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2013.03.20
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 戦争と平和
丁度10年前の今日、2003年3月20日にイラク戦争が始まりました。正規軍同士の戦闘では米軍を中心とする多国籍軍側が圧倒的で、イラク軍は敗北を重ね、たった2ヵ月後の5月1日には、当時のブッシュ米大統領が「戦闘終結宣言」を発しました。しかし、実際にはそれからが「本当のイラク戦争」だったことは、その後の経過を見れば明らかです。戦闘終結宣言までの米軍の戦死者は138名ですが、イラク戦争トータルでは、米軍が約4800名、その他の多国籍軍が300名以上、イラク新政府の治安部隊が8000から1万の戦死者を出しています。
もちろん、イラク側の犠牲者のほうがはるかに多数であることはいうまでもありません。

民間人11万人超犠牲に=イラク戦10年で―英NGO
英国に本拠を置くNGO「イラク・ボディー・カウント(IBC)」は17日、米国が2003年3月にイラク戦争に踏み切ってから10年で少なくとも11万2000人の民間人が現地で死亡したと明らかにした。
戦闘に加わった兵士らも含めれば、犠牲者数は17万4000人に上る可能性があるという。最も死者が多い地域は首都バグダッドで、犠牲者数の48%を占めている。

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イラク戦争の負担580兆円=犠牲者は18万9000人―米研究グループ
米ブラウン大の研究者グループは14日、対イラク開戦から10年を来週に控え、戦争の影響やそれに伴う米政府の財政負担などを分析した報告書を公表した。政府支出については、戦費や駐留費など約1兆7000億ドル(約165兆円)に、今後40年間にわたる退役軍人の医療費や戦債の利子払いを加えると、計6兆ドル(約580兆円)超に達すると見積もった。
報告書はまた、イラク戦争で戦闘に巻き込まれて死亡した一般市民を13万4000人と推計。フセイン体制下のイラク国軍兵や反米武装勢力の死者数も計3万6400人に達した。米兵やフセイン後のイラク警察官らを合わせると、死者数は最大で計18万9000人に上る。

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2つの推計に大きな差はなく、犠牲者は合計で17~8万人、そのうち一般市民が11~13万程度ということのようです。つまり、犠牲者の6~7割は一般市民ということになります。
もっとも、イラク戦争はまだ終わったわけではありません。オバマ政権は2010年に戦闘終結宣言を発し、米軍は2011年12月にイラクから完全に撤退したので、米軍が直接関与するイラク戦争は終わりましたが、イラク国内の混乱と紛争は現在まで続いています。

開戦から10年のイラク、相次ぐ爆弾攻撃で60人死亡

何十人も殺される爆弾テロが頻繁に起きている状況で、「戦争が終わった」とはとても言えないし、死者の数も更に増えていく可能性は否定できません。

しかも、米国が当初開戦の根拠に挙げた「フセイン政権の非道」の大半が、事実無根であることが明らかになっています。大量破壊兵器(核・生物・化学兵器)の保有や開発もウソだったし、フセイン政権とアルカイダとの関係も、2008年に米国自身が「証拠がない」と認めています。そもそもイラク戦争前の時点でも、イラクが大量破壊兵器を持っていないことは分かっていたのです。当時のパウエル国務長官が国連安保理でイラクの大量破壊兵器保有の「動かぬ証拠」なるものを主張した( パウエル報告 )けれど、その内容はとうてい信用に値せず、パウエル自身が後に「私の生涯の汚点であり、報告内容はひどいものだった」と認めています。


これらの国々の中で、フセイン政権のイラクはねむしろ「最悪」の部類ではありませんでした。一応は国民議会という議会があったので、イランやエジプトと同程度の「民主主義」ではあった。フセインは独裁者ではあったけれど、イスラム原理主義とは敵対していたので、イスラムの戒律は緩やかで、イスラム諸国の中では女性の位置がかなり高い部類だったとされます。
たとえばサウジアラビアなどは議会もなく、政治犯に対する弾圧も苛烈、イスラムの戒律は厳格で、女性の地位は極端に低い。サウジアラビアとフセイン政権時代のイラクと、どちらも非民主的な独裁国には違いないけれど、比較すればフセイン政権のほうがまだ多少はマシといえます。
しかし、米国がサウジアラビアに侵攻することはないし、その非民主的な政治体制を非難することすらない。サウジアラビアが親米政権だからです。イラクだけが武力侵攻しなければならないほど特別に残虐で非民主的などという理屈は、とうてい立ちません。

で、戦争でフセイン政権が倒された結果どうなったか。皮肉なことに、フセイン政権時代には弾圧されていたイスラム原理主義勢力が、弾圧がなくなったことで勢力を伸ばしてしまった。独裁政権がよいとは言いませんが、権力の空白は、独裁政権より更にたちの悪い勢力の温床になる。その結果、戦火は一向にやまず、現在でもテロによる死者は毎月100名以上に達しているそうです。当時の時点でも、現時点で振り返ってみても、「誤った戦争」という以外の評価は下しようがありません。

だから、当の米国ですら、国民の過半数が「誤った戦争だった」と考えているとの世論調査結果が報じられています。

イラク戦争「誤り」53%=開戦から10年-米調査
米ギャラップ社が18日発表した世論調査結果によると、イラク戦争は「誤りだった」と考える人が過半数の53%に上り、「誤りではなかった」と思う42%を上回った。
同社の調査では、2003年3月の開戦直後は「誤りではない」との意見が75%と圧倒的だったが、04年夏に「誤り」とする回答と逆転。08年にはこうした考えが最高の63%に達した。

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この誤った戦争に対する各国の対応は様々に分かれました。国連安保理では武力行使に対する賛成は米国、英国、スペイン、ブルガリアの4ヶ国のみ、反対がフランス、ロシア、中国、ドイツ、シリア、チリ、パキスタン、メキシコ、カメルーン、アンゴラ、ギニアの11カ国に及んでいます。開戦の時点は賛成していたスペインも、1年後に選挙で政権がPPからPSOEに変わると、反対に転じました。
その中で、われらが日本政府は、残念なことにイラク戦争支持なのです。

イラク戦争10年 福田元首相「我々に情報はなかった」
イラク戦争開戦当時、官房長官だった福田康夫元首相が朝日新聞のインタビューに応じ、小泉純一郎首相の開戦支持表明の直前、英国からブレア首相の議会演説に先駆けて支持を打ち出してほしいと打診されていたことを明らかにした。「イラクに大量破壊兵器(WMD)がある前提」で支持した日本だが、判断材料を得ようにも「手も足もないという感じがした」と日本独自の情報入手ができなかったと率直に認めた。
2003年3月20日の米英軍の先制攻撃を前に、当時のブッシュ米大統領が18日(日本時間)にイラクへの最後通告演説をした。福田氏によると、その頃に英国外交筋が福田氏に「ブレア首相がこの問題で議会演説をする。日本がその前に英米への支持を表明してほしい」と要請してきた。
福田氏は「小泉首相はもうじき(記者団に)ぶら下がりをする。それを見て判断を」と返答したが、「開戦の判断で英国も(世論の反発で)相当困っていた」との印象を受けたという。結局、小泉氏は直後に「米英が武力行使に踏み切った場合、支持する」とイラク攻撃支持を打ち出した。

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判断材料がない、というのが仮に事実とするなら、判断しない(賛否を保留する)のがまともな「判断」だと私は思います。実際には、国連安保理でのパウエル報告は明らかに噴飯ものの内容で、この報告のせいで国連安保理で「中間派」といわれる国々を完全に反対に追いやる結果になっています。日本政府にまともな判断力があれば、少なくとも米国が言う「イラクは大量破壊兵器を保有している」という断定的言い分に根拠がないという結論になったはずです。
しかし、小泉政権はまともな判断力を示そうとはせず、イラク戦争支持に突っ走ってしまった。要は、米国が何をやってもそれを支持する、という属国根性を貫く判断だけが、厳然として存在したわけです。





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最終更新日  2013.03.21 21:17:17
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