inti-solのブログ

inti-solのブログ

PR

×

カレンダー

コメント新着

nordhausen@ Re:読売にしては思い切った(05/17) New! ところで、日経新聞も「女性、女系天皇も…
nordhausen@ Re:政府の方針を押し付けるのが教育基本法の趣旨だということか(05/23) New! 仰るように、辺野古の事故では船を運航し…
inti-sol @ Re[1]:目詰まりではなく不足だ(05/22) マルダリッグさん 商品がない、そういう…
マルダリッグ@ Re:目詰まりではなく不足だ(05/22) 昔ソ連など旧社会主義国が、商店に商品が…
2010.11.26
XML
テーマ: ニュース(96636)
カテゴリ: 環境問題
http://www.asahi.com/eco/TKY201011260260.html



各地でひんぱんに人里に出没して人や農作物に被害を与えたツキノワグマが、冬眠シーズンを迎える。捕獲されたクマをめぐっては、殺処分にすべきか山に放すべきなのか、自治体や地域住民、保護団体の間で対立や論争が起きた。背景には、そもそも生息数が増えているのか減っているのかもよくわからない実態がある。大量出没を受け、調査方法を見直す自治体が増えてきた。 
「捕ったやつはとにかくもう放さんでくれ。お願いじゃけ」。岡山県美作市で17日に捕獲されたツキノワグマを見ながら、近くに住む男性(82)は視察に訪れた安東美孝市長に詰め寄った。クマの右耳には、1度捕獲されたことを示すピンク色のタグがついていた。
岡山県は、これまで目撃情報などから県内のクマ生息数を10頭前後と推定。「絶滅危惧(きぐ)種」に指定して、捕獲しても殺処分せず山中へ放す方針を守ってきた。だが、今年に入って捕獲されたクマは40頭を超えた。
相次ぐ捕獲に住民の間に「農作業中に襲われたらどうするんだ」との不安が強まった。これを受け美作市は周辺町村とともに岡山県に対策を要望。県も「人里近くに再度出没した場合は、原則として殺処分の対象とする」と方針転換せざるを得なくなった。
ただ、17日に捕まったクマは、「1度目に出没した地域が人里近くではない」との理由で山中に放された。県は「人里近くに2度出たという基準にあわないのに処分したら、保護団体などへの説明がつかない」という。
捕らえたクマを殺処分すべきか放すべきか――。自治体と住民、動物保護団体の対立は各地で起こっている。背景には、クマの生態や生息数が十分にわかっていないことがある。
生息数調査は各自治体にゆだねられているが、財政上の理由から調査していなかったり、推定した生息数の最小値と最大値が2倍以上かけ離れていたりする自治体も少なくない。朝日新聞が各自治体の推計を集計したところ、最低約1万6千頭から最大約2万6千頭と大きな幅があった。
生息数が少ない16都府県は「絶滅危惧種」などに指定している。また、今年度当初で18府県が鳥獣保護法に基づき、任意にクマの「特定保護管理計画」を定め、うち15府県で生息数の中間値の12%を目安に捕殺できる上限数を決めている。

人間とクマの共生をめざす日本クマネットワーク代表の山崎晃司・茨城県自然博物館首席学芸員は「あいまいな生息数調査を基にした対応は場当たり的だった。大量出没を繰り返さないために、実態に合わせて毎年調査する必要がある。科学的な根拠のない感覚的な対立が目立ったクマの増減について、地域ごとに冷静に見ていくべきだ」と話している。
---------------

昔々のその昔、今から約2~3万年前、最終氷期の日本には随分様々な大型哺乳類がいました。マンモスとナウマンゾウという2種類の象(マンモスは北海道に、ナウマンゾウは日本全国に)、トナカイ、ヘラジカ、ヤベオオツノシカ、バイソン(ハナイズミモリウシ)などの大型草食獣に加え、トラとオオヤマネコ、オオカミ、ヒグマ(最終氷期にはエゾオオカミとヒグマも本州まで分布していた)などの化石が各地で発見されています。
しかし、最終氷期の終わり頃までに、そのほとんどが絶滅しています。わずかに生き残った大型獣のうち、オオヤマネコは縄文時代に、オオカミ(エゾオオカミとホンドオオカミ)は100年ほど前に絶滅し、今の日本で生き残っている大型獣は、ニホンジカ・ニホンカモシカ・イノシシ・ツキノワグマ・エゾヒグマの5種類だけになりました。(海獣類は除く)

ところが、たった5種類だけになった大型哺乳類ですが、このうちの草食獣3種(ニホンジカ・ニホンカモシカ・イノシシ)は、近年急激に増加していると言われています。ニホンカモシカは、一時は全国で生息数3000頭と言われるところまで減少し、絶滅寸前でしたが、現在は数万頭まで増えているようです。ニホンジカも増えており、特に北海道亜種のエゾジカは急増しているようです。
それとともに、草食獣の急増による弊害、つまり食害も増えてきました。シカやイノシシが人間の世界に出てきて田畑を荒らすようになったというのもその一つの側面ですが、それだけではありません。紀伊半島の大台ヶ原には、日本で最南端のトウヒの天然林がありますが、これがシカの食害で樹皮を剥がれる、実生を食べられるなどによって大きな打撃を受けています。南アルプスでも、高山帯にニホンジカが入り込んで、高山植生を丸裸にする事態が進行しつつあります。大型獣とは言い難いので上記に名を挙げませんでしたが、ニホンザルによる食害もかなり目立っています。

もちろん、そのような事態に至った原因は必ずしも草食獣の個体数増加のみとは限らず、他にも色々な原因はあるでしょうが、しかし最大の原因は個体数増加であろうと私は思います。
では、何故シカやカモシカ、イノシシなどが増えているのか。それも理由はいろいろありますが、その主要部分は「捕食動物が減った」ということだろうと私は思います。江戸時代までの日本には、オオカミがいました。オオカミはほぼ完全な肉食獣で、シカやカモシカ、イノシシなどのも捕食します。(もちろん、そんな大物ばかりを食べていたわけではないでしょうが)
ところが、そのオオカミは明治時代に絶滅してしまった。しかしちょうど上手いタイミングで、今度は人間がオオカミの代わりを務めるようになりました。江戸時代には少なくとも公には狩猟ができるのは一部のマタギと武士に限られていましたし、銃の所持も厳しく制限されていましたが、明治以降は誰でも狩猟ができ、猟銃も持てるようになった。大型獣には大きな狩猟圧がかかり、数を減らし続けました。

その状況は戦後1970年代まで続いたのですが、1980年代以降狩猟人口は減り続けています。つまり、大型獣の捕食者としての人間が急減してしまったわけです。ヒグマやツキノワグマも大型獣を襲わないわけではありませんが、クマは雑食性で、食べ物に占める動物質の割合は、そんなに高くないようです。それでもシカやイノシシをまったく食べないわけではありませんが。
もしもクマまでいなくなったら、これら大型草食獣を捕食する動物は皆無です。そうなってしまったら、生態系のバランスは大きく歪んでしまいます。



確かにクマは怖い動物です。(前に記事に書いたことがありますが、私は知床の羅臼岳登山中に、ほんの40~50mの至近距離でヒグマと鉢合わせしたことがあります)でも、クマをどんどん駆除してその地域から根絶やしにしてしまったら、シカやイノシシの食害から田畑を守るものもいなくなります。代わりに人間が駆除しようにも、狩猟人口は減少しているのですから、無理な相談です。
あちらの危険を排除すれば、こちらの危険が増大する。難しい問題ではありますが、単純にクマを駆除せよというのは長期的な視野に立つと、合理的な解決とは言い難いと思います。
絶滅したオオカミを再移入すべきだという意見もあります。私も、それは検討に値する意見だと思っています。ただし、オオカミは人間を襲うこともある、そのリスクも考慮した上で判断すべき問題ですけれど。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.11.26 22:27:04
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: