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2022.06.14
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カテゴリ: 戦争と平和
防衛力強化「5年以内」 GDP比2%視野 骨太方針

中国の台頭に加え、ロシアのウクライナ侵攻で安全保障環境が厳しさを増していることを踏まえ、「5年間でGDP比2%」を念頭に防衛費の大幅増額を求める自民党の提言を反映させた。
政府は3日の自民党政調全体会議に、先月31日に公表した「骨太方針」原案の修正版を提示。防衛費増額をめぐる表現などになお異論があったため、了承は見送られ、週明け6日に再び議論する。

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ロシアのウクライナ侵略以降、防衛費を増やせ増やせの大合唱が与党やその取り巻きから起こっています。米国からも増額を要求されて、ほぼ倍増を計画しているようです。

ちなみに、日本の防衛費は公式にはGDP比で約1%ということになっています。しかし、これは日本独自の狭い算定基準による防衛費です。NATOとの防衛費の対比が言われますが、NATOにおける防衛費の基準は、沿岸警備隊(日本では海上保安庁)、PKO活動拠出金、退役軍人等の年金が含まれます。これらの「隠れ防衛費」がGDP比では0.3%近くあり、NATO基準で計算すると日本の防衛費は1.24%になる、と指摘されています。

日本の防衛費、GDP比で1.24%と判明…「隠す必要ない」と専門家 本紙がNATO基準で試算

だから、「防衛費2%」というとき、実際にはNATO基準では2.3%になる、と言うことです。
で、防衛費を増額して何に使うのか。まず言われているのは、「敵基地攻撃能力」です。具体的に言えば巡航ミサイルということになるのでしょう。そして、 こちらの記事 によれば、早期警戒管制機、空中給油機、戦車、ドローン、対戦車ミサイルなどとなっています。記事に指摘がないものでは、戦闘機や空母、潜水艦の増勢ということになるでしょうか。
この中でドローンと対戦車ミサイルは理解できますが、それ以外は増勢することが「防衛のために不可欠」とは言いかねます。

以前から指摘しているように、ロシアのウクライナ侵攻はいかなる理もない侵略戦争ですが、プーチンやそれを支持する多くのロシア人は、あれが防衛戦争である、あるいは少なくとも正義の戦争であると、本気で思っています。
そして、これはロシアだけの特異現象ではありません。あからさまな侵略戦争であったアジア太平洋戦争を「自存自衛の戦い」だったと思っている人が日本にだって大勢います。米国のベトナムやラテンアメリカへの侵略や圧迫、中国のチベットへの侵攻や中越紛争もそうです。


このままでは攻撃を受けそうだから先制攻撃してしまえ(敵基地攻撃能力)なんてのは、その種の「自称防衛」であって、実態は侵略と同じです。そして、そのような手段(軍事力)を持つことは、国が道を誤る原因となり得ます。
ウクライナには、様々なミスがあったでしょうが、ロシアに対するこの種の先制攻撃、侵略行為はやっていません。そのことがウクライナの国際的立場、諸外国からの軍事援助等には大きなプラスとして作用しています。

さらに、これも何度も指摘していることですが、ウクライナと違い、日本は島国であり、陸路外国軍が侵略してくるということはありません。そして、日本周辺に、まともな揚陸能力のある海軍を持つ国はありません。ロシアがウクライナに攻め込んだから日本にも攻め込むことが可能だと考えるのは間違いです。中国でも北朝鮮でも同様です。もちろん、日本が完全非武装だったら話は別です。たとえ相手が歩兵一個大隊でも、完全非武装では追い払うことは不可能ですから。でも、現状自衛隊の持つ力は、そんな弱いものではないことは言うまでもありません。

それらを総合して考えれば、現状の国際情勢下で完全非武装で安全を保つことは困難だけど、今より更に高価な正面装備をそろえる必要性がある、とは思えません。正面装備以外の面、例えば補給などに関しては改善の余地はありそうですが。

そもそも、「防衛費倍増」と言いますが、お金は天から降ってくるわけではありません。倍増のための予算はどこかからひねり出さなければなりません。それも、単年度の話ではなく今後永続的という話です。具体的には
1.増税
2.国債増発
3.他の予算を削る
このどれか、あるいは複合です。財政赤字の厳しい折、国債増発で更に財政赤字を増やすのか、給料からの天引き額が年々増大し、可処分所得が減る中で更に税負担を増やすのか、余裕のある予算など、どの分野にもないのに、他の予算(目の敵にされ易く狙われ易いのは社会保障費でしょうか)を削るのか。
そのどれを取るにしても、人口が減少し、経済全体のパイが縮小するなか、国民にとっては大きな負担と深刻な影響を伴います。その脅威は、ある意味で外国の軍事的な侵攻より現実的で、今民生活にとって危険なものになり得ます。





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最終更新日  2022.06.14 20:37:32
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