼ忠実にリメイクされてました。きれいに、すっきり、よりわかりやすくまとめられた印象です。主人公の少年のその後がオリジナル版よりもはっきりした形で想像させられてしまう感じがより、せつないかなあと思いました。荒削りな印象があっても、柊はオリジナル版の方が好きかも。どちらも、わりきれない、やりきれない感じが鑑賞後も尾を引いてしまうんですけど…。
2012.01.19
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本年もどうぞよろしくお願い致します。明るい話題と、笑顔のたえない、良い一年となりますように。大晦日の夜は紅白歌合戦を家族で楽しみました。久々に紅組が勝ったので「おお!」と思いました。寝坊をして、昇る瞬間こそ見逃したものの一応、初日の出を眺めることが出来ました。そのあと初詣に行き、毎年買う厄よけの鈴と、お札を買いました。おみくじを引いたら「大吉」でした。しんどいと思うこともきっとあるだろうけどもめげずに頑張っていけたらいいなと思います。
2012.01.01
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