お茶かけごはん と ねこまんま

お茶かけごはん と ねこまんま

2005.10.23
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カテゴリ: 年寄りと暮らす
そんな日々が何日続いただろう。

義妹は、義父を心配して昼間も実家を訪れたが
そのころはもう、義父の酒は昼夜を問わない状態で
目に入れても痛くないはずの義妹が側にいても
不機嫌に黙り込み、返事もしない。

車を運転しない義妹が
夕方、自宅へ帰るバスの中で思わず涙を落とすと、
隣に座る幼稚園児の娘が

切なく胸を締め付けたという。

そしてついに、義母は家を飛び出した。
「そんなに私が許せないなら、もう離婚しよう!」
そういい捨てて、義妹夫婦の家に身を寄せ
精神科を受診した。
毎晩繰り返される義父の言葉の暴力によって
義母自身、不眠に悩まされるようになっていた。
診察の結果、心身を休めるために
義母は入院することになった。
家を出てから数日後のことだった。

義妹からそれを聞いた義父は義母を見舞い

義妹と並んで座り聞いた説明は
実は義父への診察であり
話は自然に義父自身の問題に移り
否応なしに、義父は自分が入院することに合意せざるを得なくなった。

この事が後々尾を引くのだが―


3日とあけずに様子を見に行った。

夫婦そろって入院したとはいえ
別々の個室でほっとしたのもつかの間
義父はなんと義母の病室に入り浸りで
義母は気持ちの休まる間がない。
義父の姿を見ると、いや声が聞こえただけで
動悸がして辛いというのだ。

とはいえ「離婚」を口にはしても
本当に離婚するだけの決心を
義母がしているわけではないのは分かっていた。
もし離婚したとしても
一人では何一つできない義父をどうするのか。

しかし、このまま退院したときに
果たして二人は生活していけるのだろうか。
また、同じことを繰り返すのでないか―


「ねえ。うちが同居するしかないんじゃないの?」
私はダンナに切り出した。



…つづく





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Last updated  2005.10.24 00:27:54
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