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2015.06.09
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 戦争と平和
憲法学者への反論文書、自民が作成し議員に配布
自民党は、安全保障関連法案に関し、先の衆院憲法審査会で憲法学者が「違憲」と断じたことに反論する文書を作成し、党所属国会議員に配布した。
文書は7日に実施した一斉街頭演説向けに党政務調査会がまとめた。「憲法判断の最高の権威は最高裁」と明記した上で、自国の存立を全うするために必要な自衛措置を容認した1959年の最高裁の砂川事件判決に触れ、「集団的自衛権の行使は憲法に反するものではない」と強調した。
さらに「国民の命と日本の平和を守るための安全保障政策に責任を持つべきなのは政治家だ」との認識を明示した。

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自分の党が推薦した参考人に安保法案を憲法違反と断じられてしまったものだから、頭に血が登ってこんな文書を出したのでしょうか。それにしても、「国民の命と日本の平和を守るための安全保障政策に責任を持つべきなのは政治家だ」というのはどういう意味でしょうか。政治家以外は口を出すな、ということか、学者はすっこんでろということか。そういうことなら、そもそも憲法審査会に自民党推薦の参考人など出すべきじゃなかったのではないでしょうか。自民党推薦の参考人はいません、必要ありません、というべきだったでしょう。
で、1959年の最高裁の砂川事件判決に触れ、「集団的自衛権の行使は憲法に反するものではない」と強調したそうですが、砂川判決は集団的自衛権とはまったく無関係の判決であることは、当ブログでは1年以上前に指摘しています。

自衛権(個別的自衛権)と集団的自衛権の混同

もう少し補足すると、砂川事件の最高裁判決当時、政府も被告も、もちろん裁判所も、集団的自衛権はまったく争点にしていませんでした。
集団的自衛権の行使は憲法上認められない、という政府見解が閣議決定されたのは1981年ですが、それは過去の政府の見解と無関係に唐突に出されたものではありません。それ以前から政府は集団的自衛権は行使しない、できないということを国会で繰り返し答弁しています。

日本は独立国なので、集団的自衛権も個別的自衛権も完全に持つ。しかし、憲法第9条により、日本は自発的にその自衛権を行使する最も有効な手段である軍備を一切持たないことにしている。だから、我々はこの憲法を堅持する限りは、御懸念(警察予備隊を国外の軍事行動に使用する)のようなことは断じてやってはいけないし、また他国が日本に対してこれを要請することもあり得ないと信ずる」(西村熊雄外務省条約局長・第12回国会参議院平和条約及び日米安全保障条約特別委員会1951年11月7日)

「自衛隊は自衛隊法によって明らかであるように、外部からの不当な攻撃に対して我が国を防護することを任務としている。ここに限界がある。~日本の自衛隊は、海外に派遣するというようなことは、任務、性格になっていない」(木村篤太郎国務大臣・第19回国会衆議院内閣委員会1954年5月6日)

「平和条約でも、日本国の集団的、個別的の両者の自衛権というものは認められているが、しかし、憲法の観点から言えば、憲法が否認していないと解すべきものは、既存の国際法上一般に認められた固有の自衛権、つまり、自分の国が攻撃された場合の自衛権であると解すべきである。集団的自衛権、これは換言すれば、共同防衛又は相互安全保障条約、あるいは同盟条約ということであって、つまり、自分の国が攻撃されてもいないのに、他の締結国が攻撃された場合に、あたかも自分の国が攻撃されたと同様にみなして、自衛の名において行動するということは、一般の国際法からはただちに出てくる権利ではない。それぞれの同盟条約なり共同防衛条約なり、特別の条約があって初めて条約上の権利として生まれてくる権利である。ところが、そういう特別な権利を生み出すための条約を日本の現憲法下で締結されるかどうかというと、できない。」(下田武三外務省条約局長・第19回国会衆議院外務委員会1954年6月3日)

「外国の領土に、外国を援助するために武力行使を行うということの点だけに絞って集団的自衛権が憲法上認められるかどうかということを言えば、それは今の日本の憲法に認められている自衛権の範囲には入らない」(林修三内閣法制局長官・第31回国会参議院予算委員会1959年月16日)

「いわゆる集団的自衛権というものの本体として考えられている締結国や特別に密接な関係にある国が武力攻撃をされた場合に、その国まで出かけて行ってその国を防衛するという意味における集団的自衛権は、日本の憲法上は持っていないと考えている」(岸信介首相・第34回国会参議院予算委員会1960年3月31日)


※国会での答弁は 「憲法第9条と集団的自衛権―国会答弁から集団的自衛権解釈の変遷を見る」 より引用

砂川裁判前後の時期における、集団的自衛権に関する政府の見解は以上のとおりです。政府自身が、「集団的自衛権は憲法上認められていない」と言っており、この点に関しては検察側と被告側に争いがありません。裁判で検察が「自衛権は憲法上認められる」と主張し、被告側と争いになったのは、個別的自衛権についてです。だから、最高裁判決が認めた自衛権というのも、個別的自衛権なのです。
もっとも、15人の裁判官のうちただ一人、裁判長の田中耕太郎だけが、補足意見中に

一国の自衛も個別的にすなわちその国のみの立場から考察すべきでない。一国が侵略に対して自国を守ることは、同時に他国を守ることになり、他国の防衛に協力することは自国を守る所以でもある。換言すれば、今日はもはや厳格な意味での自衛の観念は存在せず、自衛はすなわち「他衛」、他衛はすなわち自衛という関係があるのみである。


いずれにしても、砂川判決は集団的自衛権合憲の根拠になど、なりようがありません。





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最終更新日  2015.06.10 01:02:48
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