inti-solのブログ

inti-solのブログ

PR

×

カレンダー

コメント新着

nordhausen@ Re:政府の方針を押し付けるのが教育基本法の趣旨だということか(05/23) New! 仰るように、辺野古の事故では船を運航し…
inti-sol @ Re[1]:目詰まりではなく不足だ(05/22) マルダリッグさん 商品がない、そういう…
マルダリッグ@ Re:目詰まりではなく不足だ(05/22) 昔ソ連など旧社会主義国が、商店に商品が…
nordhausen@ Re:その昔、公務員叩きが流行したことがありましたが(05/25) ところで、北海道新聞2026年5月12日記事で…
2010.11.18
XML
テーマ: ニュース(96636)
カテゴリ: 政治
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101118-00000060-jij-pol



仙谷由人官房長官は18日午前の参院予算委員会で、自衛隊について「暴力装置でもある」と述べた。質問者の世耕弘成自民党幹事長代理の抗議を受け、直後に発言を撤回したが、野党から批判が強まりそうだ。
発言は、防衛省が関連行事の来賓に政治的発言を控えるよう求める通達を出したことに関する質問への答弁。仙谷長官は「公務員の世界では、(言動に)政治的中立性が求められる」と指摘、「暴力装置でもある自衛隊、軍事組織でもあるから、シビリアンコントロールが効かなければならない」と語った。
これに対し、世耕氏は発言の撤回と謝罪を要求。仙谷長官は「不適当だった。撤回して実力組織と言い換える」と述べた。

-------------------------

謝罪するところが違うだろう!と言いたい。「暴力装置」は、当たり前の事実を当たり前に言っただけなのに、何でそれを撤回してしまうのでしょうか。
確かに、なんの修辞も言い換えもない、「むき出しの事実」を表現した、ある意味ではキツイ表現ではありますが、しかし政治学上の一般用語ですよ。
マックス・ウェーバーの 「職業としての政治」 において(現物を読んだことはないのですが)、国家の定義とは合法的に暴力装置を独占していること、とされています。これは基礎的な社会学・政治学用語です。高校の現代社会か政経の教科書に載っていなかったかなあ、少なくとも大学の一般教養レベルでは習ったはずです。ここでいう暴力装置とは、何も軍隊だけではなく、警察もその範疇に含まれます。当然自衛隊や海上保安庁もそうです。



で、恥の上塗りをしているのがヒゲの隊長こと自民党の参議院議員佐藤正久。 ツィッターで、こんなことを書いています。

マックス・ウェーバーによる「暴力装置」とは「軍隊・警察は国家権力の暴力装置である。国家から権力奪還するためには社会の中に新たな暴力が組織化されなければならない」と暴力革命を是とし、国家は悪であるとの認識では?仙谷官房長官がこの考えであれば、マルクス主義から脱却していないの?

-------------------------

前述のとおり、私はマックス・ウェーバーの、「暴力装置」の語源となった「職業としての政治」は読んだことはありませんが、大まかな趣旨は先にリンクを張ったWikipediaの記事のとおりですので、佐藤正久のこの言い分がデタラメだということは分かります。付け加えるなら、マックス・ウェーバーは革命家でも社会主義者や共産主義者でもなく、むしろマルクス主義に対しては敵対的だったはずです。

で、仙谷由人の発言に批判点がないかというと、そんなことはありません。ただし、それは「暴力装置」なんて言葉ではない。

「暴力装置でもある自衛隊はある種の軍事組織でもあるから、シビリアンコントロール(文民統制)も利かないとならない」
・・・・・自衛隊が暴力装置であることは事実ですが、「軍事組織」ではないというのが歴代日本政府の公式見解であったはず。いや、もちろん事実としては「ある種の軍事組織」というのは、まったくそのとおりなのですが、事実であればどこでも何でも口にして良い、というものでもありません。少なくとも政府の中枢にいる人間が国会でそれを言ったのでは、自衛隊は軍隊ではない、という公式見解はどうなるの。
ところが、仙谷は「軍事組織」は撤回せず、「暴力装置」を撤回して「実力組織」に言い換えてしまった。撤回するところが違うだろう!!!

ところで、この発言は、 この事件 を巡るやり取りの文脈の中で飛び出したようです。

「政治的発言する人、行事に招くな」防衛省、幹部に通達


通達は10日付。「隊員の政治的中立性の確保について」と題し、同省や自衛隊が主催したり、関連施設で行われたりする行事に部外の団体が参加する場合(1)政治的行為をしているとの誤解を招くようなことを行わないよう要請する(2)誤解を招く恐れがあるときは、団体の参加を控えてもらう――の2点を指示している。
きっかけとなったのは、今月3日に埼玉県狭山市の航空自衛隊入間基地で行われた航空祭。同基地を支援する民間団体「入間航友会」の会長が式典で、尖閣諸島沖での中国漁船の衝突事件の対応を取り上げ「一刻も早く菅内閣をぶっつぶして」「民主党政権では国が持たない」とあいさつした。これに民主党議員の一部が強く反発したため、防衛省の政務三役が通達を出すよう指示したという。

-------------------------

これは、二つの問題があります。自衛隊が公式に開催する行事において、外部から招待した来賓の挨拶とはいえ、このような発言が許されていいはずがありません。立場が逆で、何年か後に自民党が政権を奪還したときに、自衛隊の公式行事で「内閣をぶっつぶして」などと来賓が挨拶したら、それを認めるんですか?という問題です。
まさしく、自衛隊は他の様々な行政機関と違い戦闘実力を持つ暴力装置です。それが、法の定めにより選挙で選ばれた政権に対して「ぶっ潰せ」などと発言することは、クーデターの煽動と言われても仕方がないでしょう。かつて、三島由紀夫は市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地で「決起せよ」と演説をぶった、それと何も変わりませんよ。

そうではなくて、「民主制度に相反する言動、文民統制を侵す言動、クーデターの煽動は行わないように」と、対象を明確にした通達であるべきだろうと私は思います。

とろこで、余談ですが、自民党の石破茂元防衛大臣も、「暴力装置」という言葉を使っているようですね。

http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu090414d.html

破綻国家においてどうしてテロは起こるのかというと、警察と軍隊という暴力装置を独占していないのであんなことが起こるのだということなんだろうと私は思っています。国家の定義というのは、警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の1つの定義のはずなので、ところが、それがなくなってしまうと、武力を統制する主体がなくなってしまってああいうことが起こるのだと。

--------------------------

石破茂の主張全体に対する賛否は別にして、「警察と軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の1つの定義」というのは、まったくそのとおり。この発言当時、石破は防衛大臣ではなかったけれど、農水大臣だったので、政府中枢の一員だったと言って良いでしょう。
そしてもう一つ。

http://afv.la.coocan.jp/index.php/2010/07/%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9A%E3%81%97%E3%81%A6%E5%B9%B3%E5%92%8C%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E3%81%AA%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB/

石破 そういうことですね。では、軍隊と自衛隊の違いを紐解きましょう。
まず、国家とはなんだろうというところから考える必要があります。
国家という存在は、国の独立や社会の秩序を守るために、暴力装置を合法的に独占・所有しています。それが国家のひとつの定義だろうと。暴力装置というのは、すなわち軍隊と警察です。日本では自衛隊と警察、それに海上保安庁も含まれます。

--------------------------

自民党内でも、石破茂の見識は、比較的まともな方と思います。それに比べると「暴力装置」という言葉に脊髄反射しているような連中ばかりが増殖している今の自民党のていたらくは、もはや落ちるところまで落ちろ、という感じです。
そして、菅直人。彼も政治家なら「暴力装置」が政治学用語だということくらいは知っているだろうに。菅も仙谷も、何できちんと説明しないのか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.11.19 00:30:39
コメント(16) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: