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2012.05.05
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ほんの1週間前に 涸沢に行ってきた ばかりですけど、そのときは天気は快晴、気温もぽかぽか陽気で、快適な(少々暑い)山登りでした。ところが、連休後半にはいると天気は下り坂、そうしたら、たちどころに遭難騒ぎが多発することになってしまいました。

白馬岳遭難、6人全員の死亡確認 爺ケ岳の女性も死亡
長野県の北アルプス白馬(しろうま)岳(2932メートル)で起きた男性6人グループの遭難事故で、近くの小蓮華山の山頂付近で県警ヘリが6人を救出したが、県警大町署は5日、全員の死亡を確認した。また、同日朝、北アルプス爺ケ岳付近で、意識不明で発見された女性についても、死亡を確認したと発表した。
同署は、白馬岳の6人は北九州市の63~78歳のグループ、爺ケ岳は大阪市住之江区の女性(62)と見て、身元の確認を急いでいる。
同署によると、同グループは3日から2泊3日の予定で、同県小谷村の栂池(つがいけ)高原から入山。4日に宿泊予定だった白馬岳近くの山小屋に到着しなかったため、山小屋が家族に連絡。家族が同署に捜索を依頼し、同署が5日早朝から捜索していた。
同署などによると4日午後の白馬岳付近は強い吹雪で、気温も零下になったという。6人が3日に宿泊した山小屋の関係者によると、グループは4日午前5時半に出発。天気が良く暖かかったので、6人は春山登山の服装で出発したという。

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岐阜の涸沢岳でも6人遭難、71歳男性死亡 5人は救助
岐阜県警は5日、同県高山市の北アルプス・涸沢(からさわ)岳(標高約3100メートル)で、福岡県の登山グループ男女6人が遭難し、うち1人が低体温症で死亡したと発表した。県警などが同日、残りの5人を収容先の穂高岳山荘からヘリで高山市内の公園まで搬送。うち3人は低体温症で病院に運ばれた。
(中略)6人は3日朝に長野県の上高地から入山し、4日は涸沢岳を経由して穂高岳山荘を目指した。だが吹雪のため身動きがとれなくなり、同日午後7時ごろ、携帯電話で同山荘に連絡し、救助を要請した。
6人はまもなく救助されて同山荘に収容されたが、1人が低体温症で心肺停止状態になり、4日夜に亡くなった。残る5人も低体温症になっているが、命に別条はないという。

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うーーーーーん。涸沢岳といえば、1週間前に私が登った山です。今回は山頂までは、時間の都合で行けませんでしたが、山自体は特に難しいところはありません。でも、吹雪になったら厳しいだろうな。そもそも、涸沢から奥穂高岳/涸沢岳への登り(ザイテングラード)は、降雪の直後は雪崩の危険があるので、長野県警の山岳警備隊に「登るのは止めてください」って言われるんですけどねえ。
もう一つ、6人が亡くなった白馬岳も、実は数年前のゴールデンウィークに目指したことがあります。そのときは夜行日帰りの予定だったので、最初から小蓮華山を目標にしていたのですが、雷を伴った猛吹雪に加え、様々な予期せぬトラブルがあって、歩き始めて1時間と経たずに中止して引き返してしまいました。

そう、今の時期の2000メートル超級の山は、まだ冬山です。晴れの日中はポカポカ陽気になりますが、夜間は通常氷点下に冷え込みます。標高1500メートルの上高地でさえ、ゴールデンウィーク明け方は霜が降りますし、雪が降ることだってなくはありません。まして2300メートルの涸沢や2900メートルの穂高岳山荘はいうまでもなし。

別の記事によると、白馬で遭難死した6人は、夏用の雨具にTシャツの軽装だったそうです。実は私は2月の厳冬期の八ヶ岳だって、夏用の雨具(もちろんゴアテックス製)で登っています。だから、夏用の雨具であることは問題ないのですが、その下がTシャツだけ、というのは吹雪の下での行動にはあまりに軽装過ぎます。しかも、そのTシャツというのは、おそらく夏用の半袖Tシャツだったのではないでしょうか。
私も、先週涸沢に行ったときは、暑くて「半袖Tシャツなら涼しくて楽だったのに」って思いましたけど、それでもやっぱり雪山は雪山なのです。冬山用の長袖Tシャツは必須です。


だから、吹雪のただ中で、身動きができなくなるところまで歩き続けてしまう人の心理というのはよく分からないところがあるんですけど、集団心理という要素もあるのかも知れません。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」ってやつです。一人だったら引き返すのに、集団だと安心感があって、あるいは他の人が先に進むのに「引き返そう」とは言いづらくて、先に進んでしまう、というようなことなんでしょうか。

追記 コメント欄に書いた内容を本文にも追記しておきます。

夏山の軽装で出発、一転零下2度 白馬岳で死亡の6人
(略)
長野県警によると、白馬岳を目指した6人は、北九州市の小児科(75)の呼びかけで集まった医師を中心とするパーティー。
3日から2泊3日で、長野県小谷村の栂池から白馬岳を往復する予定だった。3日夜は栂池ヒュッテに宿泊。4日午前5時半、全員が弁当を2人前ずつ持って白馬岳へと向かった。(以下略)

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ここに、遭難現場の略図があります。
t_TKY201205050572.jpg
小蓮華の少し先、三国境の手前で倒れていたようです。ちょうど小蓮華山と白馬の鞍部付近にあたります。海抜高度は2680m前後です。
進むとすれば、白馬山荘は2932mの白馬岳の向こう側。引き返すにしても、2768mの小蓮華山まで登り返さなければならない(更にその先白馬乗鞍岳でも標高差80mくらいの登りがある)。
進むも登り、戻るも登りという最悪の場所です。体力を消耗しきった状態ではもう登ることができなかったんだろうと思います。最悪、小蓮華の山頂で引き返していれば、少なくとも何人かの生存者はいたんじゃなかろうか。
更に 毎日新聞の報道 によると、「6人の周りにテントのようなナイロンが散らばっていた。風で飛ばされたような状態だった」とのこと。それはおそらくテントではなくツェルト(非常用簡易テント)だろうと思うのですが、ツェルトがあってもその中に入れなかったんじゃどうしようもないし、さすがにマイナス2度の吹雪の中では、夏用雨具の下がTシャツ(おそらく半袖の)1枚だけじゃあ、いくらツェルトに潜り込んでも厳しいでしょう。

ただし、気温マイナス2度というのは、この時期のこの高度の気温としては、特別な低温とは思われません。涸沢のテント内でも、例年は明け方には湿気が全部パリパリに凍り付き、登山靴が凍り付き、水筒の水も凍り付くのが普通です。当然吹雪に遭うことも珍しくありません(この時期に北アルプスで雨に遭ったことは一度しかない)。その前提の上で衣類は準備しなければならないはずなんですけどね・・・・・・。





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最終更新日  2012.05.06 11:01:03
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