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2014.12.19
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テーマ: ニュース(96636)
米キューバ雪解け 「自由と民主」につなげよ


米国は、ラウル氏の実兄、フィデル・カストロ前議長がバチスタ親米独裁政権を武力で倒したキューバ革命2年後の1961年、同国と外交関係を断絶した。
翌年には、ソ連がミサイルを配備したキューバを、ケネディ米政権が海上封鎖してその撤去に追い込み、米ソが核戦争寸前に至るキューバ危機が起きた。
以来、米国による禁輸などの厳しい制裁が長く続いている。先にキューバへの同国系米人の渡航や送金を認めたオバマ政権は今回、ローマ法王フランシスコの仲介も得て、そのキューバ孤立化政策の抜本的変更に踏み切った。
オバマ氏は「孤立化はうまくいかなかった」と述べ、「関与を通じての米価値観の普及」を強調した。ならば、交渉は、「民主主義や人権」という価値観を、段階的にせよ相手に受け入れさせるものでなくてはなるまい。
オバマ氏はキューバに対するテロ支援国指定の解除、両国間の往来、通商、情報通信の拡大などを目指すとも言う。くれぐれも、共産党体制を利して延命させただけとならないように願いたい。
次期米大統領選で有力な共和党候補と目されるキューバ系のルビオ上院議員は、早くも政策転換を「幻想」と断じ、カストロ体制の「権力を恒久化する」ものだと真っ向から非難している。
革命を逃れて移民してきたキューバ系にはカストロ体制への怨念が根強く、その意向を反映した議会、特に共和党から制裁解除への承認を取り付けるのは容易ではない。オバマ氏は彼らを説得できる政策の中身を示せるのか。
キューバは今年、ソ連の電子情報基地再開で継承国ロシアと基本合意した。昨年は大量の武器を載せてキューバを出航した北朝鮮船がパナマ当局に拿捕された。地域の反米国ベネズエラは、相変わらずキューバに肩入れしている。
キューバが米国との価値観共有に転じない限り、真の意味で「西半球の冷戦」は終わらない。

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いかにも産経新聞なら書きそうだな、という予想どおりの社説です。「民主主義や人権」は確かに大事ですが、それを産経新聞が言うと、とてつもなく嘘っぽく感じます。

「くれぐれも、共産党体制を利して延命させただけとならないように願いたい。」とありますが、利して延命させてはなぜいけないのか。
確かに、キューバはいわゆる議会制民主主義は認められておらず、一党独裁制の国です。それは、今後改めていくべきことだとは思います。だけど、だから国交樹立はけしからん、ということになると、中国、ベトナム、サウジアラビアはじめ中東のほとんどの国、アフリカの少なからぬ国々とは、ただちに断交しなければならぬ、ということになってしまいます。(産経なら中国と断交は言いかねないですが、サウジアラビアと断交とは、さすがに言わないでしょう)
また、ではラテンアメリカのほかの国々にどれだけの政治的自由が保障されているのか。政府に公然と反対すると逮捕される国より、複数政党と選挙はあっても、政府に反対すると闇から闇に消される国の方が民主的だと言えるのか、いささか疑問ありです。

そもそもオバマがキューバとの国交回復に舵を切ったさまざまな理由のひとつに、「いくら経済封鎖で締め上げたところで、キューバの体制は倒れない」と悟ったことが上げられるでしょう。

「革命を逃れて移民してきたキューバ系にはカストロ体制への怨念が根強く」これもどうでしょうか。確かに革命の直後にキューバから亡命した富裕層は反カストロ意識が強いし、彼らはお金持ちで社会的影響力、発言力が強いから、米国の反共的な価値観とも結びついて米国の対キューバ政策を牛耳ってきたけれど、キューバ革命から50年以上経過し、もはやそのような「亡命キューバ人一世」は、人数的にはごく一部を占めるに過ぎません。
その後亡命してきた多くのキューバ人は、大半は経済的な理由による移民(それを亡命と呼ぶのは、米国側の反カストロ政策の都合に過ぎない)であり、反カストロの感情が強いわけではありません。
メキシコ人がリオ・グランデを渡渉して米国に入ろうとすると、「不法入国者」として追いかけられ、捕まれば強制送還されるのですが、それでも命がけで米国に入国しようとする人が大勢います。一方キューバ人がフロリダ海峡を越えて米国に上陸すると、「亡命者」として優遇されるんだから、そりゃ「亡命」したがる人が大勢いるのは当たり前で、特に反カストロという意識を持っているわけではないのです。彼らはキューバに残る家族に送金するし、お金がたまれば里帰りもします。野球選手など著名人の亡命者だけは、以前は里帰りが難しかったようですが、それも近年は撤廃されています。


で、「キューバが米国との価値観共有に転じない限り、真の意味で「西半球の冷戦」は終わらない。」というんですが、キューバが米国と価値観を共有する義務なんかないし、価値観を共有しなければ国交回復してはならないとも思わないし、そもそも産経新聞が米国の「自由と民主主義」の価値観を共有しているとも思えないんですけどね。





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最終更新日  2014.12.20 09:46:02
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