全30件 (30件中 1-30件目)
1
![]()
みなさん、こんにちは。環太平洋戦略的経済連携協定に中国と台湾が加盟申請しましたね。まあいろいろ詰め込みすぎたという評価もあるようですがチェン・カイコー印の映画という感じでした。映画空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎を見ました。空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎妖猫傳/LEGEND OF THE DEMON CAT出演染谷将太 松坂 慶子 吉田 羊 阿部 寛 高橋 一生 山寺 宏一 六角 精児沢城 みゆき 不破 万作 六平 直政 東出 昌大 イッセー尾形 金田 明夫 火野 正平監督&脚本チェン・カイコー 1200年以上前、日本から遣唐使として中国・唐へ渡った若き天才僧侶・空海。あるきっかけで知り合った白楽天という詩人(のちの白居易)との交流を深めていく中、世界最大の都・長安の街は、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、王朝を震撼させる怪事件に見舞われる。空海は、白楽天とともに一連の事件を探るのだが、約50年前に同じく唐に渡った、鍵を握るもう一人の日本人・阿倍仲麻呂の存在を知る。仲麻呂が仕えた玄宗皇帝の時代、そこには国中を狂わせた絶世の美女、楊貴妃がいた。極楽の宴、妖猫の呪い、楊貴妃の真実、歴史を揺るがす巨大な「謎」。楊貴妃の命を案じた阿倍仲麻呂は何を知っていたのか?空海と白楽天、二人が辿り着いた真実とは…?海を渡った若き天才僧侶・空海と、中国が生んだ稀代の詩人・白楽天。二人はやがて、歴史に隠された哀しき運命と対峙することとなる。 空海を主人公にした夢枕獏の小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」の実写化。『陰陽師』を空海と白居易でやっている。妖妃ではない、若く美しく優しい楊貴妃の魅力がたっぷりと描かれる。6年の歳月を費やして中国・襄陽に唐の都の巨大セットを建設。楊貴妃が開く宴の様子が豪華絢爛。日本からやってきた阿倍仲麻呂も彼女に惹かれるほどだ。楊貴妃のキャラクターが玄宗皇帝に騙されて死んでしまった恨みを彼女を慕っていた若者が仇を討つ理由になるので楊貴妃は文句なしに美しくなければならない。悪を働く相手との対決がアクションバトルにならず、むしろ謎を解く知的ゲームの部類に入る。白居易と空海の邂逅はおかざき真里さんの漫画『阿・吽』でも描かれ、両作品とも優れた空海に白居易が強く感銘を受けている空海ーKU-KAI-美しき王妃の謎 プレミアムBOX【Blu-ray】 [ 染谷将太 ]楽天ブックス
September 30, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。かじり虫ともいわれる名古屋市の河村市長がコロナに感染しましたね。今日はおかざき真里さんの青年誌連載漫画の完結編を紹介します。 漫画「阿・吽 (14)」(ビッグ コミックス) おかざき 真里 橘逸勢にせよ霊仙にせよ、なぜ物語の途中で彼らの最期を明かしてしまうのか?と思っていたが、物語のエンドがこれならば納得がいく。悉く南都僧に妨害され続けた最澄が死の前日に大乗戒壇の設立を認められ、とある所で空海と会話する場面で終わる。史実では最澄の死を受けて藤原冬嗣、良峰安世、伴国通らが天皇に奏請し、大乗戒壇の設立と天台僧育成制度の樹立について勅許が下りたのは死後七日後である。つまり生前の最澄には良い知らせは届かなかった。橘逸勢という皇后との強力なコネを持ち、三筆繋がりの嵯峨天皇にも気に入られてきた“運がある”空海に対して、予言された通り“運がなかった”最澄が、漫画では最後に追いついた形になっている。 例え人から何と思われようと、最澄はやり方を変えなかった。第一巻から彼の主張は『正しさが世界を救う』であり、そうならない世の中を恐れていた。生は苦であり、だから自分に反対する者も含め全ての者が救われなければならないと信じていた。空海も変わらなかった。最澄との違いを認めながらも、言挙げした約束は全て果たした、傍目には優等生的な生き方である。但し「孤高こそ仏の道の本懐」と5巻で言っていた空海が甥・智泉の早すぎる死を嘆く後日談では、彼もまた情を持たぬ人間でではなかったことが窺える。 両者が登場したのは、桓武天皇が「仏教を大切にすることは良いが、仏教が国家を統治しようとしたことは行き過ぎである」として、国家仏教と政治の分離を行うため遷都をして旧勢力との分離を図ったことにある。しかし年月が経つと最澄の延暦寺も僧兵を多数抱え、白河法皇に「天下の三不如意」と名挙げされ、第一話冒頭にあるように、信長によって焼き討ちされるような、国家にとって危険な勢力と見做される。宗教の教えは腐敗しないが、信者・指導者たちは人間なので変化は避けられない。そしてまた新たな宗教が生まれるという繰り返しによって、人間の真理を求める旅はずっと続いていく。阿・吽(14) (ビッグ コミックス) [ おかざき 真里 ]楽天ブックス
September 29, 2021
コメント(0)
みなさん、こんばんは。フランス1部のマルセイユを退団したサッカー日本代表DF長友佑都が、古巣のFC東京に11年ぶりに電撃復帰するそうです。今日もフレンチ警部シリーズを紹介します。これもフレンチが警視になってからの話です。フレンチ油田を掘りあてるFrenchi Strikees OilF・W・クロフツ創元推理文庫井上勇訳邦題では、まるでフレンチ警視が警察をやめて石油成金になって暮らすかのようだ。いや、あの庭仕事が趣味の彼が?ないない。原題は英語の慣用句で「うまい儲け口にありつく」という意味と実際に石油を掘り当てる話とを両方踏まえている。 ロドニー・ヴェールは弁護士として働くはずが、出征して勲章をもらったことから、平凡な日常に物足りなさを覚えていた。常に冒険を追い求めている彼に持ち込まれたのが石油採掘だ。しかし一攫千金の賭けに身を投ずるなら、辺り一帯を買占め、当人たちも別の場所で生活する必要がある。家長でありロドニーの父親サー・リーは合議制で決めようと提案。賛成したのはサー・リーの甥ジョージ、次男のルパート、反対したのは、長男モーリス。中立の立場にいるのが、サー・リーとジョージの妻ポーリン。モーリスは申し分のない長男だが、それだけにお堅い。ルパートは出征したが、弟のロバートより階級が下で、ポーリンに言わせると“一家の黒い羊”らしい。そして数日後、モーリスの死体が踏切で発見。自殺か事故か、はたまた他殺か。 本来警視になっているフレンチが自ら乗り出す事件ではないのだが、副総監が「風邪ひいてるみたいだから転地療養みたいな感じでちょっと行ってくれば?」と言われ、いそいそと出向く。なんていい上司だ。本来倒叙方式なので、先に事件の真相が明かされ、フレンチ警視が後追いするパターン。ところが本編ではモーリスが死んだ事のみが明かされ、読者はフレンチ警視と同様、何か隠しているらしい関係者の秘密を探っていく。フレンチもいつものこつこつ捜査で「この人が犯人では?」という相手を早々に見つけるが、能力、動機、状況証拠があっても決定的な目撃証言がないためラスト直前までもつれる。さて、あなたはフレンチより先に犯人を見つけられるか?
September 28, 2021
コメント(0)
みなさん、こんばんは。プロ野球、日本ハムでチームメートに暴力をふるい出場停止の処分を受けた中田翔選手が巨人に無償でトレードされましたね。今日もフレンチ警部シリーズを紹介します。ただしこの作品では警視になってますけどね。フレンチ警視最初の事件Silence for the murdererF・W・クロフツ創元推理文庫リデル弁護士はダルシー・ヒースの奇妙な依頼を反芻していた。裕福な老紳士が亡くなり自殺と評決された後に他殺と判明して真相が解明される、そんな推理小説を書きたい。犯人が仕掛けたトリックを考えてくれという依頼だ。何だかおかしい、本当に小説を書くのが目的なのか。リデルはミス・ヒースを調べさせ、ついにはスコットランドヤードのフレンチ警視に自分の憂慮を打ち明ける。サー・ローランド事件の再捜査が始まると、検視審問の評決が覆る。 この話の前に、まずダルシーが熱愛してやまないフランクを迎える所から始まる。このフランク、ダルシーも充分自覚しているように「話に乗せられやすく、自分のものと他人のものの区別がきちんとできない」「ひと目見て気に入るとくだらない物でもむやみに買ってしまう」典型的なだめんずだ。しかし恋は盲目、ダルシーにとっては全ての欠点が「彼には私がいなくては」という強烈な動機になり、ずるずると彼の詐欺に加担することに。やがてフランクが玉の輿の縁を手にしたため縁遠くなったにも関わらず、一途に彼を思い続ける。 まあ本作の登場人物たちの優しいこと!どんなにだめんずでも、自分を捨てていこうとする男でも変わらず愛し続けるダルシーを筆頭に、彼女とフランクを一度雇っていた医師のバートやその患者たちも、二人に多大なる迷惑をかけられたにも関わらず許してしまう。何でそんなに優しい?初犯だから?心に余裕がある人達だ。もうちょっと二人にはお灸をすえてほしかった。
September 27, 2021
コメント(0)
みなさん、こんばんは。体操の白井健三さんが引退を表明しましたね。今日もF・W・クロフツのフレンチ警部シリーズを紹介します。山師タラントJames Tarrant adventurerF・W・クロフツ創元推理文庫本シリーズは倒叙形式のため、我らがフレンチ警視が登場するのは、いつも物語の序盤以降だ。本編でも同様である。そのため「タラントは金がー金と贅沢と、なににもまして、金がもたらす権力がほしかったのである。金のためなら、もし、それが満足するだけ得られるものなら、よろこんで魂とひきかえただろう。」という記述にもあるように、途中までは野望を持った男性がのし上がっていくピカレスク小説のようでもある。手元不如意のタラントが眼をつけたのは、銀行に金を持ち、看護師で薬製造の責任者として適任な女性・マールだった。「娘たちはすすんで、喜んでタラントに拠れこみ、じっさい、時にはそれがあまり手軽すぎて、とまどいさせられるほどたった。タラント自身は、彼女たちに気はなかったーいずれにせよ、たいしては。」と書かれているタラントだから、彼女の篭絡などお手のものだ。彼女はタラントの思惑も知らず、たちまち彼に夢中になる。「ついに求婚だ。マールはそれ以外には、なにもありえないと感じた。ふたりの間には、ほかになにものも、いままで話したり、当面したりしていたなにものもなかった。そうだ、長いあいだ待ちに待ったものがついにやってきたのだ―彼女の生涯の最大の日が。」彼女の協力を得て詐欺まがいの商法で顧客を増やし、既存医薬会社との攻防に至る過程は、企業小説のようだ。そして終幕には裁判が登場し、さしずめ法廷劇である。p192にしてようやくフレンチ警部登場。庭で「してはいけないと知っていることをしていて、ある程度の危険を犯そうとでもしているように見えた」と何とも物騒な登場の仕方だが、要は妻のいないうちに芝を掘り起こそうとしていただけだ。そこに事件捜査の電話が入る。ラスト、フレンチ警部が上司に「終わりよければすべてよしだよ」と慰められる。ををシェイクスピアだ。フレンチ警部に何が?
September 26, 2021
コメント(0)
みなさん、こんばんは。真子様ととかく噂のあった小室圭さんが年内結婚されるとか。今日もフレンチ警部シリーズを紹介します。死の鉄路Death On The WayF・W・クロフツ創元推理文庫「停止! 停止! 線路上に何かある!」複線化工事に従事する見習技師パリーの乗った機関車が停まったときには、すでに黒い塊を轢いたあとだった。そしてそれは彼の上司アッカリーの無残な死体だったのだ。翌朝の検死審問では事故死の評決が下されるが、フレンチ警部が捜査に乗り出すや、事件の様相は一変する。 クロフツが、作家になる前鉄道技師をしていた事はよく知られている。本作はその強みが生かされた。グリンズミード事件(『二重の悲劇』)直後のフレンチ警部は、ブリュッセルに行くことになっていたが、レッドチャーチの轢死事件を調査するよう依頼される。 ロンドンだけでない事件を解決するために“何かと理由をつけて”地方の事件に引っ張り出されるフレンチだが、地方はスコットランドヤードが出張ってくることを、必ずしも快くは思っていない。そのため地元警察との反発を避けるために、いろいろとフレンチは気を遣う。例えばこんな知らない振りも。「フレンチはていねいに応じたものの、腹のなかでは笑っていた。地方からの依頼で捜査に出向くと、きまってこういう調子の前口上を聞かされる。地元の職員が捜査に取り組んだのだが、とても歯が立たないことがはっきりした、と打ち明けられた例はなかった。他の事件で手がふさがっていて、お願いした件には専念できない状態にある、というのがきまり文句なのだ。まあしかし、それは人間としては避けがたいことだ。その点に関して、フレンチは常に地元の人の顔を立てることにしていたし、このやり方はご利益があった。」 しかし地元警察に気を遣っても、それ以外の所から綻びが出てくることもある。活躍を書いてくれるワトソン博士がいないにも関わらず、フレンチ警部は地方では有名人らしい(クチコミ効果?)。チャールズ・ユーイングという貝類学者が、事件に関係する自転車を見ていたことをフレンチに打ち明けにくる。その時にフレンチを有名人扱いしたため、地元のレッドチャーチのロード警視がちょっとむっとする場面があり、フレンチもその事に気づく。 とはいえ、地元警察の捜査が往々にして稚拙であることも確かで、フレンチ警部は密かにこんな事を思っていたりもする。例えば地方警察が見落としていた証拠を見つけた時は「わたしのおこなったこの実地検証の見事さはどうだ!地元の捜査官など遠くおよぶところではない。エメリーがこの梁を調べていないことに、かなりまとまった金を賭けてもいい。かりに調べていたとしても、それが物語っていることに気づかなかったのだ。それに、わたしばかりでなくロードや署長も灯りのことを知っているのに、彼らはその重要性に気づくだけの頭を持っていないのだ。因果なことに地方の警官には、想像力がまるでない!連中がスコットランドヤードに助けを求めるのも無理からぬことだ。」をを、ちょっと自慢気? そうかと思えば「うん、こいつは警告だ。このところわたしは、あまりにも調子にのりすぎていた。その結果がこのざまだ。」と自己嫌悪に陥る。今回のフレンチ警部は、心の葛藤がいろいろと忙しい。
September 25, 2021
コメント(0)
みなさん、こんばんは。林遣都くんがAKB48の大島優子さんと結婚しましたね。今日もフレンチ警部シリーズを紹介します。フレンチ警部と紫色の鎌The Purple Sickle MurdersF・W・クロフツ創元推理文庫 コナン・ドイルの『赤毛連盟』やクリスティの『料理人の失踪』は、一見犯罪とは関係のなさそうな出来事が、後に大事件に繋がっていく。本編も同様である。 映画館の切符売りをしている女性がフレンチ警部を訪ねてくる。誘われるままに深入りした賭け事で借金を作ってしまい、返済のために怪しげな提案をのまざるを得なくなった彼女は、紹介された男の手首に紫色の鎌形のあざを見つけて、変死した知り合いの娘が残した言葉を思い出したというのだ。彼女は更に「最近友達が亡くなったが、実は殺されたのではないかと思っている。そして私も殺されるのでは?と思っている」と言い出すので、妄想が過ぎるのではないかと軽く聞いていたフレンチだが、次第に彼女の話に興味を持つ。 紫色の鎌が凶器?と思わせる邦題だが、犯人の特徴に過ぎない。もっと他の邦題でもよかったのでは。 本編では珍しくフレンチが訴えてきた相手をみすみす死なせてしまい、のっけから後悔にさいなまれる。倒叙ではないので読者にも犯人たちの狙いがわからず、糸口が見つからないフレンチはつい弱音を吐くが、そんな時に彼を励ますのが頼れる奥様だ。別作品ではクルーズに連れていってもらっているが、内助の功の積み重ねを考えると、そんなご褒美では足りないのでは(その時もご褒美ではなく仕事だったし)。 いざという時の切符売りの女性モリーの勇気ある行動といい、本編は女性の強さが目立った。「妻がいなければプロポーズしてたかも」とフレンチ警部が彼女に言う場面も。
September 24, 2021
コメント(0)
みなさん、こんばんは。NHKの桑子アナと小沢征悦さんが結婚しましたね。今日もクロフツ作品を紹介します。フレンチ警部の多忙な休暇Fatal Venture.W.クロフツ中村能三訳 旅行会社の事務員ハリー・モリソンは、行った事がないのに客の質問には何でも答えられるペーパー添乗員。ある時社員のピンチヒッターとしてチャンスが回ってきた旅行先で、イギリス周遊の観光船企画を持ち掛けられる。新規事業なので資金が必要だが、そこでハリーが目をつけたのは「ありとあらゆる旅行をしてきた」と豪語する事業家ジョン・M・ストットだ。幸いストットはハリーを気に入っており、出資に意欲を示す。ところが周遊船の計画はいつしか賭博室を設けた観光船運航になり、完成したエレニータ号によって、アイルランド沿岸の名所めぐりが始まった。モリソンはストットの姪マーゴットに夢中になり、彼女もまた好意を抱くが、一方でストットには不満が溜まっていた。そんな時殺人事件が起こる。 「第一部の語り手ハリーがおバカすぎる」という書き込みが散見された。確かに自分の会社に就職している状態で、有力顧客を他社の出資計画に誘うなんて明らかな裏切り行為である。また、彼は被害者を偶然見つけてしまうが、すぐに通報しない。自分が被害者に悪感情を抱いていたのを知っている人がおり、容疑者になるのを避けるためだ。更に、死体からある人のボタンを取ってきてしまうという怪しい行為を重ねてしまう。うーんやっぱりおバカかも。 今回遂にフレンチ警部の妻が登場!なんと夫と一緒にクルーズ旅行に!えっ、ご褒美旅行?そんなに暇かフレンチ警部。世界は平和なのか。いや、これもちゃんと捜査の一環。というか、妻を引っ張り出すなんてワーカホリックが過ぎるフレンチ警部。「仕事は仕事、プライベートの旅行は旅行!」とちゃんと断ろうよ。エレニータ号はイギリスを周遊しながらも国籍はフランスにしてあるため、限定的にしかイギリスの司法権が及ばない。かねてから賭博船の存在をいまいましく感じていた政府筋から依頼を受けたフレンチ警部が、別人としてエレニータ号に乗り込む。するとそこで事件に遭遇し、結局もとのフレンチ警部に戻る。さあ、フレンチ警部は殺人事件の解決と賭博の阻止、二つのミッションを成し遂げられるのか?
September 23, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。今夜は中秋の名月でしたね。今日もクロフツ作品を紹介します。マギル卿最後の旅Sir John Magill's last journeyF・W・クロフツ東京創元社 本作はフレンチ警部シリーズでも一、二を争う“代表作”らしい。とあって、著者も煽る煽る。「ジョン・マギル卿事件は、フレンチが今までに取組んだ難解な事件中でも最大の難解な事件と言ってよかった」「長いあいだその例を見なかったほどの陰惨な悲劇の、開幕を告げるベルが鳴りだしたわけなのだ」 ところが、当のフレンチ警部はこの事件に乗り気ではない。時系列としては『フレンチ警部と紫色の鎌』から13か月経過という設定。大変な事件をこなしてきたばかりだ。 上司のミッチェル主席警部に呼ばれたフレンチ警部は、ベルファスト駐在のアルスター警察署の部長刑事アダム・マクラングから協力を頼まれる。ロンドンの富豪マギル卿が息子の工場へ出向くといって邸を出たまま、消息を絶ってしまった。北アイルランド警察の捜査では卿の帽子が見つかっただけだった。アイルランドでいなくなったんだからアイルランド警察が探せばいいじゃん!とフレンチ警部は何度も固辞するが、なぜかアイルランド警察は退かない。マクラング警部「われわれの知りたがっていることは、たいていロンドンで探れるのではないかと思います。」アルスター警察署長レイニイ警視「イングランドで計画し、イングランドの悪人どものやった、イングランドの犯罪だよ!ぼくが前にも言ったとおりではないか?」「きみにはロンドンで努力してみてもらう必要がある。ジョン卿の家から、あの男の足どりが辿れるかもしれない。」「“問題はぼくの一番最初の理論に帰ってくることになる―つまり、完全な解答は、ロンドンで見出せるはずだ”という」あくまで謎の中心はロンドン説を唱える。 上司にも言われて渋々捜査したフレンチ警部だが「だいたいに、彼はなじみのない警察と協力して仕事をするのは嫌いだった。常に、こちらは招かれて行っているにもかかわらず、嫉妬が生じた。彼が仕事を手伝ってやっている人たちが、鼎の軽重を問われているように思うらしかった。従って、しばしば暗黙の敵意に当面させられ、それを征服するために、エネルギーの半分をつかわせられるしまつだった。それだけではなく、どんなに好意を持っていてくれたにしても、なじみのない人からは、平成自分の訓練した部下から絵ているような助力は、頼めるものではなかった。」という優秀な刑事故の悩みに加えて「一方フレンチ警部はこの事件の謎の解決はアイルランドにひそんでいると、彼は信じていただけでなく、ロンドンで調べる必要のあることはもうこれで片づいたという気がした。」「フレンチは首を振った。自分には、ロンドンで探り出せることはもうないように思う。そりゃ悦んで引き返して、もう一度やってはみるが、その結果にはほとんど希望が持てない、と彼は言った。」鍵はアイルランド!という考えが消えない。この問答が作中かなりのボリュームで登場。いや、どっちでもいいから早く事件解決を!そもそもイングランドとアイルランドは歴史上の対立もあったので、その辺りを意識しているのかもしれない。『中古』マギル卿最後の旅 (創元推理文庫)KSC
September 22, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。海の向こうで大谷選手の活躍が止まりませんね。今日もフレンチ警部シリーズを紹介します。サウサンプトンの殺人Mystery of Southampton WaterF・W・クロフツ創元推理文庫大庭忠男訳セメント会社ジョイマウントの取締役ブランドと化学技師キングは、経営危機に陥った会社を救うためにライバル会社の工場に忍び込む。セメントの新製法を盗み出そうとしたのだが夜警につかまり、殴り殺してしまう。自動車事故を偽装して死体を始末するが、主席警部フレンチが立ち上がる!ジョイマウント社は近頃業績不振に悩んでいた。というのもライバルであるチェイル社のセメントの方が、遥かに品質がよく、かつ安価なのだ。技術者ならばライバルに負けない製品を作る方に注力すれば良いものを、最初から社長の飲み物に一服盛って鍵を手に入れようとしたり、やり方がおよそ技術者らしくない。切羽詰まっているとはいえ、他人の技術を盗んでそれで満足なのか。大体ライバル社が気づかないとでも?売り出した製品は勝手に調査できるから、同じ成分だったらあっさりばれてしまう。技術競争するよりも、偽装したり盗んだりと犯罪に傾きがちなジョイマウントの社風が大いに心配だ。 さて、今回クロフツは主席警部昇格直後である。出世志向が強かっただけに喜んでいるかと思いきや、元同僚との間に壁を感じて落ち込んだり、なかなか事件の糸口が見つからずカーターに八つ当たりする(こらこら)。というのは、ジョイマウント社、結構頑張るのだ。まんまと秘密を手に入れたと思いきや、やはりあっさりバレて今度は恐喝されるが、それでも何とかして企業存続のために力を尽くす。“企業存続に奔走する”と書いたら池井戸潤作品みたいでいい話のように映るが、そもそもの出発点が間違ってるから!『中古』サウサンプトンの殺人 (創元推理文庫)KSC
September 21, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。アグネス・チャンが48年ぶりに映画出演するそうですね。今日から9日間クロフツのフレンチ警部シリーズを紹介します。クロイドン発12時30分【新訳版】The 12:30 From CloydonF・W・クロフツ創元推理文庫「モーリーは初めて飛行機に乗った。父と祖父、祖父のお世話係が一緒だ。パリで交通事故に遭った母の許へ急ぐ旅であることも一時忘れるくらいわくわくする。あれ、お祖父ちゃんたら寝ちゃってる。―いや、祖父アンドルー・クラウザーはこときれていた。自然死ではなく、チャールズ・スウィンバーンに殺されたのである。」 えっ 何 その裏表紙のノリ?明らかに本編第一章だけ『孫娘、初めてのヒコーキに興奮す』みたいな。「とうとう飛行場だ!」「待ちに待った瞬間が来た!」等々、やたらとビックリマーク登場。子供が第一発見者でこの子の視点で殺人事件を追うのはキツイなぁと思っていたら、第二章から犯人視点に。あれ、いいの?犯人そんなに早く語っちゃって。 いいんです。いわゆる本作は倒叙方式。最初から犯人がわかっている刑事コロンボスタイル倒叙ミステリ三大名作らしい。おや、では犯人が凄腕?絶対ばれない完全犯罪を目論んでるとか? その通り。そりゃ捕まる前提で犯罪なんか犯しません。動機はまあ、所詮読者が共感できるものではないのです。いや、共感したら大変だってば。ただですな。強烈な動機となる結婚したい彼女だが、男が思っているほど脈があるとは思えない。それとも脈ありと思い込む事も男の性格描写の一部なのか。 にしてもフレンチ警部の登場が遅い。第二章『チャールズ資金繰りに悩む』から第二十二章『チャールズ己の運命を悟る』までずっとチャールズが主役。チャールズ日記かこれは!シリーズものだとわかっている読者は第二十三章と第二十四章まで待てるだろうが、お初の人はどうだったのだろう。クロイドン発12時30分【新訳版】 (創元推理文庫) [ F・W・クロフツ ]楽天ブックス
September 20, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。深田恭子さんが適応障害とか。今日は香港映画を紹介します。久々の亜州永影帝ユンファ出演作。映画プロジェクト・グーテンベルク 贋札王を見ました。プロジェクト・グーテンベルク 贋札王無雙/PROJECT GUTENBERG監督&脚本フェリックス・チョン出演アーロン・クォック チョウ・ユンファ リウ・カイチー ジャスティン・チャンポーリン・シュン デオン・チャン ジャック・カオ ジョイス・フォン デヴィッド・ワンキャサリン・チャウ タイの刑務所から香港警察へと身柄を引き渡された男、レイ・マン。世界を震撼させた国際的偽札(贋札)製造集団のメンバーである彼は、仲間の殺人容疑など、数々の容疑で取り調べを受けることになるが、そこにレイの友人を名乗る国宝級の女性画家、ユン・マンが現れる。 レイの保釈を求める彼女に対し、ホー副署長は、今も行方不明となっているチームの首領・“画家”について話すことを要求。そして、 “画家”に最愛の人を殺害され、復讐を誓うホー警部補の前で、レイは自身の“過去”について語り始める。冷酷無比な“画家”の報復に怯えながら。 1995年、カナダ・バンクーバー。苦しい生活を送る恋人同士だったレイとユンは、ともに励まし合い、画家として名声を得ようとしていた。その後、ロクに才能を認められ、個展を開くことになるユン。それに対し、生計のため有名絵画の贋作を手掛けるまでに堕ちたレイ。そんな彼の前に、“画家”が現れる。親子三代にわたり、偽札製造を家業にしながら、逮捕者はなし。「何事も極めれば芸術。心をこめれば、偽物は本物に勝る」と語る彼のカリスマ性に惹かれたレイは、彼が率いるチームに参加する。 “画家”の父と仕事をしてきた原版技師のヤムを始め、管理担当のラム、警備担当のウォン・ポー、輸送担当のセイホイといったエキスパートたち。レイは彼らとともに、アメリカ政府が新たに発行する100ドル札偽造という、前代未聞の計画を進めていくのだった。 幾度にわたる原版製作、紙質やインク、印刷機や透かしの技術などの攻略を経て、ついに偽造100ドル札が完成。メキシコ、キューバ、インド、アイルランドと世界の大物たちと取引を行うなか、黄金の三角地帯を仕切る将軍()との取引に失敗。彼が率いるゲリラなどを相手に、壮絶な銃撃戦が繰り広げられるなか、レイは将軍に囚われていた偽札製造の専門家、シウチンを助け出す。 それから1年後、命の恩人であるレイにシウチンは淡い恋心を抱いていたが、彼はロクとの婚約を発表したユンに未練があった。一方、カナダでの特殊インク強奪事件を機に、マー主教として極秘で潜入捜査を行っていたリー捜査官。彼もまた、ともに“画家”を追っていたホー警部補とのあいだに愛を育んでいた。そして、ついに香港のホテルの一室で、“画家”とマー主教との取引が行われることに。だが、そこには“画家”によって誘拐されたユンとロクの姿もあった。 数奇な物語の顛末がレイの口から語られたとき、“画家”がふたたび姿を現し、衝撃の真実が明らかになる。 脚本はどんでん返しの連続で世界中を煙に巻いた『インファナル・アフェア』のフェリックス・チョン。レイが逮捕され尋問される現在をベースに、レイと“画家”の出会い、ユン・マンとの悲恋の過程である過去が挿入されるため、現在パートで提示された謎が一つ一つ明らかになっていく。そうだよね札だって簡単に偽者が作れてしまうなら、人間だって作れるよね。とはいってもカンボジアであれだけのドンパチをやれば、報復は来ないのか?『院ふぁなる・アフェア』シリーズは3作揃うことで、発端となった女性の愛が注目されるが、もともと男たちの熱いドラマだった。本作もそれに倣ってラブストーリーはなくして男たちの愛憎に限っても良かった気がする。やはり香港映画ファンはユンファの二丁拳銃が見たいのか。 香港電影金像奨(香港アカデミー賞)において、最多となる計17部門にノミネート。最優秀作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・編集賞・美術デザイン・衣装デザインと、『インファナル・アフェア』の記録と並ぶ、計7部門を受賞。プロジェクト・グーテンベルク 贋札王 [ チョウ・ユンファ ]楽天ブックス
September 19, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。香港の良心と言われたリンゴ日報が廃刊になりましたね。今日は台湾映画を紹介します。見に行ってきました。親愛なる君へ 親愛的房客/DEAR TENANT出演モー・ズーイー チェン・シューファン 2020年第57回金馬奨最優秀主演男優賞&最優秀助演女優賞監督&脚本チェン・ヨウジエ 老婦シウユーとその孫ヨウユーの面倒をひとりで見る青年ジエンイー。ただの間借り人であるはずの彼が2人に尽くすのは、今は亡き同性パートナーの家族だからだ。そんな折、病気療養中だったシウユーが突然亡くなり、その死因をめぐってジエンイーは周りから疑いの目で見られる。警察の捜査によって彼に不利な証拠が出てきたため、ジエンイーは裁判にかけられる。。警察の捜査によって不利な証拠が次々と発見され、ジエンイーはついに罪を認めてしまう。それはすべて、大切な“家族”を守りたい一心で選択したことだった。 「血のつながりのない相手となぜ同居したのか?」と聞かれたジェンイーは「もし自分が女性だったらこんなことは聞かれない」と答える。重病に悩むシウユーはもはや働けず、むしろジェンイーが生活費を払っていたくらいなのに“なぜ?”と聞かれるのは、シウユーが不動産を持っていたからだ。他に家族がいなければ疑惑は生まれなかったかもしれないが、母シウユーや兄であるパートナーのトラブルメーカーであった弟が、不動産を売り払う思惑を持っていたからややこしくなる。金が絡むと実の家族でもややこしくなるのに、法で守られない関係はなおさらだ。また、この映画ではあまり表に出てこないが、同性愛者の男性が養父としてパートナーの息子(現時点では異性愛者)を育てることに、よからぬ想像をする大人もいただろう。 ずっと何かを抱えているらしいジェンイー、辛く当たったかと思えば「もう罪の意識は捨てていい」と優しくするシウユーら、彼等の間に何かがあったことを匂わせながら現在の物語は進み、一方で過去の回想が挿入される事で映画最大の謎であるジェンイー沈黙の理由が明かされる。 日本ではパートナーシップ制度ができ、結婚式ができる外国もあるが台湾はまだ法的には映画撮影中の2019年に同性婚の法制度が整ったらしい。“愛しているから一緒にいたい”“愛している人の家族だから大切に思っている”異性愛ならば一般通念として受け入れられるこれらの思いが、同性愛となった途端に“理解できない”とシャットアウトされるばかりか明らかに嘘だと断定される理不尽さに憤る。一方で偏見が厳しければ厳しいほど愛情は純化されていくようだ。台湾映画/ 親愛的房客(親愛なる君へ) <珍藏版> (Blu-ray) 台湾盤 Dear Tenant Collector's Edition ブルーレイ価格:8,000円(税込、送料別) (2023/5/3時点)楽天で購入
September 18, 2021
コメント(0)
みなさん、こんばんは。小林亜星さんが亡くなりましたね。今日から3日間中国&香港&台湾映画を紹介します。映画THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~を見ました。香港映画かと思ったら中国映画でした。THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~THE CROSSING 香港出身の父と中国大陸出身の母を持つ16歳の高校生ペイは、毎日深センから香港の高校に通っている。彼女の母は深センにて麻雀で生計を立てて暮らし、父はトラック運転手をしながら香港で別の家庭を持つ。家族がバラバラで孤独なペイにとっての心の拠り所は、親友ジョーと過ごす時間。2人は北海道旅行を夢見て、学校で小遣い稼ぎをしていた。ある日ペイは家に帰る途中、香港と深センの間でスマートフォンの密輸に巻き込まれるが、すぐにお金を稼ぐことができると知るとお金欲しさに親友ジョーの彼氏ハオにお願いして密輸団の仲間に入り、危険な裏の仕事に手を染める。やがて、密輸団での仕事をこなしていく内に、ペイとハオは自然と親密な関係になってゆく。 越境通学しているために怪しまれることなく携帯電話を密輸できる少女。母親も父親も娘の自分より明らかに大事なものがあり、姉妹のいないペイには本当の家族がいない。そんな少女の寂しさにするりと入り込んでくる密輸団の若者達と彼等を仕切る姉御風の女性。魅力的な友達の彼氏と秘密を持ってしまったことも、この稼業にのめり込むきっかけを与える。 日本の北海道が高校生のプチ旅行先に選ばれる。両親が家庭内どころか実際に別居していて、離婚はしないでそれぞれのパートナーがいる家族構成。母親は怪しげな男に入れあげ家でゲームばかり。遊んでばかりでいいのかと思ったらあれで生計を立てていたとは。麻雀でいくら儲かるんだろう。儒教の国中国も、随分と様変わりしたものだ。ああそういえば中国は共産主義国だったっけ。とっくのとうに貧富の差はあるようだ。ペイが連れていかれるジョーの友達のパーティと、ありったけのスマートフォンを体に隠して冷たい雨の中を走るペイやハオ。格差を飲み込んでこの大国はどこへ行くのか。
September 17, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。長寿クイズ番組アタック25が今年の秋で終わるようですね。今日はフランスの小説を紹介します。きみのいもうとArmandエマニュエル・ボーヴ白水社 表紙絵がまるで子供の人形みたいで、児童書と間違う読者も多いのではないか。著者が『ぼくのともだち』の著者だと知ればそういう誤解はないはずだ。これはオトナの物語だ、但し不完全な。戦争未亡人ジャンヌと暮らしていたアルマンは、自分では何一つ仕事をしていない。いわゆるヒモである。かつて自分も同じ立場だった友人リュシアンと再会し、その妹マルグリットにキスしたことからジャンヌに追い出されてしまう。 金持ち女性に飼われている男性が、貧しい友人の妹に惹かれて真実の恋を知り別れを決意する。こういう流れならば感動する要素はある。しかしそんな純愛ものではない。アルマンはジャンヌの事も本当に好きだったわけではなく、かといってマルグリットへの思いも出来心だ。そんな生き方でどうするの?という自立心のない男は、著者の弟がモデルなのか。 著者の生い立ちは複雑だ。ユダヤ人の父がイギリス人の教養豊かな愛人を作りジュネーヴに移り住むと、エマニュエルもここに引き取られ、以降は知的刺激に満ちた生活を送ることができた。ところが父の恋人に気に入られたエマニュエルに比べて反発した弟は死ぬまで兄にたかり通した。そんな生き方で自分の誇りはないのかと言いたくなるが、それでも生きていけるならいいじゃんと開き直るのもまた強さなのか。世の本質を探究するテツガクが必修科目になっているほど物を突き詰めて考えるフランスには珍しい。きみのいもうと [ エマニュエル・ボーヴ ]楽天ブックス
September 16, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。漫画家のみなもと太郎さんが亡くなりましたね。今日は中国を舞台にした歴史小説を紹介します。非花(はなにあらず)井上祐美子中央公論社 海を越えて届く、中国からの贈り物、黄砂。しかし、中国は、乾いた黄砂だけの国ではない。潤沢な水の流れ-大河-のもとで、多くの花が咲き、人々が暮らしている。女性は、よく花にたとえられる。その艶やかさ、派手さ。香り立つ高貴な様子。可愛らしさ。 だが、盛りを過ぎれば散る花に対し、人はずっと生き続けなければならない。それも花よりも遥かに長い時間を。そして、表に見えている花びらが散れば、そこには何も存在しないが、人は表に見せている貌以外に、その内面にずっと複雑な感情を抱えている。 本篇には、花にたとえられた4人の女性が登場する。寒さの中に咲く梅のごとく、世間の風をものともせず、頑なまでに自分の意志を通す文化人、清照が主人公の「梅花三弄」。「俾延年」に登場する不器用な、意固地な兄に逆らわず、一人でひっそり涙ぐむ小雲は、菊の如し。中でも薔薇の華麗さや、牡丹の艶やかさの外見を持ちながら、その裏に、愚かさ、哀しさ、自分が自分でいたいという強き意志、したたかさ、花が決して持ち合わせないものを持つ、2人の女性を描いた「葛巾紫」「非花」に、最も惹かれた。 そのたたずまいは花のよう。けれど、決して花にはあらず。そんな彼女達の生き方を、しばし愛でてみませんか。非花【電子書籍】[ 井上祐美子 ]楽天Kobo電子書籍ストア
September 15, 2021
コメント(0)
![]()
みなさんこんばんは。国民民主党の山尾志桜里衆院議員が、政界を引退する意向を示しましたね。今日は中野京子さんのエッセイを紹介します。名画で読み解く プロイセン王家12の物語中野 京子光文社新書ハプスブルグ家、ブルボン家と同じくプロイセン王家にも姓はある。ホーレンツォレルン家といい、ホーレンは高いという意味だ。有名人はフリードリヒ大王とビスマルク。前者は国王、後者は鉄血宰相である。 フリードリヒ大王の肖像画、どんぐり眼が可愛いが、眼差しは鋭い。視線の先は亡き父親か。大王は妻帯したが同性愛者である。若き日に彼氏と逃亡を図ったがあっけなく捕まり、本人は塔に幽閉されたまま恋人の処刑を見せられる(が、正視できず本人失神)。いやいや父王、スパルタが過ぎる。怯んで心を入れ替える事を狙ったのだろうが、性癖は簡単に変えられない。むしろ恨みが募る。 仮面夫婦はいたが、妻を殺すような君主はいなかった。近臣結婚で血を絶やすこともなく、他の王家に比べて地味という印象だが、話題がないのはそれだけ真面目に国を富ませる事に集中したと言える。さすが質実剛健のゲルマン魂。鯨飲馬食した君主もいたが、国を傾けるようなヴィッテルスバッハ家や悪い賭けに乗るハプスブルグ家の失敗をよそに、ドイツ帝国誕生までひたすら駆け抜けた。中世の軛から抜けられないヨーロッパ諸国をよそに勢力を伸ばし、地図を次々と書き換えたのは、いつか大国になることを夢見るゲルマン魂だった。明治維新当時の日本もお手本としているので国民気質が似ていたのだろう。 しかし快進撃もここまで。ビスマルクが国際舞台から退場すると、彼の予言通りの末路を辿る。末裔が戦犯として裁かれなかったのがせめてもだ。上り詰めるまでは時間がかかるのに、落ちるのはあっという間の217年(うるうる)。名画で読み解く プロイセン王家12の物語 (光文社新書) [ 中野京子 ]楽天ブックス
September 14, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。ノーベル化学賞受賞の根岸英一さんが亡くなりましたね。若草物語で知られるルイザ・メイ・オルコットが煽情小説を書いていたことを知っていますか?本日はその作品を紹介します。仮面の陰に あるいは女の力 (ルリユール叢書)Behind a Mask,or A Woman’s Powerルイザ・メイ・オルコット幻戯書房 『若草物語』のルイザ・メイ・オルコットが書いた煽情(すごいなこの文字、煽るんだ情!ってカンジで)小説。スリラーとも書いてあったけど、別に誰かを再起不能にするわけでもないからなぁ。違うと思う。 マーチ家がテーマの作品を読んだことがあるが、あのお堅い世渡り下手のおとーさんから生まれた子がこういうのを描くのは、生まれた時から教えられてきた倫理観とかいろんなものをボキボキ折ってきたんだろうなぁ…と思う一方、まあ、プロなんだからオーダーに応じるのもある程度大事だよね、とも。それで頑張ったんだねぇ。 ガヴァネスとして娘一人、息子二人の家にやってきたジーン・ミュアは、瞬く間に兄弟どころかもう一人の相手も虜にする。これが「あら、私ったら、そんなつもりじゃなかったのに~」という言葉通りだったら、薄幸な少女が幸せを掴む韓ドラみたいだが、実は「そんなつもり」まんまんだ。そんな女性はえてして本性を見抜いた同性に嫌われるものであり、そこは王道に沿っている。男性陣はかえって儚げな外見にノックアウト。頼られれば大いに張り切ってしまう。こうなると悪女がのしあがってゆく別タイプの韓ドラみたい。ちょろすぎるぜボーイズ。 ただ、とことん悪女ものとも思えないのは、彼女のエクスキューズを手紙という形で全部残してそれを見るチャンスを相手に与えていることだ。あくまでもタイミングでこうなったけれど、別の道もあったんだよ、と示しているのは、つまりは逃げ道を残している。それに途中でどうしても言いたくなった一言を言っている。つまりパーフェクトな悪女ではない。根底にあるのはガヴァネスや有力な係累のない女性に対する社会の蔑視の視線だったらしいけど、現代感覚なら思惑なんぞ何も言わないで、彼女が去った後で、皆が「実はこうだったんだ!」と悔しがる方が締まりがよかったろうに。それとも、当時の感覚ではこれまでやったことで十分悪女だったのだろうか。仮面の陰に あるいは女の力 (ルリユール叢書 ルリユール叢書) [ ルイザ・メイ・オルコット ]楽天ブックス
September 13, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。メダリストのメダルをかじって全国のひんしゅくをかった名古屋市の河村市長が新型コロナ感染したらしいですね。みんな何を思うのでしょう。今日はあの名作の作者の生涯を描いた小説を紹介します。最終飛行佐藤賢一文芸春秋『双頭の鷲』のデュ・ゲクランしかり、『二人のガスコン』のダルタニヤンしかり、これまで名だたる名士たちを引きずりおろしてきた佐藤賢一が挑むのは、世界的ベストセラー『星の王子さま』の作者サン・テクジュベリ。彼が第二次大戦の最中偵察飛行に出かけたまま行方不明になったことは知られている。『星の王子さま』タイトルロールを地で行くような人生だ。 ならばそれぞれモデルがいたはずだ。自分の星にいながらも棘ある薔薇に傷つけられて様々な星を彷徨うのは、祖国フランスがドイツに降伏して亡命生活を送らざるを得なかったサン・テクジュベリ自身だ。美しいが彼を傷つける薔薇は妻のコンスエロに擬せられる。ならば狐や蛇のモデルも当然いる、と探して見るも一興。帰っていきたい母星はかつてのフランスを指し、身体を置いて自分の小惑星に帰ることを目指す王子とは異なり、テクジュベリは身も心もフランスに戻ることを目指して飛び続けるが結果は史実の通り。祖国フランスへの帰還の念が、名作を生んだとは公言していないが、読者をそう誘導している。 偉人を偉人らしく描かないことで有名な佐藤賢一、今回もテクジュペリを問題のある人物として描いている。複数の女性と交際しながら、妻には自分の決めた場所にいて欲しい。放っておくと浮気しそうだからふらふらされたくないが、一緒にいると息がつまるという理屈は明らかにジコチューの極み。史実には描かれていないが、ある人物と最初にこじれた事が原因で、飛行を止められる。実際は飛行士としての年齢を超過しており、かつ命令違反行動も一度ならずあったためらしいが、当時の有力者に逆らって自分の意思を貫いたとした方が、主人公の戦いをテーマとしやすい。アメリカに亡命して作家生活を送っていれば長生きしたかもしれないが、それは彼の望む生き方ではなかった。彼の体は海の底だが、魂はちゃんと望む場所に帰れたのか。最終飛行 [ 佐藤 賢一 ]楽天ブックス
September 12, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。「ズッコケ三人組」シリーズで知られる作家那須正幹さんが亡くなりましたね。今日はカンボジアの歴史が一家に与えた影響を描いた小説を紹介します。誕生日パーティーDas Geburtstagsfestユーディト・W・タシュラー浅井 晶子 (翻訳)集英社オーストリアの田舎に暮らす、カンボジア移民のキムは、受け入れ家庭の娘イネスと結婚し三人の子供に恵まれて五十歳の誕生日を迎えようとしていた。その誕生日の祝いの席に突然現れた女性テヴィは、少年の頃にポル・ポト政権下のカンボジアを共に逃れた妹のような存在であり、同時にキムが最も会いたくない人物だった。 キムの息子ヨナスがテヴィに出したメールから物語が始まる。「あなたのお父さんは私が来ることを知っているのか」など明らかに乗り気でない反応が文面からも感じられ、誕生日パーティという祝いの席に早くも不穏な空気が漂う。 誕生日に招かれたテヴィが家族の前で「今日があなたの誕生日ではないって誰も知らなかったの?」と暴露する。衝撃を受ける妻、ついに暴露されたと呆然とするキム、様々な思いが渦巻いているであろうテヴィ、何もわからず両親を見つめる子供たちなど、映像が目に浮かぶようだ。ドラマ化すれば間違いなく第一話ラストになる。こっそりと、ではなくわざわざ家族の前で自分だけが知っている事実を暴露するのだから、テヴィには悪意がある。過酷な子供時代を過ごし共感できる所もあるはずで、二人とも大人なのだから、自分の行動の結果が予測できるはずなのに、なぜ言ってしまったのか。 本編は「キムとテヴィの間に何があったのか」というメインの謎を中心に、第一作同様複数の語り手や手段を用いながら、キムとテヴィ、キムとイネスの過去を明かしてゆく。それはただあった事実だけを掘り起こしていくのではなく、折々の彼等の心理状態を掘り起こすことにもなる。特定の個人だけが知っている事実もあり、全てを知るのは俯瞰できる読者のみだ。キムの回想でつづられる過去パートでは、同国人同士で殺戮を行ったクメール・ルージュ時代のカンボジアを抜きにして語れない。作中では断片的にしか触れられていない当時のカンボジアについては、巻末に丁寧な説明がついているので、読了後、読了前どちらかで読んでおくと良い。誕生日パーティー [ ユーディト・W・タシュラー ]楽天ブックス
September 11, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。アマゾンCEOが7月宇宙旅行に成功しましたね。集英社が刊行している語りなおしシェイクスピアシリーズの第二弾を紹介します。語りなおしシェイクスピア 2 リア王 ダンバー メディア王の悲劇Dunber エドワード・セント・オービン小川高義訳集英社 ブリテンの老王リアは、王位を退くにあたって、3人の娘のうちで孝行な者に領地を与えると約束する。甘言を弄した長女と次女に領地を与え、素直な物言いをした三女を怒りのあまり追放してしまう。しかし、信じて頼った長女と次女に裏切られ、流浪の身となる。やがて三女の真心を知り、フランス王妃となった彼女の力を借りて2人の軍勢と戦うも敗れ、三女は処刑、狂乱と悲嘆のうちにリア王も没する。 シェイクスピア四大悲劇の一つ、リア王を現代版でリトールドしたのは『パトリック・メルローズ』で威圧的な父親から虐待を受ける男性の成長を描いたエドマンド・セント・オービン。「現代版リア王の父を持てば書けるはず」と企画を持ち掛けられたのかと思いきや、オービンが売り込んだらしい。ならばリア王はさぞやとんでもない頑固爺になっていそうだが、意外と理性的である。つい先日までテレビ局や新聞社を傘下に収める企業王国を率いてきた男が、そうそう簡単にポンコツにはならないのだ。 国を巻き込んだ領土を巡る争いは、メディアという一つの大きな権力を有する企業のトップを目指す争いに翻案される。いつの時代も様々な欲が人を動かす原動力となり、時には親子の情すら打ち捨てられる構図はシェイクスピア原作と変わりない。原作前半の父王の「どれだけ愛しているか言ってくれ」-まあこれも、いい歳したパパが何を言ってるんだと現代感覚では思う―の姉妹競争から三女追放、その後のリア王放逐まではすっとばしで、いきなり荒野ならぬ人里離れたホームに飛ばされた現代のリア王は、そこを脱出して彷徨う。二人の娘によるリア王放逐も、現代に置き換えてみれば認知症にいきかかった父親を巡る介護問題に他ならない。 コーデリアの死に方が、某国の後継者の死に方とそっくりだった。牢獄も大勢の軍勢も不要で、現代ではあんなもので人を殺せるし王国を倒せる。個人的にはゴネリルとリーガンを翻弄するエドマンドはもっとイケメンであって欲しかった。原作のあまりにもいい人すぎるコーデリアにはエピソードが加えられ、少し身近な存在に。 レビューでは、敢えてオリジナル版の名前を書いているので、誰が誰の役割かは本書を読んでお確かめを。原作を知らない人には巻末に粗筋があり、どの役柄が原作の誰なのかという説明もあるので大丈夫。語りなおしシェイクスピア 2 リア王 ダンバー メディア王の悲劇 [ エドワード・セント・オービン ]楽天ブックス
September 10, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。ジャン・ポール・ベルモンドが亡くなりましたね。今日は花婿がさらわれ花嫁が奮戦する映画を紹介します。ブライド・ウェポンIn The Blood出演ルイス・ガスマン ダニー・トレホ トリート・ウィリアムス ジーナ・カラーノ カリブ海のリゾート、ドミニカ共和国。ハネムーンでその島を訪れ、この世の楽園で最高の時間を過ごしていた新婚カップル、エヴァとデレク。2人を突如、悪夢が襲う。夫デレクが事故に遭い、救急車に乗せられて病院に向かったまま行方不明になってしまったのだ。エヴァは街中の病院を探し、地元警察にも相談するが、デレクの行方はまったくわからない。だが、彼女は決して諦めない。やがて、デレクの失踪に悪徳医師や犯罪組織が関わっていることを知ったエヴァは怒りに燃え、壮絶な逆襲を開始する!エヴァ「終えなければI have to finish this. 」「全ての悪者がいなくなって死んだら頭を休めていい“When all the bastards are gone and dead, only then rest your head." 」マニー「それはなんとも楽しい言葉だね。どこでそれを?That's cheery. Where's that from? 」エヴァ「私はいつも寝る前にこの言葉を聞いていたのI heard it every night before I went to sleep. 」マニー「そりゃまたずいぶんな子守歌だねThat's a pretty shitty lullaby. 」 花婿が瀕死の重傷を負って花嫁が必死で捜索って普通はシチュエーションが逆だろう。しかし邦題のごとき花嫁ならば、見知らぬ外国でもミッションインポッシブルを成功させてしまうのだ。演じるのは全米女子総合格闘技界NO1のジーナ・カラーノで幼い頃から特訓を受けたという設定。家族が誰も結婚式に出席しないという謎の経歴ながら大富豪の息子と結婚した事から彼女自体が疑われてしまうという初っ端から悲惨な目に。 それにしてもこの映画を見た人はドミニカ共和国ってとんでもない国だと思うんじゃないか。何せ国の大統領より強面ダニー・トレホのような町の顔役の方が顔が効くという無法地帯なのだから。ブライド・ウエポン【Blu-ray】 [ ジーナ・カラーノ ]楽天ブックス
September 9, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。上野動物園のシンシンに子供が生まれましたね。今日は実在のダンサーの生涯を描いた映画を紹介します。裸足のイサドラISADORA/THE LOVES OF ISADORA出演ヴァネッサ・レッドグレーブ カンヌ国際映画祭女優賞ジェーソン・ロバーズ ジェームズ・フォックス監督カレル・ライス音楽モーリス・ジャール 12才の少女イサドラは、美と芸術のために一生を捧げようと決心し、結婚をはじめとする社会の既成概念や道徳を否定すると誓った。彼女のダンサー人生は1896年のシカゴを振り出しにして、新しいダンス芸術を追求して渡った欧州で開花する。トウ・シューズを履かず虚飾を廃した大胆で野性的なダンスは、高く評価されるばかりでなく異端視もされた。加えて、未婚の母となりながらも新しい男性と恋愛を重ねていく奔放な生き方は、様々な反響を巻き起こす。 萩尾望都漫画「恐るべき子供たち」(コクトー原作)で結婚間もないエリザベートの夫が、マフラーが自動車の車輪に巻き込まれて事故死する様子が描かれた。それを地で行く亡くなり方をしたのがイサドラ・ダンカン、巻き込まれたのはスカーフ。あまりにも劇的なのでフィクションのように思えるが実話。冒頭回想録を書かせているシーンがあるので生き残るのかと思われたが、きっちり史実に基づいて死ぬ姿まで描かれた。 シンガーミシン総帥の奥様として、舞踊学校までプレゼントしてくれる夫の側でこのまま落ち着けば良かったと思うのは世間一般の認識。彼女には枠にはまった生き方は似合わない。ただメソッドなど確立されたものはないため、彼女のスタイルは一代で絶える。それがより彼女の伝説化を進める事になった。第三者として見るなら“すごい人だね”という感想で終わるが、身内にいたら感情の起伏が激しく振り回されて大変。 絶世の美女と謳われ、情熱のおもむくままに生き、現代舞踏に新風を吹き込んだ不世出の天才ダンサー、イサドラ・ダンカンの半生を描いた作品。イサドラの回想録『わが生涯』とシーエル・ストークスの『イサドラ/愛しき友の肖像』から脚色。 第1次大戦をはさんだ激動の西欧社会を背景に、激しく生きた強烈な個性の女性の姿をダイナミックに描き出している。オリジナルは168分あったが約30分カットされたバージョンが日本で公開。絶世の美女として知られた女性をダンスシーンも交えて演じなければならなかったヴァネッサは大変だったろう。裸足のイサドラ(スペシャル・プライス) [ ヴァネッサ・レッドグレーヴ ]楽天ブックス
September 8, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。菅首相の総裁選不出馬は大ニュースですね。映画オケ老人!を見ました。オケ老人!Gloden Orchestra!原作荒木源出演杏 黒島 結菜 藤田 弓子 坂口 健太郎 左 とん平 小松 政夫石倉 三郎 光石 研 笹野 高史監督細川徹 梅が岡高校に赴任してきた数学教師の小山千鶴は、バイオリンをもう一度演奏したい!という気持ちに駆られ、早速地元でエリートと言われているアマチュア・オーケストラに連絡を取り「入団したい」と伝えると、あっさりOKの返事。翌日、心躍らせながら練習会場の公民館へ向かうが、なんだか様子がおかしい。やってくるのは老人ばかり──。どうやら梅が岡には2つのアマチュアオーケストラが存在し、千鶴が入団したかったオケは「梅が岡フィルハーモニー」(梅フィル)というエリート楽団で、問合せをした「梅が岡交響楽団」(梅響)は老人ばかりのオケだった! 年寄りばかりのアマオケ「梅響」のメンバーは、コンマスの野々村をはじめ、クラリネットのクラさん、チェロのトミー、オーボエのマーサ、ティンパニの棟梁、第二バイオリンのしま子、フルートの真弓センセイ、トランペットのラバウル。音楽は大好きだけれど、演奏はどヘタくそ、オケの練習よりもその後の“飲み会”が楽しみな彼らは、若い千鶴の入団を無邪気に喜ぶ。その姿を見て千鶴は自分の勘違いを言い出せないまま、しぶしぶ梅響のメンバーに加わることに……。さらには、心臓の調子が良くない野々村の代わりに指揮棒を振るはめになってしまう。 「ちょんまげぷりん」「探検隊の栄光」などで知られる人気作家、荒木源の小説を基にした音楽ドラマ。杏さんが映画初主演でバイオリン演奏と指揮にチャレンジ。。ドラマでは千鶴が高齢者演奏者を引っ張っていくけれど、演技の上ではベテラン演技者が初主演のヒロインを引き立てていく逆の構図。「威風堂々」「新世界より」などよく知られている曲が登場するので懐かしい。特に最初はとんでもなかった「威風堂々」が次第に形になってゆく様はベタなりに感動もの。ライバル楽団との和解のきっかけや若手演技派黒島結菜ちゃん演じるロミオとジュリエットばりの若者の恋などエピソードも盛沢山。しかし管つけたままペットを吹くって可能なのか?この頃は幸せ一杯だったんだよなぁと今見るとかえってちょっとイタイ気も。杏子のお相手は学校の同僚の教師坂口健太郎くん。爽やかです。結ばれるのかなぁと思いきや、あっさり自分の夢を追って去っていく。やけになっちゃう千鶴が漫画チック。オケ老人! [ 杏 ]楽天ブックス
September 7, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。4日夜、東京 港区のTBSの敷地内で、タレントのビートたけしさんが乗った車がつるはしのようなものを持った男に襲われたそうですね。今日は太平洋を漂流した実話をもとにした映画を紹介します。アバンダンド 太平洋ディザスター119日ABANDONED出演ドミニク・パーセル ニュージーランドからトンガまで、南太平洋をヨットローズノエルで航海に出た4人の男たち。しかし、その途中で強大な嵐に遭遇し、ヨットが転覆してしまった4人は、海上で助けを待つ。一方、残された家族たちは、4人が遭難したことを知り捜索を願い出るが、手がかりが得られず捜索は打ち切られてしまう。遭難者となった4人は、極限状態へと追い込まれていく。 原題は「放棄された」「取り残された」両方の意味を持つがいずれも内容を正確に言い当てているとは言えない。実話らしいが、船内には短距離無線しかなく、救難信号も届かない、航海に最適な設計がされていないなど、よくこんな船で無謀な航海に出られたものだ。 人気テレビシリーズ「プリズン・ブレイク」で知られ、数々のアクション映画に出演するドミニク・パーセルが主演扱いになっている。パッケージも彼の写真が出ているが、実際の主演は船長のジョンである。まあこの彼が独善的で当然ながらいらんことしいをして他の3人と険悪になる。しかし4人しかいないので、おおよそ頼りない船と装備を頼りに生きて行かなければならない。必要な道具を落として喧嘩になるなどありがちな衝突は生じるが、やがて皆妥協点を見い出して「一生の親友」宣言まで飛び出す。ただその友情もつかの間であり、帰還後の騒動が終わったら独り者のジョンを除いてそれぞれ家族の元に戻っていくそっけなさがいかにも実話である。 救われてからの後日談も映画として描かれていた。119日後に冬の太平洋に漂流した後、ローズノエルはニュージーランドのグレートバリア島に漂着。トンガどころか近海をうろうろしていたことになるとんだ冒険野郎もあったものだ。空腹とはいえ他人の家に押し入り食べ物を食べ家でくつろぐっていいのか。アバンダンド 太平洋ディザスター119日 [ ドミニク・パーセル ]楽天ブックス
September 6, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。パラリンピックも終わりますね。今日は二人の作家と画家の確執の日々を描いた映画を紹介します。映画セザンヌと過ごした時間を見ました。セザンヌと過ごした時間CEZANNE ET MOI/CEZANNE AND MOI監督&脚本ダニエル・トンプソン出演ギョーム・カネ ギヨーム・ガリエンヌ サビーヌ・アゼマ デボラ・フランソワアリス・ポル 1852年の南フランス。銀行家の息子であるポール・セザンヌは、学校でいじめを受けていたエミール・ゾラを助けたことから彼と友人になる。青年となったセザンヌは画家になるべく、詩人を目指して南フランスを出たゾラを追うようにしてパリに向かう。しかしサロンに出品した作品が落選し、美術学校への入学を断られ、さらには父親から援助を打ち切られてしまう。 最初優位だったのは裕福な家の息子のセザンヌだった。ゾラはその名前からもわかる通り、イタリア移民の子として虐められていた。救うのはいつも優位な方。なぜなら余裕があるから。セザンヌがゾラを救った時から二人の友情は始まった。 画家と作家、それぞれに個性がある同志が気脈の通じた親友になるというのは、実話と言えども信じがたい。少年時代の下地あってのことか。映画の中ではゾラが常識人、セザンヌが奔放ないかにも芸術家タイプに設定されている。少年時代の大胆さがそのまま大人になったようなセザンヌは、人づきあいがへたくそでぶつかってばかり。反してゾラはマネの知己を得、知識人として意見を求められるなど、人間関係を広げてゆく。唯一の悩みは子供ができないことだったが、セザンヌの一言に推されて決断する。 お互いの世に出る時期がずれた事で、遅れた側にはいつしか焦りが生まれ、進む者にはいつまでも後ろを走り続ける者がひたすら頑固に見えてしまう。先を行く者はゾラ、後ろでくすぶっているのはセザンヌ。余裕を持って助けられるのは優位に立つ者。今回手を差し伸べたのはゾラだったが、二人が手を取り合うことはなかった。必ずしも嫉妬心が理由とは限らない。一言で言えば“人は変わる”に尽きる。 史実ではゾラが画家を主人公にした小説「制作」を書いたことでセザンヌが怒って疎遠になった事になっているが、映画はその後セザンヌがゾラに会いに行くシーンが登場する。希望的観測ではなく、らしい手紙が現存するらしい。セザンヌと過ごした時間【Blu-ray】 [ ギョーム・カネ ]楽天ブックス
September 5, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。エレキの神様と言われた寺内たけしさんが亡くなりましたね。今日は戦後まもないウィーンを舞台にした映画を紹介します。ジープの4人Die Vier im Jeep / Four in a Jeepベルリン国際映画祭金熊賞監督レオポルド・リントベルク脚本リヒャルト・シュヴァイツァ出演ラルフ・ミイカア ヨゼフ・ヤーデン ヴィヴェカ・リンドフォース マイケル・メドウィンディナン、ポーレット・デュボー 連合国が占領した戦後のウィーンでは、占領国(アメリカ、イギリス、フランス、ソビエト連邦)のそれぞれを代表する4人の軍人が同じジープでパトロールしていた。ある日、彼らはソビエト戦争捕虜収容所から逃げ出した捕虜を捕らえて逮捕する任務を与えられる。しかし、彼らが逃走したカールと彼の妻であるフランツィスカについての真実を知ったとき、助けることに決める。問題は、ソビエト軍曹が上司から命令されていることだった。彼は逃亡者を逃がさないように厳しい命令を下し仲間の憲兵と衝突。このような状況で、カールとフランツィスカは再会し、再び自由に暮らせるのか? ジープの4人の取り合わせは戦勝国である米兵ロング、ソ連兵ヴォロシェンコ、英兵スチュアート、仏兵パスチュール。小さなジープの中でも米ソの対立が始まっている。背後に国家が存在するからかと思っていたが、その後のロングの回想シーンで、終戦間近に米軍とソ連軍が合流する地点で、斥候の任についていたロングとヴォロシェンコが遭遇し、互いに出会えたことを無邪気に喜び合い、2人が友情で結ばれていたことが分かる。 その時木の幹に互いのイニシャルを彫るという恋人同士のようなことをしていた二人が戦後偶然再会したとき、ロングは列車の窓から大きく手を振って喜びを表現していたのに、ヴォロシェンコの態度は全く素っ気のない他人のように変わってしまっていた事からぎこちなくなっていたというもの。人間としての良心が国家の命に優先するか否か?という命題で対立の愚かさ、平和希求を訴えている。 当時マッカーシーの赤狩りが吹き荒れているアメリカでは制作できなかったのでわざわざスイスで制作。ヒロインを演じたヴィヴェカ・リンドフォースは当時イングリッド・バーグマンの後継者として期待されていた女優。【中古】ジープの四人 [DVD]価格:29214円(税込、送料別) (2021/3/24時点)楽天で購入クーポン利用で1780円 楽天総合1位! リネン混ワンピース フレンチスリーブ ウエストゴム 綿麻 リネン混 ワンピース ロング マキシ A ライン ウエストシャーリング ワンピ レディース リネンワンピース価格:2580円(税込、送料無料) (2021/3/24時点)楽天で購入
September 4, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。女優の李麗仙さんが亡くなりましたね。今日は第二次大戦直前のNYを舞台にした小説を紹介します。女たちのニューヨークCity of Girlsエリザベス・ギルバート早川書房ヴィヴィアンのもとにアンジェラという女性から母が死んだという知らせが届く。それと共に「母が死んだ今ならば、父にとってあなたがどんな存在だったか語れるのでは?」と聞かれる。この問いの真意は勿論「あなたは父の恋人だったのでは?」である。それにストレートに答えてしまうとそもそもこの小説が成立しない。アンジェラは「お父さんにとって私がどういう存在だったかは、彼が語るべきことで私にはわからないけれど、私にとって彼がどういう存在だったかは教えられる」と言う。しかしこれもまたストレートな答えではない。何せ本が一冊書けるくらいのお話を、これから彼女はするのだ。最高峰のダイヤモンド『碧洋のハート』の行方を知りたいとレジャー・ハンターに、延々と自分の恋バナを話す『タイタニック』のローズみたいだ。 1940年、第二次大戦前夜のNY。19歳のヴィヴィアンは、グランドセントラル駅に降り立った。名門女子大を追い出され、叔母が営む劇場で暮らすためだ。ペグ叔母さんの下で、ヴィヴィアンは舞台衣装を仕立てるようになる。仕事が終わればショーガールのシーリアと遊びたおした。やがて、戦争で家を焼かれた英国の大女優とハリウッドの悪魔的才能の脚本家が加わると彼らのショーは街じゅうの注目を集める。ところがヴィヴィアンの過ちが、街を騒がせるスキャンダルになり恋人も友だちも居場所も失うことに。 『食べて、祈って、恋をして』の著者が描く一九四〇年のNY。鉄鋼業を営む父、良妻賢母の母、エリート路線を進む兄で自身も「大学辞めたら働きなさい」と言われることのない、大恐慌を経ても生活に困らなかったお嬢さんが、他の世界を見てみたくて飛び出したNYで恋と舞台に熱中になるが、いざ失敗をするとお姐さん達はやさしい保護者の顔を脱ぎ捨て、手厳しい言葉を投げつける。ヴィヴィアンは相当に傷つくが、真摯に受け止めその後の人生を変えていく。軽はずみだが人の助言を受け止める素直さがあることが、彼女の美点。その軽はずみの最たるものがヴィヴィアンのヴァージン喪失で作品中唯一コミカルなシーン。 NYに行ったヴィヴィアンの第二の母親的存在である伯母ペグ、伯母とヴィヴィアンを守り抜く頼れる女性オリヴィア、憎み切れないろくでなしながら才能豊かで彼女とつかず離れずの関係を保つ夫ビリー、ショービジネス界の有名人、虚構取り交ぜ脇役陣のキャラクターが個性豊かに物語を彩る。さて、ヴィヴィアンと手紙の主、そしてその父親との関係は、やはり最後まで読まないとわからないので頑張って読もう。女たちのニューヨーク [ エリザベス・ギルバート ]楽天ブックス
September 3, 2021
コメント(0)
![]()
みなさん、こんばんは。漫画『ベルセルク』の作者である三浦建太郎先生が亡くなったとか。韓国ドラマディア・マイ・フレンズを見ました。いやぁ、いいですよぉ。ディア・マイ・フレンズDear My Friends独身で売れない作家のワンは、母親のナンヒから自分の友達の話を小説に書いてみたらと提案される。小説の取材も兼ねて、一緒に同窓会に行こうと誘うナンヒに対し、「コンデ(頑固な旧世代の人を卑下する隠語)たちの話なんかだれが興味をもつのよ」と拒否反応を示すワン。夫に先立たれた後、息子たちに面倒をみてもらうことに負担を感じ、一人暮らしを決心するヒジャ。毎日、娘たちの家で家事をやり、お金をもらうバイトをしながら、夫のソッキュンが昔言っていた世界旅行をいまだに信じているジョンア。ワンは、いつものように、そんなおばさんたちを言い訳に、自分を無理やり同窓会に連れて行こうとするナンヒに対する文句を打ち明けた。それを聞いてくれる人は、年下の元恋人のヨンハだ。結局ワンは、母親のナンヒ、ヒジャ、ジョンアと共に同窓会に向かうが、向かう途中に車のバッテリーが切れたり、ヒジャが突然トイレに行きたがるなど、紆余曲折があったが、なんとか同窓会にたどり着く。しかし、そこにはより大きな難関が彼女たちを待ち受けていた…。【話数】全16話【演出】ホン・ジョンチャン【脚本】ノ・ヒギョン【制作】tvN(韓国)2016年韓国放送批評賞ドラマ部門大賞2016年第9回コリアドラマアワーズ作家賞- ノ・ヒギョン2017年第21回YWCAが選んだ良いTV番組賞大賞2017年第53回百想芸術大賞 TV部門ドラマ作品賞2017年第53回百想芸術大賞 TV部門脚本賞-ノ・ヒギョン【出演】コ・ヒョンジョン キム・ヘジャ ナ・ムンヒ コ・ドゥシム パク・ウォンスクユン・ヨジョン チュ・ヒョン シン・グ キム・ヨンオク チョ・インソン シン・ソンウダニエル・ヘニー ソン・ドンイル イ・グァンス ヨム・ヘラン第1話30代後半の独身女性パク・ワンは、作家業と翻訳業で細々と暮らしている。母チャン・ナンヒが経営する人気ちゃんぽん店を手伝いながら、店に集まるナンヒの親友たちを実の叔母のように慕っている。ある日、「小説の題材になるから」と母親の小学校の同窓会に付き合わされ、年配者たちの昔話や旦那の悪口を聞かされたあげく、母と旧友であり女優のイ・ヨンウォンの取っ組み合いのけんかを目の当たりにするのだが…。錚々たるベテランを相手にできる女優はそうはいない。コ・ヒョンジョンはその一人。第1話母の同窓会に向かう車の中が既にカオス。後ろからミカンを差し出されたりガンガン音楽鳴らされたりチクチク言われたり会場に行けば“親のすねかじってんのか”と親父に説教されるワン。第2話ナンヒは娘ワンの結婚を望んでいるが、既婚者と、自分の弟のような障害者との交際は禁じている。ナンヒは、ワンの元恋人ソ・ヨンハとなぜ別れたのかを問いただす。結局お互いを非難しながら別れる母子。一方、夫を亡くして独居老人となったチョ・ヒジャは、医者から軽度の妄想性障害と診断された。家事も身の回りの整理も満足に行えず、息子たちに迷惑をかけている自分に嫌気が差し、自殺を決意したヒジャは道路でトラックの前に立つが…。第2話ナンヒとワンの関係は よしながふみ の漫画『愛すべき娘たち』 の麻里と雪子に似ている。前者は母が過干渉で後者は正反対の立場だがずけずけと娘に物言う母というキャラクターがよく似ている。ドンハが長い脚の事を言った時にワンが泣き画面にドンハの全身が映らない理由。第3話老人を専門に撮る写真家がいることを知り、ナンヒたちは無料で遺影を撮ってもらおうと、相手の都合も無視して押しかける。何とか頼み込んで肖像写真を撮ってもらうが、遅れて来たりこっそり来たりと、遺影の撮影すら楽しむ年配者たちの生きざまに、ワンは初めて興味を覚える。一方、ワンは毎日のように元恋人ヨンハとチャットしている。ヨンハは別れた今でも、ワンを精神的にサポートし、ワンもヨンハを心の支えとしている。自殺失敗のヒジャは帰りの車で街灯に目を輝かせ遺影撮影にはしゃぐ叔父&叔母達。次第に明らかになるワンとドンハが別れた理由。長女の夫を大学教授というだけで信頼して深刻なDVに気づかない世界一周に拘るジョンア。ジョンアとヒジャの「テルマ&ルイーズ」オマージュ第4話夫とけんかをして家を飛び出したムン・ジョンアは、ヒジャと一緒に母が入所している老人ホームまで夜道をドライブすることに。しかし車の免許を取って間もないジョンアは、夜道に何かが飛び出してきた時、助手席のヒジャに「右側を」と言われアクセルを踏み込んでしまう。2人は路上に倒れた老人を見て怖くなり逃げ出すが、後日、連れ立って自首をする。一方ワンは、ジョンアとヒジャが事故を起こしたと知るが…。同じ年で仲良しの二人が引き起こしてしまった事故。ワンは知っても母親ナンヒには言わずスニョンの夫のDVを知ったチュンナムとヨンウォンもその事をスニョンの母ジョンアには言わない。皆が一つの家族だが全ての秘密を共有せず優しい。第5話ヨンハは、3年前ワンにプロポーズしようとした日に事故に遭う。倒れているヨンハを目の前で見て、その場で声も涙も出ず、なすすべもないワン。両足に障害を負ったヨンハは、ナンヒのために別れるが、互いを忘れられずにいる。一方、ナンヒの先輩オ・チュンナムは、今まで家族に尽くす人生を送っていた。そんなチュンナムは、同窓会で再会したイ・ソンジェとデートをすることになり、久しぶりのデートに心が躍るのであった。「60にして天命を知る」なんていうけれど未だに悩みは尽きない60~70代の彼と彼女達。自分より先に死ぬ老人を嫌い若者を支援するものの利用されているだけにすぎないと知るチュンナム。闘病の事実を隠し明るく振る舞うヨンウォン。後から知らされ自分を責めるナンヒ。第6話娘であるスニョンが婿から継続的に、暴力を振るわれていることを知るジョンア。婿に殴られ傷だらけになったスニョンの写真を、夫ソッキュンに見せる。ソッキュンは婿を訪ね問い詰めるが、証拠はあるのかと突き放される。ソッキュンは弁護士のソンジェに相談を持ちかけ、婿をこらしめるための計画を練る。また、ワンと出版社代表のハン・ドンジンのキスを目撃したチュンナムは、「ワンが不倫をしている」とナンヒに知らせるのであった。遠景浜辺で戯れるワンとナンヒの親子、近景で貝を握りしめて逝く母を見送るジョンア、二組の母子。痴漢にあったスニョンを責めるソッキュンは 「82年生まれキムジヨン」 で男子生徒に追いかけられた主人公を責めた父とは異なり熱くリベンジしていたが生前は知らされず。第7話ソッキュンはソンジェと共に録音した音声ファイルを聞かせて、長女に暴力を振るった婿に5億ウォンを出させることに成功する。婿は二人が去ったあとソンジェが本物の弁護士だと分かり落胆する。また、ジョンアは母親の葬儀が終わった日、親友たちと海へ散骨しにいく。そんな姿にワンは母と友人たちの話を小説にしようと決意するのであった。一方ナンヒは、既婚者でありながら娘ワンに手を出したドンジンに激怒する。ジョンアの母の葬儀に集まるオンニたちのシスターフッドもいいけどこちらのブラザーフッドもなかなか。娘の前では決して怒りを見せないが婿に怒り心頭のソッキュンが弁護士ソンジェの理性的な説得の合間を縫って悪口雑言し留めは自慢の車に傷。まるで少年みたいだ。第8話ナンヒは、娘の不倫を終わらせるため、ドンジンの会社を訪ね職員たちの前で怒鳴りちらしてとっちめる。それを知ったワンは、これ以上自分の人生に干渉するなと、戦う決意を固める。そして6歳の頃の親子心中未遂について、初めてナンヒを問いただす。ソッキュンは娘からの示談金のお礼メールに上機嫌。一方ジョンアは、家の名義が知らない間に自分から移行していたことを知り、ソッキュンとの離婚に動き出すが…。綺麗な大人の別れ方をしたのにナンヒがぶち壊したと聞いて怒るワンはタイトルでもある小説を書く決意を。常に人を裁く側だったナンヒが幼い頃娘を道連れに死のうとした事を問われて絶句。恋人を捨てた理由も常に母親のいうことを聞く良い娘であったからでは?と悩むワン第9話“私は母さんの所有物?”とナンヒに言い放ったワンは、ヨンハを捨てたことまでナンヒのせいにしたがっていたことが、自分のエゴであったことに気付く。ヒジャとの友情と、ソンジェへの恋心の間で揺れるチュンナム。結局友情を優先し旅行を勧め、ヒジャとソンジェはチュンナムの計らいで旅行にいくのであった。一方ワンは、ヨンハを置いて韓国へ帰り、3年も彼の元へ戻らなかったことについて、なぜ何も言わなかったのかヨンハに尋ねると…。タラを買いに出たまま犬につられて自宅まで帰ってきてしまったヒジャ。少しずつ認知症が。「私は母の所属物じゃない」ワンの遅すぎる独立宣言。ソッキュンの「最後の日々」の解釈が違うが敢えて指摘せず着々と準備をするジョンア。友情を選んで仲良しの二人。第10話決死の想いでスロベニアまでヨンハに会いに行ったワン。楽しい時間を過ごした二人だが、ヨンハはワンが戻らないことを想定して二人の関係に期待はしないと告げる。それに対し、ワンはナンヒがどんなに反対しても必ず戻ると約束して帰国する。ジョンアは離婚を決意しソッキュンの親の祭事を済ませた朝、ついに家出を決行した。一方、若者好きなチュンナムは体調を崩して倒れるが、支えたのは老いた友人と老いた親戚だった。こんな時じゃなければ訪れてみたい美しい国スロベニアで復活愛。50年越しの朝日を眺めるヒジャも美しいが記憶喪失が次第に深刻に。夫の着替えまできっちり準備してジョンアが遂に家出を敢行。チュンナムの危機にトラクターでかけつける逞しきお婆ちゃんサンフン第11話母とその友人たちをモデルに小説を書くと決めたワンは、インタビューを試みる。話を聞いたワンは、当初の美しい話にまとめる計画を捨て、苦労話が詰まったありのままを描くことにする。一方、ソッキュンはいなくなったジョンアを探しあてるが、相手にされない。だが、そのうち帰るだろうと高をくくっている。認知症の傾向があるヒジャは、夜中に街中を徘徊する。そしてチュンナムは、自分をのけ者にした教授たちに復讐を果たす。美しい話より真実を書こうと決意するワン。足の悪い息子の足をもんでいたサンフンに異変が。韓国にもいた橋田寿賀子(そっくり!)ギジャが半生を盛って語るシーン面白すぎる。危ない深夜徘徊が始まるヒジャ。チュンナムの復讐相手の教授役がソン・ドンイル。第12話チュンナムは残りの人生は友達全員で同居しようと、自分の家にみんなを集めてお試しの一泊を計画する。ソッキュンは妻に対して自分が重ねてきた過ちを自覚し、ジョンアの気持ちを何とか取り戻そうと努力する。そして、ワンに自分の本音を聞いてもらう。また、牧師から教会の防犯カメラに写っているヒジャの様子を見せられ、認知症の傾向が出ていると知ったソンジェは、ヒジャ宅の防犯カメラで様子を観察することに。調子よい教授達と決裂?と思わせて姐御っぷりを発揮する韓国のマザーテレサチュンナム。愛してやまない最初の夫(冬ソナユジン のパパ)との再会を切り上げるヨンウォン。夫の非難には反論する韓国のテルマ&ルイーズジョンア。ヒジャの夜空腹の理由は徘徊にあり。第13話ソンジェは医者にヒジャの症状を告げ、ヒジャが認知症になったことが確実になる。信じられないチュンナムは、ヒジャ宅に泊まりその様子を目の当たりにする。友人たちはみんなショックを受ける。ソッキュンはおかずを作りジョンアを訪ねるが、一向にジョンアの気持ちは収まらない。一方、自分が肝臓がんの疑いがあると診断されたナンヒは動揺を隠せない。そんな時、ギター男イ・イルに誘われるままデートをするのであった。親も元気で別居がいいと思っている子供達にやがて知らされる病。若者の説得は性急で自分の主張をぶつけるだけだがオトナの説得はただ黙ってジョンアが納得するまでの時間を一緒に過ごす。認知症になって出るヒジャの長男への贖罪の思いと病を知って生まれるナンヒの恐怖第14話ナンヒは肝臓がんの末期と診断され、ヨンウォンもナンヒを紹介した医者から連絡を受ける。ヨンウォンからナンヒの病名を聞かされたワンは衝撃を受け、ナンヒを診た医者に会いに行く。一方、認知症で行方不明になったヒジャ。ソンジェはヒジャの捜索を頼んでいた部署から、発見の知らせを受ける。ソンジェは、ヒジャの居場所に確信をいだきチュンナムたちと駆けつけると、昔亡くした長男をおぶっているような格好で発見された。ヒジャの失踪に息子は文明の利器監視カメラに頼り切っておろおろするばかりでフレンズ達が大活躍。ナンヒの病気を知り最愛の元夫との再会を涙ながらに諦めるヨンウォン(そしてその事を言わない)。おじさまおばさまの友情が熱すぎる第15話ヒジャは認知症と診断されるが、息子夫婦に迷惑をかけたくないと一人暮らしを希望する。手術を控えたナンヒはワンと小旅行に行くが、ワンの携帯を盗み見てしまいワンとヨンハの絆を思い知る。ナンヒはヒジャの病を知り、お互い病人同士と慰め合う。ワンはヨンハにナンヒの病を知らせ、スロベニアには行けなくなったと告げる。ヒジャは自宅で失禁してしまい現実を受け入れる。そしてナンヒの手術の終了した時に、ヨンハが姿を現した。誇り高いからこそ皆に気遣われ面倒を書ける状態が許せないヒジャ。ワンとドンハの再会場面は台詞一切なし。現れたドンハに一瞬驚き笑顔を見せるも振り切って手術室に向かうワン。ワンに笑って見せるも通り過ぎる彼女を見送り下を向いて諦めの寂しい笑顔を見せるドンハ。最終話ナンヒの手術は成功したが、ヒジャの病は進行する。ヒジャは自ら老人ホームへの入居を望み、みんなで暮らすのが夢だったと涙する。ヨンハとの交際を認めたナンヒは、親の犠牲になるなと、嫌がるワンを強引にスロベニアに行かせる。老人ホームを飛び出したヒジャはナンヒたちを呼び出し旅に出る。そしてこの後、キャンピングカーで本格的な旅を始めた。ワンはそんな年配者たちを見るにつけ、彼らも全力で精一杯生きていることに気付く。ナンヒの病院に行ったことも忘れたヒジャを刺激しないように宥めたり韓国版テルマ&ルイーズやりたいと言い出した彼女のために午前3時に起きて車を走らせたり彼女たちの愛情が熱い。やっとドンハとワンの中を認める(が俗物なところは変わらない)ナンヒ。素晴らしき友情に乾杯。ディア・マイ・フレンズDVD-BOX1 [ コ・ヒョンジョン ]ディア・マイ・フレンズDVD-BOX2 [ コ・ヒョンジョン ]楽天ブックス
September 2, 2021
コメント(2)
![]()
みなさん、こんばんは。ラムダ株を日本に持ち込んだのは五輪関係者らしいですね。そしてそれが7月にわかっていたのに隠蔽していたとか。今日はモノクロとカラーに切り替わる映画を紹介します。婚約者の友人FRANTZ監督&脚本フランソワ・オゾン出演ピエール・ニネ パウラ・ベーア 第73回ベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞) 1919年のドイツ。婚約者のフランツが戦死し悲しみに暮れるアンナは、フランツの墓に花を手向けて泣いているアドリアンと出会う。フランツと戦前のパリで友情を育んだと語る彼に、アンナとフランツの両親は次第に心を開いていく。やがてアンナがアドリアンに婚約者の友人以上の感情を抱いたとき、彼は自らの秘密を明かし……。第1次世界大戦後のドイツを舞台に、戦死した青年の友人を名乗る男性と、残された婚約者や遺族の交流を描く人間ドラマ。エルンスト・ルビッチ監督作『私の殺した男』の基になった戯曲を、フランソワ・オゾン監督がアレンジ。ドイツ出身のルビッチがフランス人の青年の視点から描いたのに引き換え、オゾンは恋人を失ったドイツ人女性の立場から描く。それぞれがかつての敵国サイドに立って映画を撮ったというわけだ。 フランソワ・オゾン監督は映画をモノクロとカラーに分ける。単純に過去=カラー、現在=モノクロとしたのかと思いきや、現在ある時点でいきなりカラーに変わる。ではヒロイン・アンナの心象風景ということか。色の意味は視聴して是非確かめて欲しい。 ヒロインを主人公に据えたため、ルビッチよりもロマンス色が前面に出ている。最初は終戦直後で「ドイツ人何するものぞ」だったフランツの父親が生前の彼を語るアドリアンに軟化し、母親はアンナがこのまま独り身でいるよりはと、ドイツ人でアンナに言い寄る地元の男よりも彼と一緒になることを望む。アンナもぐいぐい押してくるドイツ男より控えめで影のあるアドリアンに惹かれていき、彼もまんざらでもなさそうに見える。だがここでアドリアンが主役でないことが災いし、彼が本当は何を考えていたのかがアンナともども視聴者にわからないため、二人のロマンスの行方がわからなくなってしまう(いい意味で)。苦悩しながら国を越え愛を貫くといえば聞こえはいいが、簡単ではない。果たして…。 視聴して心に残るのは、男の脆さと女の強さ。そして脆いからこそ男を愛し、強いからこそ女を愛した一組の男女。婚約者の友人【Blu-ray】 [ パウル・ベーア ]楽天ブックス
September 1, 2021
コメント(0)
全30件 (30件中 1-30件目)
1