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2020.10.21
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ボリビア、反米左派政権復活へ アルセ氏が大統領当選見通し


アルセ氏は19日、「国民の分別と信頼によりわれわれは民主主義と希望を取り戻した」と勝利宣言。メサ氏は「(出口調査の)結果は第1回投票で勝者が決まったことをはっきり示しており、われわれはそれを認める」と敗北を事実上容認した。

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「大統領選」と言えば世界的には今は米大統領選一色ですが、ボリビアでも大統領選を行っておりました。
昨年11月、エボ・モラレス前大統領が、自らが制定した憲法の「3選」禁止規定(実質的には4選)を無視して強引に出馬し、当選したものの、選挙不正を指摘されて抗議行動が激化、辞任して亡命を余儀なくされました。

権力は腐敗する(ボリビアの政変)

ボリビアの憲法によると、大統領が辞任した場合は、当然副大統領が大統領になるわけですが、副大統領も辞任すると、上院議長→下院議長と大統領に昇格します。ところが、この全員がエボとともに辞任してしまったため、大統領不在となってしまいました。ここで登場したのが、上院副議長のヘアニネ・アニェス議員。上院副議長が大統領に昇格できる規定はないようですが、一方的に「暫定大統領」に名乗りを上げて、しかも議会ではエボ派の前与党MAS(社会主義運動)の議員が欠席して、大統領指名に必要な定足数を満たしていなかったのに、「暫定大統領」に指名されてしまいました。
最終的に裁判で、この大統領就任は有効とされたものの、どう見ても正統的な大統領就任とは言えず、あくまでも暫定、次の大統領選までの「つなぎ」の大統領でしかなかったわけです。ところが、この暫定大統領がなんだかんだと1年近くその座に居座る異常事態となります。

このヘアニネ・アニェス、私は勝手に「ボリビアの杉田水脈」と名付けています(無役の一議員対暫定とはいえ大統領ですから、杉田水脈が日本のヘアニネ・アニェスというべきでしょうか)。またはボリビアの女トランプ。と書けば、ボリビアのことを知らなくても、だいたい想像がつくかと思います。いかにも白人、顔立ちは美人だとは思いますが、極右、インディヘナ(先住民)に対する差別発言を度々繰り返す極右女性議員です。余談ですが、杉田とは同い年で誕生日も2ヶ月しか違いません。
そのアニェスは暫定大統領の座にしがみつく間に、なんとか次の大統領選に自らも出馬しようと画策しましたが、支持率が低迷して(政権内の腐敗もひどいものがあったようです)、結局出馬辞退に追い込まれます。そりゃそうです。彼女の地盤の東部熱帯低地では、白人が多いので一定の支持があるのでしょうが、ボリビア全体で見れば人口の過半数が先住民なのですから、先住民から選挙権を剥奪でもしない限り、ボリビア全体では絶対勝てるはずがありません。

やっと行われた大統領選は、エボの後任である社会主義運動のルイス・アルセ対、エボの前のゴニ(ゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダ)政権で副大統領を務め、その国外逃亡後には暫定大統領大統領であったカルロス・メサの対決となりました。まあ、まともな組み合わせの対決といえるでしょう。2人とも、ボリビアにおいては第一級のインテリです。カルロス・メサも、反エボ政権ではありますが、極右とはほど遠い、今の日本なら充分リベラル派で通用する人物です。

勝ったのはルイス・アルセ前経済・財務相です。引用記事にあるように、エボの後継者なのですが、エボ政権の経済政策、財政政策を取り仕切っていたのはこの人なのです。


ルイス・アルセは、Wikipediaスペイン語版によると、1963年ラパスで両親とも教師の中流家庭に生まれ、サン・アンドレス大学に学んだあと1987年ボリビア中央銀行に勤務、のち英国ウォーリツク大に留学、帰国後は引き続きボリビア中央銀行にて、 Gerencia de Operaciones Internacionales(国際業務担当役員??でしょうか)として勤務・・・・・・、どこにも社会主義との接点が見つかりません。中卒で農民運動からの叩き上げのエボとも、およそ住む世界が違いそうに見えます。でも、そういう人を味方に付ける力も、政策を実行し、政権を維持する力だったのでしょう。
ただし、中流家庭の出と言っても、ルイス・アルセの写真を見れば歴然ですが、白人ではない、先住民か、先住民色の強いメスティソ(白人と先住民の混血)です。背広を着てネクタイを締めている写真では、日本人か中国人と言われても分からないような(笑)

しかし、ここまでの経緯を見ると、だったら前回大統領選で、最初からルイス・アルセを候補に据えればよかったじゃないか、と。エボは石もて追われて亡命に追い込まれたけれど、1年もたたずに後継者は得票率5割越えで大差で当選、ということは、エボ支持派でも、エボ本人の「3選(実質は4選)には愛想を尽かした、という人が多かった、ということでしょう。
何も自分で作った憲法を自分で破って、無理に出馬なんかしなければ、すんなり政権委譲でき、エボも亡命に追い込まれることもなかっただろうに、やっぱりそこは冷静な判断ができなかったんでしょうかねえ。どうしても、俗物な側面はあった、ということなのでしょう。人間は聖人君子じゃないですから仕方がないですけど。
とは言え、これでエボの亡命生活も、遠からず終わるでしょう。





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最終更新日  2020.10.21 19:00:06
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