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2013.06.23
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ボリビアから、交通事故のニュースが入ってきました。



40年以上のキャリアを誇るロス・マシスというグループのチャランゴ奏者のフェルナンド・アニバロ・クルス

※彼自身はまだ20代前半で、ロス・マシスに加入してから日が浅いので、動画が見当たりません。多分このチャランゴ奏者(左から4人目)がそうだと思いますが

バイオリニストのリンベルト・カジェハス・ブリト(探したけど動画は見当たりませんでした)
以上の面々が、コンサートツアーの移動中に、ボリビアの名目上の首都スクレの東270kmの地点で、車ごと250メートルの断崖から転落し亡くなった、というのです。

ボリビアの交通事故

何というか、「またか」と思ってしまいました。南米はとにかく交通事故の多い土地です。交通事故死した名のある音楽家も、かなり多い。特に目立つのはアルゼンチンですけど。

1970年代から80年代にかけて、度々来日公演を行った、アルゼンチンの夫婦デュオのクリスティーナとウーゴ

1986年、夫のウーゴが運転する車の事故で夫婦とも死亡。(当時、日本の新聞にも死亡記事が出た)



2007年、コンサートツアーの移動中、踏切で貨物列車と衝突、4人のメンバー中3人が死亡し1人重傷。

同じくアルゼンチンの女性歌手、タマラ・カストロ(当時まだ33歳の若さ)

2006年、夫の運転する車で、3人のミュージシャンとともに交通事故死。

そして、また交通事故による音楽家の墓碑銘が増えるとは、何ともがっくりくる話です。
音楽家の交通事故死が多いということは、つまり世間一般的にも交通事故が非常に多いということです。
ボリビアに行ったとき、聞いたことがあります。(首都の)ラパスではそんなに大きな交通事故はない。道が狭くて車が多くて、いつもノロノロ運転だから。でも、郊外に出ると飛ばすから、大きな交通事故がとても多い、との話でした。
そういえば、ウユニ塩湖のツアーで、2台の車の衝突で、日本人5人を含む10人以上が亡くなった事故がありました。ガソリンスタンドなどない荒野を長距離走破するため、車の屋根の上にガソリンタンクを積んでいて、これが炎上したようです。
私自身は行ったことがありませんが、ラパスからアンデスを越えて東部熱帯低地のユンガスに至るルートは、断崖絶壁の連続で、「毎週1台車が転落する」という話で、車窓から下を見下ろすと、転落した車の残骸が点々と見える、という話です。

私自身が行った中では、ラパスからポトシまでのバスが、なかなか壮絶でした。ラパスからオルーロまでは舗装道路で、それほど危険なところはないのですが、その先オルーロからポトシまでは舗装されておらず、バスがとにかく揺れる。夜行バスでしたが、揺れがひどくて寝てられません。でも、実は夜が明けるまでは「知らぬがほとけ」だったのです。夜が明けて車窓から下を見下ろしたらびっくりです。断崖絶壁のくねくね道。さすがに転落した車の残骸が点々とはしていませんでしたけど。
日本でいうと、南アルプスのスーパー林道(甲府から広河原までのバス)がこれに匹敵するかな、という感じです。ただし、南アルプス・スーパー林道は一部未舗装部分もあるけれど、危険箇所にはガードレールがある。しかしボリビアの道路にはガードレールなんてありませんから、運転を誤ったら一巻の終わり。

私の演奏仲間が、学生時代にポトシ行のバスで交通事故にあい、骨折したことがあります。大変な経験ではあるのですが、骨折で済んだのは、まだしも断崖絶壁ではない場所での転落だったからです(畑の中に落ちたそうですが)。私が目にしたところで転落事故なんか起こしたら、骨折じゃ絶対にすみません。冒頭に紹介した事故も、そんな場所だったのでしょう。



※日本なら、歩行者が赤信号になって、少し間をおいてから車道の信号が青になりますが、南米では、歩行者が赤になった瞬間に車道が青になる例が多いのです。昔は青の点滅すらなく、何の予告もなく突如として信号が変わり、その瞬間に車道が青になる恐怖の信号もありましたが、最近はさすがに点滅くらいはするようです

というわけで、メキシコを含めてラテンアメリカ全般に、道路は歩行者に優しくないので、道路を渡るときは全神経を集中して、気合を入れて渡らなければなりません。特に交差点が怖い。右折車(日本でいう左折車)が突如として曲がってきて、しかも歩行者を蹴散らそうとスピード上げてくるので、交差点の横断歩道を渡るより、交差点ではない場所、横断歩道のない場所で信号無視して道路を渡るのが一番安全だ、という話もあります。
しかし、ボリビアのラパスで、横断歩道のないロータリー式交差点というのもありました。これ、いったいどうやって渡ったらいいのかと途方にくれましたが、とにかく車が来ない隙を突いて渡るしかない。(これは、20年前最初にボリビアにいったときの話ですから、さすがに今は改善されているだろうと思いますけど)

健常者はいいけど、老人や子どもが道路を渡るのは非常に危険です。
ラテンアメリカにはいろいろとすばらしいところがたくさんあるのですが、こういう点は弱者に優しくないと言わざるを得ません。その点は日本のほうがずっと優れているかな。





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最終更新日  2013.06.23 14:44:24
コメント(11) | コメントを書く
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Re:南米と交通事故(06/23)  
Bill McCreary さん
韓国も90年代終わりごろは、へっこんでいる車がそこらじゅうで走っていたし、運転も荒かったですね。最近はそのような光景はなくなっているし、運転も穏やかになりました。やはり社会が豊かになって、社会インフラが整備されることが必要なんでしょうね。ミャンマーも、ピックアップトラックに大勢の人間がつかまって通勤しているくらいで危険でしょうがありません。これも徐々に改善はしていくのでしょうが、まだまだです。 (2013.06.23 17:09:19)

Re[1]:南米と交通事故(06/23)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>韓国も90年代終わりごろは、へっこんでいる車がそこらじゅうで走っていたし

そう、車がオンボロの話は本文には書かなかったのですが、ラテンアメリカは、日本では車検をとても通らないような車が数多く走っています。メキシコでもそうでした。アクセルのペダルがなくて、むき出しの棒だけになっている、フロントガラス以外は窓にガラスがなくて、代わりにビニールシートが貼ってあるタクシーにペルーで乗ったことがあります。そんな国でも、日本の中古車を輸入する時は右ハンドルのままではダメで、現地の修理工場で左ハンドルに改造するのですが、これがまたやっつけ仕事なので、運転中にハンドルが利かなくなったとか、酷いのはハンドルがもげた、なんて話もあります。当然、それも事故の原因になり得る。でも、日本の中古車は大人気で、いっぱい走ってますけどね。
ただ、メキシコなんかは行く度に車の状態がよくなって行くのも確かです。それでも、日本はピカピカの新車ばかり走っているなと思います。ラテンアメリカから見れば、日本で売っている中古車なんて新車同様ですから。 (2013.06.23 20:03:33)

Re:南米と交通事故(06/23)  
楚星蘭三 さん
そういえば80年代末、私が南米への興味からフォルクローレを聴き始めたころには(浜田滋郎さんがNHK市民講座を担当された前後でした)、クリスティーナ&ウーゴをはすでに亡くなっていました(日本にもファンが多かったそうですから、死亡記事は結構大きく報道されたはずですが、こちらにアンテナがなかったせいでしょう、記憶・印象に残っていません)。

その時、ここで紹介されているような南米の交通事情は知りませんでしたから、最初「アーティストならではの自死?軍事政権の暗殺?」などとあらぬ妄想をたくましくしたのを、苦笑とともに思い出します。
二人が死去したのは86年で、すでにアルゼンチンでは軍事政権は崩壊していたんで「暗殺説」(?)は論外としても、「せっかく自由に歌える時代になったのにもったいないなあ」という感慨をもった記憶があります。(彼らが軍事政権時代、当局とどういう関係にあったかは、詳しくは知りませんが)。

しかし考えてみますと、J.ディーンやポーランドの俳優チブルスキ、日本では赤木圭一郎や佐田啓二など、国を問わず大スターを言われる人が交通事故で亡くなるケースは結構多いみたいです。

追伸:このコメントを書く過程で知ったんですが、このデュオのWiki記事って、まだスペイン語版(es.wikipedia.org/wiki/D%C3%BAo_Cristina_y_Hugo)しかないんですね。日本でも比較的早くから(多分フォルクローレ草創期から)紹介されていただけに、ちょっと意外でした。 (2013.06.24 00:37:30)

Re[1]:南米と交通事故(06/23)  
inti-sol  さん
楚星蘭三さん

私も、フォルクローレに興味を持ったときには、既にクリスティーナとウーゴはなくなっていました。朝日新聞の縮刷版で死亡記事を調べたのですが、そんなに大きな扱いではありませんでした。

>しかし考えてみますと、J.ディーンやポーランドの俳優チブルスキ、日本では赤木圭一郎や佐田啓二など、国を問わず大スターを言われる人が交通事故で亡くなるケースは結構多いみたいです。

確かに、世間一般よりは芸能界のほうが交通事故が多いかもしれませんね。

あと、Bill McCreary さんへのコメントで南米のボロ自動車の話を書きましたが、問題の転落事故の車は、新車の4駆だったそうです。チャリティーコンサートへ向かう途中だったとか。 (2013.06.24 07:06:14)

歌と南米の歴史  
楚星蘭三 さん
>「せっかく自由に歌える時代になったのにもったいないなあ」という感慨をもった記憶があります。(彼らが軍事政権時代、当局とどういう関係にあったかは、詳しくは知りませんが)。

フォルクローレ聴き始めの当時、彼らの『滅びゆくインディオの哀歌』や『インカ帝国の滅亡』をBGMにしながら、ガレアーノ『収奪された大地』を読むという酔狂なことをやった口ですが(苦笑)、以前こちらで話題になった『フアナ・アスルドゥイ』もそうですけど、まあの国々で歴史に題材をとったら、自然とそういう歌詞になるわけで。

日本で言うと『白虎隊』や『田原坂』だってとりようによっては反政府(明治政府から今の日本政府に連続性を認めるなら)の歌、ってことになり、長州藩が地盤の現首相からは一言あってしかるべきかもしれません(笑)。

そういえば『ポールシュカ・ポーレ』と『カチューシャ』は日本では「ロシア民謡」ということで紹介されていますが、前者はロシア革命後の内戦、後者は「大祖国戦争」を題材とした、いやばソ連の軍歌ですね。ご存知のように日本はシベリア出兵し、第二次大戦でも8月9日にソ連参戦していますから、その意味では「反日的」な歌でもあるんですが、「ソ連脅威論」が盛り上がった時も、これらの歌がやり玉に挙がった時がありましたっけ。オリジナルのラブソングっぽい日本語歌詞がつけられていたせいかもしれませんが。
(民話「大きなかぶ」は団結権のプロパガンダがとうとか言われていたのは覚えています。これだって今でいう「絆」って話なだけですけどねえ)

チャイコフスキーの『1812年』はさしずめ「反仏音楽」ってところですか(笑)。 (2013.06.24 09:41:43)

『収奪された大地』の、  
楚星蘭三 さん
原題は、Las venas abiertas de America Latinaですから、BGMとして一番ふさわしいのは、やはりM.ソーサのそのものずばり、Venas abiertasですかね。これも、歌詞の意味を知らなければ、日本の喫茶店か何かでかかっていて何の違和感もないおしゃれな曲ですが。 (2013.06.24 16:11:14)

Re:歌と南米の歴史(06/23)  
inti-sol  さん
楚星蘭三さん

>フォルクローレ聴き始めの当時、彼らの『滅びゆくインディオの哀歌』や『インカ帝国の滅亡』をBGMにしながら、ガレアーノ『収奪された大地』を読むという酔狂なことをやった口ですが(苦笑)、

酔狂ですね^^)
でも、分かります。

>日本で言うと『白虎隊』や『田原坂』だってとりようによっては反政府(明治政府から今の日本政府に連続性を認めるなら)の歌、ってことになり

まあ、それは「とりようによっては」ですね。江戸幕府や西郷軍が朝敵だった時代は短いので、実際には「白虎隊」の作られた1930年代には反政府の歌とは言えないし、田原坂も同様じゃないかと。

>そういえば『ポールシュカ・ポーレ』と『カチューシャ』は日本では「ロシア民謡」ということで紹介されていますが、前者はロシア革命後の内戦、後者は「大祖国戦争」を題材とした、いやばソ連の軍歌ですね。

はい、私の相棒がロシア民謡大好きなので、私も随分聞かされました。ポーリュシカ・ポーレは私も大好きです。原曲で聞けば、いかにも革命歌って感じです。

>「ソ連脅威論」が盛り上がった時も、これらの歌がやり玉に挙がった時がありましたっけ。

当時はロシア民謡に興味がなかったので、記憶にありません。

>(民話「大きなかぶ」は団結権のプロパガンダがとうとか言われていたのは覚えています。

はい、これは私も記憶しています。それを国会で槍玉に挙げたのは誰だったか、確か旧民社党の塚本三郎だったように思うのですが、確かではありません。馬鹿馬鹿しい限りの話ですが。 (2013.06.24 20:46:54)

余談:「クリスティーナとウーゴ」といえば、  
楚星蘭三 さん
先日Youtubeで、"cristhina y hugo"と画像検索したら、アルゼンチンのフェルナンデス大統領と、ベネズエラの故・チャベス前大統領の会見などの映像が結構上位にヒットしてきました。なるほど、確かに「Cristina y Hugo」だわ(苦笑)。 (2013.08.10 06:50:58)

Re:余談:「クリスティーナとウーゴ」といえば、(06/23)  
inti-sol  さん
楚星蘭三さん

>先日Youtubeで、"cristhina y hugo"と画像検索したら、アルゼンチンのフェルナンデス大統領と、ベネズエラの故・チャベス前大統領の会見などの映像が結構上位にヒットしてきました。なるほど、確かに「Cristina y Hugo」だわ(苦笑)。

ワハハハハハ、確かにそうですね。気がつかなかった。
(2013.08.10 07:07:02)

むむっ、"cristhina"とは何事?!  
楚星蘭三 さん
多分頭は"cristina"と打ち込むつもりが、手はカタカナの「ティ」を入力する動きをしてしまったんだと思います(汗)。このところの猛暑のせいで頭がぼけたんでしょうか、自らネタを提供してしまいました(苦笑)。 (2013.08.10 08:19:43)

Re:むむっ、"cristhina"とは何事?!(06/23)  
inti-sol  さん
楚星蘭三さん

>多分頭は"cristina"と打ち込むつもりが、手はカタカナの「ティ」を入力する動きをしてしまったんだと思います

まあ、スペイン語の読みではthだろうがかtだろうが、ティとしか読みませんけどね。しかし昨日も今日も、とてつもなく暑いですね。 (2013.08.11 10:33:31)

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