inti-solのブログ

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2017.03.12
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カテゴリ: 政治
朴槿恵大統領、韓国憲法裁が罷免を決定 疑惑発覚から半年で


・国民主権主義と法治主義違反
・大統領の職権乱用
・言論の自由の侵害
・生命権保護義務違反
・賄賂など刑事法違反
などの5つの要点にまとめて審理した。
そのうえで憲法裁は、朴大統領が国民主権主義と法治主義、刑事法を違反したと判断した。 パク大統領が崔順実に国政に関する文書を渡し、ミール・Kスポーツ財団の設立や募金に関与し、崔順実の知人の会社に便宜を図ったという。 朴大統領が崔順実の蓄財行為に加担し、そのため法を犯した、というのが憲法裁の最終的な判断だ。
一方で、憲法裁は朴大統領が職権を乱用して公務員人事に介入したかどうか、言論の自由を侵害しているかどうかなどは明確でないため、弾劾理由に認められないとした。 また、セウォル号事故と関連して「国民の生命が脅かされる災害が発生したとして、朴大統領が直接、救助活動に参加しなければならないなど具体的かつ特定した行為義務まですぐ発生したと見ることは難しい。大統領職務を誠実に履行しなかったというのは弾劾審判の判断の対象になっていない」と説明した。(以下略)

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ある程度は事前に予想されていたようですが、現大統領の罷免は良い意味でちょっと驚きました。報道によると、韓国の憲法裁判所の判事は定員9名、1月末に1人定年で退任したため現在は8人ですが、その全員一致による罷免決定ということです。
引用記事にある5つの弾劾理由のうち国民主権主義と法治主義違反と賄賂など刑事法違反の2点について認め、大統領の職権乱用、言論の自由の侵害、生命権保護義務違反の3点については判断を避けた、ということです。それでも弾劾成立、それだけ、この2点に関して罪は深いということでしょう。

引用記事中にあるように、大統領への弾劾裁判は盧武鉉に次いで2回目です。盧武鉉の際は、国会の議席では与党は少数だったため、国会議員選挙の直前に、野党の数の力で無理矢理弾劾裁判が開始された面があります。大統領を弾劾裁判にかけることで選挙を有利に運ぼうという思惑があったのでしょう。しかし、これが結局国民の目には多数野党の横暴と映り、総選挙は盧武鉉与党の圧勝、弾劾裁判でも罷免は否決され、盧武鉉は政治的には大勝利を収めました。もっとも、盧武鉉の絶頂期はそのときで、それ以降はひたすら人気凋落の一途で、最後は退任後に自殺に追い込まれる結末となってしまいましたが。

今回は、朴槿恵は国会議席数では与党が圧倒的だったにもかかわらず、国民の間に朴槿恵への怒りが渦巻き-ということはつまり、それだけ彼女のやったことがひどかったということですが-それを見た与党陣営の大半が離反して弾劾賛成に回ってしまったわけです。
今回の罷免の理由としては否認されたものの、セウォル号沈没事故の際の不手際や言論の自由への侵害なども、政治的には多くの国民、与党政治家を離反させる要因になったはずです。

言論の自由への侵害という面では、やはり、産経新聞ソウル支局長への起訴騒動を抜きにして語るわけには行かないでしょう。
元々、朴大統領の父親の時代には、産経新聞と韓国の保守派は隠然たるつながりがありました。あの不祥事が40年前だったら、産経は一切口をつぐんで何も言わず、それどころか反朴派を攻撃する言説を展開したに違いありません。丁度、今の安倍政権に対してそのような態度であるように。
それを、この一件でご破算にしたわけです。もう、韓国は保守派もそうでないものもすべて敵、と、そういう路線に変更した、ということです。この路線変更にあたって、どれほどの慎重な計算があったのでしょうか。どうも、ネトウヨ的な思考の浅さで、勢いで突っ走っただけ、のように思えます。

どうも、諸記事によると、これは朴の直接命令によるのではなく、周囲が朴の胸中を忖度してやったことのようですけれど、「政権」としてやったことに違いはありません。まあ、この件はさすがに無罪になりましたけど。

http://www.asahi.com/articles/ASK3C5CLNK3CUHBI01H.html
朴槿恵氏は、11日も夜まで沈黙を守り、ソウルの大統領府(青瓦台)にとどまった。大統領府関係者は、罷免の衝撃が大きく、次の行動に移れないようだと明らかにした。意思疎通を欠く「不通」と呼ばれた政治スタイルで周囲の意見が耳に入らず、罷免を受け入れられない様子が浮かび上がった。
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別報道によると、12日夜にやっと退去したとのことですが、判決が出てから2日間にわたって、衝撃が強すぎて次の行動に移れない、という状態が続いたとすれば、その面でも大統領としての資質がなかった、というしかないでしょう。資質のない人間が大統領に当選してしまったことは間違いでしょうが、資質のなさが明らかになって以降、市民の力で大統領罷免にまで追い込んだことは、うらやましいと思わざるを得ません。





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最終更新日  2017.03.12 20:28:33
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