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2011.12.03
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カテゴリ: 環境問題
核燃再処理:経産と東電02年に「六ケ所」から撤退で一致


◇会長の辞任で白紙に
毎日新聞は出席者の氏名や協議の時期、目的などが書かれた経産省関係者のメモを入手し、協議の関係者からの証言も得た。首脳による協議が判明したのは初めて。核燃サイクルを巡っては高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を含め継続の可否が検討される見通しでサイクルのもうひとつの柱である再処理事業でも東電、経産省のトップが9年も前から「撤退を検討すべきだ」と認識していたことは、内閣府の原子力委員会が来年夏をめどに進める原子力政策の見直し作業に影響しそうだ。
メモや関係者によると、協議は経産省側が「六ケ所村(再処理工場)はいろいろ問題があるようだから首脳で集まろう」と呼びかけて実現し、02年5月ごろ、東京都内のホテルの個室で行われた。首脳らは「撤退の方向で検討に入る」との意見で一致し、具体的な進め方を再協議することを決めた。さらにその後、撤退する際に青森県側への説明役を務める東電担当役員も決定したという。
六ケ所村再処理工場の建設費は事業申請時(89年)は7600億円。しかし使用済み核燃料貯蔵用プールからの漏水が相次ぐなどトラブルが続発し、2兆円を超えることが確実になっていた。本格操業すると将来の解体費用などとしてさらに1兆円以上必要になる。東電など複数の電力会社幹部から「こんなの(再処理事業を)やっても大丈夫なのか」と懸念の声が上がっていたため、経産省側が協議の場を設けたという。しかし02年8月、部品のひび割れなどを隠蔽(いんぺい)した東電トラブル隠しが発覚し荒木、南両氏が辞任、再協議は実現しなかった。(以下略)

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やっぱりね、あの東京電力といえども、本音の部分では核燃料サイクルの実現可能性に危惧を抱いていた、というわけです。そりゃそうでしょう。当初予定では建設費が7600億円、それが2兆円にも膨らんで、いつ本格稼働できるかも定かではないというのでは、一民間企業に過ぎない東京電力が危惧を抱くのは当たり前です。
それにも関わらず、結局は「再処理工場なんて無理だ」という最後の一言が言えなかった。その結果、9年間の時が流れ、各所にトラブルが続き、建設費は見込みどおりに膨れあがり、現在まで本格稼働はできないという事態になっています。しかも、仮に予定どおりに稼働をはじめたとしても、国内で発生する使用済み核燃料を全量再処理できるだけの処理能力はないようです。

そもそも、何のために使用済み核燃料の再処理を行うのか。燃え残りのウラン235と、核反応によって新たに生まれたプルトニウムを抽出するためです。しかし、建設費だけで2兆円もかかった施設で抽出されたウラン235のコストって、いったい・・・・・・。
計画によると、六ヶ所村再処理工場の処理能力は年間800トンだそうです。新燃料に含まれるウラン235の割合は3~5%、つまり、800トンが新燃料だとすると、含まれるウラン235は24~40トンです。一方、使用済核燃料に含まれる燃え残りのウラン235とプルトニウムはそれぞれ1%ですから、800トンの使用済核燃料に含まれるウラン235とプルトニウムは各8トンずつということになります。新燃料にすると、320~533トン分に相当、ということになります。
この量の核燃料を新燃料で購入するとしたら、その値段はいくらくらいでしょうか。いろいろ検索したところ、1本の核燃料の国際相場は約11万円くらいだそうです。1本の核燃料は、重さが190kgほどあります。つまり、320~533トンの新燃料の値段は2~3億円程度という事になります。大雑把な計算なので誤差があると思いますから、数億円という程度に思っておけばいいでしょう。
六ヶ所村の再処理工場が本格操業したとしても、そこで再処理によって抽出される核燃料は、たったそれだけなのです。かりに100年操業したとしても(そんなに操業できるわけないけど)数百億円分の核燃料しか抽出できません。そのために建設費が、当初計画でさえも7600億円というのだから、予定の段階で既に収支がまるであっていないのです。

しかも、ここではウラン235とプルトニウムを同列に書きましたが、現実にはプルトニウムは使い道がなくて余っている状態です。プルトニウムは高速増殖炉の燃料になりますが、高速増殖炉は実用化の目処が立っていないのはよく知られているとおりです。
プルトニウムは核兵器の材料になるから、不必要なプルトニウムは保有しないことが、核拡散防止条約上の国際的な義務になっています。それなのにプルトニウムが余っているので、普通の軽水炉のウラン燃料にプルトニウムを少し混ぜて使う「プルサーマル」がいくつかの原発で行われています。事故を起こした福島第一原発のうち、3号炉でこれが行われていました。ウラン燃料用に設計された原子炉でプルトニウムを混ぜて使うのですから、安全面に無理が生じることは言うまでもありません。


ただし、経済的な面とは別の基準で考えれば、話は変わってきます。経済性とは無縁の世界、つまり軍事です。前述のとおり、プルトニウムは核兵器に転用できます。六ヶ所村の再処理工場は、日本が核武装を行うための準備である(少なくとも、その布石の一つである)、と見られても仕方がないでしょう。

このような再処理工場など直ちに計画を中止すべきでしょう。もちろん、再処理工場だけを中止すれば充分、というわけでは決してないですけどね。





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最終更新日  2011.12.04 08:42:28
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