inti-solのブログ

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2012.08.11
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カテゴリ: 環境問題
原発廃止派、6割超=5割が再稼働反対―時事世論調査
今後の原子力発電の在り方に関する時事通信社の世論調査で、6割を超える人が原発を廃止すべきだと考えていることが分かった。定期点検で停止中の原発の再稼働にも5割が反対だった。再稼働賛成は増加傾向にあるが、依然、多くの国民が政府の原発政策に反対している実態が浮かんだ。
調査は面接方式で、7月6~16日、全国の成人男女4000人を対象に実施。0~10点で段階評価し、5点を「どちらでもない」とする方法で、1211人から回答を得た。
今後の原発の在り方については、17.8%が「速やかに廃止」(0点)を選択するなど、4点以下の「廃止派」が62.6%に上った。一方、6点以上の「継続推進派」は9.7%だった。在り方の調査は2011年5月に開始し、9回目だが、全体の傾向に大きな変動はなかった。

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原発に反対する世論の高まりに対して、原発推進派はというと、これまでどおりの原発依存を続けたい気が満々のようです。

エネルギー戦略 現実的な電源構成案に改めよ(8月4日付・読売社説)
政府のエネルギー戦略の選択肢は、実現性に疑問があるうえに、説明不足が否めない。問題点を改善すべきである。
政府は6月、2030年の原子力発電の比率を「0%」「15%」「20~25%」とする三つの選択肢を示した。
現行のエネルギー基本計画を見直すたたき台で、いずれも原発を減らし、太陽光など再生可能エネルギーや火力発電で補う内容だ。政府は意見聴取会など「国民的議論」を経て、今月中に結論を出すとしている。
脱原発を図る「0%」から、中長期的に原発を活用する「20~25%」まで、選択の幅は広いように見える。だが、すべての選択肢が現実味に乏しいという、致命的な欠点を抱えている。(以下略)

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原発比率「選択肢が不適切」と電事連が意見書
電気事業連合会は10日、政府が実施している2030年時点の原子力発電比率などのエネルギー政策策定に向けたパブリックコメント(意見募集)に、意見書を提出した。
政府が示した原発比率「0%」「15%」「20~25%」の三つの選択肢に対して「いずれも適切ではなく、選択肢のあり方そのものを再考すべき」だと主張し、より高い比率の必要性を強調した。
その理由として、0%案の場合には30年時点の家庭の電気料金が最大2倍に跳ね上がるなど、いずれの選択肢でも国民負担が増し、経済全体への影響が大きいことなどを挙げた。望ましい原発比率は「少なくとも20~25%が必要な水準」だと表明した。
太陽光発電など再生可能エネルギーの導入目標(25~35%)についても「技術や立地、コスト面などから実現可能性に疑問がある」と、厳しい見方を示した。

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枝野経産相発言 原発ゼロは無責任極まる
電力の安定供給や産業振興を担う立場にある経済産業相が、原発ゼロが及ぼすマイナス影響を直視せず、根拠もないまま楽観的見通しを語るのはあまりに無責任だ。
枝野幸男経産相が7日の記者会見で、2030年の原発比率をめぐる選択肢に関し、原発ゼロでも「経済にはプラスになる」などと述べたことである。
最大の問題は「原発なしでも日本はやっていける」との誤った予断を国民に与えかねない点だ。
政府試算でさえ、原発ゼロを選んだ場合、本来の成長に比べ重大なマイナスが避けられないとしている。それでもプラス成長を達成できるというなら、枝野氏は明確な根拠を示すべきだ。国民を原発ゼロへ誘導しようという意図があるのなら、論外である。
政府は6月末、意見聴取会などを経て新たなエネルギー計画を策定するため、総発電量に占める原発比率を「0%」「15%」「20~25%」とする3つの選択肢を提示した。福島原発事故を受けて原発比率を引き下げ、太陽光や風力などの再生可能エネルギー比率を25~35%にまで高めるという。
だが、実際に「原発ゼロ」となったら、何が起きるのか。(以下略)

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経団連も、原発比率の3案のいずれも「非現実的」だとしており、当ブログも、 以前の記事 で経団連を批判してことがあります。
そのときには、震災前の原発比率を30%という前提で記事を書きました。しかし、その後調べたところ、震災直前の2010年の発電量に占める原発の割合は、26.4%でした。つまり、依存度20~25%というのは、「ほぼ現状維持か微減」という程度の話なのです。
ところが、読売や産経、電事連などの原発推進派は、この3案を「いずれも適切ではない」というので。ということは、「ほぼ現状維持か微減」の案ですらも受け入れたくないというわけです。だとすれば、彼らが納得する選択肢は、「今より原発を増やす」という案しかないわけです。


太陽光発電など再生可能エネルギーの導入目標について、電事連は「技術や立地、コスト面などから実現可能性に疑問がある」と言っているそうですが、その言葉はそのまま、原発の新規設置にも当てはまる、ということに気がつかないのでしょうか。
原発推進派は、経済的な都合だけを念頭に「原発を減らすな」と言っているように見えます。確かに、経済的な都合は無視できない要素ですが、しかし経済的な都合のみで物事が決められるわけでもありません。
たとえば、経済的合理性のみで考えれば、発電所は電力の大消費地(大都市)のできるだけ近くに設置する方が合理的ですが、現実にはそうなってはいません。原発の設置場所は、経済的な都合だけでは決められなかったからです。

原発比率を現状維持あるいは増やそうというなら、少なくとも現在ある原発はすべて再稼働させなければなりません。
しかし、福島第一原発の4基は物理的に再開不可能ですし、福島県内の残りの原発(福島第1原発5・6号機と福島第2原発)も、再稼働することは不可能でしょう。福島の南に隣接する茨城県の東海第2原発も同様です。(東海村の村長は、原発の設置されている市町村長の中で唯一、脱原発を打ち出している)
また、これも 以前の記事で指摘 しましたが、北陸電力志賀原発は、建屋の真下に活断層があることが隠蔽されており、それが発覚した今、廃炉は避けられません。他にも、活断層が隠されてきた原発は何基かあります。中部電力の浜岡原発だって、現在防潮堤の工事中ですが、工事完了後も再稼働は非常に難しいでしょう。

つまり、震災前に存在した54基のうち、少なくとも10数基から20基くらいは再稼働不可能なのです。では、それにに代わって同じ発電容量分だけ原発を新設できるのでしょうか。
すでに原発が存在していて、地域経済がどっぷりと原発漬けになっている自治体の中には、この期に及んでも「原発新設受け入れ賛成」というところもあるでしょう。しかし、たとえば福島県に原発を新設することなど不可能ですし、活断層があるから原発が廃炉になるような場所で、代わりに別の原発を新設なんてこともあり得ません。
結局、原発の新設は不可能ではないにしても、今の原発をすべて置き換えられるほどの数を新設することは、どう考えたって不可能なのです。従って、震災前の原発依存度を今後も維持することなど、物理的に不可能なのです。まして、依存度を上げることなど絵空事でしかありません。

私は、原発依存度0%を目指すべきであると確信していますが、主義主張を抜きにして、「現実性」だけで言っても、依存度20~25%という選択肢は不可能と思います。多分、原発推進派でも、多少は目先が見えている人なら同じ判断になるでしょう。
仙谷由人政調会長は、15%支持 なのだそうです。その仙谷は、原発0%は非現実的といったそうですが、私はそうは思わない。少なくとも20~25%よりは、よほど現実的です。もちろん、今年来年に0%にする、という話なら、それは確かに非現実的かも知れませんが、2030年まで、つまり今から18年後なら十分に可能です。





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最終更新日  2012.08.11 22:28:04
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