inti-solのブログ

inti-solのブログ

2025.09.27
XML
テーマ: ニュース(95921)
カテゴリ: 外国人の権利
「北九州市がムスリム給食」誤情報拡散→市に苦情殺到 業務に支障も

拡散された誤情報は、アフガニスタン出身のイスラム教徒(ムスリム)の女性による、宗教上の禁忌である豚肉やポークエキスを除いた給食をムスリムの小学生の子どもに提供してほしい、との陳情が市議会教育文化委員会で可決(採択)。陳情に基づき、北九州市でムスリム対応の給食が提供されるようになったなどという内容だ。
実際には、女性からの陳情は2023年6月に受理され、同8月に審理された後に継続審議となったものの、市議会が改選された25年2月に廃案。市議会で採択されることはなかった。
一方、市は同月、アレルギーのある児童や生徒も食べられるよう、大豆や乳といったアレルギー特定原材料など28品目を除いた給食「にこにこ給食」を実施。28品目には豚肉も含まれており、結果的にムスリムにも対応した給食となった。
にこにこ給食はこの時のみしか実施されていないが、これらを曲解し、女性の陳情が市議会で採択されてムスリム対応の給食が提供されるようになったなどという誤情報がSNS上などで拡散。「外国からきたくせに」「(給食が)嫌なら母国に帰れ」など排外的なメッセージと共に広まった。
誤情報を基にしたと思われる市への抗議の電話やメールは、19~22日で約1000件に達した。市が25年6月にインド・テランガナ州と結んだ友好協力協定を、国の方針である「5年間で50万人以上の人的交流」の一環と混同した上で「移民受け入れ策だ」などと抗議する内容も多くあったといい、抗議への対応で市の業務に支障が出たという。(以下略)

---

採択されていない陳情を採択されたと言い、たまたま2回だけ実施され、その後は実施されていないアレルギー対応の給食(たまたま豚肉も除かれていたが、アレルギー対応のため)を、ムスリム対応のためにそのような給食が出されるようになったと曲解しているのですから、これは明らかにデマです。
・・・・という事実が、引用記事には明確に説明されています。ところが、当該記事のコメント欄を見ると、ムスリム対応給食なんてとんでもない、という趣旨のコメント一色なのです。いや、だからそういう給食は出されていないという記事なのが、皆さん読めてますか?と、驚いてしまうわけです。

もちろん、私も日本で宗教上の戒律に対応した給食を公立学校で提供するのは現実的に無理(様々な宗教に様々な戒律があり、それにすべて対応したら、全員一律の給食など成り立たなくなる)なので、必要なら各自で弁当を持ってきてもらうしかないだろうと思います。

でも、今この記事で問題になっているのは、そのことだはないでしょう。
採択されていない陳情を採択されたと言い、存在しないムスリム対応給食を提供されたという、そのデマに踊らされて、1000件もの抗議電話やメールが殺到して、市役所の業務に支障を来している、という事実です。要するに、いわゆるキャンセルカルチャーが、それもデマによって見当違いな対象に向かって発動され、それによって実害を被っている被害者が存在しているのです。
そこにはまったく触れることなく、「ムスリムが」「ハラールが」って、いったいどれだけ見当違いな議論をしているんだよ、と思います。

多分記事をろくに読んでいないのでしょう。「ムスリム対応給食」という単語だけに反応して、「けしからん」と吹き上がっているのでしょう。人は事実を信じるのではなく、信じたいものを信じる、ローマ時代のカエサル(ジュリアス・シーザー)の警句と言われますが、人間というものの本質をよく見抜いているし、21世紀になっても、そういう性質はローマ時代から何も変わらないのだなと、妙に納得してしまいます。
いや、何も変わらないどころか、むしろ、21世紀に入って、「人は信じたいものを信じる」傾向は年々強まっており、それによる弊害も年々顕在化してきているように、私には思えます。

悪貨は良貨を駆逐する、残念ながら、こういうデマが飛び交う言論空間で、まともな議論など成り立たないだろうと言わざるを得ません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2025.09.27 21:22:50
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: