inti-solのブログ

inti-solのブログ

PR

カレンダー

コメント新着

inti-sol @ Re[1]:自民党の都合は分かった(06/25) New! nordhausenさん 教育費が高いのも若者の…
nordhausen@ Re:自民党の都合は分かった(06/25) >少子化 おっしゃるように、少子化は確…
inti-sol @ Re[1]:事前運動(笑)(06/21) アンドリュー・バルトフェルドさん 藤吉…
アンドリュー・バルトフェルド@ Re:事前運動(笑)(06/21) 北村晴男みたいに「当選無効だ、キイキイ…
inti-sol@ Re[1]:2024年6月の鳥 その1(06/16) じゅら♪さん おっと、ごじゅらさんでした…
2022.02.08
XML
テーマ: ニュース(99428)
カテゴリ: 戦争と平和
軍事専門家が徹底分析、ロシア軍のウクライナ侵攻はあるか


ロシアは、NATO側が、1990年ドイツ再統一に際してNATOの東方拡大はしないと約束したのに破ったと主張している。これに対しブリンケン米国務長官は「NATOが新規加盟国を受け入れないと約束したことはない」と明言した。
どちらが真実かは、最近機密解除された公文書により以下の発言が明らかになっている。
1989年11月、ベルリンの壁が崩壊しドイツ再統一の可能性が出ると同時にドイツとNATOとの関係をどうするかが大きな問題になった。
旧西独のゲンシャー外相は1990年1月「NATOは東への領域拡大を排除すべきだ。すなわちソ連国境に近づくようにすべきではない」と述べ、ベーカー米国務長官も1990年2月、ゴルバチョフ書記長と会談した際、統一ドイツがNATOの加盟国にとどまれるなら、「NATOの今の軍事的、法的範囲が東方に1インチたりとも広げないと保証することが重要」と述べた。
米国独他主要西側諸国もドイツ再統一へのソ連の同意を得るために、ソ連の安全保障に配慮が必要との認識で、父ブッシュ米大統領を含めソ連首脳と接触した米欧首脳はベーカーらの発言を支持した。
そうした働きかけがドイツ再統一となって結実した。
しかし、ベーカー国務長官が1インチたりとも拡大しないと言った東方は東ドイツのことで、東欧諸国ではないという米国の研究者の反論もある。
ベーカー発言の解釈が争点だが、統一ドイツのNATO加盟のためには、統一ドイツ国境からさらに東方にはNATOを拡大しないという趣旨であろう。統一ドイツだけが対象の発言とすると、交渉条件を提示したベーカー発言の狙いと合致しない。
何よりも、NATOの東方拡大否定で最も不利益を被るドイツの研究者も政治家も、ベーカー発言がNATOの東方拡大否定の約束であるとの解釈を否定していない。今回のNATO東方拡大問題については、プーチン発の主張に分がある。
もともと2014年のウクライナでの政変に端を発した東部ウクライナでのロシアによるハイブリッド紛争であるが、ミンスク合意以来小規模な戦闘はあったものの、小康状態になっていた。(以下略)

ーーー

これを読む限り、というかベーカー米国務長官の発言が記録に残っている以上、NATOは東に拡大しないという約束は当然あったものと考えるべきでしょう。東方とは東独のことで東欧諸国のことではない、というのは、「消防署の方から来ました」の類で、まともな解釈とは言い難いでしょう。

ただ、これは口約束です。書面の条約にされたわけではないところに弱点があります。事実、こうやって「言った、言わない」の争いになっているわけです。
ゴルバチョフは、国外での高知名度、高評価に比してロシア国内では酷評する向きが多いと言われます。その理由は、この件で西側諸国の口約束を信じていいように手玉にとられてロシアの安全保障を危うくした、ということも理由の一つになっているようです。
もっとも、当時の時点では米国初めNATO側も、NATOを東欧諸国に拡大したいとは考えておらず、旧ソ連もそこを疑う必然性はなかったのでしょう。

それに、その後1999年3月には、早くも旧東欧諸国からポーランド・チェコ・ハンガリーがNATOに参加していますか、それに対してロシアは、基本的には賛成ではなかったものの、現在ほど強硬に反発したわけでもありません。当時のエリツィン大統領は、ポーランドのNATO加盟をいったん容認したこともあります(直後にそれを撤回)。ソ連崩壊後ロシアの経済状態はどん底で、それどころではなかったということもあったのでしょう。
ロシアがNATOの拡大に強硬に反対し始めたのは2000年にプーチンが大統領になって以降のことです。

というわけで、NATOの東方拡大について、ロシア側の言い分に一定の理はあると思われますが、口約束なので絶対とは言えません。しかも、すでに拡大してしまったNATO加盟国を1999年以前の状態に戻すのは、不可能でしょう。ロシアからの要求に従って我が国はNATOから脱退します、となるわけがないですから。覆水は盆に返らず、というしかありません。

そして何より、だからウクライナに侵攻してよい、ということにはなりません。「それはそれ、これはこれ」です。

ロシアが全軍投入できるなら圧勝でしょうが、巷間言われている、国境に展開した10万人だけで、全軍で20万人のウクライナ軍に勝てるのかどうかは、私には分かりません。一時は勝てたとしても、アフガニスタンにおける旧ソ連軍、ベトナムやイラクにおける米軍と同じで、占領し続けることは困難だろうと思います。人的、軍事的にも、財政的にも消耗し尽くして兵を引かざるを得なくなるのではないか、と思います。

いずれにしても、こんな戦争は見たくない、そんな事態が起こらないように祈るばかりです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.02.08 22:51:47
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: