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2017.09.09
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 戦争と平和
「核の持ち込み」議論呼びかけに相変わらずの批判や反論、これでいいのか


あれから11年近くたつ6日、自民党の石破茂元幹事長が日本国内への米国の「核の持ち込み」を議論しようと呼びかけた。すると、やはりマスコミや野党、そして政府内からも批判や反論が相次いでいる。相変わらずの光景だが、これでいいのか。
外交・経済的な圧力が中途半端に終わって奏功せず、米国による軍事攻撃も忌避された場合、国際社会はいずれ北朝鮮を核保有国として容認せざるを得なくなる。そうなったら、日本はどうやって北朝鮮と対峙し、拉致問題など諸課題解決に取り組めばいいのか。(以下略)

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おなじみ(笑)産経新聞の「産経抄」です。
発言が批判を浴びることを「言わせず、考えさせず」と称するのであれば、たとえば「北朝鮮との友好」は言うまでもなく「対話」程度を掲げるだけだって、産経をはじめとする極右マスコミやネトウヨから袋叩きにされるんだから、同じことでしょう。
で、必ずしも産経に限ったことではないでしょうが、北朝鮮に対抗するために核を持て、みたいなことを叫ぶ人たちは少なくありません。類似のパターンとして、憲法第9条があるから北が核を持つのだ、憲法9条があるからあれがダメ、これがダメなのだ、という意見があります。(産経新聞には、かつて「自衛隊の戦車には戦闘には不必要なウィンカーがついている、憲法第9条のせいだー!!」という ヨタ記事をだした前科 があります)

日本が核を持てば(あるいは9条を変えれば)安全保障上の問題がみんな解決するかのような言い方は、言ってみれば「核を持てばすべて解決詐欺」(憲法を変えればすべて解決詐欺)とでも言うべきもので、明らかにウソです。
今の北朝鮮の核開発は明らかに米国との意地の張り合いです。世界一の核兵器大国である米国を相手に一歩も引かずに核兵器開発を進めている国が、どうして日本が核兵器を持てば(あるいは憲法を変えれば)核開発やその他の問題行動をやめると思えるのか。
日本が核を持ったところで(核の持込も同様)、それで北朝鮮の行動、態度が変わるなんてことはありえないことは明らかでしょう。むしろ「日本の核に勝つ」ことに必死になる、つまり核開発に一層拍車がかかり、日本に対する対決姿勢を強化するだけでしょう。

したがって「(北朝鮮が核保有国になったら)日本はどうやって北朝鮮と対峙し、拉致問題など諸課題解決に取り組めばいいのか。」という問いに対する回答は、残念ながらないのです。日本が核を持てば(あるいは憲法を変えれば)何か現状と違う解決策が出てくるわけではありません。


北朝鮮が戦火を開けば、瞬間的には米日韓におおきな被害を与えるでしょうが、北朝鮮の総合的な軍事力、特に燃料などの継戦能力は圧倒的に劣っているので、最終的には北朝鮮が敗北し、体制が瓦解するのは確実です。
逆に米国側が戦火を開けば、前述のとおり最終的な勝利は確実ですが、その過程で北朝鮮の反撃によってすさまじい被害を受けることになります。その被害規模はイラク戦争やアフガン戦争の比ではありません。その場合、先制攻撃の決断を下した政権はとてももたないでしょう。
トータルで見れば、戦争によって北朝鮮が受ける被害は日米韓のそれよりずっと大きいでしょうが、北朝鮮の政権は、一般国民をどれだけ死に追いやろうと平然としていられるのに対して、日米韓の政権は(本音はどうか知りませんが)そうはいかないという非対称性の問題があるので、選択肢において日米韓が北朝鮮より有利な立場にあるわけではありません。
だから、結局は互いに自ら先に攻撃することはできない状態なのです。

その北朝鮮が唯一先制攻撃を行う可能性があるとしたら、それは体制の瓦解が避けられなくなったときでしょう。つまり、たとえ先制攻撃をしなくても体制の瓦解が避けられなくなったら、自暴自棄、あるいは戦争によって国内外の政治力学が激変することに一縷の望みをかけて、破滅を覚悟の先制攻撃を行う可能性はあります。
が、そのような場合、日本が核武装していれば先制攻撃が抑止できる、というものではありません。「抑止」という理論は、相手に理性と計算能力があってはじめて成り立つものですから。「攻撃をかければ大変な損害をこうむるから攻撃はやめよう」という計算をする理性を喪失したものに対して、抑止力は効きません。

そのような状況は大変に腹立たしいものです。が、どうしようもないことです。核武装、あるいは米軍の核を日本に配備すれば、ネトウヨ的の愛国心は満たされるかもしれませんが、実際には何も好転しません。前述のとおり、北朝鮮はなお一層核開発に狂奔するだけです。
しかも、日本が相手にする世界は北朝鮮だけではありません。日本が核武装、あるいは公然と国内に米軍の核を配備することで、米国を除くすべての国との関係は、少なくとも良い方向に向かうことはありえません。独自の核武装の場合は、米国との関係すら、よい方向には向かわないでしょう。
つまり、核武装あるいは米軍の核の日本配備は、ネトウヨの感情を満たす以外は百害あって一理もない選択、ということです。





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最終更新日  2017.09.09 10:01:31
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