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おはようございます、紙太材木店の田原です。快晴で気持ちのいい朝ですが、いよいよ秋本番ですね。子供の頃、毎年のように母がガラスケースに鈴虫をいれて虫の音を楽しんでいました。小泉八雲によると虫の音を楽しむ習慣は古代ギリシャ人と日本人の共通点であるとか風情があって残したい習慣ですが、家の中に虫と聞くだけで〇キブリを連想される方も多くそんな習慣はいまや風前の灯でしょうか。鈴虫はともかくコオロギの色艶は〇キブリに瓜二つですし・・・さて、四季を通して家の中の気温が安定しているつまり例え外が極寒でも酷暑でも家の中にいさえすれば、一定の気温で暑さ寒さに対するストレスを感じない断熱や気密、換気や冷暖房がきちんと設計されている住宅では暑さ寒さに対するストレスは劇的に軽減されます。家中、一年中家の中が快適なんてことは贅沢冬は寒いのが当たり前夏は暑いのが当たり前でそれを我慢して日々、暮らしていく。平成の時代まではそんな考えもありましたが、新築を検討中の方の多くは家の中では何処でも年中、快適が当たり前。同時に、冷暖房光熱費もパネル設置で格安のはず・・・もちろん、それは可能ですが断熱性能等級が6や7だから一種の全熱交換機を使っているからUa値が〇〇だからこれらは残念ながらあなたが期待している快適を保証してくれるものではありませから参考程度にお考え下さい。一つの基準になるのは冷暖房負荷。例えば暖房であれば室温を20度設定にした時、家全体で一冬に何Kwhのエネルギーが必要か計算で出てきます。この何Kwhに電気代の35円をかけると金額が出てきます。現在建築中の名古屋の家で計算すると一冬の暖房負荷は家全体で508Kwh508Kwh×35円/Kwh=17.780円年間の暖房代は17.780円となります。もちろん、設定温度が20度ではなく24度にすると一冬の暖房負荷は家全体で1271Kwh1271Kwh×35円/Kwh=44.485円設定温度を何度にするかで暖房費は変わってきますし、そもそも電気代が1Kwh当たり35円なのか38円なのかあるいは40円なのかでも変わってきます。特に設定温度は低く設定すれば暖房負荷が小さくなって暖房費も安くなります。住まい手が家の性能を知る時、この設定温度がHMや工務店によって違いが出ると比較が出来なくなってしまいます。20度設定では17.780円ですが21度設定では23.415円となって1度違うと一冬で、5.635円も違いが出てきます。なので、これから新築を検討される方はその暖房負荷が何度でのものか確認する必要があります。一般的には暖房設定温度は20度冷房設定温度は27度で冷暖房負荷を計算しますから覚えておくといいでしょう。新住協でもPHJでも重視する数値は冷暖房負荷です。その他の数値は参考程度です。東海地方では日当たり(日射取得)によって、影響される割合が高いですから設計者とよく相談する必要があります。現在設計中の可児市の家は南側道路で東西南が空いている立地。暖房負荷は設計次第で小さくなりますから付加断熱の厚さや種類の選択肢が大きく広がります。つまり同じ暖房費で、断熱材を薄くすることができます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月18日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。11月も半ばの週ですが、今日の気温は25度になるとか。12月にCOP29がアゼルバイジャンで開催されます。国連の気候変動締約国会議ですが、1997年に京都で開催された時はCOP3ですから既に京都議定書が採択されてから27年と言うことになります。温室効果ガスの削減つまり、主にCO2の排出を減らす条約で毎年のように会議が開かれてきました。その会議の効果はともかく、温暖化が進んでいるということは多くの人が感じているのではないでしょうか。住宅において温室効果ガスを極力出さない家と言うのはその家に住んだ時に生活で使用するエネルギーが少ない=電気代が安いと言うことになります。省エネな設備機器十分な断熱自然エネルギーの利用主にこの3つで対策を取りますがLCCM住宅と言うのがあってこの住宅の考え方は建設時(製造時)から廃棄時に至るまでの何十年と言う長い期間の中で、トータルで温室効果ガスを出さないようにしようとするものです。例えば軽量鉄骨の家で使われる鉄の場合①オーストラリアやインドで採掘され②船で鉄鉱石を輸送し③鉄鋼メーカーで精錬され④それを必要な形にし⑤建築現場に輸送する①から⑤まですべてで温室効果ガスが発生します。もちろん、そこで使用されるエネルギーも日本の場合は輸入した原油や石炭が使われますから、その過程で発生する温室効果ガスも同様に計算されます。鉄だけでなくコンクリートでも同じですし、もちろん、木材でも同じように計算することになります。そうなると国産の木材の家であれば、少なくても軽量鉄骨の住宅で使う鉄より温室効果ガスの排出が少ないことは容易に想像できます。一般の方はあまりご存知ないかもしれませんが既に日本でも公共の建築物等における木材の利用の促進に関する法律(木材利用促進法)があって低層な公共建築物では木質化が普通になっています。住宅は建設時から居住時そしてその役目を終えて解体廃棄されるまでの長期間、温室効果ガスを排出する訳で出来るだけその排出を抑えられる住まいが求められます。新たに家を建てられる方は頭の片隅に温室効果ガスの事を忘れないで置いてください。長い目で見れば大切なことです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月11日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は6.5度と今年一番の冷え込み実は昨日の朝も寒かったので、薪ストーブを焚きました。事務所の中は18度あるんですが、外が一桁台の気温では早晩寒くなってしまいます。すぐに寒くなる理由は隙間だらけなので冷たい空気が入ってくるから。部屋を暖めると暖かい空気は上の方に上がり、そのあたりの隙間から出ていく。出ていった分の空気と同じ分だけ床近くの隙間から冷たい空気が入ってくる。これでは暖房してもなかかな暖かくはなりません。加えて、室内で発生した冷気が下りてくる。どういう意味かと言うと外の冷たい空気でサッシのガラスの表面が冷やされます。するとそこに接している室内側の空気が冷やされ、それが冷気となってガラス表面を滝のようにゆっくり下りてきて最後は床の上を這って足元に忍び寄ってくる・・・少し前のアルミサッシのペアガラスの断熱性は断熱材の入った壁に比べれば10分に1程度。ペアガラスさえあれば大丈夫と言うわけではありません。ガラスにはいろんな種類がありますしサッシの枠も樹脂やアルミ樹脂や木など様々です。サッシのガラス種類によって日射が良く入ってくるガラスと断熱性を高めたガラスがあります。ガラスの日射取得率を見るとその数値で違いが分かります。数字が大きいほど多くの日射が入ります。サッシのUw値を見ると断熱性が分かります。数字が小さいほど、断熱性が良くなります。実は従来のサッシのガラスは上の二つの性能は両立しません。つまり、日射がたくさん入って冬に家の中を温めてくれるガラスは、断熱性が良くありません。逆に断熱性を優先したガラスだと日射取得率が低くて、お日様にあたっているのになんだかそれほど暖かくない。南側のサッシのガラスにどちらの性格のガラスを使うか?日射優先のガラスだと昼間は暖かくていいけど夜は断熱性が低い断熱性優先のガラスだと夜は断熱が効いているけど昼間の陽射しがなんだか弱い日射取得型ガラスと日射遮蔽型ガラスこの二つのガラスの使い分けを計算して年間の暖房負荷がどうかを計算します。でも実は海外製のガラスには上の二つが両立するものがありました。スマートウイン佐藤の窓のガラスはそれです。ここにきて日射取得率が高くて同時に断熱性も高いそんなガラスを使ったサッシがYKKやシャノンから出始めました。太平洋側で日射が豊富な地域の南側の窓は今後このガラスになっていくでしょう。南面のガラスに無頓着な設計者もまだまだ多くいます。新築を検討される方は南面のガラスを意識する必要があります。新住協の鎌田先生がReplanに寄稿しているQ1.0住宅デザイン論で詳しく解説されてますからご覧ください。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年11月08日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。9月も最終日。明日から10月、今年も残り3か月。今週は新住協の総会が香川県の琴平で開催されます。推進会員の各メーカーの展示ブースもあり。サッシや断熱材、換気装置をはじめ高性能な家づくりに欠かせない資材メーカーのブースもあったりで今から楽しみです。今回は木製サッシメーカーの参加も多いですし、YKKもAPW631(木製サッシ)で参加します。サンゴバンもECLAZ(イークラッツ)で参加予定。総会では毎回新住協の会員の建てた家のバス見学ツアーがあるのですが、今回のツアーでは佐藤の窓の組立工場の見学も入っています。もともと佐藤の窓は工務店でもあるパッシオパッシブの佐藤さんが新規の事業で始められたもの。今回はパッシオパッシブのモデルハウスにも行く予定です。鎌田先生の基調講演もあるのですが、実は一番の目的は全国の工務店の皆さんとの交流の場である懇親会です。昨年の青森に続き今年も温泉旅館スタイル琴平温泉が会場なんですが、以前は丸いテーブルを8~10人が囲むスタイルでした。温泉スタイルは100畳敷きの畳の宴会場お膳を前に浴衣スタイルという昭和な宴会ですが、椅子にテーブルより勝手に移動して座り込めるのでこの方が込み入った話ができるんですね。次年度の総会の開催場所は毎年この総会の締めで発表されます。総会の前の理事会で審議して決めるのですが、今回の総会をどこで開くかコロナ明けと言うこともあって決まっていませんでした。なので今回香川で新住協の総会を開くことも、青森の温泉宿の昭和な宴会場の片隅で決まりました。展示品やモデルハウスなど最新のものや設計や施工などを見ることは大切ですが、その裏にあるものあるいは意図と言ったものは結局その人とコミニケーションをすることでより多く得られます。世間では高断熱高気密あるいは高性能住宅と言われていますが、会員の中ではそれは普通の事なので一般に言われるようなUa値やC値がどうのこうのと言う話しはありません。話しの中心になるのはその先にあるデザインや耐久性コストや施工性あるいは性能も質も落とさない大型パネルでの生産性の向上気候変動対策や猛暑が続く中での空調の在り方など話題には事欠きません。ある意味、次の時代の家づくり討論会でしょうか。2025年には建築基準法が改正されますが、省エネ基準などは欧米から20年遅れていると思っていいでしょう。改正されてもまだその水準であることを知っておく必要がありますし、2030年までにもう一度省エネ基準の改正があることも覚えておく必要があります。次の時代の家づくりというと自分自身は関係ないように思われるかもしれませんが、次の時代と言うのは20年から30年先ですから今年家を建てる方たちの家ももちろん対象になります。次の時代の家はお子さんたちの世代が喜んで住み継いでくれるような家である必要があります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月30日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。青森は最近朝から肌寒い天気で日中でも16度程度とか…むつ市では朝晩に暖房を入れている家が、普通にあるとのこと。東海地方も先週までの蒸し暑さもどこへ行ったのか秋の気配を感じるこの頃です。今日から三日間東京のビッグサイトでYKKapのフェアがあり、これから出かけるところです。三日間なのでセミナーやイベントは目白押し断熱や耐震、構造など実務者であれば誰でも知っている方が登壇されたり、講演されたりします。YKKは2012年からAPWフォーラムを各地で開催して断熱の重要性をアピールしてきました。APWの発売に平行して、一般の工務店に窓の重要性を喚起する狙いです。紙太材木店が初めてAPW430使ったのが2014年の10月の粟野の家今から10年前、当時はAPWの生産工場が北海道にしか無くて石狩工場からの出荷でした。当時のYKKのAPWの販売戦略は北から順次、南下していくというのも手始めに北海道それから東北そして関東中部地方での販売は北海道に遅れる事2年、YKKにはいつからこちらで販売するか何度も問い合わせた記憶があります。粟野の家は紙太材木店が初めて付加断熱をした家。屋根はHGW16K 30センチ壁はHGW16K 22センチサッシはAPW430と吹抜けに330を使いました。Ua値は0.33C値は0.3現在の基準で言うと6地域ですから断熱性能等級は6基準の0.46よりはかなりいいのですが、等級6であることに変わりはありません。2015年に新住協の総会が名古屋で開催された時の分科会の見学先になっています。当時の一般の建築仲間の反応はそんなに高い性能はいらない!なんでそんなのが要るのか?トリプルガラス?考えられん、何を考えてる?日本で初めてのパッシブハウス鎌倉パッシブハウスが建てられたのは2009年ですから、それから既に5年経過していても当時の反応はそんなものでした。北海道では既に300ミリ断熱なども言われていた時代ですが、北海道以南の内地での認識は今とは隔世の感があります。今の時代断熱性能等級6程度で断熱やり過ぎと言う方は恐らくいないでしょう。ここで皆さんにお伝えしたいのは断熱性能を考えるとどうしても断熱性能等級や断熱材の厚さそれにUa値などに目が行きがちになります。国の基準が今のところそうなっているのでそっちを見てしまうのも仕方がない面もありますが、住まい手としてあるいは実務者として意識しなければならないのは、冷暖房負荷です。暖房費にいくらかかる家か冷房費にいくらかかる家か断熱等級やUa値なんて、実際に住む人には単なる数字でしかありません。必ずしも等級が良ければ冷暖房費が少なくなるわけではありません。しかし、暖房費や冷房費はあなたの懐にダイレクトに影響しますしそれは同時に環境にも影響を与えます。これから家を建てる方は、上辺の数字がどんな意味を持ってるのかよくよく考える必要があります。冷暖房負荷を計算すると実は上記の数値や等級がほとんど意味がない場合もあったりします。何度も言いますが、Ua値などは参考程度にとどめ冷暖房負荷を気にしてください。新住協でもPHJでも問われるのはそちらです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年09月25日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。梅雨も明けてすっかり夏ですね。先ほどから蝉が一斉に鳴き始めました。ただ、先日までの雨でまだ地面は乾いていなくて、湿度は80%を超えています。さて、湿度(水蒸気)冬は足りなくて夏は有り余ってあの手この手を使って処分しなければなりません。最近の家づくりを検討される方も、夏の水蒸気の処理に関心を持たれるようになりました。住宅情報を収集する過程で換気の重要性や換気の種類気密の大切さなどに気が付かれるわけですが、玉石混合の情報の中で茶畑の中に入ってしまわれる方も・・・その中の一つに給気口の取付場所をどこにするかと言うのがあります。壁付けの3種換気の場合、ダーティーゾーンであるトイレや浴室、キッチンから排気して給気は各居室に給気口を設けます。その給気口をエアコンの下に設けるのか横かあるいは上かどこにしたらいいか?基本は 拡散する前に捕まえる、ですからエアコンの吸い込み口のすぐ上になります。なぜなら、エアコンの吸い込み口はエアコン本体の上部にあるからです。吸い込んだ空気をエアコンが温めたり冷ましたりして吹き出す。夏であれば高温で湿気をたっぷり含んだ空気が家中に散らばる前に、吸い込んで結露させ冷たい空気にして送り出す。冬であれば冷たい空気が部屋の中に拡散する前に吸い込んで暖かくして吹き出す。給気口とエアコンの吸い込み口が離れれば離れるほど、高温の空気冷たい空気高湿度な空気はエアコンを通らず室内に拡散していきます。一旦拡散したら家中に広がったらそれを捕まえるのは大変。吸い込み口は一つしかありませんし、場所は固定されてます。自分で動き回って水蒸気や冷たい空気、暑い空気を捕まえることはできません。エアコンに気持ちよく働いてもらうには効率よく働いてもらうには室内をより快適にするには給気口の位置は、入ってきた空気がエアコンの吸い込み口の上に来るようにしなければなりません。すぐ上に来たとしてもダクトで繋いでいるわけではありませんからわずかな距離で室内の空気と混合されることになります。壁付けの3種換気では各居室に給気口がありますからエアコンも各部屋に必要ですが、ダクト式の3種であれば給気口は家の中で1か所に絞ることができます。つまり、工夫次第で1台のエアコンで家中全室冷房も可能と言うことになります。もちろん断熱や日射遮蔽、気密は必須となります。明日は犬山の家のリノベーション見学会。あと1枠空きがありますので、ご興味のある方はご予約ください。こちらからお客様テイスト満載のお住まいです。犬山の家
2024年07月19日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。いよいよ梅雨入りの様で、小雨が降っています。本日は夏至ですがさて、一日の長さを体感できるでしょうか。幸い午後は晴れる予報ですから夕方何時頃まで日が差すか日没の時のお日様がどこに沈んでいくかあるいはもし日が差していたらお昼の12時に太陽がどこにあるか覚えておいてもいいかもしれません。夏至の時の太陽高度は日差しを避けるための庇や軒の出幅を決める時に利用しますが、実は一番暑い盛夏はまだ先です。つまり、夏至以降の太陽高度はこれから順次下がっていくわけで住まいを設計する時には一番暑い8月半ば頃の太陽高度や強烈な西日が差す時間帯の日差しがどっちの方向から来るのか意識する必要があります。最近は便利なアプリがあって、スマホで任意の場所や季節や時間の太陽の位置を確認できます。冒頭の写真はストリートビューですが、ARカメラという機能を使うと敷地の中まで入っていくことができます。つまり、建物が建つ予定の土地の居間のあるところに立った時の太陽の位置も分かります。ホームズ君の日当たりシュミレーションでも分かるのですが、現地に調査に行った時の最初のインスピレーションというか感覚と言っていいのか設計に入る前の段階での調査の一環で利用できるんですね。冬のお日様の有効利用と夏の遮蔽きちんと設計できていれば、暖房負荷や冷房負荷は小さくなります。つまり、暖房代や冷房代がロハで安くなりますから、利用しない手はありません。Ua値や断熱性能等級には反映されませんが暖房代や冷房代には大きく影響します。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年06月21日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は心配していた雨もそれほどではなく、今日は快晴で気持ちのいい朝です。今年は耐震診断の依頼が3件来ていて、と書いたところで緊急地震速報で携帯が鳴りました。被害が無いことを願うばかりです。週末に現地調査に行ってきましたから、これから作図して診断作業です。昭和56年以前の建物には一定以上の補強工事をすると補助金が出ます。現在ほど耐震基準が厳しくない時代の建物ですから、それをある程度の地震に耐えられる建物にしようとするとそれなりの補強工事と費用が必要になります。工事費用が高騰している中TOTOからまた値上げの連絡が来ています。(8月以降の発注)新築を検討されている人の中には中古の住宅を購入してリノベーションかあるいは建売住宅の購入かで悩まれる方も増えていると聞きます。今月の建築知識ビルダーズはダイシンビルドの清水さんの施工管理が掲載されていて、仲間内の業界内では評判ですが同じ号に夢・建築工房の岸野さんの特集が組まれてます。(お二人とも新住協の理事です)これは中古リノベか建売かで悩まれている方に参考になります。簡単に言うと、岸野さんの会社で中古の家を購入してリノベをして販売するというものです。そのリノベの内容は長期優良住宅を取得断熱等級7気密測定etcスケルトン状態にして新築と同レベルまでの改修を行うものです。岸野さんが購入する中古住宅購入の絶対条が複数ありますが、この条件は一般の方が中古住宅を購入する時の指標にもなります。幾つか参考に挙げるとハザードマップ確認(洪水、液状化etc)敷地に擁壁が無い事基礎コンクリートの立ち上がりが30cm以上基礎コンクリートに鉄筋が入っていること(長期優良住宅の認定のため)等ですが多くは長期優良住宅を取得するためにリノベ費用が高額にならないような条件です。候補の建物は1981年の新耐震基準以降の築30年から40年程度の家で100m2未満の大きさであれば一定以上の品質で価格はお値打ちとか。つまり、ある一定上の条件を備えた中古の家は性能向上リノベをすれば新築の建売分譲住宅と同金額でその性能を上回る家にすることができるというものです。日本では諸外国と異なり、中古住宅の評価が今のところありませんから実はそこが狙い目と言うことになります。問題はそのような条件の良い中古を見分けることと性能向上リノベができる工務店を見つけること長期優良住宅化リフォームの経験があるかどうかは一つの判断材料になりますが、条件にあう建物かどうかは工務店のインスペクション次第と言うことになります。耐震や断熱や気密、換気と言った性能に精通し、尚且つ長期優良住宅化リフォームの経験がある工務店はお探しになればお近くにもあるはずです。2030年には既存不適格になる新築、建売を検討かあるいは中古住宅の性能向上リノベと長期優良住宅を狙うかですが、どちらにしても長期優良住宅は必須です。長期優良住宅の認定ない新築や分譲は検討対象ではありません。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年06月03日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今週は天気が続きそうです。外仕事が多い住宅建築では、仕事が捗って助かります。先日Xで6地域、Ua値0.49だけど付加断熱無し熱交換もしてなくて暑さ寒さのストレスなく暮らしていけれるからそれで十分と言う話がありました。以前、亡くなった辻静雄さん(辻調理師専門学校)が一般の方が料理を食べて美味しい、美味しくないというのはプロが言う美味しいとは意味が違うのでああそうですねと聞いているそんなようなことを言われてました。(うろ覚え・・・)数多ある諸条件を検討し、一つひとつの課題をクリアしてその結果としてストレスの無い家になったのか特に何かを検討したわけでは無いけれど幾多の偶然が重なり、その結果としてそうなったかは分かりません。本人が満足されているのでそれはそれで、喜ばしいことです。ただ、文面だけ読むとこれから家を建てる方が6地域ならその性能で十分なんだと誤解される可能性があります。現在ではUa値信仰的なところや断熱性能等級がいくつか、それが基準のように考えられる方が多くいますが新住協でもPHJでも基準は冷暖房負荷や需要で1年間その家に暮らした時にどれだけのエネルギーが必要な家か?エネルギーと言うのは冷暖房費だけでなく、調理や家電、換気、給湯、照明まで含めたお金のことです。住まいの立地条件や間取り日射の利用や制御と言った設計手法や住まい手の暮らし方などは千差万別です。先般のPHJの勉強会ではUa値0.27と0.46の家の暖房需要が条件によっては逆転しているケースを紹介してました。つまり0.27の家の方が暖房費がかかっているわけで、ある意味寒い家です。年間の冷暖房代がどれだけなら満足かあるいは経済的なストレスが無いかは人それぞれですが、建てる前に知っておくことは大切です。その家のUa値がいくつかより断熱性能等級がいくつかよりG2かどうかより冷暖房費、いくらかかるの?冒頭に紹介した例では投稿の文面から意図して設計されたものではなく、偶然が重なり偶々そうなったように感じました。偶然ではなく、意図してそれができる設計者や工務店は徐々に増えています。見た目のUa値ではなく実の冷暖房負荷それをお忘れなく。プロはそれを見ます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年05月22日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝も気持ちのいい朝ですね。寒くなるのは予報で言っていましたから昨夜は仕舞ってあった厚手の掛け布団を引っ張り出してきました。住まいの性能次第で寝室の温度は変わってきますから、使用する掛け布団は家それぞれですね。冬でも家の中では短パン素足それでいて冷暖房光熱費はロハの家もあれば、電気代、ガス代、灯油代の合計が年間ウン十万の家もあります。2年ほど前まで最高等級だった断熱性能等級4程度の家では、パネルを設置してなければ年間の冷暖房光熱費は最低でも15万円程度はいくんじゃないでしょうか。この15万も恐らく我慢の15万で、冷暖房は気にされてると思います。ただ、実際に家庭内で使われるエネルギーで一番使われているのは給湯代つまり、お湯です。深夜電力も以前のように安くはありませんからエコキュートだからと言って、工夫しなければ以前ほどの恩恵はありません。住まい手の意識としてできる節約は冷暖房費程度です。LEDになった今では、電気をつけたままにせずこまめに切っても期待するほど電気代は下がってくれません。いきおい、節約しようとすると我慢の冷暖房となります。しかし、我慢の節約をしなくても給湯エネルギーを削減できれば暮らしの質を向上させることができます。お湯をできるだけ使わない、あるいはお風呂に入る回数を減らすそんな選択ではありません。家を建ててしまってからではできることは限られてきます。住まい手になる方にできることは建てる前に、契約の前に、設計者や工務店、HMを選択することになります。誰に相談するか誰と組んで家づくりをするかでほぼ決まってしまうと考えていいでしょう。どんな生活をしたいかどんな暮らしをしたいかそれは人それぞれですがローン金利が上がっていく中、経済的な負担は極力低くあるべきです。住宅の性能の質を下げて建物価格を下げてローンを少なくするのも一つの選択かもしれませんが、その選択の前にそれを選んだら毎年どれだけ冷暖房光熱費が必要になるかローンの返済と合わせると合計でいくらになるか?目先の建築費だけを見るのではなく、その家で生活した時の冷暖房光熱費がいくらになるか設計者に聞く必要があります。燃費の悪い一昔前の車はガソリン、1リットル当たり走れる距離は8km程度それが今では、20kmが普通でしょうか。家でも同じです。燃費の悪い家といい家では年間どれくらいちがうんでしょう。同じ生活をした時、良い家ならゼロ新築でも悪い家なら20万以上かかるでしょう。しかも住むのは50年・・・車の使用期間に比べれば、相当開きがありますし簡単に買い替えはできません。どんな家を建てるかは車と同じで、あなた自身です。経済的にも肉体的にもストレスのない家を誰と建てるかそれが問題です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年05月10日
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こんばんは紙太材木店の田原です。連休前半の最終日、色々あって更新がこの時間になりましたm(__)mさて、連休中にお打ち合わせをした方が夢建築工房の岸野さんが6年ほど前に書かれた「エコハウス現場写真帳」をお持ちでした。既に設計契約もいただき詳細設計に入っている段階なので、仕様書の説明や具体的な納まりなど細かい所まで打合せをしています。どんな材料を使うのかどんな納まりになるのかなど住まい手の方は自動車関係の設計の仕事をされているので、職業柄ご自分でも調べるのが好きですし、苦にされる様子はありません。一般的に住宅の実務者と住まい手の知識や技術の格差は相当程度あって、住宅の各所の納まりや使用する建材などはある意味、信頼してお任せするというスタイルです。今でもほとんどのケースでは、そうなっています。つまり、推奨される資材や正しい施工なるものが一般の方には未知の領域あるいは、よくわからない分野であるため信頼して任せる以外ありませんでした。この本は題名が「エコハウス現場写真帳」なのでピンと来ないかもしれませんが、実は高性能な住宅の工事や施工と言ったキモの部分を説明、解説した本です。従来、高性能な住宅について様々な本が出ていますが、実際の工事や施工についての本は出ていません。高性能な住宅の理論や仕組みは分かっていてもじゃあ、それを成立させるための施工は?先日紹介した辻先生の「ぜんぶ絵でわかるエコハウス」も施工や現場での工事について書いてあるわけではありません。実際、工事をするのは大工さんや電気屋さん水道屋さんや空調屋さんと言った職人さん達で、その仕事の内容を指示しているのが工務店の現場監督と言うことになります。現場を管理する人が分かっていないと全ては絵に描いた餅。設計だけする設計事務所の設計士の多くは多分分かっていません。どう施工するかわかっていませんから監理できないので、工務店にお任せとなります。簡単に言うと気密シートを張る必要性は分かっていてもどのように貼ったらいいかは?教科書はありません。学校の授業でもありません。現在の学校の建築科ではあるかもしれませんが、現在実務についている設計者の学校時代には誰も習っていないはずです。写真と図で相当詳しく解説されていますから一般の方が見てもそれなりに理解できますし、実務に携わる方にもとても参考になる本です。この本のやり方が全てではありませんし、各工務店毎に施工方法の違いがあると思いますが、違いがあるのは当然としてなぜその施工なのかなぜその材料なのか担当者の聞いてみることはとても大切です。高性能な住宅をお考えの方は購入しても損はありません。自分の家がどんな施工をされるのか、本と比較しながら楽しむことができます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年04月29日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は一日快晴で雲一つない空でしたが、今日も朝から気持ちよく晴れてます。先日、町から空き家等対策協議会の委員に委嘱されました。前回の引き続きで任期は2年程。従来は空き家は法的にも放任、放置されてきてその結果、何百万戸も(800万戸以上)の空き家が出来てしまった。中には崩落寸前で、このままでは危険というところまできてようやく社会問題化したわけです。そのようなことから空き家対策に対する法律は年々改正され、空き家の発生を極力少なくする方向で動いています。それはどういう方向かというと、基本的には空き家の持ち主が何とかしなければならない方向です。今までは時間稼ぎで、何もしなくても放任、放置で経済的負担も発生しなかったのが、順次、その逃げ道を塞いで持ち主自体が自分自身のお金で何とかしなければならないように法律を改正しています。まぁ、当たり前と言えば当たり前ですが責任の半分くらいは国にもあります。つまり、誰も住まいような性能の低い家を建てることを長年放置してきたのですから。空き家の多くは性能を向上させるようなリフォームをしようとすると、性能の低い新築と同じ程度の費用が掛かってしまうんですね。だったら、性能の低くても新築方がいいという人も出てきます。残念なことに国内だけを見ていると、性能が低いということが分からない。断熱性能等級4です、国が定めた基準の最高等級です、なんてつい2年前まで建てられていたのですから…(等級4は2030年には既存不適格になることが決まってます)この負のスパイラルが長年放置されてきた結果の空き家対策。なんだか寂しくなりますね。これは典型的な悪貨が良貨を駆逐するケースです。本来であればこんなに空き家が出る前、20年前に一定以上の性能の家しか建てられないように新築を規制すべきでした。自動車で排ガス規制が出たのが昭和41年。順次強化されて今があります。住宅業界と比較すると、隔世の感があります。2025年にようやく住宅でも、性能の義務化が始まりますから順次強化されていくことになります。自動車であれば5.6年長くても10年で買い替えもできますが、住宅ではそんなわけにはいきません。義務化の最低基準で建てれば、数年もしないうちに既存不適格になります。小さくても性能のいい家なら大きく、広く住むことができます。住宅に関して言えば、国の施策は20年から30年程遅れています。(何とか巻き返そうとしてますが・・・)お上の言う通りでいいと思っていると後からババを引く、ババを押し付けられる?ことになります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年04月26日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は4.8度と、少し冷えています。この週末は春のお祭り。4月の第一か第二の週末が多いようで、周辺の市町村でも開かれるようです。職人さんの休みは基本的に日曜だけですが、お祭りの時は土曜日も休み。お祭りの大事な担い手になってる職人さんも多いんですね。東北の伝統的なお祭りが今年で最後と先日TVで報じていましたが、人口が減って地域に残る人が少なくなっていくのは寂しい限りです。さて、この4月から省エネ性能のラベル表示制度が始まりました。どんな建物でもかと言うと、そうではありません。住宅で言えば分譲住宅(建売住宅)分譲マンション賃貸住宅買取再販住宅上の4つ。工務店やHM、設計事務所の注文住宅は対象外もうひとつ、この制度は努力義務できるだけ表示して下さいね、です。この類の性能表示はすでにEUでは20年も前から義務化されていますから、周回遅れの感は否めませんがようやく第一歩でしょうか。今後順次、評価の対象や表示内容も変わっていくと思われます。SUMOの編集長の池本さんがEUと日本の制度について書かれてますから興味のある方はご覧ください。性能の低いアパートは賃貸禁止、家賃の値上げ禁止の国もあります。分譲や賃貸だけでなく、注文住宅にもこの表示制度が適用されるのも時間の問題と思われます。同時に努力義務ではなく、表示義務に。何が表示されるかと言うとエネルギー消費性能と断熱性能 の二つ自己評価と第三者評価の二通りの表記方法があって、第三者評価は従来からあるBELS評価自己評価はWEBプログラムの計算結果を使って自社で発行するものです。今現在既にBELSを発行している会社は、ある意味何年か先を行っていたことになります。住宅はどうあるべきか社会のニーズはどう変化していくかなど先を見ていたということでしょうか。もっとも、注文住宅ではまだ努力義務も課されていませんし、まして義務化もされていません。国の制度が突然変わってしまうことも無い訳ではなく、ある日突然こんな制度止めますなんてことにはならない前提ですが…2050年のカーボンニュートラル(家庭からの温室効果ガスの排出ゼロ)に向けて日本のみならず、多くの国も動いてます。これから家を建てようとする方、あるいは分譲住宅、マンションを購入しようとする方は、この制度の意味や目指す方向がどこにあるかを見通す必要があります。何も考えず、相手の言うまま信用して家を建てたり、買ったりの時代はとうに過ぎてしまいました。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年04月10日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。桜も咲き始め、ケヤキも葉が付き始めています。花粉も飛んで、春が実感できます。先日の新建ハウジングに「イマドキの新築住宅の光熱費」の記事が出ていました。直近2年以内に戸建て、住宅を新築した600人のアンケートの集計。断熱性能等級は、4から7の家です。記事によると5割超が全国平均の半分以下(夏冬)冬の(2月)の全国平均は2人以上の世帯で29.986円に対し、1万~1.5万円未満が29.3%全体では2万円未満が6割とか。記事では断熱性能等級別の2月と8月の光熱費が表になって出ていますから、一目で比較ができます。興味深いのは新建ハウジングのその表の分析です。一般的な感覚では等級が上がるにつれ光熱費(暖房費を含む)は下がるように思いますが、表からは等級7の最多価格帯は1.5万~2万円等級4と5の最多価格帯は1万~1.5万円つまり断熱性能等級が最上位の方が、光熱費(暖房費)を使っていることになります。その解釈を新建ハウジングは等級4と5の家は「我慢の省エネ」の現れか?と分析しています。等級4.5レベルで全室暖房をすると光熱費が高額になるため、人がいる部屋、いる時間だけの暖房をしているのではないかと言うわけです。Q1.0住宅 は全室暖房した時でも国の定めた基準の家の半分以下の暖房エネルギーにするものです。QPEXで計算すれば分かりますが等級4(Ua0.87)等級5(同0.6)当たりで、全室暖房となるとそれなりの暖房エネルギーが必要になってしまいます。(びっくりするくらい)留意していただきたいのは等級4は一昨年まで断熱性能等級で最高等級でしたが、現在では丁度1から7まである等級の真ん中。2025年、来年この等級4が義務化になります。来年義務化になるということは、断熱性能等級の中で最低の基準になるということです。また、2030年には等級5が最低基準になることが既に決まっています。人がいる時、いる時間だけの暖房を部分間歇暖房と言いますが、住まい手の健康性や住み易さを考えると全室暖房あるいは全室冷房がこれからの流れですし、実際、国の誘導策もその流れにあります。つまり、省エネでありながら過ごし易い家と言っていいでしょうか。新建ハウジングのデータからは等級4.5程度だと我慢の省エネになる可能性が高い事が、裏付けられた形です。新建ハウジングの出しているアーキテクトビルダーの4月号に詳細が出ていますのでご興味のある方はご購入下さい。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年04月03日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨夜の雨も上がり、今朝は快晴の美濃地方。花粉だけが気がかりです。昨日は久しぶりの日曜休みでした。朝一番でお墓参りに行きその後は、チェーンソーのメンテナンスや薪の整理、竹藪の下草刈りと資材の片付け…と言うことで汗だくの一日になってしまいました。以前、北海道に行った話をしましたが、ダイシンビルドの清水さんが二日ほど前にその時のことをYouTubeにアップされました。どんな断熱ツアーだったのか興味のある方はご覧ください。参加メンバーの多くは既に何度も北海道の建築を見に行っているのですが、行くたびに新しい発見や気づきがあることを知っていますから声がかかれば行きましょうということになります。今回も訪れたタギ博士の住んでいる旧荒谷邸もその一つ。私は3回目の訪問ですが、新たな発見があるんですね。このツアーの影響で紙太材木店でも来月着工の家から断熱の仕様が変わります。さて、東京都の太陽光パネルの設置義務化。一時はいろんな意見が飛び交いましたが、今ではほぼ忘れ去られたようなイメージですが着々と進んでいます。それどころか先日の日経新聞には、他の自治体にも同様な広がりを見せていることが報じられました。3月25日 日経電子版記事によると、全国では既に1000の自治体が2050年のカーボンニュートラル(温暖化ガス排出実質ゼロ)を表明しているとか。この流れは今後、更に加速して他の自治体にも広がっていくと思われます。紙太材木店でも2021年以降、全ての家で太陽光パネルが設置されています。そんな流れの中で先月、KKJ(国交省住宅局)から「省エネ性能に優れた断熱性能の高い住宅を住みこなす住まい方ガイド」が発表されました。編集した委員が大手のHMやエネルギー会社、資材会社に偏っていて、JBNや新住協、PHJなどからは出ていないから忖度しているなどの意見が業界ではありますが、これからそのような家に住む人向けの住まい方のガイドとしてはよくできていると思います。但し、サラッと書き加えられているこのページに注目する必要があります。対象となるのは断熱性能等級で言えば等級6と等級7現在の誘導基準である等級5ではありません。大手のHMの中には国が定めた誘導基準の等級5が標準仕様ですと言っているところもありますが、そのレベルの家は対象外ですと国交省の住宅局が言ってるわけです。一方では等級5にしましょうねそちらに住まい手を誘導してくださいね。等級5が誘導基準ですよそう言いながら、片方では省エネ性に優れた断熱性の高い住宅は等級6や等級7ですよそこではこんな風に生活してくださいね。なぜ、そうなるのか?2025年に義務化(等級4)2030年には等級5が最低基準2050年にはカーボンニュートラル現在は義務化もされていない時代だけど2025年、2030年、2050年に向けての道筋は既にできているからそこのところを見てくださいね。等級5なんて5.6年もすれば最低基準だからその先を見てね。KKJ(国交省住宅局)はこのガイドでそう言ってる、はず。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年04月01日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。朝から台風並みの強風が吹いている美濃地方。家は大正2年で築100年を越えていますからこれだけ強い風が吹くと、隙間から風が入ってきて家の中でも風を感じる事が出来ます。(ほとんどがサッシではなくガラス戸なので)もちろん、ビューとかゴーとかかなり強い風が吹いているのが家の中にいても聞こえるのです…これが気密がきちんととれている高断熱住宅だとほぼ分かりません。それらの音が聞こえないんですね。窓の外の木の枝が揺れているとか木の枝が地面に散乱している看板が倒れている田舎であれば近くの竹藪の竹が大きく揺れている視覚的に見ることができれば分かりますが、きちんとした性能の家でそれらに気づかず玄関ドアを開けるとびっくりすることになります。今気づいたのですが強風が吹いているけど雨模様。なので花粉は少ないはずなのに、鼻水やくしゃみが出るのはなぜが?外は少なくても、外から入ってきた風のせいで家の中に滞留していた花粉が舞いあげられたからと思われます。この話、築100年越えのサッシも入っていないような家だからだろうそう思われるかもしれませんが、実は違います。以前も少し触れましたがちょうど今、築30年程の○友林業の家のリフォーム工事をしています。リフォームの場合現地で打ち合わせになりますが1月、2月の寒い時期に現地の和室で打合せを行っていると、どこからともなく風が入ってくるのが分かります。単板ガラスのアルミサッシ壁には50ミリの袋入り断熱材天井も100ミリ床は25ミリほどのサニーライト但し、畳が敷いてあると床には断熱材はありません。(スタイロ畳なのでという理由と思われます)これは、普段から断熱改修を行っている工務店や設計者なら、すぐにわかります。壁の中に気流止めが無い事と、そもそも気密という概念が設計サイドにも施工サイドにも希薄だったこと。コンセントやスイッチプレートから冷気が室内に入ってくるのが分かります。北風が吹けばその風があたる北側の外壁の外側の気圧は高くなりますし、反対の南側の壁の外側の気圧は低くなります。間にある家の中では、それぞれの壁に隙間があれば北側の隙間からは室内に空気が押し込まれますし南側の隙間からは室内から空気が吸い取られます。気流止めがありませんから基礎の換気口から床下に入り込んだ空気は、外壁や間仕切りの壁の中を通って1階の天井裏に。更にまた気流止めの無い壁の中を通って小屋裏に抜けていきます。そして、小屋裏の換気口から外へ逃げていきます。ある意味、空冷式の家が出来上がっています。30年前でも一級建築士はいましたし、大手のHMもありました。カナダのR2000住宅も既に日本に入ってました。なのに空冷式の家…でも、なぜだか当時の大半の家はあのレベル。残念ながら、今でも30年前とほとんど変わらない家が毛の生えた程度の家が建てられているのが日本の現実です。今までのやり方を変えるのが面倒客がそんなことを望んでいない寝た子を起こすな間取りとデザインと価格家なんてこれで十分・・・結果は、何百万戸もの余った家。お祖父さんの土地建物がまだある実家である両親の土地建物もあるなのに新しく土地を買って、間取りとデザインと価格だけの家を建てる、買う。問題ははっきりしてます。上記の事は住まい手側の責任ではなく、工務店、HM、設計者つまり住宅業界の責任です。一口に住宅業界といっても大手から個人まで何万もあります。経営理念も違いますし、社長の考え方も同様です。どういう考えで住まいを設計しているか建てているか会社ごとに異なります。耐震、断熱、気密、換気が住宅の基本的な性能どんな考えの会社を選ぶかでほぼ全ての事は決まってしまいます。亡くなって久しいですが作家であり実業家でもあった邱永漢さんは長期投資を基本としてました。投資する時は、必ずその会社を訪ね社長の話を聞いて投資するかしないかを判断されたとか…これからの時代住まいもある意味投資です。工務店を訪ねた時、営業担当者や設計担当者ではなく社長と直接話をすることが大切です。どういう考えでその会社は家を建てているのかそれは社長次第なのですから。上記の基本的な性能一つ一つについて聞いていくと社長によって考え方はそれぞれ異なりますが、何人かに聞けば何が大事なのか凡その事は分かります。担当者ではなく社長と話すことが大切です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月29日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は2.6度の川辺町おおよそ名古屋マイナス3度が、このあたりの朝の気温となります。快晴で18度くらいまで暖かくなるようですから9時には10度を越えるでしょうね。さて、先日シャノンが新しい防火サッシの発売を発表しました。NS50の防火・準防火地対応のサッシです。郊外で家を建てることが多いとあまりこの 準防火地域 を意識することは無いのですが、街中では対応を迫られます。悩みの種は、準防火地域に対応したサッシの熱還流率がそれほど良くないこと。つまり、断熱性能が低いんですね。対応策は、延焼ラインにかからない位置にできるだけ窓を設置する。でも、これを優先するとなんだかなぁという間取りになる可能性が高くなります。延焼ラインと言うのは隣地境界からの距離を言っていて、1階なら3m2階なら5mこれ以上、隣の敷地から離れていれば距離がありますから、お隣からのもらい火やこちらからの延焼を防げるであろうというラインです。もう一つは配置の検討ですが、もともと住宅密集地が準防火地域に指定されるわけでお隣から3mも離すような余裕のある土地はほとんどありませんね。そういうわけでこれらの地域で一定以上のUa値や断熱性能等級を確保しようとすると内窓を取り付けるになります。つまり、サッシを2重に取り付けるわけです。FIXという開かないサッシであれば、採光のためのサッシなので容易に内側に取り付けることができます。準防火地域に住んでいる方でなんだか断熱性能がとお考えの方は、検討の余地があります。いまなら補助金もでますから思ったよりもお安くできる可能性が高いでしょう。ただ、残念なことにこの内窓を付ける補助金は新築には出ないんですね。1年以上住んでないと、申請ができません。1年我慢するという手もありますがさて・・・この、内窓設置で熱還流率低減作戦FIXや引き違いの窓には有効なんですが、縦滑り出し窓のような窓には不向きでどんな窓にも有効と言うわけではありません。新しく出るNS50の準防火対応のサッシは、縦辷りと横滑り、それにFIXの3種類いろんなシーンで使える可能性があります。熱還流率は1.0を切っている高性能な樹脂のトリプルサッシ。6月からの出荷ですが、お値段はどうなるでしょう?参考価格が出ていてW640xH1170の縦滑り出しサッシお値段は定価で¥212.900円内窓設置作戦との価格の差が分かれ目でしょうか。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月27日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨夜は久しぶりに料理、ベビーバックリブのBBQ簡単に言うと、小さい背中側のスペアリブ。焼く前に蒸してバーベキューソースを何度か塗って、オーブンで仕上げました。最初から上手くいくはずもなく、今回はオーブンの温度設定が少し高めだったようです。今回の経験を糧に、次回は蜜汁叉焼のソースも使ってチャレンジしたくなりました。アメリカンなバーベキューソースと中華の蜜汁叉焼のソースどっちが美味しいか?さて、全館空調講座はできるだけ費用をかけないつまり、主催者の考えで有料の会場はできるだけ使わず、参加者のモデルハウスやお引渡し前の会場をお借りして実測するのが通例です。前半は座学、その後は実戦と言うことで今月は鳳建設のお引渡し前のお住まい。来月の会場は一旦、座学のウインクあいち。その次は夏見さんの自邸。その次は紙太材木店での開催・・・(*_*)毎回、講座の後はお酒の好きな主催者の懇親会がお約束ですが紙太材木店の町にはめぼしいところは…最寄りの駅は高山線の中川辺駅で、普通しか止まりません。名鉄は新可児、今渡駅なれど今月から名古屋からの直通急行は廃線、犬山で普通に乗り換えである。もちろん最寄り駅からはタクシーか誰かが迎えに行く…高山線は名古屋からの特急ひだがあるから美濃太田までは何とか来れるが自動車での迎えは必須…遠くは福島、石川、横浜、大阪、愛媛等来るだけでも大変。どんな懇親会せい言うねん。もし、やるなら手料理でやったろうかなどと考えている次第。今回のベビーバックリブのバーベキューは一応合格なれど、みんな、ホントにこんな田舎に来るんかいな?来るなら来るで来た甲斐があったと言われるようにしなければならない訳でさて、どうしたものかと思案中・・・空調講座で実際の家やモデルを借りて実測するのは、やはり座学では得られないものがあるから。伊礼さん設計のモデルハウスの実測なんてのも(^^♪ありますが、結果は・・・さて、今回のお話は窓。窓を開けると新鮮な空気が入ってくるから部屋に入ってきた空気が抜けるように、対角線上にもう一つの窓を開ける通風のセオリーです。確かにそうなんですがホントかな?本当にそうなの?事務所には二つの入り口があります。北側のエントランス西側の通用口エントランスと入口でドアを開けた時、空気がどのような動きをしているか?外気は10.4度室内は30度・・・(薪ストーブを焚いているので)外気の風速は東の風、0.6m/sほどです。北側のエントランスドアを開けた時の上部の空気の動きは外に向かって流れています。では、下部は?左側が室内で、そちらに向かって勢いよく流れています。西側の通用口はどうでしょう?上部には実は、風鈴が付けてあります。風鈴から中から外への空気の動きが読み取れます。同じ通用口の下部はどうでしょう?外から室内側への空気の流れが分かります。東の風、0.6m/sでも北側、西側にあるドアでは、それぞれ一つのドアで入ってくる空気と出ていく空気があるのが分かります。この治具を使うとどのあたりが入りと出の境界なのかも分かりますから、重宝します。(山本亜耕さんの秘密兵器です)設計者は空気や熱の流れを目で見て、実測することが大事です。卓越風が北西からだからと平面図上に風の流れを書いてこちらからこちらに抜けていきますなんて説明もありますが、空気は必ずしもそのように動いてくれているわけではありません。暖気や冷気と言った空気の動きは、すまい手の過ごし易さに直結します。床下エアコンだから小屋裏エアコンだから大丈夫と言うのは幻想です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月25日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝も冷え込んで氷点下2.6度。全く、真冬の朝に逆戻りの気温です。先日の新建ハウジングに東京ゼロエミ住宅の新しい基準が出ていました。現行では水準1がUa値0.7水準2が同0.6水準3が同0.46水準3では補助金が210万ほどとかそれが改定され水準Cが0.6水準Bが0.46水準Aは0.35で補助金は増額されA水準で240万新住協やPHJできちんと断熱住宅を建ててる工務店や設計者なら、水準Aは普通にできるレベルですからある意味、羨ましい・・・今年の10月の確認申請から適用です。都内で土地を持っている人でないと難しいと思われますが、東京都がなぜこのような高い性能の家に補助金を出すのか。同様な高性能な住宅に対する補助金は札幌市でもありますし、意外や鳥取県でもあります。補助金は税金ですし、返済する必要はありません。なぜ、行政がこれらの住宅に補助金を出すのかを考える必要があります。温暖化対策やSDG'sなどもありますが家余りで、人口が減少していく中これ以上空き家はいらないというのが本音ではないでしょうか。空き家は要らないと言いましたが空き家になることが予想される家も要らないどの自治体も、そう考えているはずです。どんな家が空き家になることが予想されるかと言えば耐震性の低い家断熱性の悪い家です。何を基準にするか例えば、低いとか悪いとかでは相対的でよくわかりません。残念ながら普通に家を建てれば、耐震性も断熱性も付いてくるわけではありません。まだまだ、多くの方はそれらが当たり前のようについてくると思っていますが、そうではありません。普通に家を建てるというのは国の基準を満たしているのですが、時代はどんどん進んでいます。国の基準も最低基準から何段階もその上が出来ています。普通に家を建てるというのは最低基準近辺の基準をクリアしている程度と、考えるべきです。そしてその基準も順次、引き上げられています。断熱性では一昨年まで最高基準だった等級4が真ん中の基準になりましたし、2025年には最低基準になります。更に2030年には、不適格基準になることが既に決まってます。そうなると現行の等級5が最低基準になります。そんなのは嫌だ俺は寒くてもいいから好きなように家を建てると言っても、義務化されるので確認申請を出しても許可されません。つまり、断熱性が基準を満たしていなければ問答無用の門前払い。行政からはそんな家は建てられませんと言われます。住宅業界の中には断熱性能等級5が標準仕様でZEH水準と謳っているところもありますが、6年後の2030年には最低基準です。30代で家を建て50代半ばの2050年はカーボンニュートラルの時代。つまり、住宅を含めて家庭からはCO2を出さないことが、求められる時代です。岐阜県の人口は200万人ですが2050年には50万人減って、150万人を割り込むことが予想されています。この50万人が住んでいた家は?多くは空き家になりますが、性能が低ければそれは相続した方の負債となります。そんなん要らんと言って、兄弟姉妹で押し付け合っても誰かが相続することになります。負債を。国は税金の取りこぼしが無いように相続登記の義務化を始めました。違反者は罰則付きです。従来のように、誰が相続したかわからないという状況の撲滅を目指しています。断熱性能等級5程度の家ではあなたにとってもその家を相続するお子さんにとっても、リスクでしかありません。住まいの性能は人任せにせず、必ず自分で確認する必要があります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月22日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は小雨が降ってもそれほど寒くありませんでしたが、今日からまた寒くなるとか。三寒四温の言葉通りの季節になりましたね。週末は打合せや点検などでお客様にお会いしますが、打合せ中の方からは今回の建築知識ビルダーズは面白いですね、と。実務に携わる工務店の経営者や設計者、現場管理者が読む本ですが、一般の方も読まれるんですね。現代では家づくりの様々な情報はネットで収集されてる方も多いのですが、それなりに有益な情報の多くはやはり紙媒体。日経ホームビルダー亡き後、アーキテクトビルダーとこの建築知識ビルダーズが双璧でしょうか。打合せ中の方が興味を持たれたのは、床断熱と基礎断熱の記事で新住協の代表理事だった鎌田先生が執筆されています。基礎断熱の生まれた経緯や床断熱との熱損失の比較基礎断熱と言っても断熱材を取り付ける位置や厚さは複数の施工の仕方がありますし、べた基礎か布基礎かでも異なります。同じ仕様を省エネ基準の計算とQPEXで計算した時のものが合って、数えると40種以上になりますがその熱損失を表にしてまとめてありますから一目で比較ができます。また、平成25年の省エネ基準の計算式では熱損失が少なく出ることが指摘されています。記事を読むと、床断熱より基礎断熱の方がコストがかかっていることが分かります。最近は一般の方も床下エアコンをお考えになる方も出てきましたし、基礎断熱のほうが気密が容易に取れるなどの話しもあります。床暖熱では床を貫通する配管や柱や間柱周りの気密処理は、難易度が高いから云々などの理由や床下エアコンは差別化になるからと、最近始めた工務店や設計者が基礎断熱+床下エアコンを採用するケースもあります。きちんと床下の熱損失が計算されていなければ断熱不足になりますし、暖気の流れや移動と言った各室の暖房負荷が計算できなければ、快適な部屋にはなりません。つまり、この部屋は北側にあって広さが〇〇m2で気積は〇〇m3外が0度の時の暖房負荷が〇〇w/hだから1時間に〇〇度の空気を〇〇m3送るような設計が必要。だから床下エアコンから暖気を送る時の換気ガラリはαAが〇〇m2のものが必要になる。床下エアコンにすれば万事解決ではありません。なぜなら、ほとんどの場合経験と勘で設計しているから・・・今回の記事では床断熱と基礎断熱の併用の事や床断熱の床の気密の取り方玄関の断熱の仕方床の付加断熱の手法などがわかります。気密や断熱を工務店や設計者にお任せではなく自分自身でも理解した上で家を建てたいそんな方向けの記事です。ネットではいくら探しても、この種の情報は出てきません。他にも面白い記事が多くあります。興味のある方は一度手にとっても損はありません。現に打合せ中の方も読まれてるのですから。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月18日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。流石に氷点下ではありませんが、1℃台の美濃地方。快晴で気持ちのいい朝です、花粉が無ければ・・・先日のブログで新住協の中部東海支部の勉強会に顧問の会沢さんが来られた話をしました。その後、関東支部の勉強会にも行かれたとか。どんな話だったかお伝えしていませんでしたが、二つの勉強会共に自然温度差がメイン。関東支部の神長さんが、FBで話されてました。このブログでも何度も自然温度差の話しをしていますが、そのFBに北海道の山本亜耕さんが「自然温度差って、適切に設計を行った断熱住宅なら10度を越えるなんて普通じゃないですか」そうなんですね、紙太材木店でも常に10度を越えるように設計しますが、新住協の勉強会でも強調される部分です。つまり、意匠、デザイン優先外観の見た目を優先した設計あるいは単にUa値や断熱性能等級を基準に設計すると、この自然温度差10度は無理です。山本さんは続けて外気温が0度で室温を20度にしようとした時、無暖房の家なら20度分をまるまる暖房設備で賄わなければならないけれど、自然温度差が10度あれば10度分を暖めるだけだから暖房設備を小さくできる。断熱住宅の特性はまさにこの自然温度差と言う性能が高いことで、結果的にお金のかかりやすい全室暖房にも有効になる。自然温度差が4度や5度の家断熱と日射を意識しないと、普通にあります。たとえUa値や断熱性能等級が6や7でもあるんですね。だから新住協の勉強会で何度も繰り返し、自然温度差のことが話されます。床下エアコンであれ一種の全熱交換であれ全館空調であれどれもこれもお金がかかります。その前にタダでいつまでも使える自然温度差です。自然温度差が良ければ暖房費も下がります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月15日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。3月も半ばになると、朝の6時は明るく青空が見えます。昨日はリフォームする家の解体工事が終了するので、現場で打ち合わせと養生でした。中古住宅を購入されてのリフォームなので、住みながらのリフォームではありません。窓や一部の壁を撤去しますから、用心が悪くなります。合板で開口部を塞ぎますが、それを搬入する時雨に濡れてすっかり体が冷えてしまいました。少しぐらい大丈夫と甘く考えていました…一時的でも体が冷えるのは良くありませんが寒い家は一冬ずっと寒いわけで、体が温まる時間以外は緊張と弛緩を繰り返すことになります。家中、お風呂も廊下もトイレも玄関も暖かい作りになっていれば、少なくても家の中では緊張と弛緩を繰り返すことはありません。問題はコスト。そのような家を建てるためのコストと暖かくするコストの両方がかかります。よく言われるのが断熱性をあげるのに〇〇万円それによって削減できる暖房費が〇〇円だから、割ってみると〇〇年で回収できるという話。これを聞くといつも、なんだかなぁ…暮らし方、あるいは暮らし易さ自身や家族の健康性、そう言ったものを全く関係のない視点から見ているように感じるからでしょうか。面白いのは違和感を感じずそうなんだという方と、そんなことは全く考慮せず暖かくするよと言う方がいます。そもそも考慮しない人は回収年数云々ということには、全く興味を持たれません。でも暖かくしたいという自身の気持ちを優先されます。確かに投資回収年数と言う考え方もありますが、住宅の断熱性については参考程度にお考えになった方がいいように感じます。断熱性について投資回収年数をお考えの方でも、耐震性について等級1と等級3を比較して投資回収年数が、と言う人を見たことも聞いたこともありません。恐らく耐震性は命に直結する問題だからでしょうか。そのような問題を投資回収つまりリターンやお金には代えられないと感じるからと思われます。地震で家が倒れるイコール命の危険と言うのは誰もが容易に想像できます。でも断熱についても、健康性については同じことが言えます。自身や家族の健康性はお金には代えられないのですから何年で回収云々と言う話は、参考程度でいいのではないでしょうか。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月13日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝も冷えましたね。マイナス2.8度の美濃地方です。温度計があるのは地上1.2mですから、地表面や屋根面は放射冷却でもっと冷えているはずです。特に屋根面は寒暖の差が壁面より大きいですから、屋根や天井の断熱材の厚さは壁より厚くする必要があります。一昔前、30年ほど前であれば大手のHMの家でも断熱材の厚さは壁5センチ天井5センチ程度今工事中のリフォーム現場は、まさにそんな家です。現場で打ち合わせをしていても隙間風がどこからともなく入ってきます。当時としては、丁寧に断熱材が入れてある方ですが・・・2025年にようやくその断熱性が義務化されます。実は、その義務化されるレベルはついこの間まで断熱性能等級で、最高等級だった等級4。これを聞くと最高等級だった基準を義務化するなんて国もなかなか思い切ったことをすると思うかもしれませんが、その基準で家を建てると2030年には既存不適格・・・つまり、基準以下の断熱性の家になることが既に分かっています。そのような家を相続したら?この4月から相続登記が義務付けられます。罰則規定もあります。実は所有者のわからない家や登記がされてない家が多くあって、空き家の多くもそれです。誰の家かわからなければ課税もできませんし、そのそも空き家になって放置されること自体地域にとっては負担になります。今、新築をお考えの方は夫婦の両親の家の終活と同時に、これから自分達の建てる家の終活も考える必要があります。それと終活で相続放棄すれば安心ではありません。あなたが放棄すれば、あなたの兄弟が兄弟全員放棄すれば、亡くなった両親の兄弟がそこも亡くなっていれば、あなたのいとこたちが相続することになります。つまり近しい親戚全員が放棄しなければ、誰かが相続することになります。固定資産税は今のところ家が建っていれば、六分の一に減免されてます。なので、相続しても空き家のまま放置しておくケースが大半です。いつまでも国が、そのまま見ぬふりをする訳ではありません。既に「特定空き家」に加え新たに「管理不全空き家」を新設し、固定資産税が課税されています。特定空き家だけだったのが管理不全空き家にも課税されることになりましたが、更にその先は?例えば私が国なら5年空き家なら何%課税10年空き家なら更にプラスして課税、空き家が今以上に増えるのは国にとっても地域にとっても負担なのですから。あなたの建てる家は30年後40年後あなたのお子さんにとって負債になる可能性はありませんか?最低でも、耐震性は等級3、断熱性は等級6以上を今のところの基準と考えます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月11日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。そう書いてから、打合せの時間に間に合わないことに気づいてこの時間の更新となりましたm(__)m昨日は名古屋で、全館空調設計講座でした。第10期と言うことでしたが私が受けた3年程前が2期でしたから、人気のほどが分かります。今回の名古屋は15人程が参加していましたが、岐阜、三重からの参加は無し。愛知県も三河方面が数名で、残りは横浜x3名、福島、長野、愛媛、滋賀、大阪・・・知った顔や工務店が半分ほどでしたが床下エアコンが上手くいかない・・・付加断熱が・・・営業が・・・懇親会ではいろんな話が飛び交いますがそこはある意味、情報交換の場。横浜の3人組は名古屋まで1時間20分ほどだから、懇親会のあと新幹線で帰りますと言ってました。横浜も随分近くになりました。名古屋から新可児まで名鉄で約1時間そこから家まで車で15分新横浜とそれほど変わりませんね。2期の講義から3年ほど経っていると、内容も進化していて分かりやすい(^^♪忘れているところやソーダッタノカなところやこれはどうだろうなんて相談もできるわけで、設計や現場の実務に携わる者にとってはとてもありがたい講座です。先日の新住協の勉強会といい今回の講座といい、参加している設計事務所や工務店は実は同じような顔ぶれ。一般の方も知ってるようなスーパー工務店ほどこの手の研修や講座には、社内の誰か彼かを参加させています。伸びてる会社ほど社員が自社の強みや弱み課題を理解していて、共有している。そんな会社は伸びるはずですね。社長一人ができる範囲、頭の中で考えることは限りがあります。住宅業界は大変革時代。時代に合わせて、変われる工務店だけが残っていきます。次回は岐阜市内の現場で実測研修。お邪魔虫で参加の予定です。(修了生で正規参加者ではないので・・・)紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月08日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。週末は打合せが入りますが遠隔地であったりリフォームの場合は、現地やご自宅で打ち合わせのケースもあります。この週末もそうだったのですが帰り道沿いに中華の総菜を売ってるお店を偶然発見。横浜や神戸には中華街があってあちらの総菜を売ってるお店があります。名古屋には中華街が無くて残念に思ってたのですが、あったんですね。既に2回ほど寄り道して総菜を買っているのですが、店員さんの日本語は片言・・・前回は偶々来ていたお客さんの中国人の方が通訳してくれました。今回は前回より少し上手に日本語が話せる店員さんだったので、お酒のつまみにあれこれ購入ご興味のある方はお立ち寄りください。季氏骨里香(キシグリシャン)矢場町(基本的に日本語が話せないので好みに合う総菜か合わないかはあなたの運次第・・・)行列のできるパン屋さんも紹介いただいたのですが、それはまたの機会に・・・田舎に住んでいると都会の打合せはいろんな楽しみがあります。さて、先日の新住協の技術資料と今月の建築知識ビルダーズに、時を同じくして床付加断熱が出ました。東海地方で床付加断熱をしているところを私は知りませんが、実は数年前から紙太材木店でもそれを標準にするどうかで揺れ動いていました。コストの問題や暮らし易さ住まい手の暮らし方や暑さ寒さの感じ方の違いなど、床付加断熱は微妙なラインにあるので迷っていたのが実情です。つまり、床の表面温度はエアコンの設定温度次第でどうにでもなる。エアコン20度設定なら床の表面温度は20度以上にはなりません。多くの方は靴下や素足で床のフローリングが20度以下では冷たさとまではいかなくても違和感を感じますが、スリッパがあれば問題なし。そこでエアコンの設定温度を22度や23度にすれば床の表面温度も上がりますから。靴下や素足でも全く違和感はありません。足裏20度が分かれ道と言ったところでしょうか。もちろん設定温度でエアコンの電気代は異なります。20度か22度か?資料では床の断熱材の厚さでその表面温度が変化していくグラフがあります。床断熱HGW16K 厚さ200ミリで設定温度20度の時の床の表面温度は19.5度100ミリなら19度住まい手の判断に委ねるという考えもありますが、それはなんだか設計者の意思を放棄しているような・・・と言うことで紙太材木店では今年から床付加断熱は標準とします。来月着工の吹上の家からです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年03月03日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。快晴ですが氷の張ってる美濃地方。朝晩はまだ寒い日が続きます。本日は新住協の理事会で仙台出張。先週の北海道に続き、冬は寒い地方に行くことが多くなります。先日の打合せは中古住宅を購入された方と現地で打合せでした。きっと寒いからと打合せ用のちゃぶ台とストーブまで持参したのですが、南向きの広縁は日差しがあって暖かく、その必要はありませんでした。ただ、日差しはあって暖かいのですが隙間風がどこからともなく入ってきます。どこか窓が開いているのかと家中廻ったのですが、全て閉まってます。そんなに風が強い日ではありませんでしたが、室内にいて風の流れを感じる事が出来ます。30年ほど前の大手HMの家で当時としては在来木造の普通の家。30年と言う時間は、やはりひと世代前も二世代も前の家という時の流れを感じさせます。お色直しだけのリフォームをすれば新築でも通用しますが、見えない気密や断熱は如何ともしがたいのが現実です。サッシやドアは閉まっているのに空気の流れが室内にいて感じられるのは、外壁や間仕切り壁の中を空気が動いているだけでなく、室内側に向かって空気の出入りする箇所があることを示しています。一見、何の隙間や穴が無いように見えても実はそこかしこにあるわけで、リフォームの時には予算的な制約を横目に効果のある手法が求められます。壁や床を全部剥がして断熱材や気密シートを新たに設置となれば、工事をする側としては容易ですが住まい手にとってはそれなりに費用が掛かってしまいます。後工事としての断熱の強化や隙間風が室内に入ってくるのを防止するための気密工事は、木造の建物の構造が分かっていること断熱材の入れ方が分かっていること結露の計算ができることそれらの工事をすることで暖房負荷がどの程度向上するか計算できることが必要です。単に断熱材をいれたりサッシを交換するだけでは、断熱工事をしたとは言えません。断熱の工事は隙間風や寒さを防いでくれるだけでなく、夏の暑さも防いでくれます。一条工務店をはじめ筋の良い中古の住宅は、市場のゆがみがありますから今しばらくはお買い得です。それほど多額な費用をかけなくても暖かい住まいを得ることができますから、新築一辺倒ではなく中古住宅を視野に入れても損はありません。筋のいい中古住宅の見方は断熱改修をしている工務店ならある程度分かっているはずです。等級4程度の新築なら筋のいい中古の方がお勧めかもしれません。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年02月28日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。快晴で気持ちのいいい朝ですが、先週の断熱研修中にかかった風邪で体調はなんだか本調子ではありません。寝込むとか熱がある訳でなく、体が重い感覚です。北海道から帰ってきたら新住協から技術情報の58.59号が届いてました。新住協の技術情報なんてと思われるかもしれませんが「基礎断熱と床断熱 どちらを選ぶか」について様々な比較検証がされています。技術情報の結論を申し上げるとローコストに高性能を求めるなら、床断熱が絶対床下暖房を採用して、更に快適性の向上を目指すなら基礎断熱が必要絶妙な言い廻しと言いますか、本当にその通りです。つまり、基礎断熱は床断熱に比べコストがかかりますが、少し補足して説明します。紙太材木店の考えとして関東以西で建築するとして敢えて付け加えるなら等級4.5程度の断熱性なら基礎断熱と床下暖房等級6以上なら床断熱でしょうか。つまりUa値で0.3くらいまでは断熱優先で強化する。Ua値0.3まで行くと床下暖房しなくても床面の温度は十分確保できますが、0.3まで行かないと室温の設定次第では床面の温度が低いと感じる割合が高くなります。実際はエアコン暖房の設定温度を上げれば問題ありませんが、暖房費の金額は上がることになります。逆説的に言えば等級4.5程度の基礎断熱では床下暖房しないと床面が冷たく不快それを補う手法が床下エアコン初期投資とランニングコストとしての暖房費の事を考えると、Ua値0.3で床断熱でしょうか。基礎断熱のコスト上昇分を天井やサッシにまわせばUa値もそれなりに良くなりますが、ここのところは設計者と相談ですね。現代の住宅ではある一定レベル以上の断熱性がありますから、どんな住宅でも力技(設定温度)で暖かくすることができます。基準となるのは初期投資の金額と燃費つまり、暖房負荷(需要)(暖房費)がどれだけ必要か?家計にやさしく、暖かく過ごすヒントがこの技術情報にあります。設計者の皆さんは参考にしてみてください。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年02月26日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。2月とは思えない暖かさですね。昨日伺った本荘町の家「20度設定のエアコンでも昼間の温度は25度になっちゃって、子供達とみんなで暑い暑いって言ってるんですけどどうすればいいですか?」「家を冷やしちゃいけないから、エアコンは切るなと言われてるし・・・」皆さん、窓を開けましょう。さて、今日から北海道。前泊組もいますが、私は朝の6時台の名鉄電車に乗りセントレアからです。現在、打合せ中の住まい自然温度差が13.8度設計していて、それなりにいい数字になるのは分かっていたけど、13.8度は新記録。何も暖房していなくても13.8度のあるわけですから、外気温が7度でも室温は20度を越えます。南向きの高層マンションの中階みたいですね。上下左右だけでなく斜め左右の部屋からも暖められますから、一軒家と違ってマンション住まいの方は、それなりに暖かく過ごされています。一軒家はマンションに比べると、実は寒いんですね。この家はもちろん、南向きで立地条件も恵まれています。耐震等級も3(許容応力度計算)30坪弱の広さの家1年間の暖房費は、室温20度設定で3230円20度設定ならほぼ無暖房ですね。冷房費は1年間、27度設定で17.866円暖房費が安いので、冷房費の金額が高く感じてしまいます。実はこの計算方法は暖房期以外は冷房期間として、計算されるようになっています。つまり、1年を暖房期と冷房期の二つに分けて冷暖房費を計算することが、お約束なのです。(準拠しなければならない計算式)そこのところの問題は、新住協の技術資料に鎌田先生の解説が出ていますからご興味のある方はご覧ください。紙太材木店のここ数年の標準的な断熱仕様です。何かいつもと変わった断熱材を使っているわけではありません。5KW程度の太陽光パネルを設置すれば、経済的にはとても楽な住まいとなります。現在の金利で銀行から100万円借りると、返済期間35年で毎月3000円ほど余分に返済することになります。過去に紙太材木店で建てられた方の家のデータから生活エネルギー(冷暖房、調理、家電、給湯、照明、換気)は立地や間取りなどが上手くいけば、全て賄えることが分かってます。つまり、生活に必要なエネルギー代はゼロで、パネル設置費用も10年程は賄えます。(10年の間に電気代が上がることや10年を越えると卒フィットで売電金額が下がるので、10年を越えるとエネルギー代が必要になると思われます)住まい手が考えがちな間取り優先のプランではなかなか難しいものがありますが、設計者はそこのところもちゃんと考えているはずですから住まいの燃費も意識しながらプランを相談してみましょう。きっと思いもしないワクワクするような楽しいプランが出てくるはずです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年02月21日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。気温は5度、比較的暖かな朝です。昨日は大垣の家の気密測定でした。建築中も特に何か特別な指示をしている訳ではありませんが、大工さんや電気屋さん設備屋さんが普通に仕事をしてくれます。気密(防湿)はこうやって下さいという手順書や仕組みがあれば、その通りになります。もちろん、人のすることですから忘れやうっかりもあるわけで、現場の管理者はその確認をすることになります。今回、設備屋さんは建設地が大垣と言うこともあり、はじめての職人さんでした。特に指示を出すこともありませんでした。15年ほど前に比べると隔世の感があります。当時は気密(防湿)なんて何のことやらの時代ですから、そもそも論の気密(防湿)がなぜ必要かどうやったらいいのか手取り足取りの時代でした。社長が気密(防湿)シートを張れっていうからやるけど本当にいいんか?大丈夫か?真面目に、そう言ってくる大工さんもいました。設計者や現場の責任者が気密(防湿)を意識しなくても、職人さん達がさらっとこなしてくれる時代。まだまだそんな工務店や設計事務所ばかりではありませんが、確実に増えていると思われます。なぜこのように気密(防湿)と書くかと言うと最近では防湿層と気密層を分けて、施工するというやり方もありますが何度もくどいくらいこう教えてもらったからです。気密シートの気は水蒸気の気空気の気ではありません、英語では vapor barrierです!壁の中(外壁)に水蒸気を入れてはいけません。結露します。気密の気を空気の気だと強弁した人たちが、窒息住宅なる言葉を生み出しました。今では死語のはずですけれど。近年、住まいの気密、防湿については冬型の結露夏型の結露など詳細な結露計算ができるようになってきましたし、気密シートも海外製のものなど様々な種類があります。設計者と相談して納得できる手法で施工してください。設計者によって様々な考え方、優先順位があります。P.S.明日の大垣の見学会追加で募集していましたが、14時からの枠が1枠だけ残ってます。ご興味のある方はお越しください。大垣インターからすぐです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年02月16日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今週は暖かくなるとの予報が出てます。週末に見学会を開催しますが実は寒ければ寒いほど、住まいの断熱性能を実感できますからできるだけ寒い方がいいのです。暖かいなんて聞くと、なんだか残念に思ってしまいます。ただ、大垣市実は伊吹おろしで風がとても強い地域です。縦滑り出しの小さな窓を一つ開けておくだけで、ビュービューと風が入ってきます。もちろん風が抜けていく、別の窓を開けてます。隣家がすぐ近くで接するように建っていると、空気(風)広い所から狭い所に通り抜ければビル風ではありませんが、風速が増します。以前もお話ししましたが換気の種別と風速、内外の温度差、それに気密の違いが建物の漏気に及ぼす影響について北海道住宅新聞の記事が参考になります。データは北欧住宅研究所の川本さんによるものです。袋入りのグラスウールで気密を意識してなければ、C値(相当隙間面積)は恐らく2くらいでしょうか。法定の換気回数は2時間に1回つまり、1時間に0.5回の割合で家中の空気を換気します。その換気量に加えて上記の表でC値2、風速6m内外の温度差30度の漏気量を見ると0.805回0.5+0.805=1.305回/時間北海道で温度差が30度の時ですから、こちらでは20度程度でしょうからそこを少し差し引いて1.2回/hとすると0.5回で済むところ1.2回ですから2.4倍も換気されてしまうことになります。ただでさえ寒い家が風が強いと更に寒い家になる・・・桶屋が儲かるなんていう複雑な話しではなく、単純に寒くなります。うちは3種の換気システムだから大丈夫?隙間相当面積2だと0.5回+0.579回温度差を少し差し引いて、1回/時間ですから約2倍ですね。気密が悪ければ熱交換式の換気装置を使っていても、そこを通らない空気(漏気)があることがわかります。どんな家でもできるだけ気密を高めておけば、冷暖房費を余分に消費することはありません。気密は設計者ではなく施工者つまり、大工さんや設備屋さん現場監督で決まります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年02月12日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日は所用で久しぶりの雪国高山。1番線のホームが長いのは、この線に上りと下りの特急が停車するから。同じ場所ではなく真ん中あたりから線路に向かって、右が上り、左が下り同じところなら半分の長さで済むんですが分けてあるんですね。1番線にだけエレベーターがあって改札にも一番近い。それに高山線は単線ですから利便性とJR都合でこうなったと考えられます。私の乗った普通のワンマンカー(2両)もこの1番線だったのでどこで立って待っていればいいのか?このホームの長さグーグルマップで計ると220mでした。高山へお越しの際は、覚えておくと迷わずすみます。因みに名古屋の名鉄のホームは、同じホームで行先の異なる電車が来ます。並んで待っている場所が1mずれると全く別のところに行ってしまいます。初めての人はどこに並んでいいのか、恐らく相当程度の人が戸惑います。一応、この列はどこそこ行きと書いてありますが、日本人以外は理解不能でしょう。ただ、情報の発達した現在では事前にスマホやパソコンなどでこれらの情報のかなりの部分を自分で調べておくことができます。例えば「グループ全棟、住宅性能表示制度で、最高等級!」分譲戸建「全棟」最高等級住宅性能表示制度における評価項目は10項目上図の1,3,4,5の4項目は必須項目1.3.4は最高等級ですが5の温熱環境、エネルギー消費量はそうではありません。断熱性能等級5は2030年には義務化される最低限のレベルです。しかし、「全棟」最高等級と書いてあると「全項目」最高等級と勘違いしてしまう方も一定数いると思われます。自分の知りたい情報は容易に手に入る時代ですが、情報は溢れかえってますし誰かが手取り足取り、ここのところは勘違いしやすいから気を付けてねと教えてくれる訳ではありません。駅のホームでうろうろしていても、寒い思いをする程度ですが住まいの断熱性で勘違いすると、肉体的にも経済的にも一生寒い思いすることになります。家を建てる前の事前調査、誰も教えてくれませんから自分でする以外ありません。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年02月09日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日の午後は暖かく午前中に焚いていた薪ストーブのおかげで午後は何の暖房もしなくても大丈夫でした。今日の最高気温予想は9度、一日ストーブにお世話になりそうです。毎年、新建ハウジングが年初に住宅産業大予測を出します。アマゾンでも購入可能ですので興味のある方はお取り寄せください。いろんな予測や記事がありますが、直近3年以内に家を建てた人や1年以内にリフォームや新築を計画している人のアンケートがありました。長期優良住宅の理解度のアンケートでは、30代男性で68.6%が内容も含め理解している同女性で40.2%が同じ答えです。同じように40代男性で39.4%同女性が27.3%30代はともかく、40代は微妙ですね。実は20代男性は、同じアンケートで75%が内容も含め理解しているとあります。長期優良住宅は中古住宅の評価を正しく行うための基準となるものです。現行では新築住宅でも20年から25年で市場価値は一律でゼロになっています。日本は木造住宅の減価償却期間が22年になっているから仕方がないという意見もありますが、アメリカでも減価償却期間は27.5年と日本とそれほど違いはありません。日本では35年間ローンを払い続けますがその途中で建物の資産価値はゼロ。アメリカでは中古住宅の評価は20年経っても30年経っても市場が決めますから、きちんと手入れされていれば資産価値が維持されます。本来あるべき住宅の価値は適宜適切なメンテナンスがされていれば相当程度維持されるべきですが、日本ではそうではありません。それを何とか改善しようとしているのが長期優良住宅制度です。従来は中古になった住宅をきちんと評価する基準がありませんでした。この家の耐震性はどんだけあるの?補修の記録はあるの?省エネ性は?断熱性は?何にも分かりません。なので年数で一律評価する。その基準に減価償却期間を当てていました。国は何とかそれを変えようとしています。老後の資産(家)がゼロが現状。それが市場で評価される資産になれば、老後資金の年金の代わりになります。国としては年金はそんなに払えないけれど家が評価されれば、資産(家)=老後資金になるよね。だから、長期優良住宅を建ててねそれが自分達自身を助けることになりますよ。そんなことは、言いませんけれど…で、気にしていただきたいのはここから。長期優良住宅の耐震基準は昨年引き上げられて、耐震等級3これはとても良かったことですが、2022年以前の長期優良住宅は省エネ基準は断熱性能等級4一次エネルギーの消費性能等級の基準は無し。2022年10月からは断熱性能等級6一次エネルギー消費性能等級は6となりました。つまりどんどん変わっていますし、変わっていくことが予想されます。そしてこの基準は最低この数値を満たしていればOKと言う基準。そこで、BELS(ベルス)先ほどの調査ではBELSの認知度は、30代男性 11.4%同女性 5.8%40代男性 6.1%同女性 1.3%全くと言っていいほど知られていません。長期優良住宅では省エネ性は断熱性能等級と一次エネルギー消費等級だけです。BELSは建物のエネルギー性能を評価する制度です。太陽光パネルを設置していれば設置している時と設置していない場合のエネルギー消費量等を評価してあります。簡単に言えばその家で生活した場合、どれだけエネルギーを消費する家か長期優良住宅だけでは分からない部分を明確にしているのがBELS。将来の資産価値を担保するという意味では、長期優良住宅だけでなくBELSの取得も考える必要があります。本来なら二つを合わせた制度が出来れば、誰もが分かりやすくていいのですが・・・p.s.BELSより更に知られていない設計(建築)住宅性能評価もあります。いろんな性能評価がありますから長期優良住宅と合わせて設計者とご相談下さい。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年01月31日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は雪。今季初の積雪です。積もっているのは2~3センチですが、粉雪が舞っています。岐阜市内は既に10センチほどの積雪と朝のニュースで報じてました。大垣の家は、今日から珪藻土塗りですがそもそも現場にたどり着けるのか?国道に雪は積もってないからとノーマルタイヤで行く人がいないことを願うばかりです。さて、昨日の日経クロステック前先生が記事を書いていました。このブログでも何度かお伝えしてます。暖房費はUa値や断熱性能等級が上がれば、それに比例して暖かい家になるかと言うとそうではありません。そのことをグラフにして解説されています。ηAH値の増加と暖房熱負荷の関係。値は6地域・床面積120m2 の戸建て住宅の場合(出所:公表プログラムを用いて筆者が算出)出典:日経クロステック 前先生記事グラフの見方は断熱性能等級別に色分けされた線があります。縦軸に暖房熱負荷とあります。暖房熱負荷と言うのは、室内を一定の温度にしておくために必要なエネルギー。簡単に言うと例えば120m2の家を今日のような寒い日に20度にしておくためには何KWの能力のあるエアコンが必要か単位がGJ(ギガジュール)なので引いてしまいますがKWに変換すれば馴染みのある単位になります。10GJ/年は3600で割って2777.78KWh/年1KWHを38円で計算すると2777.78kwh/年x38円=105.555円/年横軸は暖房期(冬)の平均日射熱取得率(イーターエーエイチ)この数字が大きくなればなるほど、暖房熱負荷(暖房費)が少なくなっていきます。(お日様からの日射で家が温められる)上のグラフからUa値0.26の断熱性能等級7の家で平均日射熱取得率が1の家とUa値0.6の断熱性能等級5の家で平均日射熱取得率が3.3の家二つの家の暖房費は同じになります。この暖房期の平日射熱取得率大袈裟に言えば数値が幾つになるかで、Ua値や断熱性能等級以上に住まい手にとってはとても大事なことがお判りいただけたかと思いますが・・・・・省エネ基準では冷房期の平均日射熱取得率は基準があってその基準に準拠しなければなりませんが暖房期の平均日射熱取得率はなんの基準も設けられていません。住まい手に取ってこれから家を建てようとする人にとってそんなの関係ないはずがないのですが、基準はUa値や断熱性能等級です。暖房期の平均日射熱取得率は蚊帳の外窓の位置や大きさ、ガラスの種類住まい手毎に変えていては手間がかかって価格も下がらん型式認定を取得して大量生産は無理そもそも基準はUa値や断熱性能等級それ以外は要らんこと由らしむべし知らしむべからず暖房期の平均日射熱取得率今はそれほど注目されていませんが多くの人が意識すればそれだけ暖かい家が増えますし暖房費も削減できます。設計中の方は設計者に必ず確認してください。計算してるはずですから誰でも教えてくれます。Ua値や断熱性能等級7が自慢でも暖房費は5と同じでは、寂しいものがあります。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年01月24日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。ここ最近、くしゃみと鼻水が・・・そろそろ花粉の時期のようです。明日から木曜までの3日間、この冬一番の寒気が来るとか。岐阜県も、水曜日には雪の予報が出てます。日中、日差しが期待できなければ家本来の断熱性が問われますが、それは夜間も同じこと。運悪く停電とかエアコンが故障、あるいはデフロスト(霜取り)でエアコンが頻繁に止まってしまうと頼りになるのは限られますが、私の家は昔の家なのでいくつか対策があります。火鉢は炭で手を温めるだけとお考えかもしれませんが、少し大きめの火鉢だとそれなりに部屋も暖かくなります。やかんを載せておけば潜熱も働いてくれます。もっとも、一酸化炭素もでますから古い日本家屋専用ですね。もう一つは、掘炬燵。これも炭を利用しますから古い日本家屋専用ですが、電気の炬燵と遜色なく暖かくなります。どちらも現在の住宅では使えませんから非常時の備えとしては、住まいの断熱性をもう一段階上げておくことでしょうか。寝る前にエアコンをオフにしても翌朝15度あるから大丈夫と思ってる方もいるかもしれませんが、それは家自体が温まっているから。旅行などで丸一日、暖房をオフにして家に帰ってきた時、何度になっているか?実験してみると、住まいの断熱性の実力が分かります。旅行などでお出かけの際、スイッチポッドなど計測してみるといつもは15度くらいはあったのに10度以下になってるなんてことも…備えあれば憂いなし現実的な対策は、断熱性を上げておくことと日射取得を確実にしておくしかありません。既に家を建ててしまった方は窓の断熱性を上げることが、それなりに効果がありますが同時に気流止めをすることでより効果が高まります。逆に言えば気流止めをしない窓リノベは、効果の半分以上を捨てているようなもの。昨年の新住協の総会の時の事例でもその効果が発表されていましたが、窓付けるだけなら安い所でOKと言うわけではありません。窓リノベは半分程度補助が出ますから、非常時の健康、安全対策として考えればそれほど高いものではありません。もっとも、耐震対策が優先です。これにはそれなりのお金がかかります。だからこそ、新築時には最優先で耐震を考える必要があります。週末、定期点検でお伺いした肥田瀬の家。夕方4時過ぎ、小雨が降っている遅い時間でしたがご主人は短パンTシャツ素足。エアコン設定温度は21度ですが室温は24度(工夫があります)もちろん、構造計算した耐震等級3の家5年もしないうちにこんな家がもっと増えるはずです。そんなの当たり前の時代が、すぐそこまで来ています。もちろん、年間の電気代はプラスで電気貯金ができてます。ポイントはUa値や断熱性能等級やG2,G3ではなく年間のエネルギー消費つまり、自動車と同じで燃費です。本来は燃費で等級を分けるべきで、EUでも北米でもそうなっていますが日本では不思議なことにUa値燃費なんかよりUa値の方が都合のいい人たちが、日本には数多くいます。燃費なんて気にしてもらったら困る人たちが…家をお建てになる時、気にすべきは耐震と燃費です。燃費のいい家は少しのエネルギーで暖かく過ごせます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2024年01月22日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日まで数日、日中は暖かでしたが朝は氷点下で池に氷が張ってました。ようやく今日は、なんだか残念ですが氷が張っていません。さて、日経アーキテクチャー。日経ホームビルダーが謎の休刊になってからその代役と言うことでしたが、住宅専門と言うわけにはいかず住宅屋としては物足りない雑誌になってました。その日経アーキテクチャーの12月28日号新設された断熱性能等級5が4地域から7地域までが同じUa値0.6という不思議を前先生が解説してます。簡単に言うと東京以西の多くの人口集中地域は等級6Ua値で0.6でそれなりにカバーできるけれど、周辺の4.5地域も同じUa値で行ければ日本のかなりの地域を同じ断熱仕様でカバーできるわけでHMサイドとしては楽チン。一応、25年に義務化される等級4の一つ上を行く等級5をクリアと胸を張って言える・・・つまり、この断熱性能等級5の対象範囲と数値は、住まい手のためだけでなくその他のいろんなところに忖度して出てきた数字・・・実務者であれば当初からなんで?と思っていた断熱性能等級5のエリアと数値国の基準は、必ずしも全て住まい手だけのために出てきた数字ではないことが分かります。さて、2025年に義務化される断熱性能等級42030年には不適格になることが分かってますし断熱性能等級5は、2030年には最低基準になりますが一応今現在その等級の家を建てても最低基準として2030年を迎えることができます。30代で家を建てれば50年はその家に住むことになります。人口が減少していく中お子さんや地域にとって負債にならない家が求められています。どんな性能の家にするかは他人任せではなく自分自身で考えるしかありません。特に、4地域、5地域にお住まいで、実務者から断熱性能等級5を勧められたらきちんとその理由を聞く必要があります。いままで何度もお伝えしてますが国の基準は最低基準目標基準ではありません。等級が幾つ作られようが残念ながらそれは同じです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2023年12月29日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今日も氷点下、庭の池には氷が張っています。子供の頃にはお正月には氷の張ったこの池の上で遊んだ記憶がありますが、今では薄い氷が張る程度です。私の住んでいる東海地方では朝のNHKの天気予報は東海3県(愛知、岐阜、三重)と北陸3県(福井、石川、富山)の予報を出しますが見事に東海と北陸の天気や気温が違います。東海は晴れ北陸は曇り雨または雪但し、岐阜の場合は下半分の美濃と上半分の飛騨に分かれそれぞれ近い方のエリアの天気になります。毎回この予報を見るたびに、日本海側に比べ太平洋側は恵まれていると感じます。実際どうなのかと言うことは簡単に比較できます。自然温度差と言って何も暖房していない状態です。つまり、日射や人あるいは待機電力などのエネルギーで室温が外気と何度違うかが計算できます。今打合せ中の美濃地方(6地域)の家の自然温度差が12.44度(美濃加茂市)それを石川県の金沢市で建てると10.62度差は1.82度で約2度ほど違います。全く同じ性能の建物で比較してますから同じ家を美濃加茂市で建てるより、金沢で建てると約2度分の暖房費が余計にかかることになります。気候区分は同じ6地域です。自然温度差12.44度と言うのは実はとてもいい数字でどんなサッシを使うかでも大きく異なります。断熱性を上げて気密を取り性能の良いサッシを使うのが基本で、それを守れば日射の豊富な太平洋側の住まいは相当程度、冬の暖房費を節約できます。南側のサッシに要求される性能は断熱性が良くて同時に日射を取り込むことのできるサッシですが従来この相反する性質のガラスを使ったサッシが極めて限定的でしたが最近は大手のサッシメーカーでも扱うようになってきました。価格は若干高めですが検討の余地はあります。シャノンNS50やYKK430+で従来のガラスに比べて日射取得率が向上しています。なぜだかYKK430+は検索してもあまりストレートに出てきません。生産体制がまだ整ってなくて量産体制ではないため。大々的に宣伝していないのかもしれませんが、見積の受付は今月から始まってますから検討の余地はあります。1.2階の南側の窓の選択肢が増えることになります。北陸の方に比べれば地の利があるわけですから利用しない手はありません。設計者と相談ですがそのサッシを使う場合とそうでないサッシを使う場合で、自然温度差が何度違うかも確認してみてください。検討要素はサッシのサイズ種類軒の出庇の出隣家の影ガラスの種類方位建物配置目標は自然温度差10度でしょうか。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2023年12月25日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。昨日の日経新聞の建築費が過去最高になっているという記事。2015年を100として、2023年11月の木造住宅は133.2この建築費は建築費指数と言うもので工事原価のこと。指数や原価では一般の方には分かり難いので隣の記事では丁寧に、住宅の価格が出ています。東京23区が一戸当たり7273万円・・・敷地の面積が50m2から100m2未満最寄り駅まで徒歩30分以内(バスで20分以内)という条件です。土地込みの価格なので調査対象は恐らく建売分譲価格と思われますが、東京23区の土地の値段が港区の坪単価は1500万前後それに対し足立区は150万で10倍の開きがあります。一口に7273万と言っても土地がどの程度なのかは見当が付きませんが、どちらにしても7273万のうち土地の値段は4000万から5000万くらいはあるのではないでしょうか。そうなると残りが建物価格となりますが、建売分譲となれば外構工事も含んでいるわけでその分を引けば建物としては2000万から3000万くらいと思われます。土地があまりに高ければ、性能向上にまわす予算は削られる傾向にあります。上のグラフのように建売分譲では82%が断熱性能等級4以下になります。ZEH基準に住宅にするためには断熱性能等級を5以上にする必要があるため、ZEH基準になってなければ必然的に断熱性能等級は4以下と推認できます。現在のところ高額な土地に性能の低い住宅が建つといういびつな構造になっていますが、国も手をこまねいているわけでなく新築の住宅の性能向上には順次法整備を進めているところです。つまり、性能の低い住宅は順次建てられなくなるような法整備です。同時に進めているのが、既存住宅の性能向上リフォームに対する補助金の拡充です。昨年に引き続き今年も窓のリフォームには、1350億円という多額の補助金が出ています。注意していただきたいのは残念ながら窓だけでは効果が低いこと。今年の新住協の研修で会員の断熱改修の事例が発表されましたが、その内容が窓リフォームをするのにとても参考になりますし、鎌田先生が先月名古屋で行った会員だけでなく一般の方向けでもある講演でも触れられていました。国の補助金は単に窓を付けることだけに向けられてますから、実務に携わる者はそれがより効果を発揮できる姿にする必要があります。単に内窓を付けて窓リノベをするだけなら誰でもできますが、工務店の役割はその先やプラスアルファができるところにあります。新築で低い性能の家に住むか中古でも(リフォームして)性能の高い住宅に住むか今後ますます重要になってくる中古住宅の性能向上リフォーム。特に断熱性を向上させるリフォームは結露や気密に関係してきますから十分な知識と経験が必要で設計者や工務店の技術が問われます。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2023年12月13日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。週明けの月曜日は氷点下で初氷でしたが、今朝は4度ほどで少し暖かく感じます。事務所の室温は朝の6時で20度昨夜11時ころまで、薪ストーブを焚いてましたから暖かさが残っています。最近はUa値(外皮平均熱貫流率)とか言いますがある意味、親しみの無い言葉ですから言葉自体にピンとこないという方も多くいます。事務所に暖かさが残っていたのはそれなりに断熱性があるからですが、より身近な言葉で言えば保温性、あるいは保温力。ポットや水筒の飲み物の暖かさが持続するのは保温性があるからですが、断熱性があるからとは言いません。住宅の断熱性についても実務者的には断熱性ですが、一般の方の感覚からすると保温性の方が理解しやすいのではないでしょうか。一度暖めた熱を外に逃がさないためておくには、住まいの保温性が大事。保温性を高めるには・床壁天井の断熱材を厚くする・サッシをいいのにする・隙間風が入らないようにする保温性が高ければ逃げていく熱が少なくなるだからUa値は小さい方がいい隙間のC値も小さい方がいい逃げていく熱が少なければ一度温めればいつまでも暖かい夜、暖房を切っても翌日の朝まで暖かい天気が良ければお日様がタダで温めてくれるから暖房しなくていい断熱と言う言葉よりも保温あるいは保温性とか保温力の方が住宅には合ってるように感じるのは、私だけではないのではないでしょうか。保温と言う言葉、漢字、語感から受けるイメージは断熱と言う言葉のそれとは大きく異なり、冬の住まいの暖かさの必要性をダイレクトに感じさせてくれます。ただ、これは一つ気になる点があって保温は冬はまさにピッタリの言葉ですが、夏はと言うと真逆のイメージが出てしまいます。実際は冷気を保温するという意味で正しいのですが、保温のイメージをどう捉えるかとなると夏はどちらかと言えばマイナスイメージで残念なので冬は保温夏は断熱と使い分けて頂くと、分かりやすいですね。冬は保温性が大事です。Ua値で言えば、0.3くらいまでもっていくと、寝る前に暖房を切っても翌日の朝18度くらいあります。(5.6地域)紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから
2023年12月06日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は今シーズン初の氷点下でマイナス0.2度昨日の日中も10度を越えませんでしたから、いよいよ冬本番のようです。週末に、本荘町の家の1年点検に行ってきました。ご主人とお子さんは素足日中はエアコンオフ室温は25度前後(1階24.9度、2階25.2度)パネルを6Kw載せていて売電も含めて年間の電気代はプラスになっています。お日様エコキュートではなく普通のエコキュートですが、夜間ではなく昼間の沸上げ設定してあります。住み始めた当初は通常の夜間設定でしたが電気代が1万前後だったので、昼間設定にしたところ数千円ダウン。お日様エコキュートでなくても通常のエコキュートの沸上げ時間を昼間設定に変えるだけで、かなり効果があることが分かります。環境共創イニシアチブの2023年のZEH報告会の資料がアップされています。左が注文住宅右が建売分譲住宅です。ZEHも実は基準が色々あって4種類もあります。色の一番濃い「ZEH」は注文住宅で22.7%建売分譲住宅では2.7%その他一般の方には分かり難いのが3種類ありますが、それらをまとめてZEH基準と言います。その合計が注文住宅で48.0%とほぼ半分になっています。ゼロエネルギーハウスが新築の注文住宅でほぼ50%誰もが年間の電気代がプラスになってる?冒頭紹介して家のように年間の電気代がプラスになってると勘違いされる方もいるかもしれませんが、そうではありません。実は、家電や調理に使うエネルギーは計算に入れなくていいことになってます。IHや食洗器、ガスコンロ、TV等で使うエネルギーは無いことで計算しましょう。なので、ZEHの家で電気代がゼロのはずだけど、毎月電気代を払っている家はそれなりにあります。毎年3%ほど電気代が上がればその分、支払いは増えることになります。今現在、日本では電気代が補助されていますが来年からはその額が削減されることが、発表されています。政府が新築住宅に毎年多額の補助金を出すのは何故なのか?もちろん景気対策や選挙対策もあるでしょうが、それだけではありません。エネルギーコストは過去のデータを見れば、必ず上がっていくことが分かっています。人口が減少していく中、生産性はそのマイナス分を上回って初めてプラスになりますが、そうではありません。エネルギーコストの上昇分と人口減少に伴う生産性の低下その合計以上に毎年の給料が上がれば問題はありませんが・・・生活の基盤である住宅。そこで使うエネルギーを削減するもっとも効果的なのは3つ・断熱と気密・高効率な設備・太陽光パネルこれらを備えた住まいを今作っておけば、子供たちの世代は住宅ローンを30年以上払う必要はありません。冒頭に紹介したような家に住んでいる方は数多くいますが、ある意味サイレントマジョリティ。自分の家は電気代がかからない家だとか冬は素足で過ごせるなんてことは、誰も大声で言いません。皆さん、静かに黙って過ごされています。高い性能の家を建てている工務店や設計事務所としてはそんな住まい手にもっと話して欲しいのが本音ですが、話される方はほんの一部の方。それはそれで仕方がありませんし、ある意味成功している人は他人にそれを言いふらしたりしません。これから新築を検討される方はZEHシリーズは4種類あることをお忘れなく。(ZEH基準ですはZEHとは限らない、ZEHですは電気代ゼロとは限らない)家電や調理を含めて実際にその家で生活すると年間にどれだけエネルギーの必要な家かは、計算することができます。ZEHのどのシリーズかよりもそっちの方が大事なはずです。恐らくZEH22.7%の内エネルギー代がゼロ又はプラスになっている家は皆さんが思っているより遥かに少ない割合でしょう。
2023年12月04日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は2.5度の川辺町朝の予報で全国的にこの冬一番の寒さになるとか太平洋側で日中南面のサッシに日差しが当たる家なら、カーテンは開けて日射を家の中に取り込んでください。仕事や学校で昼間家の中に誰もいなければ、カーテンを閉めておく必要はありません。1階の掃出し窓や2階の腰窓からどれだけ日射エネルギーが入ってくるか窓の面積1m2当たり何Wか測定するのがソーラーパワーメーターです。各室毎の暖房負荷や冷房負荷を計算する時には、置いておきたい治具です。南面の窓からの日射が冬には陽だまりの暖かさと感覚的には分かっていますがそれがどれだけか?見える化してくれるのがこの機械です。もちろん、お金に換算することもできます。1KWhは1000w1KWhを38円とすると1w÷1000×1時間(h)×38円=0.038円1wは1時間当たり0.038円となります。例えばソーラーメーターで測定すると1m2当たりのw数が出てきます。測定した腰窓が巾1.6m、高さ90cmであるとすると面積は1.6×0.9=1.44m2ソーラーメーターで測定したら300w/m2であれば1.44m2×300w/m2で432w432w×0.038円=16.4円/hお金の方に話しが反れました。サッシのガラスには日射取得率が書かれていますし、計算ソフトにはその数値を入れれば計算上は暖房負荷や冷房負荷は出てきますが、実際はどうなのか?1.44m2の腰窓が幾つあるか1.6m×2.2mの掃出しサッシが幾つかるか合計でどれだけ?それぞれ3セットあると1.44x3=4.32m21.6x2.2x3=10.56m合計14.88m2だと14.88m2x300w=4.464Kw窓が、2.2KWのエアコン2台分で暖房しているのと同じになります。冬は、日射の利用にはお金がかかりません。取り込んだエネルギーを外に出さないためにはきちんとした断熱と気密が必要です。但し、そもそも論として南面にサッシが無いと利用できませんが。夏は?サッシから入ってくる熱量はもっと大きくなりますから、遮蔽が必要になります。お日様はロハで使える暖房器具利用しない手はありません。PSもちろん、部屋ごと冷暖房負は異なりますから各部屋で必要な暖房エネルギーも冷房エネルギーも異なります。
2023年12月01日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。ケヤキの葉もすっかり茶色くなり落ち葉が屋根の上にのってます。雪止めがあるので、かなりの強い風が吹かないと落ちてきてくれません。さて、どうしたものかと・・・さて、先日、東京へ行ったとき東大の前先生が住宅建設における地域にとっての豊かさについて触れられていました。どういうことか、私なりに解釈するとほとんどの大手のHMの本社は東京や大阪です。地方に住んでいる人が大手のHMで家を建てるということはそのお金の多くは東京や大阪に行くということであり、その利益に基づく税金も東京や大阪に行くということ。つまり、35年間も払い続けていくお金の行く先は東京や大阪だということ。地元にはほんのちょっとのおこぼれが残るだけ…お金がどんどん大都市に流れていくんだから地方が寂れるのは当たり前。豊かさの力であるお金が地方に残らないのだから、地域貢献と言う意味では大手のHMで家を建てるということは0点。地方にお金が循環しない高性能住宅が増えるだけでは、地方は豊かになれない。つまり、地方の地元工務店がもっともっと頑張る必要があると。大手のHMで高性能な家を建てている会社に対して地方の地域密着の優良な工務店が優っているのは・デザイン性・パッシブを利用する設計力・地域貢献この三つ三つしかないけれど、この三つはとても大事で大手の大量生産、型式認定では地方の工務店に敵わない部分です。地域産の杉や桧を使ったり地元の大工さんや建具屋さん、畳屋さんと言った職人さん達で家を建てれば将来メンテナンスが必要になった時、誰でも駆けつけることができます。建てたHMしか直せない資材や技術ではなく広く普及した技術や資材であれば、専門職であれば誰もが直せます。そんな社会が地方を豊かにしていきます。地方の地場の工務店の責任は大きく頑張らなあかんと思った次第。デザイン性やパッシブを利用する設計力地域貢献などは、意識していなければ向上しないものです。いままで通り従来通りでも家は建ちますが、これからの時代にそんな工務店が必要とされるかと言えば恐らく、10年と待たず淘汰されていくでしょう。その意味では、どんな工務店で家を建てるかの一つの検討材料になります。上の三つを何も考えていなければ、先はそんなに長くないかもしれません。日本人の住まいに対する意識が高くなれば淘汰されますし、そうでなければ価格勝負ギリギリを狙って生き続けることになります。意識しない工務店や意識しないHMの建てた家は、残念ながら10年ではなく50年以上残ってしまいます。50年後そんな家に誰が住むのか?
2023年11月24日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。晴れの予報ですが今は雨の降ってる美濃地方です。西の空は既に青空が見えます。先日のジャパンホームアンドビルディングショー2023や翌日の東大での前先生や井上先生の講義を受けると、日本の住まいがどんな方向へ行こうとしているかがよくわかります。問題はそのスピードで日本の行政や立法の変化を嫌う体質は今に始まった事ではありませんし、逐次、最低限の変化しか許容しない体質が失われた40年の原因の一つと言えます。2020年に義務化されるはずだった省エネ基準(断熱基準)はかろうじて2025年に始まりますが、この5年のブランクの間に建てられた注文住宅は100万戸以上性能的には、今後引き上げられていく基準から見て既存不適格になるレベルです。しかも義務化される基準は20年以上前に制定されたいわゆる次世代省エネ基準という骨董のような基準。それでも義務化したのは一歩前進ですがあまりに遅くまた、低いレベルそこに、コロナ後の価格の高騰が追い打ちをかけますからいかに安くするか?HMも含め建築業者の見識が問われますが自社の生き残りのためには何でもあり…既存不適格になると分かっていても今現在は基準を満たしているとなれば、先日の大麻入りグミではありませんが大手を振って販売されることになります。何も知らない新築検検討者の方がこの価格高騰の時代、お値打ちに家が建てられると飛びつく可能性は大いにあります。オイルショックから50年確実に効果が実証されている技術は3つ1.熱や空気の勝手な出入りを減らす断熱と気密2.少ない電気で暖房や冷房、給湯する高効率な設備3.太陽のエネルギーを利用するパネルや温水器2や3は後からどうでもなりますし必ず交換が発生しますが、1については一度つけてしまえば交換は困難か、あるいは多額の費用が発生します。25年の義務化レベル程度では全く評価されませんから、断熱や気密についての勉強は新築検討者には必須の項目です。安いとか、お値打ちには必ず理由があります。大量仕入れや中国、東南アジアからなんていうのは何十年も前の話しで、円安の今の日本では通用しません。これからの数年、住まいの価格や性能は冷静な目で見る必要があります。既存不適格になると分かっていてもギリギリの線を狙ってくる建築業者やHMもいるはずですから。
2023年11月20日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。いよいよと言うのか、当然と言えば当然ですが寒くなってきました。夏が長くなると感覚的には、やはり秋が短く感じます。どちらかと言えば秋はあったのか?でしょうか。来年の4月半ばまでですから5か月以上は暖房が必要です。いくら夏が暑くなっても暖房期間は冷房期間に比べれば倍ほどありますし、体に堪えるのはやはり寒さです。先日、大手のHMの営業責任者の方と話す機会がありました。今の住宅の断熱性について過剰ですよねどんだけ厚くすればいいと思っているのか、と言う話です。もちろん、私が新住協の会員であるなんてことはご存知なく、市井の工務店の社長に自分の考えを述べられたわけです。もちろんその手の話しは、噛み合うはずがありませんから聞き流しました。過剰と言うことは何かを基準にしてるわけで、恐らくご自分が営業して売ってきた住まいの断熱材の厚さかあるいは住まいの中で占める断熱材に関するコストか、その両方だと思われます。自分の経験の範囲の中での判断、あるいは価値基準に基づいていの判断と言うことになります。大手のHM一社一筋で30年以上勤めていると、その会社が販売している住宅以外の住宅はどこか変と思ってしまうあるいはその会社の基準以外は過剰あるいは不足している自分の会社の住宅が日本社会には最適な住まいであるそう思っているように感じてしまいました。同じ住宅を建てるという業界でも、私の知ってる工務店業界の経営者とは全く異なる考えです。もっとも大手のHMでは会社はこういう基準と言ってるけど私は違ますもっとこうしたらいいですよなんてことは言えません。つまり、会社の基準を受け入れてくれる人がお客様でそれ以外はお客様ではないというスタンスです。それがいいか悪いかは別問題ですが。新住協でもパッシブハウスでも基準はその住まいの冷暖房負荷(需要)です。Ua値やQ値は便宜上の数値です。住んでいる地域や家を建てる土地の形状家の向き、日差しの入り具合その土地の周囲の状況などそれらは全て異なります。Ua値やQ値が同じでも上記の条件が異なれば、冷暖房負荷は全く異なります。冬や夏の暮らし易さや経済的な負担も異なります。だからこそ基準は冷暖房負荷であるべきでUa値やQ値ではないのです。今は、どんな断熱性の家を建てるのも自由です。でも2025年には現在建てられている家の多くが既存不適格になります。そして2030年には更に多くの家がそうなります。耐震性の基準が何度も更新され、上がっていたのと同じ構図が断熱性についても行われます。暖かい家に住みたいあるいは涼しい家に住みたいと思った時、何を基準にするか?HMはあなたの都合や想いで自社の断熱性を決めている訳ではありません。HMにはHMの都合があります。冷暖房負荷(需要)につては新住協やPHJの会員に聞くと分かりやすく説明してくれるはずです。中には?の人もいますがそんな人はパスしてください。くれぐれも、基準は冷暖房負荷であることをお忘れなく。Ua値や断熱性能等級、G2やG3の話しが出たら冷暖房負荷を聞いてください。話がそれるようなら眉に唾を付けて聞く必要があります。
2023年11月13日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今日明日と関西へ出張です。現場や工場の見学をしてきます。最近はZOOmがあるので、工務店経営に関わる技術的なことや営業的な事柄の勉強の多くは、ネットでも可能ですが、やはり現地に行って自分の目で見るあるいは当事者の方と会って直接話をすることの方が何倍も得られるものがあります。と言うわけでそのことを知っている工務店経営者は実際かなりの頻度で、出かけることになります。なんだか言い訳のようですが来週は東京再来週は再度大阪です。来週の東京はかなりの数の工務店経営者が来るはずです。飲み屋街でバッタリの可能性も、高いと思われます。さて、パナソニックからフロントオープンタイプで600幅の食洗器が出ました。600幅はリンナイでもありますが、スライドオープンタイプ。450幅では物足りない方やフロントオープン推しの方は、ミーレやボッシュ、ガゲナウAEGに流れていました。値段も各社それなりの価格設定です。本国で売ってる値段に比べ、なんだかなぁという価格…そこに今回パナソニックの食洗器は多くの工務店や設計者が待ちわびていた製品。住まい手にとっても選択肢が広がるわけで、ようやくパナソニックが出してくれた…確かに、出してくれたところがパナソニック、この食洗器は個別販売はしません、パナソニックのキッチンに付属して販売つまりパナのキッチンと抱き合わせでなければ売らないよ、と海外製の食洗器を選ばれる方は大きさや型のタイプだけでなく、相当程度、機能や仕様、消費電力や水量更にはその設計思想メンテナンス等を調べられて、そのうえで価格が国産の製品に比べて高いにもかかわらず納得して選ばれています。ほとんどの場合ご主人の出る幕は無く、奥様が海外製4社と国産を調べられて決められるケースが大半です。感覚的には、その選ばれた食洗器に対する覚悟のようなものさえ感じます。それだけに、皆さん真剣に考えられていることが分かります今回のパナソニックの食洗器とその抱き合わせ販売戦略聡明な日本の女性の皆さんに受け入れられるかというと、私の感覚ではちょっと難しいんじゃないでしょうか。従来、海外製の食洗器を選んできた人達が、安易に乗り換えるかどうか私のところに来ている案内にはこのビルトイン食洗器フロントオープンタイプ搭載のキッチンを採用された方には、メーカー希望小売価格で最大23万円の浄水機能付き水栓を1つプレゼントとあります。戦略もそうですが、そういう考え自体が…とは言いながら国産品、何とか頑張ってもらいたいものです。10月に名古屋のミッドランドスクエア隣にオープンしたミーレのショールーム
2023年11月08日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。ケヤキの葉が急激に色づいて落ち葉があたり一面に広がっています。先日、新住協の中部東海支部の勉強会がありました。講師は新住協の顧問の会澤さん。4年ぶりにお会いしましたが、年齢を感じさせません。幾つになっても新しいことに挑戦されている姿勢がそう感じさせてくれます。懇親会で前の席におられたのが、山鐵建築の山中さん豊田市に会社があるとのことで、先日のPHJの勉強会でも話があった豊田パッシブハウスはお近くなんですかと聞くとうちで建てました、とのこと。パッシブハウスを施工しているのは新住協というケースもある程度あると思われます。両方の会員になってるケースもありますが、鎌倉さんのようなコンサルを入れる必要がありますからパッシブハウスのように施工で高性能住宅の経験があり、同時に理論が求められる場合上の二つはいい組み合わせになります。既に鎌倉さんとは来年のパッシブハウスの計画もあるとのこと。今後の活躍が期待されます。席上、話に出たのがYKKのサンゴバンのガラスを使ったサッシ。YKKのサッシのガラスは従来自社製品でしたが、新しい430にはサンゴバンのガラスを使います。断熱性と日射取得の両方のバランスがいいガラスで、12月から見積受付とのこと。南側のサッシに最適なガラスですが気になるのはお値段…事前情報でこれくらいと言うのは出てますがどうなるかはふたを開けてみなければ、分かりません。現在、住まいを設計中の方はそのガラスに変えることで暖房需要(負荷)がどれくらい変わるか?設計者にお尋ねください。元が取れるかなんてお考えにならないでくださいね。
2023年11月03日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。朝はすっかり、薪ストーブになってしまいました。日中は23度の予報九州では25度を越えて夏日とか。とは言いながら11月から4月の半ばまでの凡そ6か月、一日の内で何時間かは暖房が必要です。先日、Xでデロンギのオイルヒーターかガスファンヒーターかどっちがいいかと言う話が出てました。デロンギ、まだ売っていたのかと言うのが率直な感想です。それを検討している人がまだいるというのも日本の現実でしょうか。もちろん、デロンギを使えば電気代が高くなるのは知っているけど、灯油やガスは高齢者には安全面で心配だからと言う方もおられるわけですからそれなりの需要があると思われます。断熱性がそれほど確保されてない家で脱衣室やお風呂が寒いとなると、そこをどう温めるかはリフォーム工事でもよくある話です。コンセント一つでデロンギのオイルヒーターで脱衣室を温められるかもと思えば、つい買ってしまうかもしれません。脱衣室を断熱改修して暖かくするとなるとそれなりのお金も必要なわけですから…加えて、多少電気代が高くなっても使う時間は短いからそんなに電気代はかからないはず。そう考えれば手軽な買い物と言うことになります。しかし、もともと寒い脱衣室なんですからデロンギを入れても、期待したように暖かくなったと実感できる脱衣室はおそらくそれほど多くはありません。古い木造家屋でこれから寒くなる脱衣室やお風呂。高齢者が灯油やガスを使わず、電気で暖かくするとなるとエアコンでしょうか。6畳用の一番安いエアコンを脱衣室設置寒い家で暮らしている方には、費用対効果の高い方法でお風呂のドアも開けておけば両方とも温まります。出来ればそこにトイレも設置できればもっといいですね。それと6畳用で2.2KWのものが一番小さなエアコンですが、もう一段小さな1.5KWHとか1.2KWHのエアコンがあると重宝します。紙太材木店のHPはこちら
2023年11月01日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。朝晩は上着が欲しくなってきました。事務所の中ではカッターシャツ1枚ですから朝夕外に出る時に、上着を忘れがちです。暖かい家にお住いの方も、同じような勘違いを経験されていると思います。下駄箱の上に外気温が分かる温度計を置いておくと、ドアを開ける前に外の寒さが分かります。さて、日本のGDP(国内総生産)が今年ドイツに抜かれ4位になるとか。ドイツの人口は8300万日本は1億2500万2010年に中国に抜かれ3位になり今年はドイツにも・・・バブルの頃を知っている人には隔世の感があるはずです。一人当たりのGDPでも2000年には2位だったのが、今年は35位と坂道を転げ落ちるように下がっています。経済力が落ちているということは外国から輸入する資材の値段が高くなる。あるいは、それまで買えていたものを買おうとすると、他の国の方に高値で買われて結局買えない(買い負け)ことになります。木材で言えばピーラー(米松の目の詰まった木材)やレッドシダーの無地もの等は10年前は普通にあったものが、今では探しても無いかあるいは目が飛び出るほどの値段です。なぜそうなったかはさておき、経済環境は一昔前とは大きく変わっています。つまり、これから家を建てる人とその両親が家を建てた時代では、家そのものの持つ意味や価値も大きく変わっています。土地を買って家を建てるということが当たり前だった両親の時代は、世界の中での日本の経済的地位もそれなりにあった時代です。だから、世代が代わるたびに誰もが新築の家を建てることができました。しかし、時代はある意味下降線です。そんな時代の家づくりは慎重に進める必要があります。国も遅まきながら住宅の政策について、様々な施策を打ち出しています。国の考えは一つです。「性能のいい住宅を建てさせる」その方向に全て動いています。既に家を建てる時には設計者には「省エネの説明」が義務化されていますが、それに加えて「再生エネルギーの説明義務化」が来年の4月から始まります。この再エネ説明義務化は、市町村が指定する区域内の建物が対象ですので全ての建築物と言うわけではありませんが、省エネ説明義務化が省エネ義務化(2025年)になるように再エネ説明義務化も同じような方向に行くでしょう。時代の大きな流れに抗うことはできませんが、どういう方向に流れていくのかは推測することができます。家づくりにおいて限られた予算の中で何を優先するか冷静に考える必要があります。
2023年10月25日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。10月もいよいよ下旬ですが、この夏の高温で野菜や果物の生育に異変が起きているとニュースで報じていました。川辺町も近くの山では以前はマツタケが多く採れましたが、最近はとんとその話はありません。紅葉の時期も後ろにずれているようで、紙太材木店のケヤキもほとんどがまだ緑の葉です。さて、今年から新住協では全国でQ1.0住宅のオープンセミナーを開催します。初回は名古屋の国際会議場で11月9日の13時からです。リアルでもZOOMでも視聴できます。全国で開催しますからその地域の気候区分に合わせた内容になります。Q1.0住宅のレベル1の基本的な仕様からレベル3の仕様まで。アーカイブでの視聴もできますから、時間の合わない方も調整ができます。新住協の前代表理事の鎌田先生が講師で13時から17時までの4時間。「Q1.0住宅はこうしてつくる」つまり、どうやって作るのかを講義します。オープン参加ですのでどなたでも参加できます。受講料は一般の方は3000円より多くの実務に携わる方に、高性能な住宅の作り方を知っていただきたい。同時に一般のこれから新築を検討されている方にも、高性能な住宅についての基礎知識を持って住宅を検討していただきたい。そんな想いが詰まったのが今回の鎌田先生のオープンセミナーです。YouTubeやSNSでは情報が溢れていますが、その量は膨大で玉石混合です。同時にきちんとした、高性能な住まいの作り方を解説したものはほとんどありません。ある意味、タダで入手できる情報には限界があります。そのような情報から得られるのは恐らく、多分、こうであろうという類のものになります。〇〇工法や××工法ではなく、住まいの冷暖房負荷を下げるにはどうするか?その考え方、手法の解説が今回の「Q1.0住宅はこうしてつくる」です。テキスト2冊は別途購入していただく必要がありますが、より性能のいい住まいを建てるための必要経費とお考え下さい。お申込みはこちらからになります。テキストの2冊の購入は下記から
2023年10月20日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は快晴です。気温は11度で、事務所ではエアコンで暖房しています。もちろん、地表面や屋根の温度は前回お話しした放射冷却なので、もっと低くて恐らく7.8度くらいでしょうか。日射の豊富な地域では、朝日が昇れば霜は融けて屋根や地表面の温度はあがります。窓から室内への日差しは、天然の暖房となります。冬季にこの日射をいかに室内に取り入れるか?設計者の腕の見せ所です。それを住まい手に見える化している設計者は、それほど多くいるわけではありません。窓の大きさ、ガラスの種類庇や軒の出巾大きく影響するのは上記の3つ見える化は自然温度差で確認できます。自然温度差と言うのは何も暖房していない時の室内と外気の温度の差を表します。例えば自然温度差10度と言うのは、外気が0度の時室内は暖房してなくても10度あることを表します。自然温度差が6度の家なら外気が0度なら室内は6度極力エネルギーを使わないで暖かい家にしようとするとこの自然温度差が大切なのが分かります。床、壁、天井の断熱材を同じにして上記の窓の大きさ、ガラスの種類庇や軒の出巾の3つを変えると、日射の影響がどれほどこの自然温度差に影響があるかご覧になれますこの自然温度差は年間の暖房負荷(=暖房費)に大きく影響を与えます。つまり、壁の熱還流率より窓の熱還流率は悪いので、窓の面積が増えると家全体のUa値は悪くなります。でも大きくなった窓は日射をより多く取り込むので、Ua値が悪くなっても日射の恩恵で自然温度差が大きくなって、暖房負荷(=暖房費)が下がります。設計者からプランが上がってきたら自然温度差を確認してください。目指す自然温度差は10度越えでしょうか高いハードルですが、住まい手の生涯の暖房負荷を考えると検討する価値があります。もちろん、南側に大きな開口を取ることになりますから許容応力度計算は必須です。こちらも等級3ですね。
2023年10月18日
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おはようございます、紙太材木店の田原です。10月も後半になりますが、今週の最高気温は週末まで25度前後が続くとか暖房費がかからないのは助かりますが、温暖化がどこまで続くのか心配になります。そんな日本ですが来週からは気温が下がる予報です。霜が降りるのもそう遠くはありませんが霜は放射冷却で地表面近くの空気中の水蒸気が結露し、それが更に冷やされ氷結したもの放射冷却は宇宙空間と地表面の熱のやり取りで、宇宙に比べれば高い地表面の熱が吸い取られて冷たくなる現象です。サーモカメラをお持ちの方は空に向かって写してみると、宇宙の冷たさがわかります。冷たくなるのは地表面だけでなく、青空駐車してる車のフロントガラスやカーポートの屋根もです。そうなるとそこは冷やされ霜が降ります。と言うことで、あなたの住んでいる家の屋根も当然冷やされることになります。夏は直射日光でさんざん熱せられて70度近くになり、秋から冬にかけては放射冷却で冷やされる…過酷な屋根です。つまり、屋根は壁以上に暑くなったり、冷たくなったりすることになりますから断熱材も壁より厚くする必要があります。XやLineでは高性能な住まいに住んでいる方のリアルな発信があります。Ua値0.3の家でも、エアコンを稼働させなければ暑い。当たり前と言えば当たり前なのですが、熱交換式の換気扇があれば大丈夫と誤解されてる方も実は相当程度おられます。Ua値は外皮の平均の値。平均ですから、床、壁、屋根、窓の平均の熱還流率です。各部位の熱還流率の組み合わせは様々。どこの部位をどうするかは設計者と相談です。熱は高い方から低い方へ伝わります。それを防ぐ(ゆっくりにする)のが断熱材です。床、壁、屋根、窓の中で、外皮との温度の差が最も出るのが屋根です。屋根の断熱材の厚さ経験から言えば、付加断熱をしていなければ壁の断熱材の2倍の厚さでは少し寂しいです。予算があれば付加断熱ですが、予算に制限があれば屋根の断熱材の厚さをもう一段厚くしましょう付加断熱をする予定の家でも、屋根や天井の断熱材を厚くするのにそれほどコストはかかりません。もう一段のレベルアップを検討しても損はありません。断熱材のコストアップと節約できる冷暖房費を比較して、元が取れないという方もおられますが住まいは全てを数値化して判断するものではありません。
2023年10月16日
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