inti-solのブログ

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2018.11.26
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前回続きです。

前回に続いてお願いです。この記事については、あまりコメントを歓迎しません。内容によっては、コメント削除または投稿そのものを削除する場合があります。大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

どのくらい時間が経ったか分かりません。救急車の音が聞こえてきました。それから消防車も。消防車のサイレン音を聞いて、レスキュー隊も来てしまったのか、と思った記憶があります。しかし、真っ先に到着したのは青梅市の消防団の方お二人でした。そのあと、続々と、消防庁の救急隊の方々が到着しました。
無線で「意識は清明」とやりとりしていて、その過程で、私が頭を打っていると誤って伝わっていたことが分かりました。自分でザックからフリースもどきの上着と手袋を出して着ていたのですが、多分それでも震えていたのでしょう。「寒いですよね」と毛布とアルミの保温シートをかけてくれました。
この間に、救急隊の方が、先ほどの親子連れの登山者の方に、「ご協力ありがとうございました。あとは救急隊で搬送するので日が暮れないうちに下山してください、というような話をしていたようで、下山されていきました。
(おそらく)医師か救急救命士の方が到着し、登山靴ごと左足を固定してくれました。搬送方法を話し合っているようでした。ヘリで搬送するかも、と言われ、さすがにそれを嫌だとは言いませんでしたが、おおごとになってしまうなあと思ったことは確かです。(すでに充分おおごとになっているのにねえ)
結局、人力搬出になりましたが、船型の担架に乗せられ、おそらく10人以上掛かり(固定されているので、周囲は見えず、正確には分からない)で運んでいるようでした。足が一本折れただけの人間(前述の救急救命士?の方は患部の触診で折れていないのでは、と言っていたように思いますが、自己判断では、靭帯断裂までは想像していませんでしたが、骨は絶対折れている、少なくとも脱臼していると確信していました)を、不整地で車輪を使えない場所で運ぶのはものすごく大変なのだと痛感しました。
口々に、寒くないですか、もうちょっとですから、などと声をかけていただき、心強かった反面、申し訳なくて情けなくて。本当にありがとうございます、と言ったら「仕事ですから」と。ますます恐縮です。それに、消防庁の救急隊はまだしも、地元の消防団の方はボランティアみたいなものですし。
多分私が無謀登山者の類いだったら、救急隊の態度もまた違ったでしょうが、装備や登山靴(いつも使っている、足首まで保護される、ミドルカット〜ハイカットの普通の登山靴でした)から、無謀登山ではないと見て取ったのだろうと思います。


途中、多分2箇所くらいロープを張って吊り下げて下ろしてくれているようでした。途中で日が暮れましたが、すぐに登山口、というか車が入れる車道に着いたようです。すぐにと言っても、搬送開始から、1時間くらいは経っていたと思いますが。
そこで多分消防団の車(「だんしゃ」と言っていましたが、消防団の車、「団車」ということのようです)でケーブルカー山頂駅へ。ケーブルカーで麓に下ろしていただき、そこで待機していた救急車で、青梅市立総合病院へ搬送されました。

前述のとおり、尻餅で下山しようとしたので、ズボンは落ち葉まみれでしたが、土は乾いていたので、泥はそれほど付いていなかったようです。
ここでレントゲン撮影、腓骨の骨折はこの時点で明らかで、応急処置を受け、松葉杖をお借りしました。
この時点では、まだ松葉杖での歩行を甘く考えていたのですが、たまたま同じ病院に似たような状況で(山ではなく紅葉見物の遊歩道だったそうですが)転倒骨折して搬送された女性とお連れの方がいらっしゃいました。その、連れの方が、その方の弟さんに車で迎えに来てもらうので、一緒にどうか、と言ってくれたのです。
あまりの厚意にびっくりでしたが、そうしていただけるなら本当に助かると思い、お願いしました。その方たちは品川方面に帰宅するとのことなので、新宿あたりまで送ってもらえれば、あとはタクシーで何とかなりますと言ったのですが、結局自宅まで送ってくれたのです。あとで考えれば、重い(山としては軽量ですが)ザックを担いで慣れない松葉杖歩行では途中で進退きわまった可能性が高いです。
このご家族(確か、いとこ同士と、迎えに来たのがそのどちらかの弟さんとおっしゃっていたように思います)にも、本当にお世話になりました。それなのに、連絡先も聞きそびれてしまいました一生の不覚ですが、さすがに精神的に余裕がありませんでした。
子どもにはこの間何回か電話でやりとりして、何時になっても鍵を開けて迎えに出てくれるように頼んであったので、すぐに出てきてくれた。しかも、おにぎりを作って待っていてくれたのです。なんと、日付が変わらないうちに自宅で綺麗な身なりになって、風呂まで入っていたのですから、驚きです。

相棒は翌日夕方まで帰らないので、この間、荷物の片付けから食事の準備、片付け、私のちょっとした「あれを取って、これを取って」、すべて子どもがやってくれました。翌日は日曜日で、月曜に備えて松葉杖で乗り換え駅まで行くのも、多少の不平は言いつつも同行してくれました。でも、これで、松葉杖で通勤はただ事ではない、と悟りました。
結局、休み明けの月曜日に近所の病院で診察を受け、翌日から入院、手術ということになりました。
それから1年経過し、来月上旬に、今度は足首に入っているプレートを取る手術を受けることになりました。


そういう意味では、起きたことは不運でしたが、そのあとはものすごく幸運だった。こんな幸運はそうそう期待できない、ということを肝に銘じなければなりません。

山の歩き方に関して、基本的に私は、登りは人並みよりかなり速く、下りは人並み、あるいはそれ以下です。
登りは、別に問題ないのです。無理に急いでいるわけではないので。しかし問題は下りです。やや遅い自覚があるものだから、どうしても下りで「急ごう」という意識がどこかにある。考えてみれば、これまでも転倒尻餅は何度もやっています。平均すれば2回の山行で1回くらいの頻度では転倒していました。自分的には、落ちたら死ぬようなところでは、当然ただの一度も転けたことはないわけで、危険のない(と思える)場所だけで転んでいる自覚がありました。今回の場所だって、そうなのです。ところが、そういう場所にも危険があった。下りはより慎重に歩かなければいけない、ということです。
それから、今回は幸運でしたが、やはり行き先、行動予定はきちんと家族に伝えておくべきこと。
そしてもう一つ、こういう事態が起こってしまった場合に備えて、保険証は必ず持っているべき。私は、常に保険証は持っていて(パスモとセットにしているので、電車に乗るとき=保険証を持っている)このときも持っていたので問題ありませんでしたが、もし持っていなかったら、とりあえず10割払っておいてね、となる可能性が、特に私立病院では高く、そうでなくても後日精算のため再来院など面倒が増えます。


この間、通りかかりの登山者の方、青梅市の消防団と救急隊、青梅市立総合病院、そこでまったく偶然居合わせた患者とその親族の方々、近所の整形外科と現在入院中の某病院、もちろん娘と相棒、母、弟友人たち、、職場の同僚や部下、あらゆる人の好意と努力があって、今生きている自分があります。本当にありがとうございました。





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最終更新日  2018.11.28 22:36:39
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