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(C)2019 - LES FILMS DU 24 - LES PRODUCTIONS DU RENARD - LES PRODUCTIONS JOURORフランス映画「オートクチュール」。主演はナタリー・バイ、フランスの有名女優だ。彼女の作品は何か見たのか、ググって見ても記憶にない。何かで評判をとったときに、名前を知ったのだろう。共演のリナ・クードリは知らない女優だ。アルジェリア出身とあるので、フランスの植民地政策の名残を思わせる。本国アルジェリアで上映中止となった話題作「パピチャ 未来へのランウェイ」で注目されたようだ。オートクチュール、煌びやかなファッションの世界は嫌いではないので期待して見に行った。ディオールのアトリエ・お針子の話であった。お針子を束ねるエステル(ナタライー・バイ)は次のコレクションが最後で引退する。地下鉄でバッグを盗まれて、そのバッグを盗んだ小娘が、拾ったと言って返しに来たところから二人の関係が始まる。細くて滑らかな指使いをするジャド(リナ・クードリ)に裁縫の天性を見たエステルは彼女を見習いとして鍛えることにする。仕事中毒で極度の緊張を乗り越えてきたエステルは糖尿病予備軍のくせにコーヒーにはお砂糖を3つ入れ、ストレスを感じるとチョコなどをほおばる。うつ病を患い動けない母を抱え、移民として団地に住むジャドに未来の希望はなく、窃盗を繰り返す暮らしだったが、不本意ながらお針子を始めて、働く意義を見つける。そんな二人がすったもんだとコレクション発表までの日々を描く。まだ中盤なのに何を感じたのだろう、さめざめと私は泣いていた。泣き虫だな、涙もろいなぁと思いながら。そしてクライマックス・終盤もさめざめと泣いた。感動した作品である。映画が終わると"Pour Jade”あるいは”Pour Jado”とあったので、ジャドという役名のモデルは実在しているのかもしれない。2021年/フランス/100分/G 監督:シルビー・オハヨン脚本:シルビー・オハヨン出演:ナタリー・バイ、リナ・クードリ、パスカル・アルビロ、クロード・ペロン、スーメ・ボクーム、アダム・ベッサ、クロチルド・クロ原題:Haute Couture(「オートクチュール(高級裁縫)」)お薦め度「オートクチュール」★★★★☆(90%) 字幕翻訳:松浦美奈
2022.04.09
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(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.主人公スタンに絡む3人の女性がいい。それはすなわち、主演ブラッドリー・クーパーを引き立てるための相手役たちケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ルーニー・マーラーがいいということ。ケイトとトニは際立っていたね。ウィレム・デフォーもロン・パールマンも印象深かった。さて、時は第二次世界大戦中、カーニバルの中、見世物小屋に入り込んだ主人公スタン。見てくれの良さから女たちに人気があり、ついには逃避行をしてしまうが…。読心術をマスターしショーとして活かし順調のように思えるが、人気がかげる不安からか、金への執着か、読心術が行き過ぎて詐欺まがい、いや詐欺になってしまう、そこに手練手管に長けた心療博士(ケイト・ブランシェット)が絡む。勃発する暴力事件の行く末は…。アイロニー(皮肉)な結末は見てのお楽しみ。おどろおどろしい見世物小屋の中をご覧あれ!といった作品。2021年/アメリカ/150分/G監督:ギレルモ・デル・トロ原作:ウィリアム・リンゼイ・グレシャム脚本:ギレルモ・デル・トロ、キム・モーガン出演:ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、ルーニー・マーラ、ロン・パールマン、メアリー・スティーン・バージェン、デビッド・ストラザーン原題:Nightmare Alley(「悪夢小路」)お薦め度「ナイトメア・アリー」★★★☆(70%)字幕翻訳:松浦美奈
2022.03.27
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(C)2021 Focus Features, LLC.主人公、子役がいいねぇ。彼の笑顔で救われる。監督ケネス・ブラナーの幼少期の体験をもとに映画化した作品。北アイルランドにおける抗争、アイルランドとイングランドの攻防、プロテスタントによるカトリックの弾圧。住民を迫害する狂気の沙汰は、見ていてつらい。迫害に与しない主人公一家はいたたまれなくなる。しかし、生まれ育った郷里への思い立ちがたく、残るのか、立ち去るのか……。バディこと子役のジュード・ヒルも良かったが、その母親を演じたカトリーナ・バルフは秀逸だった。葛藤を乗り越え思いを断ち切り行動に出る姿に感動した。また、女手で子供を育てる強さが存分に出ていた。英米人にはなじみが深い北アイルランドの抗争であるので、彼らにとっては迫りくる迫力は日本人が感じられる以上のものがあるのだろう、と思える。淡い恋もやむにやまれぬ犯罪(窃盗)も経験した観客は多いのでは、共感した人も多かろう。2021年/イギリス/98分/G監督:ケネス・ブラナー脚本:ケネス・ブラナー出演:カトリーナ・バルフ、ジュディ・デンチ、ジェイミー・ドーナン、キアラン・ハインズ、コリン・モーガン、ジュード・ヒル原題:Belfast(「ベルファスト」)お薦め度「ベルファスト」★★★★(80%)字幕翻訳:牧野琴子字幕監修:佐藤泰人
2022.03.26
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(C)2022 20th Century Studios. All rights reserved冒頭はポアロ(ケネス・ブラナー)が髭を生やすきっかけとなった傷の話。(この話、必要?)それはさておき、仲の良い友人の婚約者と初見でとても熱いダンスを踊るリネット(ガツ・ギャドット)。とてもエモーショナルで感じちゃった。素晴らしいシーンです。それゆえ、婚約を破棄して、相手のサイモン(アーミー・ハマー)と結婚しちゃうことも納得。しかし!事件が起こる!殺人事件がーーー!!!殺人者、犯人は誰なのか。船舶、豪華客船の披露宴招待客の中の誰が犯人なのか!?お昼、食後に見たせいか、次々と起こる殺人は睡魔に抵抗しながら見ていたので、今一つ…。眠気も消えて、しっかりとみたクライマックス、謎解き、犯人暴露は、意外な人物であったけれど、それならば、なぜ!?と、そもそもの設定に疑義を感じ、絶賛すべき作品には思えなかったなぁ。ガル・ギャドットの美しさ、いつまでも見ていたかった。2022年3月21日鑑賞2022年/アメリカ/127分/G監督:ケネス・ブラナー原案:アガサ・クリスティ脚本:マイケル・グリーン出演:ケネス・ブラナー、ガル・ギャドット、アーミー・ハマー、トム・ベイトマン、アネット・ベニング、ラッセル・ブランド、アリ・ファザル、ドーン・フレンチ、ローズ・レスリー、エマ・マッキー、ソフィー・オコネドー、ジェニファー・ソーンダース、レティーシャ・ライト原題:Death on the Nile(「ナイル河での死」)お薦め度「ナイル殺人事件」★★★☆(70%)字幕翻訳:松浦美奈
2022.03.24
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アンチャーテッド : ポスター画像「アンチャーテッド」って”地図にない場所”だって。そういうことか!聞き慣れない言葉で、わからなかったけれど、日本語訳をみて理解できた、チャーテッド(地図化)されてないってことね。なんか製作総指揮という一軍にトム・ホランドの名前があるんだけれど、彼も出資しているってことなのか。そして、自身で主演して、スパイダーマン俳優からの脱却なのか。相手役にマーク・ウォールバーグを持ってきて身長ネタで揶揄するのは笑えた。アントニオ・バンデラスの起用もワールド・ワイド感を出していて、白人男性二人に対して、絡むのが有色人種女性二人なのは新しいハリウッド規制=多様性のせいなのかな。さて、作品は壮大なスケールで送る宝物探し映画。どこからがCGでどこまでが実写なのか皆目わからないけれど、スクリーンで見る醍醐味は十分あった。アドベンチャーゲームが原作とのことなので、その点は申し分ないのだけれど、その手掛かりと鍵であちこち探しまわるのは腑に落ちないところもあって。とはいえ、アクションに次ぐアクション。なかなか手ごわい女性陣に翻弄され、たじたじとなる主人公たちのふがいなさが物語を長くしている気もする。クライマックスの帆船の空中戦、もったいないなぁ…。2022年3月21日鑑賞2022年/アメリカ/116分/G監督:ルーベン・フライシャー原案:レイフ・ジャドキンス脚本:レイフ・ジャドキンス、アート・マーカム、マット・ホロウェイ出演:トム・ホランド、マーク・ウォルバーグ、ソフィア・アリ、タティ・ガブリエル、アントニオ・バンデラス、マヌエル・ド・ブラ、スティーブン・ウォディントン、ピンギ・モリ原題:Uncharted(「地図にない(場所)」)お薦め度「アンチャーテッド」★★★☆(70%)字幕翻訳:栗原とみ子
2022.03.23
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(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC3月14日月曜日「ザ・バットマン」を見に行った。3時間近い大作。オープニングを見るなり、これはつまらない作品なのかもしれないと予感が走った。主役のロバート・パティンソンが好みの俳優でないせいなのかもしれない。不思議と予感は当たるのだが、これがDVDならすべてを見ずに視聴をやめたかもしれない。大劇場の空間で見続けると私の予感が外れたと思った。すごい、ものすごい作品なのである。冒頭の殺しから残虐であり謎をまとった事件。それをとらえる視線も誰の視線かわからず困惑する。バットマンことブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)が抱える苦悩もなかなか明かされない。正義であるはずの市長や検事や警察が悪事を行っていたとは…。それに報いを、とする凶悪知能犯。とても捕まらないと思えたが…。二転三転する展開。行きずりの女に見えたキャット・ウーマンことセリーナ・カイル(ゾーイ・クラビッツ)の関係性。ゾーイ・グラビッツは小柄であるが、ありえないほど細いウエストとバランスの取れたスタイル。バットマンとの絡みもいい。眼鏡をかけないジョン・タトゥーロは顔役らしく、きまっていたし、コリン・ファレルと思えないぶよぶよペンギンはペンギンそのものに思えた。凶悪知能犯リドラーのポール・ダノは薄気味悪かった。暗い夜のシーンが多い中で雨のシーンもあり陰鬱で鬱屈してしまいそうであり、それがまたバットマンの心情とシンクロしていて、情感のあるものとなっていると思える。クライマックスのスペクタクルなシーンは映画館で見るべきものと思える。圧巻。2022年/アメリカ/176分/G監督:マット・リーブス脚本:マット・リーブス、ピーター・クレイグ出演:ロバート・パディンソン、ゾーイ・クラビッツ、ジェフリー・ライト、ポール・ダノ、コリン・ファレル、アンディ・サーキス、ジョン・タトゥーロ、ピーター・サースガード、バリー・コーガン、ジェミー・ローソン、ピーター・マクドナルド、ルパート・ペンリー=ジョーンズ原題:The Batman(「ザ・バットマン」)お薦め度「THE BATMAN ザ・バットマン」★★★★(80%)字幕翻訳:アンゼたかし<ネタバレ>三段落ちではないが、クライマックスが三つあるように思えた。顔役ファルコーネとの対峙。凶悪知能犯リドラーとの捕物劇。そして、爆破による惨劇。スペクタクルなシーンは映画に必須の醍醐味だが、悪に加担する一般人と思しき悪党の多さに現代のひづみ、悲劇を感じた。
2022.03.16
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(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved離婚、再婚の繰り返しで子だくさんであれば、養育に手がかかるはず。反面、子育ての経験から育児計画は立てやすくなるかもしれない。そのような境遇にあったかもしれないけれど、黒人がテニスプレイヤーを目指すなんて、誰が思いつくだろう。そして、実行に移せるだろう。そして、青田刈りに屈せず自信をもって試合に勝って勝ちをあげることが出来るだろう、か。この作品はそれを成しえたビーナス&セリーナのウィリアムズ姉妹の父親の物語である。彼女たちの育ったカルフォルニア州コンプトンでの生活は創作されたシーンもあると思えるが、そこはその当時の劣悪な社会を反映させていて、多少の誇張があると見るべきかもしれない。とはいえ決して安全とは言えない地域で育ったといえよう。そのコンプトンからフロリダへの移住は姉妹及び家族にとって夢への一大転換期であったと思える。終盤、プロへ進むまでの道のりを父、母、ビーナスの間でのかんかんがくがくがある。ここが一番の見ものであった。リチャード・ウィリアムス(ウィル・スミス)と娘ビーナスとのシーンよりも、その直前の夫婦のいさかいでのオランシーン・ウィリアムス(アーンジャニュー・エリス)の台詞、演技が良かった。プロデビュー後の成功物語はクレジット前の字幕で語られることになるが、クライマックスの試合は相手選手の手練手管、プロの策略が描かれていて、テニスのタフな点が描かれている。2021年/アメリカ/144分/G監督:レオナルド・マーカス・グリーン脚本:ザック・ベイリン出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル、ミケイラ・ラシェ・バーソロミュー、ダニエル・ローソン、レイラ・クロフォード、ディラン・マクダーモット原題:King Richard(「リチャード王」)お薦め度「ドリームプラン」★★★★(80%)字幕翻訳:松浦美奈字幕監修:伊達公子
2022.03.13
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(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会昨年夏に公開された時に、あまりの長尺にめげて見に行かなかった。カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したので評価が上がり、見るべき作品と思ったのだけれど、原作が村上春樹というのもハルキストでない私の足を鈍らせた。ところが、アカデミー賞の作品賞にノミネートである。受賞しなくとも見なければならない。そう思えたが、長尺である点、見たい時間に上映していない点(再上映のため終日では上映していなかったりする)、一度は映画館で見るのを諦めて、Amazonプライムビデオで見ようとしたけれど、追加料金500円の高額さに二の足を踏んだ。結局、TOHOシネマズ日比谷まで出かけて見ることとなった。こ、これは今どきのテレビドラマか…話が随分と進んだところでクレジット、俳優名などが出てきた。この時点でひとしきり物語、起承転結まである。妻との部分である。全編を通しての起といえるし、第一章としての起承転結がある。アカデミー賞ノミネートなので興味を持って見た。注目した。成田空港へ向かうときは下手(左手)から上手(右手)へ、成田空港から帰るときは上手(右手)から下手(左手)へ。それは一週間後に帰宅するときにも同じ方向だった。マイカーはサーブ(SAAB)。その昔、車通の間では評判のスウェーデンのメーカー。2012年に経営破綻し、今は社名もブランド名も変わっているようだ。それゆえ、大切に15年乗ってというセリフも車のロゴを見ても納得がいく。欧州の人ならなおさらなじみ深いので理解しやすい高級車であろう。演劇を字幕を使いながら多言語でしていた。今話題の”多様性”からすると注目を浴びる利点である。と目を皿のようにし、聞き耳を立てて注視して冒頭のクレジットとなり、私はアカデミー賞の呪縛から解かれ、いつもの状態で映画を見ることが出来るようになった。ただ、多分に村上春樹の小説を意識していたことにはかわりなかったけれど。主役は最近人気の西島秀俊である。ただ、私は彼の作品をあまり見ていず、NHK大河ドラマ「八重の桜」がはじめてくらいで、その後、朝ドラ「とと姉ちゃん」「おかえりモネ」とNHK作品しか見ていない。映画も「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」があるだけだ。共演者では岡田将生を見るくらいで、他の出演者は私には初お目見えである。岡田将生は映画「雷桜」を見て以来、一目置いている俳優で、最初に見たのはテレビドラマ「太陽と海の教室」であった。朝ドラ「なつぞら」、NHK「タリオ復讐代行の2人」、映画では「プリンセス・トヨトミ」「宇宙兄弟」くらいしか見ていない。聴覚障害者ユナ役のパク・ユリム、ジャニス役のソニア・ユアンは美しかったなぁ。ドライバー役の三浦透子は朝ドラ「カムカムエヴリバディ」より、この作品の方が存在感がある。霧島れいかという女優をこの作品で知ったが、いい女優のようだ。<ネタバレ>アカデミー賞は非常に政治的というか恣意的な受賞が多々ある。本来は作品なり演技なりがとびぬけて素晴らしければ授賞させればいいものを、当選運動にお金を使いすぎたから落選とか、黒人に関する作品が不当な評価を受けているから黒人を受賞させるとか(逆差別のような)。最もあからさまだったのはアカとレッテルの貼られた人は無視、もしくは追放だったり。今年は多様性重視のような気がして、言語・人種・地域を越えてノミネート。それゆえなのか作品賞ノミネートが10作品ほども並ぶのは異例だ。この「ドライブ・マイ・カー」も多言語であり、使われている言葉は英語・中国語・韓国語・ロシア語・日本語・手話である。人種も韓国人・中国人・日本人とロシア人(かな?)。多様性を標榜する現在ではアカデミー賞受賞の名目に箔がつけられる。演劇人ということで古典名作「ゴドーを待ちながら」と「ワーニャ伯父さん」が登場する。特に「ワーニャ伯父さん」は中盤から終盤までの上演作品として大きくかかわってくる。ちなみに私は「ゴドーを待ちながら」も「ワーニャ伯父さん」も知らない。知っていればもっと胸に迫るものがあったのかもしれない。役者は演技に感情を乗せたがるが、この映画の中での稽古では感情を入れることを許されない。感情を入れずに平板に台本を読むことを強いられる。余計な感情を入れずに読むことが芝居を完成させられるといったように、台本至上主義的演出である。また、過剰な演技を認めないのは内なる感情を感じ取る表出させる意味合いがあるのだと思える。この稽古のシーンは演技の勉強をしたことのある人ならば共感しないまでも共通認識として理解できることだと思う。オーディションにおけるキス。あれはないわぁ!と思った。あんなことすれば即刻退場でしょう。昔、演劇祭の主役が自身で運転中に事故を起こしたことがあり、家福(西島秀俊)に運転させない、としていたのに、主役となった高槻(岡田将生)にドライバーをつけずに、事故を起こしていた点は矛盾している。高槻(岡田将生)が逮捕され、主役降板で上演中止か家福が代役出演するかで、決定まで2日だけ猶予があるとあった。そして、広島から北海道へドライブすることになるのだが2日で往復できるわけもなく、夜、昼。夜と行くだけに2日もかかっていて、編集ミスかと思ったけれど、2日で往復しろということでなく、2日で結論出せということだなと見終わった後に気づいた。******妻の浮気現場目撃に激昂もせず許せたのは、なぜかわからなかった。しかし、車内で家福と高槻の会話で判明した。妻、音は浮気をしていたのではない。Hの後で自然発生的に言い募るシナリオで新しい作品を生み出していた。新しいドラマを作り出すために関係者とHを重ねていた。作品を生み出すための行為だったのだ。そのことに思い当たった家福は見ないふりをしたのだ。そうではなかろうか。その点に思い至ったときに夫・家福の愛は深い深い真の愛情だと思えた。その意味ではこの作品「ドライブ・マイ・カー」は傑作かもしれない。2021年/日本/179分/PG12監督:濱口竜介原作:村上春樹脚本:濱口竜介、大江崇充出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、パク・ユリム、ジン・デヨン、ソニア・ユアン、ペリー・ディゾン、アン・フィテ、阿部聡子、岡田将生お薦め度「ドライブ・マイ・カー」★★★★(80%)
2022.03.06
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(C)2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS「コーダ あいのうた」を見に行った。「ウエスト・サイド・ストーリー」は「ウエストサイド物語」のリメイクだが、「コーダ あいのうた」はフランス映画「エール!」のリメイクだ。オリジナル作品重視の私はリメイク作品を回避する傾向があるのだが、リメイク作品と知らなくて見てしまったり、リメイク作品と知っていたけれど新作がどのような作品に仕上がっているか興味があって見に行くことがたまにある。この「コーダ あいのうた」はアカデミー賞にノミネートされたことで注目し、映画館公開がちょうどこの時期にあたったので、見に行った。今年のアカデミー賞候補には配信作品も多く、見る機会があったのでノミネート作品すべてを見たいと思うけれど、10作品とはノミネートが多すぎる気がする。「コーダ あいのうた」はオリジナル作品「エール!」を改良したリメイク作品だといえる。オリジナルでは家業が農業であったが、本作では漁業となっている。見始めてこの職業の違いに違和感をもったけれど、後半で漁業を行っていることでひともんちゃく起きるので、そのための変更だと納得がいった。また、アメリカの農業を考えると家族だけの農業は考えにくく工業化、会社化されて大規模であるので職業を変更したともいえる。オリジナルで主人公の友人が弟と恋仲になるのだが、思春期に入るか入らないかと思える年頃にみえる幼さに違和感があったところ、本作では兄と設定を変え、青年として存在し友人との恋仲関係もすんなりと受け入れられる。フランスでの卓越した音楽院のオーディションが、アメリカにはないようなのでバークレーという著名音楽大学の入試ということになっている。クライマックス、やきもきする遅刻となるドライブの行程があるのだが、オリジナルは丁寧に描いているためにイライラが募るが、本作ではささっと処理していてイライラしない。洗練されたというかオリジナルよりわかりやすく作られているため、より感情移入しやすい作品となったと思える。満席ではなかったが、そこそこ観客がいる中で無音の空間にいる不思議さ、共有したことの感無量は言葉にしがたい。「ウエスト・サイド・ストーリー」の時と同じ、クライマックスに涙、涙、涙。また、マスクを濡らしてしまった。「愛は静けさの中で」でアカデミー主演女優賞を受賞したマーリー・マトリンが母親役にて出演。2021年/アメリカ・フランス・カナダ/112分/PG12監督:シアン・ヘダー脚本:シアン・ヘダー出演:エミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デュラント、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、エウヘニオ・デルベス、エイミー・フォーサイス原題:CODA(「聞こえない親を持つ健聴者である子供」)お薦め度「CODA あいのうた」★★★★☆(90%)字幕翻訳:古田由紀子オリジナルのフランス映画「エール!」が原題が『ベリエ一家』(La famille Belier)とあるようにある家族の物語として作られている。これに対し、リメイクの「Ocda あいのうた」は題名通り『Coda コーダ』難聴者の親を持つ健聴者があ主人公だ。同じ物語でありながら視点が違うと思う。オリジナルのフランス映画のほうがいろいろと雑多な事柄が多くて主人公とデュエットを組む男の子と関係もよくわからない状態だけれど、それが現実だなと思えた。また、ところどころわかりにくい状況やわからない状況も、だからこそ日常生活を描いていると思える手作り感のする作品だった。オリジナル、リメイク、どちらが優劣あるわけでなくどちらも素敵な作品で、音のない世界をみごとに体感させてくれた。
2022.02.27
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(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.この作品は映画館で見なければならない。そう思い、TOHOシネマズ新宿(Dolby-ATOMOS)に見に行った。いま、なぜ60年もたってリメイクするのか。しかも、大監督のスピルバーグが。現代風にアレンジしているのかと思っていたけれど、映画が始まってみるとそんなことは全くなく、1950年代のアメリカのニューヨークをそのままに再現していた。風景よりもパトカーを見て実感した1950年代。開発の中、取り壊されていくレンガ造りの建物。広大な街を再現した映像をみると、さすがハリウッド!と思った。工事現場から始まる今作は冒頭から旧作オリジナル作品をなぞるかのように同じシーンが展開する。みごとなダンスが披露されるが、同じものであるならリメイクしなくても良かったのでは、なんて思いながら見ていた。60年前の旧作といえど70ミリ映画だから巨大スクリーンでも目を見張るカラー映像、デジタルリマスターすればより鮮やかな色彩が目に飛び込んでくると思える。見る前に思ったのは見た目キャストの魅力が劣る。一世を風靡、世界を席巻し乙女の心を鷲掴みにしたジョージ・チャキリス(ギリシャ系)演じたベルナルドをデビッド・アルバデス(キューバ人)。チャキリスのほうがイケメン。旧作でトニーを演じたのは長身で甘いマスクのリチャード・ベイマー。今作ではアンセル・エルゴート(ロシア系、ノルウェー・イングランド・ドイツ系)。「きっと、星のせいじゃない」「ダイバージェント」「ダイバージェントNEO」「ダイバージェントFINAL」「ベイビー・ドライバー」と出演し、引く手あまたの人気俳優だがメリハリのない顔は好きになれない。そして、マリア役。旧作はハリウッドを代表する大スター、ナタリー・ウッド。子役から活躍し、「三十四丁目の奇蹟」で人気スターとなり、「理由なき反抗」「草原の輝き」とヒットを飛ばしての「ウエストサイド物語」のマリア役。新作はレイチェル・ゼグラー(ポーランド系、コロンビア系)ちょっと目が離れすぎのタレ目でとても美形とは思えない。といった感じで見る前はあまり感心していなかった。オバマ元大統領が2021年ベストムービー10に選んだ「ウエスト・サイド・ストーリー」であるが人種差別を取り上げた点でランキングしたのかと勘繰り、良い作品かどうかは半信半疑だった。映画は中盤から旧作にはないシーンも登場する。一部キャスティングも違う。ドラッグストアーの店主ドクがおじいさんでなくて、伴侶ドクを亡くした寡婦バレンティーナである。キャストには期待していなかったがマリア役のレイチェル・ゼグラーがものすごくいい!とてもいい!外階段で名曲「トゥナイト」を歌うシーンは照明の関係もあって、まさしくナタリー・ウッド、いやマリアとなって映っていた。このシーンを見たときにスピルバーグが3万人の中から彼女を選んだ理由がわかった、とてもとても素晴らしかった。ソプラノで歌う調べの素晴らしさ。さていまひとり、マリアの兄の恋人アニータ役。旧作はリタ・モレノ(プエル・トリコ)。プエル・トルコ出身というから正しくアニタそのもの。そして、アカデミー賞、トニー賞、グラミー賞、エミー賞の4賞受賞の芸達者である。1931年生まれの90歳であるが、新作でもドラッグストアーの店主バレンティーナを演じている。また新作では製作総指揮も兼ねている。新作でアニータを演じるのはアリアナ・デボーズ(プエルトリコ、イタリア系)で「アメリカン・ダンス・アイドル」でテレビ初登場。その後、舞台に映画にと出演していてこの役を掴んだ。新作でのダンスシーンは素晴らしく、この役はプエルトリコ人でなければ表現できないのかなととても感心した。といったぐあいに見ていくうちに作品に引き込まれ、ジェッツとシャークスの抗争シーン。ナイフでの決闘、そして!!!! パトカーがきて蜘蛛の子を散らすように逃げていく若者たち。そして、クライマックス。知っている結末とはいえ、涙・涙・涙…。涙ながらにスクリーンを見つめていた。荒ぶる魂を大いに感じ、熱すぎる恋情を感じ取り、滝のように泣いてしまった。マスクがびしょびしょ濡れてしまった。そう私は涙もろいのです。感激屋さんなんです。でもここまで感激させられると思ってませんでした。名作です、傑作です。映画館は満席でした。この映画を映画館で見られた観客は幸せだと思います。ぜひ、映画館で、ご覧ください。2021年/アメリカ/157分/G監督:スティーブン・スピルバーグ原作:アーサー・ローレンツ脚本:トニー・クシュナー出演:アンセル・エルゴート、レイチェル・ゼグラー、アリアナ・デボーズ、デビッド・アルバレス、ジョシュ・アンドレス、コリー・ストール、リタ・モレノ、マイク・ファイスト原題:West Side Story(「西側物語」)お薦め度「ウエスト・サイド・ストーリー」★★★★★(100%)字幕翻訳:石田泰子
2022.02.23
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期待して見た。うぐぐぐ。ごごご。これが「スパイダーマン」の映画なのか。「ドクター・ストレンジ」の作品なのかと思える予告編まである。うがった見方となるのか、わからない、腑に落ちないところがある。もろ手を挙げて絶賛というわけにはいかない。ネタバレ!ネタバレ!!ネタバレです!!!ネタバレを書きます。スパイダーマンが3人いると!? しかも当然ピーター・パーカーも3人。しかし、それは同一人物じゃない。いや。同一人物なの?いや、違うよね。トビー・マグワイアのスパイダーマンは見ていたので馴染みがあった。アンドリュー・ガーフィールドのアメイジング・スパイダーマンは見ていないので、わからん。過去の宿敵が時空を超えてやってくる。ん?ん?ん?世界はいくつもあるの?パラレルワールドって一つじゃないの?時空を超えてやってくるから、やられた怪物たちがきてもよさそうなものだけれど、あとから登場のスパイダーマンたちが恋人や友達を亡くしたと言ってるよ。ならば、敵である怪物たちも亡くなっているはずでは?タイムトラベル物によくある話で、過去に遡ったら、過去の出来事を変えないで!って。怪物たちから能力を消し去って元の世界で殺されないように、生き続けるために浄化する(?)っていうのは時空を超える法則から外れているのでは?おかしくない?物語破綻してるよ。というか、能力無くして元の世界に戻ったら元の世界の物語が破綻するよ。スパイダーマンが3人そろい踏み。過去の悪役キャラ登場とスパイダーマン・ファンには魅力的なのかもしれないが、「???」と違和感を感じてしまって、不条理に気づいてしまったら、のめりこめない。おもしろい、楽しめる、魅力的だけで映画という作品は作っていけないと思う。どんなにヒットし、どんなに人気を呼ぼうとも、筋・通ってないんだもん。ついでにいうと、みんながスパイダーマンのことを忘れるという魔法のはずなのに、スパイダーマンのことは忘れていない。それなのにピーター・パーカーのことは忘れてしまっている。これっておかしくない?おかしいでしょ。メイおばさんのマリサ・トメイはとても好きな女優だ。生かしてほしかった。ウィレム・デフォーがいい役やってるね。グリーン・ゴブリンが懐かしく、正悪の間でゆれる心の機微を演じて秀逸、一番共鳴できる役柄だった。ウィレム・デフォーは悪役顔で悪役を演じることが多いけれど、悪役でも心を持った人物を演じたりする。渡辺大にもそんな役柄、まわってこないかな。(「るろうに剣心 京都大火編:参照」)2021年/アメリカ/149分/G監督:ジョン・ワッツ原作:スタン・リー、スティーブ・ディッコ脚本:クリス・マッケンナ、エリック・ソマーズ出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジェイコブ・バラロン、アルフレッド・モリーナ、ジョン・ファブロー、ジェイミー・フォックス、ウィレム・デフォー、ベネディクト・ウォン、マリサ・トメイ、トニー・レボロリ、J・K・シモンズ、アンガーリー・ライス、ポーラ・ニューサム、ハンニバル・パレス、マーティン・スター、J・B・スムーブ原題:Spider-Man:No Way Home(「スパイダーマン:帰り道無し」)お薦め度「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」★★★★(80%)字幕翻訳:林完治
2022.01.23
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セリーヌ・ディオンの映画かと思ったら、そうではなかった。いや、そうではあるが、完全にはそうではなかった。セリーヌを題材にとるも伝記映画でも真実の物語でもなく、あくまでセリーヌの人生をベースに映画的付加=フィクションを足した作品だ。それゆえ主人公の名はアリーヌとなり、感情的感動的シーンも撮影された。セリーヌのパリでのライブを見て触発された監督・脚本・主演のバレリー・ルメルシェが入魂で映画化した作品。主人公となるアリーヌを幼少期から壮年期までラスベガスのショーに至るまでを描いていて、彼女が演じている。正直言って子供時代のアリーヌは(アリーヌのまわりのサイズを大きくしたといっているが、見るとアリーヌのサイズを極小にしたように見える)連れ去られた宇宙人のようにほっそりと小さく不気味なサイズと見える。それなのでバレリーが一人で演じ切るということにこだわらず、似た容姿の子役を使ったほうが良かったと思える。アメリカ映画ではこれが別人かと思えるほど似た子役をキャスティングしていたりするので、そのほうが自然だと思えるし、違和感なく見られると思う。あとは吹き替えの部分が、口の動きがあっていても奇異に感じられた。しかし、それもアリーヌの若いころのシーンだけで、大人になってからは圧巻の歌いっぷり、同調性を見せる。中盤から終盤にかけての男性への愛、夫への愛に忠実、真摯なアリーヌの姿に心揺さぶられた。彼がいるから歌える。彼のために歌う。彼女の支えは父であり、父のコインであり、ステージママの母の愛であり、プロデュースしてくれる夫であった。子供への愛もものすごく、とてもとても強烈な愛にあふれていた。ラストは心の寂しさ、空虚を感じさせるが、クレジットでの前向きな歌は元気を感じさせてくれた。素敵な作品である。2020年/フランス・カナダ/126分/G監督:バレリー・ルメルシェ脚本:バレリー・ルメルシェ出演:バレリー・ルメルシェ、シルバン・マルセル、ファニエル・フィショウ、ロック・ラフォーチュン、アントワーヌ・ベジナ歌:ビクトリア・シオ原題:Aline(「アリーヌ」)お薦め度「ヴォイス・オブ・ラブ」★★★★(80%)映画字幕:斎藤敦子 ヴォイス・オブ・ラブ公式WEB
2022.01.19
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なんだこれは!?子供の頃に見た”サンダーバード”が懐かしく見に行ったけれど、画面のサイズは?映像は?今回、この作品のメイキング映像まであって…ドラマじゃないのかぁ…。いや、なんでも初期のレコード盤だけのエピソードを新たに映像化したとのこと。新作って言ってたのに…。その3話の新作に続き、新兵器?日本語吹き替えだったのに、付け足しの映像は続々とメカが登場、日本語字幕に英語が”International Rescue”(インターナショナル・レスキュー)と繰り返し、救援を呼ぶ声。一番登場したのは5号のペネロープとその執事パーカー。見られたことに感謝。2022年1月10日映画館にて鑑賞2021年/イギリス/91分/G監督:ジャスティン・T・リー、スティーブン・ラリビエー、デビッド・エリオット脚本:アラン・フェネル、デビッド・グラハム、デスモンド・サンダース声の出演:満島ひかり、井上和彦、大塚芳忠、森川智之、日野聡。櫻井孝宏、江口拓也、堀内賢雄、立木文彦原題:Thunderbirds: The Anniversary Episodes / Introducing Thunderbirds, The Abominable Snowman, The Stately Homes Robberies(「サンダーバード:記念エピソード/サンダーバード紹介、忌まわしい雪だるま、大邸宅強盗」)お薦め度「日本語劇場版 サンダーバード55GOGO」★★★☆(70%)
2022.01.12
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2021年1月1日から2021年12月31日に見た作品からおすすめ映画ベスト20【映画館で見た映画】お薦め度★★★★☆(90%)「パーフェクト・ケア」映画を見ていてこれほどの怒りを感じたことは初めてである。「劇場版ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」続編があるので短いが、大いに心を揺さぶられた作品。「竜とそばかすの姫」大感激、大感動。マスクの下で歌ってしまった。とてもとても素敵な作品。「香川1区」選挙の闇は計り知れないと思ったのと真摯さに感情が高ぶった。以上、お薦め度★★★★☆(90%)以下、お薦め度★★★★(85%)「イン・ザ・ハイツ」わざわざロードショー見に行った甲斐があったミュージカル感動作。以下、お薦め度★★★★(80%)「ノマドランド」ノマドの暮らしに衝撃を受けたが、その生き方は否定するものではない。「プロミシング・ヤング・ウーマン」評判を聞きつけ見に行った甲斐のある犯罪映画。「パリの調香師 しあわせの香りを探して」調香師と運転手の関係が絶妙。じわっと感動。「マトリックス・レザレクションズ」世界的大ヒットの新作。作られたことに感嘆する。「007 ノー・タイム・トウ・ダイ」この展開この終わり方に異議を感じたが、超大作で007であること。ここにランキングしなくては。「Mr.ノーボディ」こんな男がいようとは。衝撃、圧巻の銃撃戦。「キネマの神様」山田洋二監督オリジナルといえそうな作品。「ブラックバード 家族が家族であるうちに」生きるということと家族を考える。不治の病と知れば命を絶つべきか。「ジャングル・クルーズ」なかなか楽しめたクルーズだった(笑)「ローズメイカー 奇跡のバラ」花言葉が胸に染みた。「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」これは、パラレルワールド? ”10年前に出会いたかった”。「私は確信する」まるでドキュメンタリーを見ているのかと錯覚するほど本気(マジ)。「モンスターハンター」おもしろかった!続編に期待。また映画館に足を運びたい。「リスペクト」ソウルの女王、アレサ・フランクリンの半生を描いた作品。「エターナルズ」話、展開についていくのがやっと。しかし、お薦めすべきMCUか。以上、お薦め度★★★★(80%)
2022.01.03
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劇場公開日が2021年12月24日。前作「なぜ君は総理大臣になれないのか」の公開日2020年6月13日から1年6カ月後である。この1年半の間に総理大臣は安倍晋三氏、菅義偉氏、岸田文雄氏と3人かわった。7年を超える安倍政権が病気による離脱という終焉を迎え、転々として岸田首相の登場。もう後戻り、先祖返りをすべく時ではないと思うのだが。香川1区では前政権でデジタル改革担当大臣となった平井卓也氏が強力地盤で勝ち続け惜敗続きの小川淳也氏が主要な被写体となるドキュメンタリー作品である。本来なら先祖代々大臣を務めてきた平井氏が大臣になったのだから楽勝、完勝間違いなしの境遇であるはずなのに、リークされた強権発言、上から目線の言葉。その後の不適切な行状の数々を週刊誌に追われ、品位は下がり、人気もなくなる状況となっていた。とどめは、首相が替わり、大臣職もなくなったこと。外務大臣であった茂木敏充氏が重任されたことを思うと、体のいい首切りにも見えてしまう。片や小川淳也氏は映画のヒット、注目も相まって、その人となりが政治家には向かないと親がいうほど清廉潔白、真っ当な人物であることに興味ある人は吸い寄せられるように押し政治家とし、追い風がふく状況。映画の中でも写されているが、撮影者が平井卓也氏を悪者として描いたのではなく、平井卓也氏の応援者たちが悪者としての行動、言動をしたのである。撮影した写真を加工しない限り、映像は嘘をつかない。まして、ドキュメンタリー映画監督である。嘘を映像とはしない。そしてここに日本維新の会の町川順子氏が割って入る。本人もインタービューで答えている通り、はなから1区で選出される気はなく、比例ブロックでの当選を目指していた。他の地域の結果を見てもわかるけれど、そこそこの得票数があれば、大きく離された3位であっても日本維新の会であれば復活当選できたはずであった。しかし、結果はあまりに他の2人が強かった。3位復活は2位の次点者の得票数が少なければ可能であった。2位となった平井卓也氏の得票率は高かった。それゆえ自民党でありながら復活当選している。(今回、自民党が復活当選する人は数少ない)映画は50歳で政界引退を標榜していた小川淳也氏が50歳をむかえたバースディの取材から始まる。そして、総選挙の結果で終わるはずであった。その後に、立憲民主党の代表選があり、小川淳也氏が立候補したことによりその代表戦の結果映像で終わる。作品としては立憲民主党の代表選は蛇足だと思える。総選挙の結果、その後の感想インタビューで閉めたほうが作品としては「香川1区」としての完成とできたであろう。小川淳也氏の予想以上の飛躍に蛇足がついてしまった。鑑賞していて、中盤から涙で目をしばたたかせ、指で拭うことが何度かあった。小川淳也氏のシーンである。両親の心労がインタビューでわかる。田舎都市のしがらみもわかる。自民党のあこぎなパーティー券売りの実態もわかる。なかなかのドキュメンタリー作品である。ポレポレ東中野 にて鑑賞2021年/日本/156分/G監督:大島新出演:小川淳也、平井卓也、町川順子お薦め度「香川1区」★★★★☆(90%)
2021.12.30
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”レザレクションズ”という聞きなれない単語。”復活”という意味らしい。”キリストの復活”(Resurrection of Christ)と使われているようだから、その意味合いでsは複数ということだろうか。ネオとトリニティーの復活。を指しているのかもしれない。前作より60年たっているようである。冒頭、コンピューター・ゲーム「マトリックス」のゲーム会社で働くトーマス・アンダーソンが登場し、その世界がリアルなのかどうなのか、判別しづらく、「マトリックス」をゲームだと矮小化してしまったら、なんともつまらない続編第4作ではないかと思い始めた矢先、その世界は…現実とマトリックスとの区別がつかない世界に連れてゆかれる。そこからは、前もっての1作目から3作目の復習が功を奏した登場人物の把握ができた。しかし、モーフィアスをはじめ、スミスも似て異なる容姿となっているので戸惑う。”リブート”(再起動)という言葉も出てくるけれど、”リブート”でなく”レザレクション”であるということに注目したい。見た目的にはネオ(キアヌ・リーブス)とトリニティー(キャリー=アン・モス)以外に過去作品での登場者がいないことは進化していることの表現なのだろうか。3作目で渾沌とした内容で終わった作品であったが、この新作も渾沌としていて、何がどうでこの結末?と思えなくもなく、現実世界はどこにあり、マトリックスはどの空間に存在するのか、判然としない。それは私の理解不足なのか?物語としては破綻していると思えるけれど、とにもかくにも世界的大ヒット作品の新作を見られた。そのことに満足してしまう。2021年/アメリカ/148分/G監督:ラナ・ウォシャウスキー脚本:ラナ・ウォシャウスキー、デビッド・ミッチェル、アレクサンダル・ヘモン出演:キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ヤーヤ・アブドゥル=マーティン2世、ジョナサン・グロフ、ジェシカ・ヘヌィック、ニール・パトリック・ハリス、ブルヤンカー・チョープラー・ジョナス、ジェイダ・ピンケット・スミス、クリスティーナ・リッチ、チャド・スタエルスキ原題:The Matrix Resurrections(「行列(数列(コンピューター)が支配する仮想現実空間)復活」お薦め度「マトリックス レザレクションズ」★★★★(80%)字幕翻訳:林完治
2021.12.30
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この作品、わざわざリバイバルするほどのものかなぁ。とはいえミムジー・ファーマーを映画館で見られることに感謝。内容的にはおどろおどろしい秘密が隠されていて、それがやむを得ない状況で起こった出来事であったことが最終的にわかるが、その驚きとともにFIN(終わり)という、エンドロールがまったくないというのが時代的であった。こんなに荒涼とした土地があるのかと思えたけれど、たぶん塩田かなにかで、相当広い、いや広すぎる土地をある種の半円が描かれて数百も地形にあった。その土地の中のポツンと一軒家。往来する車のためのガソリンスタンド。訪れるのはわずかな客のみ。近くの港町まで80キロとは隔離されたところだ。さて、そこへやってきた徒歩の若者が失踪した息子ロバートと取り違えられたことで居座ることになり、取り違えた母のみならず、妹までも兄と慕う、それが…。ひみつが明るみになったとき、予想した通りというのは旧作であるからだあろうか。公開の1971年当時に見ていれば、どれくらいの衝撃をうけたであろうか。1971年/フランス・イタリア/95分/R15+監督:ジョルジュ・ロートネル原作:モーリス・キュリー脚本:ジョルジュ・ロートネル、パスカラ・ジャルダン、ジャック・ミラー、シャルル・ドラ出演:ミムジー・ファーマー、ロバート・ウォーカー、リタ・ヘイワース、エド・ベグリー、デビッド・サックス、ソフィー・アルディ、マルク・ポレル、ブルース・ペシュール原題:La route de Salina(「サリナ道」)お薦め度「渚の果てにこの愛を」★★★☆(70%)
2021.12.26
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私の好きな女優さんミムジー・ファーマー。彼女の作品がリバイバル、映画館でかかっていると知って見に行った。私が惚れた「ポケットの愛」以前の1969年製作作品で、裸体を惜しげもなく披露する彼女は注目を浴びだのだろうか。映画音楽がピンク・フロイドということにも驚いた。時代性がとても色濃く出ている作品で、ヘロイン中毒になってしまう、無軌道なドイツ人の若者が主人公。一目ぼれしたアメリカ女性に押しかけて逃避行。知人が用意してくれた人里離れた海岸べりの一軒家で自堕落に暮らす。何度も薬を断とうとするが…。私生活が謎の彼女と、エッチまで共用してしまうヒッピーのような暮らし。アンビバレント(愛憎相反)な関係は見ていてイラつくし、理解不能でもある。大した作品にも思えないが、見なかった後悔よりも、見て良くなかった後悔のほうがまし、と思える一本。1969年/西ドイツ・フランス・ルクセンブルク/116分/R15+監督:バーベット・シュローダー原案:バーベット・シュローダー脚本:ポール・ジェゴフ、バーベット・シュローダー出演:クラウス・グリュンバーグ、ミムジー・ファーマー、ハインツ・エンゲルマン、ヘンリー・ウルフ、ルイズ・ウィンク原題:More(「もっと」)お薦め度「More モア」★★★(60%)
2021.12.19
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身寄りのない金満老人を介護センターに送り込み、財産をかすめ取る法廷後見人。それに対峙する閉じ込められた老人が法廷闘争で丁々発止する物語だと思い見に行った。あにはからんや、法廷闘争はあるけれど、そこは序盤、それよりも殺し合いがメイン。それもあ然とする、想像を超えた手法に許容範囲を超えた。不死身で恐怖の女に思えた主人公の法定相続人マーラ。胆の座り方が尋常ではない。正義が対峙する法廷闘争が見たかった分、悪徳なやりかたに嫌気を感じ、とても見たくない、他人におすすめしたくないと思えた。作品の密度、秀作度は断トツに素晴らしい。素晴らしいだけに受け入れられない人物像は拒絶度ハンパない。情け容赦のない命のやり取り。想像しえない展開と終幕。この終わり方を見て、拒絶しなくてもよくなった。とはいえ、恐ろしい作品だ。主演ロザムンド・パイクはスレンダーでモデル顔負けのスタイルにてプライドの塊のような威厳を兼ね備える。彼女とコンピを組むエイザ・ゴンザレスもなかなか胆の座った敏腕女子である。人のよさそうなダイアン・ウィートが実は裏社会の大物の母親というのもおもしろく、数多くの映画に出演している小男ピーター・ディンクレイジがここまで重要な役どころを演じているのは初めてかも、と楽しめた。映画的センスのある終わり方は銃社会アメリカを肯定しているのか?2020年/アメリカ/118分/G監督:J・ブレイクソン脚本:J・ブレイクソン出演:ロザムンド・パイク、ピーター・ディンクレイジ、エイザ・ゴンザレス、クリス・メッシーナ、イザイア・ウィットロック・Jr.、ダイアン・ウィート原題:I Care a Lot(「私は多くを気にかける」)お薦め度「パーフェクト・ケア」★★★★☆(90%)字幕翻訳:牧野琴子
2021.12.05
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大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化。映画も人気と聞いて期待して見に行った。ところが、ミュージカル特有の前向きさも元気さも健気さも、ない。歌い上げるなんてこともない。高低のある歌はあるが超高音はファルセットではないが聴き取れないほどか細い。内容は友達がいない高校生男子。それゆえなのか、どうなのか。全く暗く陰湿な感じの内容。そして、問われ語りで主人公は友達関係を嘘で固めていくことになる。注目が集まり、SNSと、現代の話である。なんとなく退屈な始まり、しばらく見ても興味持てず。これが配信ならば15分くらい見て、中止したかもと思われるほど。さりとて映画館。座った限りは最後まで見る。退屈なら退屈と見届けねば。好きな女の子の兄が自殺してから話が流れるようになる。問題も起きる。主人公は話題が大きくなるにつれ友達や彼女、新しい関係性に目覚める。それとともに、シングルマザーの母を疎ましく思う。彼が夢見た家族、彼がほしいアットホームがそこにあった。引き返せない嘘で固めた信頼関係。それが…。映像で主人公が腕の骨折で嘘をついていたことを見せるけれど、十分伝わる内容だったと思えるが、後ほど台詞ではっきりと言う。観客に優しい演出だ。というか見ていてそうだと思えるのに気づかない観客のために改めて名言した。観客にやさしいけれど、そうした分センスがなくなってしまっていると感じた。主人公を演じたベン・プラットは本作のブロードウェ・ミュージカルでも主役エヴァン・ハンセンを演じた子役出身のミュージカル俳優・歌手とのこと。映像の芝居の質を高めるためか母親役にジュリアン・ムーア。芝居臭くなく過不足のない演技はとても素晴らしくシングル・マザーを見事に演じている。対する、相手となる高校生の母親役にエイミー・アダムス。彼女も芸歴からして演技巧者といえるのでは。妹役のケイトリン・デバーは「ブックスマート 卒業前夜のパーティデビュー」で注目された若手だ。手堅い共演者でよかったと思う。2021年/アメリカ/138分/監督:スティーブン・チョボウスキー脚本:スティーブン・レベンソン出演:ベン・プラット、ジュリアン・ムーア、ケイトリン・デバー、エイミー・アダムス、ダニー・ピノ、アマンドラ・ステンバーグ、コルトン・ライアン、ニック・ドダーニ原題:Der Evan Hansen(「親愛なるエヴァン・ハンセン」)お薦め度「ディア・エヴァン・ハンセン」★★★★(80%)字幕翻訳:石田泰子
2021.12.05
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「ほんとうのピノッキオ」って、何がほんとう?ディズニー映画とは違うということなのか?CGかと思うような登場人物たちはCGでなく実写のようである。ピノッキオの男の子は毎回4時間かけてピノッキオのメイクを作り上げたそうだ。とはいえカツオだったりCGでなきゃ表現できないところもあったりなので、メイクにこだわる意味があったのかどうか。舞台ならいざ知らず、映像だから見分けがつかない。ゆえに真実味のある映像がすべてであり、実写にこだわる意味があったのかどうか…。遠い昔に見聞きした”ピノキオ”の物語はうろおぼえで、”ほんとうの”の意味するところは?と引っかかってしまった。糸でつるされている人形たちが誰に操られているわけでもなく、”サメ”と字幕であった大きい大きい大魚は本当はなんなのだろうか?鯨かオルカかシャチか。見た目大きな大きなナマズに見える真ん丸さ、はたして?大人になった妖精が橋本愛・似で、そのことばかり考えてた。てっきり、ロベルト・ベニーニが監督しているんだろうと思っていたが、違った。監督はマッテオ・ガローネである。2019年/イタリア/124分/G監督:マッテオ・ガローネ原作:カルロ・コロディ脚本:マッテオ・ガローネ、マッシモ・チョッケリニ出演:ロベルト・ベニーニ、フェデリコ・エラピ、ロッコ・パパレオ、マッシモ・チェッケリニ、マリーヌ。バクト、ジジ・ブオイエッティ、アリーダ・バアルダリ・カラブリア、マリア・ピア・ティモ、マッシミリアーノ・ガッロ、ジャンフランコ・ガッロ、ダビデ・マロッタ、テコ・セリオ原題:Pinocchio(「ピノッキオ」)お薦め度「ほんとうのピノッキオ」★★★☆(70%)字幕翻訳:杉本あり
2021.11.24
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MondayTuesday ゴミ出しWednesday ThursdayFriday・・・・・・MondayTuesday ゴミ出しWednesday ‥‥‥MondayTuesday ゴミ出しWednesday ‥‥‥……名前は?ノーバディ(名無し)猫ちゃんのネックレス……それがこんなとんでもない立ち回りになるとは……冒頭からの半端ない暴力の威力はすさまじく、その後の展開が読めずおどろおどろしかった。クライマックスの総力銃撃戦。こんなのあり得る!?見どころ十二分にしびれた。え!?おじいちゃんは、あの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の博士!!!2020年/アメリカ/92分/PG12監督:イリヤ・ナイシュラー脚本:デレク・コルスタッド出演:ボブ・オデンカーク、コニー・ニールセン、RZA、アレクセイ・セレブヤコフ、クリストファー・トイド、マイケル・アイアンサイド原題:Nobody(「何者」)お薦め度「Mr.ノーバディ」★★★★(80%)字幕翻訳:風間綾平
2021.11.20
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主演がマシュー・マコノヒー、監督がガイ・リッチーと楽しまさせてくれることを予告編を見て期待したが、話が猥雑。回想シーンの多い作品は難解というかこんがらがって良作にはなりえないという教えがあるけれど、本作は回想ではないが、スクープ記者が張り込み見聞きしたことを相手の犯罪者に売りつけようとすることで回想作品のように行きつ戻りつする。そのこと自体の良し悪しはともかく、感覚的にもこの作品は面白くないなと感じ、配信で見ていれば中止したであろう。そんな印象を持ちながら見続けた。主演マシュー・マコノヒーは良くも悪くもないそれなりの活躍。チャーリー・ハナムが重要な役どころでいい味を出している。ヘンリー・ゴールディングが食わせ者として見せ場を作り、コリン・ファレルはとてもいい役どころ。記者役のヒュー・グラントは小汚く、とても元・天下の二枚目だとは思えない。密売大麻製造者から足を洗おうとした大物が引き起こすとんでもない抗争劇。ガイ・リッチーは知恵を絞ったけれど、不作だったと思える。2020年/イギリス・アメリカ/113分/PG12監督:ガイ・リッチー原案:ガイ・リッチー、アイバン・アトキンソン、マーン・デイビス脚本:ガイ・リッチー出演:マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ドッカリー、ジェレミー・ストロング、エディ・マーサン、コリン・ファレル、ヒュー・グラント原題:The Gentlemen(「紳士」)お薦め度「ジェントルメン」★★★(60%)字幕翻訳:松崎広幸
2021.11.20
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話題の「エターナルズ」を見に行った。お金をかけて著名俳優も出演し大々的な宣伝をした作品でSNSも大いに盛り上がったと思う。SNSは見てないのでその盛り上がり方はわからないけれど。主役のジェンマ・チャンはスタイルと英語発音は申し分ないのだけれど、西洋人から見たらアジア系はこんな顔立ちだと思われているのだなぁと思った。同様にモンゴリアンな顔立ちのマ・ドンソクも東アジアといえば、この顔立ちね、と思えた。他の出演者もイケメン・美女というよりもそのオリジナリティさを買われてのキャスティングのように思える。一目でファンになってしまうスター性のある人がいないのが残念。多様性を意識しすぎたキャスティングは不発だったと思える。そのキャスティングよりも残念なのはストーリーかもしれない。考えに考えて構築されたものかもしれないが洗練されていない。わかりにくい構図、エターナルズが地球外生物でなく作られたものという点も理解に苦しむ。ひとえに地球を救うというアベンジャーズとも違い、各々が備え持つ超人的力はX-MENのように生まれつき持っているものでもなくて、ならばなぜこうもスペシャルパワーがバラバラなのか、疑問山積。説明不十分で本題に入るまでが長く、話についていけなくなりそうだった。《ネタバレ》いかにも良い話。感動的なドラマとして作ろうとしているのはわかる。しかし、展開が突然すぎて、話はわかるけれど気持ちがついていかない。特に、イカリスがセレスティアルズの思惑通り、新たなセレスティアルズの誕生をエイジャックの命に代えても遂行しようとし、そのために仲間全員を破壊しようとした。それなのに、何がどうしたのか、その動機が分からないままセレステイアルズの誕生を阻止する仲間の輪に加わり、新しいセレスティアルズ凍結後は自身の過去の行いを悔いて謝罪し、太陽に自ら飛び込む。この自死行為はまったく意味不明で自己犠牲なるヒーロー的な所業でもなく、見ていてあいた口がふさがらなかった。星を守る(?)エターナルズを造り出し、星の害敵であるディヴィアンツも造り出したセレスティアルズが求めていたのは新しいセレスティアルズの誕生、とな。ならば、エターナルズもセレスティアルズも造り出さず、ただ7000年の時を待ってセレスティアルズを誕生させればよかったのではないだろうか。そうできなかった、枷(かせ)は一切提示されない。そして、そのセレスティアルズの誕生を阻止したエターナルズたちを懲罰審査にかけようと捕らえたところで本作は終わる。続編を作る意気込み満々なのはわかるが、次回は映画館で見なくても良いかな、と思える作品であった。2021年/アメリカ/156分/G監督:クロエ・ジャオ原案:ライアン・フィルポ、カズ・フィルポ脚本:クロエ・ジャオ、パトリック・バーリー、ライアン・フィルポ、カズ・フィルポ出演:ジェンマ・チェン、リチャード・マッデン、アンジェリーナ・ジョリー、サルマ・ハエック、クメイル・ナンジアニ、リア・マクヒュー、ブライアン・ライリー・ヘンリー、ローレン・リドロフ、バリー・コーガン、マ・ドンソク、キット・ハリントン、ハーリッシュ・パテル、ビル・スカルスガルド、ハーズ・スレイマン原題:Eternals(「エターナルズ」)お薦め度「エターナルズ」★★★☆(70%)字幕翻訳:佐藤恵子
2021.11.14
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剣術指南までやったという岡田准一の土方歳三。期待して見に行った。監督は映画「金融腐蝕列島 呪縛」で名を知らしめ、俳優たちから出演を請う憧れの原田真人。「クライマーズ・ハイ」「関ヶ原」「検察側の証人」といった著名話題作を手掛ける監督だ。原作は司馬遼太郎。新撰組の本としては「燃えよ剣」より、子母澤寛の「新選組始末記」のほうが数倍おもしろく興味が尽きない。本「燃えよ剣」は短く感じ、あっさりとした感じがしたものだ。ただこれは司馬遼太郎が史実を基に綴ることに徹したせいかもしれない。そんな原作を原田監督はどう料理してくれるか、見ものだった。あまりにも知られた史実なので《ネタバレ》で書く。髷を切った土方歳三が五稜郭でフランス人将校を相手に過去を回想する形で描かれる。この回想手法で私の興味はずいぶんとそがれた。回想される作品はえてして面白くないものが多い。(と思えるからだ)NHKの大河ドラマにもなったほどの長尺な新選組の話を土方歳三にスポットを当てて切り取る。それはあまりにもダイジェストすぎて、話を知らない人は展開についていけないのではないかと思える。幕末のことはいろいろなドラマ、映画で描かれているので興味のある人でわからない人はいないとも思えるけれど。沖田総司役は遠い昔に見た草刈正雄のイメージが記憶に刻み込まれており、短躯な山田涼介だと不安であったが、岡田准一も短躯であり、山田涼介のすがすがしい若武者ぶりは良かった気がする。映画「海猿」以降、ガタイの良い男として活躍している伊藤英明の豪傑ぶり肉体美も良かったし、大柄で近藤勇を演じた鈴木亮平も良かった。相手役柴崎コウはまずまずといったところか。松平容保役の尾上右近も良かったし、一橋慶喜役の山田裕貴は山田らしい演技を見せてくれた。はんにゃの金田哲も見せ場はあったし、柄本明、市村正親のワンポイントも光った。毒舌はあまり好きではないので毛嫌いしている村本大輔はもともとああいうキャラなのか、役柄も重要な役どころで目立つキャラでいい仕事をしている。その良すぎる名演技が嫌だ。岡田准一演じる土方歳三は豪傑だったのかどうなのか。策士であることは間違いないのだが、肩をやられて剣に自信を無くしてしまった近藤勇とは対照的に最期まで戦い続けた武士なのであろう。織田信長同様、遺体が見当たらないとされる土方歳三であるのだけれど、ラスト遺体が運び込まれる演出は何を意図してのことだろうか。それにしても最後の戦いの戦場に繰り出した兵隊の数のおびただしいこと。スケールの巨大さに驚いた。あれは、実際なのか、CGなのか。実際のロケであれば、感嘆の上にも感嘆するしかない。2021年/日本/148分/G監督:原田真人原作:司馬遼太郎脚本:原田真人出演:岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、尾上右近、山田裕貴、たかお鷹、坂東巳之助、安井順平、谷田歩、金田哲、大場泰正、坂井真紀、山路和弘、松村武、酒向芳、新納慎也、松角洋平、勇家寛子、松下洸平、村本大輔、陽月華、月船さらら、村上虹郎、石田佳央、淵上泰史、山村憲之介、渋川清彦、阿部純子、櫻井麻七、マギー、三浦誠己、吉原光夫、森本慎太郎、ジョナス・ブロケ、高嶋政宏、柄本明、市村正親、伊藤英明お薦め度「燃えよ剣」★★★☆(70%)
2021.11.08
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「劇場版 ソードアート・オンライン オーディナルスケール」から4年。劇場版の新作だ。(ブログ「劇場版 ソードアート・オンライン オーディナルスケール」)テレビのアニメはついていけなくて挫折したけれど、劇場版ときき馳せ参じた(見に行った)。すごい、素晴らしい!!絵の美しさ、展開、登場人物の心の機微、戦闘シーンのみごとさなどどれをとってもいうことなし、そして、感動した。わざわざ映画館まで見に行った甲斐があるというもの。エンドクレジットに映し出された2022年公開「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥(くら)き夕闇のスケルツォ」が待ち遠しい。実在の人間とアバターがリンクし、仮想空間で現実世界のように動き回り、戦闘に負け仮想空間で消滅してしまうと実在の人間も死んでしまうというデスゲームの舞台。そこに繰り広げられる戦闘やアバター同士の絆など見るべきところ、感じ入るところ多数あり。ミトとアスナの関係性、無類の強さのキリトとの関係性など気持ちを入れて見ることが出来た。クライマックスの死闘は感動を呼ぶ。素晴らしい作品である。2021年/日本/97分/G監督:河野亜矢子原作:川原礫出演:松岡禎丞・キリト、戸松遥・アスナ、水瀬いのり・ミト、平田広明・クライン、安元洋貴・エギル、日高里菜・シリカ、関智一・キバオウお薦め度「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」★★★★☆(90%)
2021.11.08
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アメリカン・アイドル出身で映画「ドリーム・ガール」でブレイクしたジェニファー・ハドソンだけに期待した。一躍スターダムにのし上がった彼女だったけれど、身内の不幸な事件により、失意に落ち消え去ったかのようであった。その後、徐々に活動はしていたようだが。今回はソウルの女王アレサ・フランクリンを演じ、面目躍如と思えた。前半、十代20代を演じる期間が長く、それなら若手有望株のアフリカ系アメリカ人歌手か女優が演じればいいんじゃないの、と思えたが”映画.COM”の記事によると生前のアレサ本人からジェニファーが指名されていたという。さて、物語はアレサが10歳の時1952年から始まる。そこから紆余曲折してスターになるまでが4分の3くらい、その後がスターになってから。10歳で妊娠と描かれているけれど、実際12歳で男の子を出産した。で、14歳で別の男性との子供、男の子を出産。牧師の家庭に育ったというのに、やってくれるじゃない。映画を見てもダメな男に惹かれるようであった。ジェニファーはよく演じているのだけれど、ひきつるようなほうれい線が気になって、気になって。彼女への期待が大きかっただけにその期待値に届かない歌声、内容は感動するところまでいかなかったような気がする。エンディング・ロールで実写フィルム、アレサ・フランクリンの映像と歌声を聞いた時、感動してしまった。2021年/アメリカ/146分/G監督:リーズル・トミー原案:カーリー・クーリ、トレイシー・スコット・ウィルソン脚本:トレイシー・スコット・ウィルソン出演:ジェニファー・ハドソン、フォレスト・ウィテカー、マーロン・ウェイアンズ、オードラ・マクドナルド、マーク・マロン、タイタス・バージェス、セイコン・セングロー、ヘイリー・キルゴア、ヘザー・ヘッドリー、スカイ・ダコタ・ターナー、テイト・ドノバン、メアリー・J・ブライジ原題:Respect(「尊敬」)お薦め度「リスペクト」★★★☆(75%)字幕翻訳:風間稜平
2021.11.08
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スーザン・サランドン。「ロッキー・ホラー・ショー」「テルマ&ルイーズ」「僕の美しい人だから」で知る素敵な女優だ。久々に見る。【ネタバレあり】この作品を表するにネタを書かないでというのは隔靴掻痒になりすぎるので、ネタバレ覚悟で書く。この作品を見て感動したし、とても印象的な感傷的なシーンもあった。またエモーショナルなところもあった。多分に感情的な作品だと思う、全体的には粛々と進むのだけれど。最晩年、終末期を描いた作品はこれまでもいくつもあった。生きたいと願いながらも病に侵され娘に撮られながら死に往く父をとらえた「エンディングノート」はドキュメンタリーであり、逃れられない近々の死に直面し段取りをする男の矜持を見せてくれた。「92歳のパリジェンヌ」は齢90歳を過ぎ、人生でやり残したことはほぼなく、旧知の友は故人となり、活動できなくなる前に人生を終えたいと考えた女性の実話を映画化した作品だった。まだ生きているかつての恋人に再会し、思い残すことがなくなった彼女は家族の承認を得て旅立っていく。人生の終焉を考える上で、尊厳死を考える一助となる作品だ。これもとても感動した。「世界一キライなあなたに」は正しく尊厳死を題材に扱った作品で、やりたいことをやり終えた後で死をむかえる。物議をかもした作品だが、これも感動の作品であった。これら感動の作品と同じ終末期、最晩年。自ら死を選ぶという本作は悲喜こもごも、感動するところはあれど、しっくりこない、すっきりとしない認めたくはない作品に思えた。それはなぜか?それは主人公と親友との関係にあるのではないだろうか。娘二人は自立し、それぞれの家庭を持ち、一人残る夫に家族同然に接してきた友人との関係を託す。そして、それは主人公の死後ではなく、もう既に関係は始まっていた。左手が使えないながらも自分自身でなにもかもしなければ気が済まない主人公が選択した様々なこと。マリファナをやったり、未成年に飲酒させるなど違法行為をだらだら続けるところが気に食わないのかもしれない。何事も法を守るが、自死に関しては自らの考えを選択するというのなら心情的に寄り添えたのかもしれないが、あらゆることを好き勝手にやって、なりゆきでダダもれのような感じで流れるのが好きじゃないのかもしれない。そして、友と夫に関係を望む。二人は元恋人同士だったという。スーザン・サランドンという素敵な女優に、ケイト・ウィンスレットというスターよりは女優として活動する有名女優と「ジュラシック・パーク」でその名を覚えたサム・ニールと看板俳優が出演している家族劇は舞台演劇のように秘密を明かされることにより七転八倒するコメディ(?)となっている。終幕、主人公の亡骸も葬儀もなく、それぞれが車で去っていく。「ペンギンが教えてくれたこと」も家族劇である。自暴自棄な主人公に気持ちがより添えず、鬱屈しながら見たけれど、鳥を見ながら、不自由な身体ながらカヌーというスポーツに目覚めていく、生きがいを見出していく作品にとても感動した。この「ペンギンが教えてくれたこと」と本作「ブラックバード 家族が家族であるうちに」は対極にある作品なのかもしれない。きしくもペンギン(鳥)とバード(鳥)だなぁ。 ちなみに、Blackbirdは”クロウタドリ”という鳥であるけれど、黒人の蔑称としても使われるようで、ビートルズのマッカートニーが黒人女性の人権擁護や解放を意図して歌った”Blackbird”という楽曲がある。飯田橋ギンレイホールにて(同時上映の「ノマドランド」はロードショーで鑑賞済)2019年/アメリカ・イギリス/97分/PG12監督:ロジャー・ミッシェル原作:クリスチャン・トープ脚本:クリスチャン・トープ出演:スーザン・サランドン、ケイト・ウィンスレット、ミア・ワシコウスカ、リンゼイ・ダンカン、サム・ニール、レイン・ウィルソン、ベックス・テイラー=クラウス、アンソン・ブーン原題:Blackbird(「クロウタドリ」) お薦め度「ブラックバード 家族が家族であるうちに」★★★☆(70%) 字幕翻訳:斎藤敦子
2021.10.23
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これがダイエル・グレイク、007ジェームズボンドの最後の映画なのか。「007 カジノ・ロワイヤル」という傑作で始まり、「007 慰めの報酬」と続き、「007 スカイフォール」「007 スペクター」そして、本作「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」と終わる。Mのジュディ・デンチがいなくなり、レイフ・ファインズに慣れないが、007のみならずコードネームはそのままに人物はかわっているんだな。前作「007 スペクター」の物語は忘却の彼方。レア・セドゥーが出演していたことは覚えているが…。イーサン・ハントが活躍する「ミッション:インポッシブル」のより激しく、スケールが大きく、先進的な感じがする進化する作品作りからすると、007は007らしさを失ってスケールばかり大きくなり人情に、心情を描くことが裏目に出てしまった気がした。今作ではプレイボーイな007はどこにもない。のっけから始まる爆発やカーチェイスや銃撃戦に目を見張ったものの食傷したのかクライマックスの格闘、銃撃戦では興味がなくなってしまった。突然、そう感じた。見入ってしまって感情が揺さぶられていれば洪水というほどの落涙すべきシーンでも一度飽きてしまった私の興味は掘り起こされず、こんな終わり方なんだと淡々と見ているだけであった。字幕が戸田奈津子であった。今や伝説の映画字幕翻訳家となられた彼女が彼女らしく専門家の監修を得て、自由自在に意訳した字幕だった。しかるに本編が終わった後に表示された英語字幕を日本語字幕にしなかったのはなぜだろう?今回、良かったのはアナ・デ・アルマスの登場シーンだけかもしれない。従来のボンドガールらしく美しさとお色気を見せてくれて、銃撃戦でも大活躍!ラミ・マレックは敵対する役であるのだけれど、冒頭での印象だけが強く、その後の生き方はわからず、今、なぜ最悪ともいえる兵器を作り出し、誰に売ろうとするのか、皆目わからなかった。アクション・シーンは素晴らしく、所がかわるたびにすごいアクションが繰り広げられるが、その繰り返しが飽きた一因でもあるのかなぁ。最後のダニエル・クレイグの007を見逃して後悔しないために見て良かったとする。2021年/アメリカ/164分/G監督:キャリー・ジョージ・フクナガ原案:ニール・パービス、ロバート・ウェイド、キャリー・ジョージ・フクナガ脚本:ニール・パービス、ロバート・ウェイド、キャリー・ジョージ・フクナガ、フィービー・ウォーラー=ブリッジ出演:ダニエル・クレイグ、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ロリー・キニア、レア・セドゥー、ベン・ウィショー、ジェフリー・ライト、アナ・デ・アルマス、ダリ・ベンサーラ、ラシャーナ・リンチ、ビリー・マグヌッセン、ラミ・マレック、クリストフ・ワルツ原題:No Time to Die(「死んでる時間がない」)お薦め度「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」★★★☆(70%)
2021.10.02
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公開と同時に見に行こうと決めていたのに、見そびれてしまって、ロードショー終了かという間際、飯田橋ギンレイホールで上映することを知った。それなら、物語の舞台というか、モデルであるギンレイホールで見たほうがより感慨深くなるのではと思い見に行った。思いのほか観客は少なく、午後の回、満席ではなかった。原作にはほど遠いというか、まったく別の物語として映画化されていて、号泣したあの本の映画化を望んだ私は落胆した。主演予定だった志村けんさんが亡くなり、代役で沢田研二さん。コンサートで物議をかもしたかつてのスーパースターは白ひげを蓄えたギャブル狂、アルコール依存症の役だった、原作の内容ほほぼ忘れてしまっていたので、何が違うとは言えないけれど、現代のシーンではコロナ禍も取り上げていて、異様に今日的である。しかるに舞台となった名画座は今日的とは言えないような気がした。というのもシネコンにとってかわられた映画館はスクリーンではあるが配信上映されているようだし、16ミリのリールしか知らない私には35ミリのリールはあまりに大きすぎるような気がした。映画「ニュー・シネマ・パラダイス」で見たリールもそれほど大きくなかった気がする。また、若者世代のシーンでラッシュ・フィルムがリール缶に入って登場するが、こちらは小さすぎる気がした。山田監督なのでリアリティに間違いはないだろうけれど、どうなのかな。そして、ギンレイホールでの鑑賞マナーからすると上映途中からの入場はあり得ないし、もし、上映開始後であれば立ち見である。日がな一日、一度入ってしまえば何度でも繰り返し見られて、途中から見て途中で帰るということが当たり前だった昔とは今の鑑賞状況はずいぶんと違う、にもかかわらず、上映後に平気で入場する主人公たち。その無遠慮な行動に違和感を感じてしまった。また、後年の淑子(宮本信子)が語る好きな監督にフランク・キャプラをあげたり、創作のもとになったものにバスター・キートンを出したりしているけれど、これらは齢90歳の山田監督のものであり、とても70歳代の主人公たちが語るものではないような気がした。70歳代であればビリー・ワイルダーくらいがいいのではと思った。(作風かなぁ、フランク・キャプラ監督は「或る夜の出来事」という名作傑作をつくり「オペラハット」「我が家の楽園」「スミス都へ行く」「素晴らしき哉、人生」など珠玉の作品がある)過去の若者のシーンと現代の老人のシーンがあるけれど、圧倒的に過去の若者のシーンが好きだ。あんな風に映画作りをしていたと思うし、あんな風に青春していたと思うから。若い役者、菅田将暉、永野芽衣、北川景子は素晴らしかったし、リリー・フランキーも良かったなぁ。淑子の母、広岡由里子も昔のお母さんらしくて良かった。現代のシーンでも時たまわかる程度にしか映らない志尊淳はかわいいし、チョイ役(?)の片桐はいりは存在感あるし、ネクラな感じの前田旺志郎も娘の寺島しのぶの芸達者ぶりも良かった。若き日のテラシン(野田洋次郎)の年老いた役を演ずる小林稔侍も良かった。感動作というには物足りなさを感じるけれど、そこは90歳の監督の感性・経験値。若輩はその齢にならないと理解できないかもしれないし、たとえその齢になったとしても理解できないかもしれない。映画に関しての対談に感銘を受けました。映画化記念対談 山田洋次×浜田マハ『キネマの神様』がくれた奇跡飯田橋ギンレイホールにて2021年/日本/125分/G監督:山田洋次原作:原田マハ脚本:山田洋次、朝原雄三出演:沢田研二、菅田将暉、永野芽衣、野田洋次郎、北川景子、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子、リリー・フランキー、前田旺志郎、志尊淳、松尾貴史、広岡由里子、北山雅康、原田泰造、片桐はいり、迫田孝也、近藤公園、豊原江理佳、渋谷天笑、渋川清彦、松野太紀、曾我廼家寛太郎、前田航基お薦め度「キネマの神様」★★★★(80%)
2021.09.20
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評判の「イン・ザ・ハイツ」を見に行ってきた。公開からすでに一か月以上を過ぎ、わずかな映画館でしか上映していない。やむなく宮下公園の向かいにあるヒューマントラストシネマ渋谷 まで映画を見に行った。わざわざ見に行って良かった。素敵な映画だった。楽しめたし、感動もできた。ただ評判ののミュージカルということ以外、何の知識もなしに見に行ったので、主人公がプエルトリコ人で場所はニューヨークのブロンクスより北にあるワシントン・ハイツというラテン系移民が多い町が舞台になっていて、それゆえ”In the (Wahington) Heights”だということを知った。なんといってもダンスが素晴らしい。モブシーンといっていいのか、ストリートもプールも、数多のダンサーがキレッキレンのダンスをアクロバティックに絵になるように踊ってる。歌もいい歌唱であったが、ダンスシーンが特筆すべきところ。展開としてはおっさんが成功を夢見る若かりし頃を子供たちに聞かせるという設定で、その語りの内容が映像として描かれるというもの。不法移民の問題や差別などについても深刻にならないけれど真摯にとりあげ、作品内容としてまとめ上げている。舞台、出演者ともにラテン系ばかりに驚き、壁のダンスシーンなど想定できないことがあったり、観客をだます巧妙な映像があったりで、なんとも仕掛けの多い作品であった。にぎやかすだけでなく、娯楽ミュージカルとして素敵にまとめている。2021年/アメリカ/143分/監督:ジョン・M・チュウ原作:リン=マニュエル・ミランダ脚本:キアラ・アレグリア・ミランダ出演:アンソニー・ラモス、コーリー・ホーキンズ、レスリー・グレイス、メリッサ・バレラ、オルガ・メレディス、ダフネ・ルービン=ベガ、グレゴリー・ディアス4世、ステファニー・ベアトリス、ジミー・スミッツ原題:In the Heights(「ハイツで」)お薦め度「イン・ザ・ハイツ」★★★★(85%)字幕翻訳:石田泰子<ネタバレ>冒頭の砂浜オープンレストランのシーン。素敵な南国。いや、プエルトリコのビーチとみた。現地の子供たち相手に昔話のニューヨークのワシントン・ハイツで成功を夢見て生活をしていた頃の話を聞かせていた。が、これがフェイク、映画の映像マジックとはクライマックス、終盤まで気づかなかった。ミュージカルだから許される歌と踊り、飛躍する話なども展開に驚く映像的手腕も驚くほど見事であった。すっかり騙されました(笑)
2021.09.04
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「え!! 終わり!?」さぁ、これから佳境に入ると思ったところでエンドクレジットが始まった。短い作品と知ってはいたけれど。前編だけを見せられて終わった感じ。結末がない作品なんて…、おすすめは出来ません。【映画.COM】を今見て、知った。2020年12月30日にNHK総合で放送されたものなんですね。カンヌ映画祭でも上映されたようですが…この、中途半端な内容のまま劇場公開するとは。結末を付け加えて劇場版にしましょうというものではないかな、と考える。ああ。残念。見に行った時間を返してほしい。2020年/日本/83分/監督:宮崎吾朗脚本:丹羽圭子、郡司絵美出演:平澤宏々路、寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳、シェリナ・ムナフ、木村有里、柊瑠美、岩崎ひろし、ニケライ・ファラナーゼ、谷口恵美、齋藤優聖、鈴木花穏、石田さくら、佐伯美由紀、徳田章お薦め度「劇場版 アーヤと魔女」★☆(30%)
2021.08.29
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カリフォルニアの砂漠に出来たパーム・スプリングス。砂漠をリゾート地に変えてしまうなんてアメリカはすごいなぁ。さて、この作品はパーム・スプリングで結婚式を挙げる新婦の友人であるブライドメイドの恋人が主人公。そして、新婦の姉が相手役となるラブ・コメ(?)というより、ドタバタな作品で、タイムループで眠るとその挙式当日の朝に舞い戻る繰り返し、繰り返し、繰り返しの連続。恋人のブライドメイドに浮気された男に同情したことから抜き差しならぬ関係になり洞窟でタイムループに巻き込まれてしまう。そのことを知った彼女(姉)がタイムループから脱却し、元の世界へ戻ろうとあくせくし、タイムループに身を任せていた男も引き連れ奮闘する。はたして、抜け出すことが出来るのだろうか…。あまりに退屈で二三度、寝落ちしそうになった。私には合わない作品だったなぁ。2020年/アメリカ・香港/90分/PG12監督:マックス・バーバコウ脚本:アンディ。シアラ出演:ピーター・ギャラガー、J・K・シモンズ、メレディス・ハグナー、カミラ・メンデス、タイラー・ホークリン原題:Palm Springs(「パーム・スプリングス」)お薦め度「パーム・スプリングス」★★☆(50%)字幕翻訳:
2021.08.12
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これは、パラレルワールド?唐突な出会いから気を失って恋に落ちて…どんどん進む年月。成功者となった生活で相手が見えなくなっていた。と突然。妻がいない。親友だけは知っているが、あとは知らない人ばかり。???どんな世界?別世界…。設定は気に入らないが、空気感がいい。言葉にしなくても映像で伝わる感情、想い。こうなってしまったからにはそうするしかないのか。でもそれも当然というか自然というか、あまのじゃく的ふるまいもわかる。失ってわかる痛み、想い。”10年前に出会いたかった”ラスト、感動した。2019年/フランス・ベルギー/118分/G監督:ユーゴ・ジェラン原案:ユーゴ・ジェラン脚本:ユーゴ・ジェラン、イゴール・ゴーツマン、バンジャマン・バラン出演:フランソワ・シビル、ジョセフィーヌ・ジャビ、バジャマン・ラベルネ、エディス・スコブ、アマウリー・ド・クレエンクール原題:Mon inconnue(「僕の知らない人」)お薦め度「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」★★★★(80%)字幕翻訳:
2021.08.12
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さすがディズニー映画だ。楽しめる作品になっている。ディズニー・ランドのアトラクションのネタバレの要素も含みながら、永遠の命を手に入れるべく”奇跡の花”を求めアマゾンのジャングル奥深く分け入っていく冒険譚。主役はザ・ロックのリングネームで有名となったプロレス出身のドウェイン・ジョンソン。「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」で俳優デビューして注目され、同作で演じたスコーピオン・キングを主役にした「スコーピオン・キング」で主演。「ワイルド・スピード MEGA MAX」以降、同シリーズに参加。アクション大作「スカイスクレイパー」や実話が元の「ファイティング・ファミリー」など見ごたえ充分、感動作にも出演しているスターだ。「ジャングル・クルーズ」では船長を演じている。相手役は「メリー・ポピンズ リターンズ」が大注目されたエミリー・ブラント。「クワイエット・プレイス」「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」で注目されている。大画面スクリーンで映画を見る楽しさ、嬉しさを感じつつ、丁々発止のアクションや言葉の応酬。小気味いい展開とネタのある策略。愛と冒険のクライマックスを楽しめた。2021年/アメリカ/127分/G監督:ジャウム・コレット=セラ原案:ジョン・ノービル、ジョシュ・ゴールドスタイン、グレン・フィカーラ、ジョン・レクア脚本:マイケル・グリーン、グレン・フィカーラ、ジョン・レクア出演:ドウェイン・ジョンソン、エミリー・ブラント、エドガー・ラミレス、ジャック・ホワイトホール、ジェシー・プレモンス、ポール・ジアマッティ原題:Jungle Cruise(「ジャングル巡航」)お薦め度「ジャングル・クルーズ」★★★★(80%)字幕翻訳:風間綾平
2021.08.09
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唐人街探偵シリーズ第三弾。東京が舞台となった作品だ。これまでの2作を知らないので、冒頭にダイジェストで教えてくれる。親切~。中国で大ヒットした作品だし、妻夫木聡が出ているので見に行ったけれど、私には合わなかった。フランスで大ヒットしたあ「シティハンターTHE MOVIE 史上最香のミッション」を見たときも、あまりピンとこなかったけれど、その物語の世界を知らないと楽しめないようだ。中国の懐メロ、日本や欧米の懐かしいメロディを聞いても、こんな曲あったなぁ程度で思い入れもそれほどでなく感動もない。オープニングは空港についてハチャメチャな大人数での大乱闘をくりひろげるので、訳が分からない状態に。その後、新宿から始まったので、新宿は庭と思えるくらい知っているので、どこでロケしたのか、あ、新宿南口だなとか歌舞伎町だなぁとか街に目線がいってしまって映画に集中できなかった。で、渋谷のスクランブル交差点が出てきたときには、1億円で再現した渋谷だと思ったりもして…。物語はよくわからない内容で密室殺人の謎解き?犯人探し?見終わって感じたことは物語に現代性がなく20年前の作品を見ているようであった。親子の設定も洋菓子屋なども昭和を描いていて、とても今の東京とは思えない。小林安奈(長澤まさみ)の幼少期の話だとしても20年前でも2021年、21世紀だ。日本はバブルが崩壊して失われた10年を経て、近代化どころか未来化していた。これが20年前の作品でそれから30年さかのぼって1960年代1970年代の日本であれば納得のいく映像であったと思える。良くは知らないが現代のやくざでこれほどもんもん(刺青)を入れてる人はいないのでは。これも昭和な感じが…。懐メロ好きなのも、ドタバタとおどけた格闘が好きなのも30年以上前の香港映画を見ているようで、ラストのクレジットなんかまさに香港映画そのものと思えた。密室殺人の謎も悪ふざけが過ぎる各人各様の死体略奪のシーンなんかも笑わせようとするのが見えすぎて面白くない。シリーズものだからヒットしたのかなぁ。密室殺人の謎解きも腑に落ちないというか面白くない。Qの存在もピンとこないし…。ブッキーをはじめとして日本人俳優の活躍を外国映画で見られてことは喜ばしい。ただ、やっぱり私には合わなかったなぁ。2021年/中国/138分/G監督:チェン・スーチェン脚本:チェン・スーチェン出演:ワン・バオチャン、リウ・ハオラン、妻夫木聡、トニー・ジャー、長澤まさみ、鈴木保奈美、奥田瑛二、染谷将太、浅野忠信、ジャン・ユーシエン、三浦友和、アンディ・ラウ原題:唐人街探案3 Detective Chinatown 3(「中華街探偵3」)お薦め度「唐人街探偵 東京MISSION」★★★☆(70%)
2021.07.24
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評判を聞きつけて見に行った。内容をまったく知らないのはいつものこと。感性と感覚と自らのアンテナを信じ、見に行った。”将来を嘱望された女性”、”将来を約束された女性”の成長物語を見るつもりだった。ところが……。予想だにしない過去。予想だにしない展開。予想だにしないクライマックス。あ然…。主演キャリー・マリガンの左口元にあるイボ、ほくろ、吹き出物(?)を取れば、もっときれいになるのになぁ、と思いながら見ていた。彼女としては自然発生していたものは取りにくいのかもしれないけれど…。男に対する恨み、仕返し。女を食い物にしようとする男への脅し。それが、こうなるとは…。ショックを受けるクライマックスと続く結末になぜこうなってしまったんだという思いと決着がついたという思いでなんともいえない感情のまま映画館を出た。監督エメラルド・フェネルはロンドン生まれの英国人。1985年生まれの女性で、女優と脚本家を経験し、この作品が長編映画監督デビューとなった。この作品で第93回アカデミー賞脚本賞を受賞。主演キャリー・マリガンは1985年生まれのロンドン出身で、「17歳の肖像」で注目を集め、「わたしを離さないで」「華麗なるギャッツビー」などヒロインを演じてきた。2020年/アメリカ/113分/PG12監督:エメラルド・フェネル脚本:エメラルド・フェネル出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン、ジェニファー・クーリッジ、ラバーン・コックス、コニー・ブリットン原題:Promising Young Woman(「将来有望な若い女性」)お薦め度「プロミシング・ヤング・ウーマン」★★★★(80%)
2021.07.24
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大いに感激した映画だ。「サマーウォーズ」を見て衝撃を受け、感動し、ものすごい映像作家がいるものだと感心もしたのだが、「おおかみこどもの雨と雪」ではオオカミの設定が気に入らず、その世界に入り込めなかった。「バケモノの子」も「おおかみこどもの雨と雪」同様、バケモノの設定でその世界に入り込めず、イマイチに思えた。時空を超えた「未来のミライ」も面白く思えなかった。とはいえ長編アニメーションを作れる監督は少なく、音楽がいいという評判に釣られて見に行った。物語には期待していなかったので、どこがいいとか悪いとか、もちろんツッコミどころ満載な気がしないでもないけれど、”ラララッラララッラララッラッ”というテンポのあるきれいな歌声に惹かれ、おびただしく細かい電気信号の映像とあいまって、その創作世界に魅せられてしまった。その世界に入り込んでしまった。”U”と”AS”の関係とリベイルする、される攻防。電子世界と現実世界の非現実と現実の相反する同調性。現実世界の裏返しが電子世界であるならば同期し同調した時…。主人公である高校生すずを中心として同級生、合唱グループのひとびととのかかわりあい。そして、竜とのかかわりあい。クライマックスの大いなる歌声は私も声には出さずマスクの下で歌っていた。とてもとても感動した。とてもとても素敵な作品。2021年/日本/121分/G監督:細田守原作:細田守脚本:細田守声の出演:中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、森川智之、宮野真守、島本須美、役所広司、石黒賢、ermhoi、HANA、佐藤健、津田健次郎、小山芙美お薦め度「竜とそばかすの姫」★★★★☆(90%)<ネタバレ>大いに感動した作品だった。冒頭に見せるおびただしい電子の画像は(全く違う描き方だけれど映画「トロン」を思い出した。他人の子を自らの意思で助けに行き死んでしまう事故。そのことに対する賛否両論をSNSで表現している。これは観客に対する防御策?それともすずの母への恨みの表出?物語が進んでいくと歌姫として”U”の世界で傑出した有名人となったBelle(ベル(すず))だけれど、Belleと竜のお城でのダンスを見ると「美女と野獣」を思い出した。まるでパクリではないかと思える二人のダンス。そして関係性。この一連に関してはオリジナリティは感じられなかった。愛玩動物ともいえるイルカでなく、とてつもなく大きなクジラをBelleのお供にしたのは今の時代だからかもしれない。クジラは良かった。竜のお城が焼き討ちされた後、Belleがリベイルされるのではなく、自らリベイルしたことは圧巻であった。このあと一人女子高生が現実世界で夜間、四国の高知県から東京多摩川まで長距離の旅に出るのだけれど、父親か合唱グループのおばちゃんかしのぶくんがついていくべきだろうし、ついていくはずだ。また、竜たちとすずが出会ったときに手荒い父親が出てきて、暴力をふるおうとして怖気づくのは、納得がいかない。ぜんぜん納得できない。力であろうが言葉であろうが、暴力、暴言を使うものが自ら撤退するなんてことはありえないのではないだろうか。電子世界の中でBelleに呼応するかのように”AS”(電子世界の中のアバター)たちが口ずさみ、歌う大合唱に大感動し、一緒に合唱したかった。
2021.07.23
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「ゴジラvsコング」という題名だが、”ゴジラブイエスコング”と読むのか?”ゴジラ対コング”と読むのか?日本としては”ゴジラ対キングコング”とすべきところだろうと思えるけれど、映画を見てみると東宝の「キングコング対ゴジラ」の物語とはまったく違っていて、アメリカのストーリーである。ストーリーに起承転結はなく、いきなり”承”、ゴジラはコングを目の敵にしているとして始まる。冒頭のコングの住む土地は、コングの一撃により驚きの正体を現す。秀逸な設定だ。そして、ゴジラを避け、コングは故郷へ(?)なんだかな~と思える設定と展開に、腑に落ちることはなにひとつなく、疑義を感じる内容。しかし、ゴジラとコングの戦いは続く。恐るべし予想だにしない展開。ギドラ(キングギドラ)の扱いも、なんだかなぁ。登場人物の人間も数多くいて、それぞれがちょっとずつ顔見世する状況はキャラクターの造形、存在感が希薄な感じがした。人間の描き方に深みがほしかったかな。撮影したのに大幅にカットされたのか、本人もびっくりという出番の少なさの小栗旬。台詞は少なく、発音は日本語的だった。英語の音で発音すべきだったのでは?例えば”ゴジラ”の発音は日本語的で”ゴジィラ”(Gojilla)だったが、他のキャストの英語発音”ゴズィラ”(Gpdzilla)とは違っていた。スペクタクルな大怪獣の戦いを見続けた一本だった。2021年/アメリカ/114分/G監督:アダム・ウィンガード原案:テリー・ロッシオ、マイケル・ドハティ、ザック・シールズ脚本:エリック・ピアソン、マックス・ボレンスタイン出演:アレクサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、小栗旬、エイザ・ゴンザレス、ジュリアン・デニソン、カイル・チャンドラー、デミアン・ビチル、ランス・レディック、ケイリー・ホトル原題:Godzilla vs. Kong(「ゴジラ対コング」)お薦め度「ゴジラvsコング」★★★☆(70%)字幕翻訳:松崎広幸
2021.07.22
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すごい映画だ。まるでドキュメンタリーを見ている気になった。それくらい本気。妻が失踪した。容疑者は夫。第一審で無罪となったものの、10年後の今、第二審、検察側が上告しての再審である。子供の家庭教師がその容疑者の娘であったことから裁判の証拠集めに奔走する女性。敏腕弁護士に弁護を依頼する。なぜ、彼女はそこまで家庭教師の親の裁判に入れ込むのか。そこには…。証拠となるものが、ほぼ何もなく、240時間に及ぶ音声録音を検証。わかってくる不可解な出来事の数々。見ていてあまりに彼女に肩入れしすぎたのか、ショックを受ける場面もあった。”推定無罪”という言葉も飛び出すが、なんら証拠はないまま、証言は偽証だらけと判明していく。容疑者となった父親の運命は…。死体なき殺人?これは完全犯罪なのだろうか。実在する弁護士デユポン=モレッティ役を演じるオリビエ・グルメの延々と続く最終弁論が圧巻。2018年/フランス・ベルギー/110分/監督:アントワーヌ・ランボー原案:アントワーヌ・ランボー、カリム・ドリディ脚本:アントワーヌ・ランボー、イザベル・ラザール出演:マリナ・フォイス、オリビエ・グルメ、ローラン・リュカ、フィリップ・ウシャン、インディア・ヘア、アルマンド・ブーランジェ、ジャン・ベンギーギ、スティーブ・ティアンチュー、フランソワ・フェネール、フィリップ・ドルモア原題:Une intime conviction(「ひとつの心証(内的確信)」)お薦め度「私は確信する」★★★★(80%)
2021.06.12
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事実を基にしているからと言って、何を描いてもいいというわけではない。また、聖職者(厳密にいえば聖職者ではないけれど)が無軌道な行動を行う、姦淫などを見せるのはキリスト教的なものへの反動で、反感で、これらを表現することを良しとする思考がおかしいと思える。そして、その作品をアカデミー賞外国映画賞にノミネートしてしまうとは。キリスト教の国のなせる業だと思えた。突然の終幕。何を描きたかったのか、わからない。学歴資格がなくても、その真摯な思いがあれば良しとするのか。それとも、詐称、詐欺は許されるものではないと描きたかったのか。なんとも判断に苦慮する。そもそもフランス映画を見たいと思って出かけて、ポーランド映画を見てしまったのが間違いのもとだったのかもしれない。<ネタバレ>物語ではとある小教区の田舎町で事件・事故により村八分が行われていることを知った仮釈放中の偽神父が真実を明らかにし、村八分をやめさせようとした。ところが、偽神父もしらない新事実が明かされ渾沌としたところで偽神父であることの状況が変わり、そして終幕。なんだかなぁ‥。2019年/ポーランド・アメリカ/115分/PG18+監督:ヤン・コマサ脚本:マテウシュ・パツェピチュ出演:バルトシュ・ビィエレニア、アレクサンドラ・コニェチュナ、エリーザ・リチェムブル、トマシュ・ジェンテク、レシュク・リホタ、ルカース・シムラット原題:Boze Cialo(「聖体節(カトリックの休日)」)お薦め度「聖なる犯罪者」★★★(60%)
2021.06.12
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「大統領の料理人」でブレイクしたカトリーヌ・フロの最新作を見に行った。「パリの家族たち」のオリビア・コートが出演していたのに驚く。バラ園を経営していた父の遺産を受け継いでやってきた一人娘独身者は新作ができず倒産の危機にあえいでいた。低賃金の労働者でさえ雇えないバラ園だったが、先代から経理事務を担当する女史が職業訓練生として格安で三人を雇い入れた。前科者、年配おやじ、女性の三人で、三人ともさえない感じ。とても仕事ができる人たちではない、造園、バラ栽培の素人の彼らと背に腹は代えられない経営危機一髪の彼女は希少品種を盗むことを考えるが…。交配して新種を品評会、コンクールに出すとしても1年後、ポンコツ従業員を引き連れて、ドタバタ、あたふたの自転車操業。自然災害で花が壊滅状態になったり、すったもんだの結末は…。予想外のクライマックスに、あっぱれ!イケメンも美女もいない、さえない人たちの寄せ集めだけれど、ハートフルで感動的な映画であった。従業員に贈る花言葉の本に入っていた花のしおり、三枚。花言葉が胸にしみた。2020年/フランス/96分/G監督:ピエール・ピノー脚本:ピエール・ピノー、ファデット・ドゥルアール、フィリップ・ル・ゲイ出演:カトリーヌ・フロ、メラン・オメルタ、ファッシャ・ブヤメッド、オリビア・コート、マリー・プショー、バンサン・ドゥディエンヌ原題:La fine fleur(「(一流の)素敵な花」)お薦め度「ローズメイカー 奇跡のバラ」★★★★(80%)字幕翻訳:星加久実
2021.06.09
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映画館に見に行った。原作がそうなのか。大学病院の救命救急医師が退職し故郷に戻り在宅医療の医師として携わる患者を次々と映し出す。医療日誌のような展開。終末期医療のせいか、ひとりひとり看取っていく。それゆえこのまま何の展開もなく山場もなく淡々と終わるものと思っていた。ところが父親の申し出、父とかわした約束により突然の終わりをむかえる。はたして終わりなのか…。吉永小百合演じる白石咲和子の年齢設定がよくわからなかった。大学病院に勤務していたことを思うと50代後半なのかと思い見ていた。黒々とした髪の吉永をみると、本人が後期高齢者の年齢になったことを思えば、また、父親が田中泯なので奇妙に感じ、気になってしまった。ちなみに、ググると吉永と田中は3日違いの同級生であった。入れ替わり立ち代わり登場人物の出入りがあるが、皆、著名な人ばかり。恐れ入った。松金よね子は先日テレビドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」でも終末期の老人を演じていて、亡くなる役であった。絶妙な芝居だった。いくつかあるエピソード、在宅医療の家族では夫婦役、柳葉敏郎と森口瑤子の演技が秀逸だった。あと、田中泯、泉谷しげる、小池栄子が良かったなぁ。松坂桃李と南野陽子は熱演をみせる。西田敏行の温かみのある声は良かったし、丹波哲郎の物まねは堂に入ってた。店のマスター、みなみらんぼうの雰囲気は良く、店名”station”は凝りすぎというかダサく感じた。吉永小百合は吉永小百合らしく、広瀬すずは広瀬すずらしかった、ように思う。2021年/日本/119分/G監督:成島出原作:南杏子脚本:平松恵美子出演:吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、伊勢谷友介、みなみらんぼう、泉谷しげる、森口瑤子、松金よね子、石田ゆり子、田中泯、西田敏行、鈴木咲お薦め度「いのちの停車場」★★★☆(70%)
2021.05.30
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この週末、映画は何を見ようかとググったところ、SCREEN映画評論家38人が選んだ【最も優れた映画2020】に行きついた。読んでみるといくつかの作品はすでに見ていたので、見ていない中で最高位の5位「燃ゆる女の肖像」を見ようと思った。これまたググると、ちょうど本日から飯田橋ギンレイホールで上映されるので、朝一番に出かけて見に行った。(列に並んで3番目だった)事前に情報を入れずに見に行ったので、男女の恋愛映画だと思っていたけれど、そうではなかった。先ほどネットで調べて知ったけれど、カンヌ映画祭では脚本賞だけでなくクィアパルムを受賞している。「クィア」とは、「風変わりな」「奇妙な」という意味で、クィアパルムはLGBTやクィアをテーマにした作品に与えられるとのこと。まったく見当違いをして見に行ったわけだが、もう少し情報を見聞きしていったほうがいいなぁと思った。(笑)主演ノエミ・メルランはエマ・ワトソン似の女優で、きりりとした眉が印象的である。相手役のアデル・エネルは強いて言えばケイト・ウィンスレット似であるが、当初は笑顔がないので憮然と見える。相手役の母役はバレリア・ゴリノ。見覚えがある顔であった。この作品は評価が高く、映画.COMでも【ALL TIME BEST】に選出されている。期待が高まって見たが、思うほどのものではなかった。クィアパルムは納得としても脚本賞をとるほどの作品とは思えない。しかし、そこは映像のしじま(無音)に感ずるべきものがあったのかもしれず、私の感性が反応しなかっただけなのかもしれない。顔を見せない女の肖像画を描くことになった画家マリアンヌ(ノエミ・メルラン)の思いと結婚のための肖像画を描かれる女エロイーズ(アデル・エネル)の思い。言葉にすることのない思いが数日間続く…。淡々と織りなす日々にしばし眠気とたたかった。映画館でなければ(配信であれば)、眠ってしまったか途中で断念したかもしれない。評価の高い作品でも感性の合わないものもあるものだと知った。2019年/フランス/122分/PG12監督:セリーヌ・シアマ脚本:セリーヌ・シアマ出演:ノエミ・メルラン、アデル・エネル、ルアン・バイラミ、バレリア・ゴリノ原題:Portrit de la jeune fille en feu (「燃ゆる若い女の肖像」)お薦め度「燃ゆる女の肖像」★★★☆(70%)字幕翻訳:横井和子
2021.05.15
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とあることがきっかけで始めたスマホゲーム「モンスターハンターライダーズ」。けっこうはまっていて、そのもととなるゲーム「モンスターハンター」のハリウッド映画が公開されたので、期待して見に行った。「モンスターハンター」の内容(物語)は知らず、出てくるモンスターの大きさに、映画館で見るべき作品だなと感心しきり。別世界と現世界があり、時空の亀裂か何なのか嵐か雷か電磁波か、で時空を超え、別世界へ行き、モンスターと対峙する。言葉もわからず、訳が分からず、生死をかけた戦い。見ていてとても楽しめた。「バイオハザード」の監督と主演。ポール・W・S・アンダーソンとミラ・ジョボビッチ。さすがのタッグである。相手役というか主要キャストで登場するハンター役がトニー・ジャー。ハリウッドで活躍するタイ人アクション・スターであるとのことだが、原作が日本産なだけに日本人キャストでよかったんじゃないかな。いや、日本人キャストにしてほしかった。ケイン・コスギは同年代だし、若手であれば、佐藤健や山崎賢人もいる。レンズをクルクルいじる受付嬢役で山崎紘菜が出演していたので、男優もどうにかならあなかったのかなぁ。山崎紘菜は日本のドラマで見るような長身がめざわりな感じもなく、逆に小柄に見えるほどにファンキーな役どころ。彼女と気づかないくらいでちょうどよかった(似合っていた)と思える。大団長(船長)が勉強したとはいえ英語を流ちょうに話すのはなんだかなと思えるが、深くつっこまないで(笑)ここで終わりと思えるところから、はたまた…続編へ続く終わり方はさもありなん。続編が作られるようなら期待して、また映画館へ足を運びたい。おもしろかった!楽しめた!2020年/アメリカ/104分/監督:ポール・W・S・アンダーソン脚本:ポール・W・S・アンダーソン出演:ミラ・ジョボビッチ、トニー・ジャー、ディップ・”T.I.”・ハリス、ミーガン・グッド、ディエゴ・ボニータ、ジョシュ・ヘルマン、オウヤン・ジン、ロン・パールマン、ヒロナ・ヤマザキ(山崎紘菜)原題:Monster Hunter(「怪獣狩人」) お薦め度「モンスターハンター」★★★★(80%)字幕翻訳:風間綾平
2021.04.07
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映画を見終わったとき、プロデューサーとしてフランシス・マクドーマンドが単独でクレジットされた時、彼女の本気度を知った。オープニングでの荒野で一人の彼女を見たときにも、すごいなと小さく思った。中盤、湖水のような澄んだ水に浮かぶ彼女を見たときもすごいなと思った。ところどころ人とのかかわり、仕事における社会とのかかわりがあるため大人数になることもあるが、半分以上が彼女一人。でも、孤独ではない。ホームレスでなく、ハウスレス。学もあり代用教員まで勤めた彼女が何ゆえに短期間労働者となって、荒野をさまようのか。”ノマドランド”車を住みかとする路上生活者。”ノマド”には高齢者が多い。人生を陸上競技のトラック一周に例えると第4コーナーにさしかかった者か、最後の直線を走っている者だと思われる。それゆえ、スタートしたばかりの十代や第1コーナーの二十代や第2コーナーの三十代には彼らの心境はわからないのではと思える。とはいえ、歳をとればわかるわけではなく、お金に価値を見出し、成功者となった者や成功を夢見る者にはわかりえないだろうし、都会の暮らし、裕福な暮らしをしているものにもわからない。そんなことも映画では描かれる。面白い映画ではなかった、楽しめる映画でもなかった。心情は理解できる。しかし、わかりえたのか。歳をとって第3コーナーか第4コーナーを走っている私は夢破れても都会の生活を捨てられず、成功への欲望は残っている。だから気持ちは伝わっても、心底わかりえたのか、わからない。いい作品だと思う。大きな感動はないが、この感触は何だろう…。2020年/アメリカ/108分/G監督:クロエ・ジャオ原作:ジェシカ・ブルーダー脚本:クロエ・ジャオ出演:フランシス・マクドーマンド、デビッド・ストラザーン、リダ・メイ、スワンキー、ボブ・ウェルズ原題:Nomadland(「遊牧民の国」) お薦め度「ノマドランド」★★★☆(70%) 字幕翻訳:牧野琴子<ネタバレ>「ファーゴ」でフランシス・マクドーマンドを見たとき、これほど息が長く、第一線で主演で女優を続ける人だとは思わなかった。久々に注目したのは「スリー・ビルボード」。どちらもアカデミー主演女優賞を受賞している。そして、今回「ノマドランド」。受賞するかどうかわからないが、彼女らしい作品と思えるし、プロデューサーとなっていることは驚愕だった。物語はガレージから始まる。何やらバン(車)に荷物を積んでいる。そして、荒野にひとり、放尿している。驚いた。車で寝泊まりする宿泊所があることに驚いたが、日本でも今では車で泊まれるところもできたように思う。さて、アマゾンの配送センターで働いていたが、クリスマス休暇とともに終了。アマゾン負担の宿泊代を打ち切られ、旅に出る。”ノマド”と呼ばれる車上生活者には高齢者が多い。息子を亡くし人に尽くすために来た人がいるし、ファーンのように砂漠という辺鄙なところにあった企業城下町が企業の撤退ともに退去を余儀なくされて一人暮らす者もいる。一人旅、澄みきった湖水のような池のような中に全裸で浮かぶ彼女、女優としてのマクドーマンドの度胸に驚く。独り者なので天涯孤独かと思いきや窮地に陥ったときに身内がいることがわかる。姉がいた。普通というよりは裕福な暮らしをしている姉夫婦がいた。子はなく夫が亡くなり独り身となったファーンは夫のために辺鄙な町で暮らし、夫の死後も居座ったという。そして、町がなくなるので致し方なく、町を出て”ノマド”となった。夫とともに夫への思い夫の思い出を胸に宿し生きていると思えるファーンにとって、愛されて求められて家のある暮らしをすすめられても安眠できない。彼女は彼女の想いとともに生きている。修理するより買い替えたほうが良いと言われても自らの手で改良を重ねた車を手放すことはできない。そんなファーンである。死ぬまで一人。車に一人。そして生きていく彼女。死ぬまで生きていく。大きな感動はないけれど、インパクトと何かしら感じるものがある。じわりと感じるものがある。
2021.03.27
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有村架純はいい!菅田将暉は、演じることが難しい役だと思った。女性の役は筋が通っているので、役に身をゆだねその心情のまま演ずることができると思う。ところが男は、麦は難しい。私にはそう思えた。筋が通っていないのではなく、筋は通っているが変節しているから。本末転倒しているとも、いえなくもない。素直に演じることはできないし、理解しても演じることが難しい。その辺の感情にどう折り合いをつけて同化して麦として存在するのか、相当、難しく思えた。監督と脚本が名のある人のせいなのか、著名な俳優たちが脇役というよりチョイ役で出演している。恐るべきことだ。著名な俳優たちなので、もっと登場するだろうとか、もっと絡んでくるだろうとか、思ってしまい、気にかかった。時系列を現在から過去にとばし、順送りで見せてくれるのだが、二人が出会い、オールナイトすごした時の時系列、移動が変に思えた。それが気になり、また作品に没頭することができなかった花束みたいな恋をする映画を見たいと出かけたが、花束みたいな恋を見られたという実感はない。昨年見た映画「劇場」で傷つけあうというか、ほぼ一方的に気づつける毒々しい作品を見たが、それとは違いお互いをけなしたり、暴力をふるうということはない反面、苦々しさの残る作品と思えた。お薦めはしないが、客席は満席であった。2021年/日本/124分/G 監督:土井裕泰脚本:坂元裕二出演:菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、韓英恵、中崎敏、小久保寿人、瀧内公美、森優作、古川琴音、篠原悠伸、八木アリサ、押井守、PORN、atagi、モリシー、佐藤寛太、岡部たかし、オドギリジョー、戸田恵子、岩松了、小林薫お薦め度「花束みたいな恋をした」★★★☆(70%)<ネタバレ>2020年、飲食店で恋人同士がひとつのイヤフォンをLとRにわけて、聴いてるのをみて、苦言を言っているカップルの男、と別のテーブルの別のカップルの女。目が合った二人はここから恋が始まるのかと思いきや、5年前、2015年に時はさかのぼる。男と女、それぞれの姿が描かれるが、明大前にて終電を逃したことで、一夜を共にすることに。居酒屋いったり、カラオケいったりするのだけれど、居酒屋を出たところでうっすらと明るい。夜が明けたものだと思ったのだが、続くその後のシーンで真夜中に戻っていた。そこが気にかかり物語に入っていけない。徒歩での帰宅となったが、着いたところはPARCO。渋谷のPARCO?と思った。明大前から渋谷まで歩いたと思ったのだが、歩いた先は調布。調布駅前で雨が降り、調布駅徒歩8分の麦の家、彼の家まで行く。これまた?である。調布まで歩いたのなら飛田給まで歩けよ、と思った。居酒屋、カラオケと行くお金があるんならタクシーに乗れたんじゃないの?とも思う。で、翌朝、調布から飛田給までバスに乗った。これまた疑問?調布駅徒歩8分だったら京王線で調布から飛田給まで行くだろうと。そのほうが早い。電車は3分130円、バスは10分210円。気になりだして、さてはこの監督、真摯に映画を作っていないのではないかと思えてしまった。絹(有村架純)の行動様式はなんなく入ってくるけれど、麦(菅田将暉)の行動様式には抵抗を感じた。仕送り生活ができなくなり働いて生活の糧を得るのに足りなくなった5万円という金額を考えるならば、わざわざ就職するほどのことでもないように思えるのだが。金銭面でなくイラストを描く才能に限界を感じたのなら納得がいく気がするけれど、そんな風には描かれていない。仕事が生きがいになったのなら仕事人間でもいいけれど、嫌気が重々の仕事ならばやめればよいと思うのだが、いやな仕事に身を挺し、もっと金を稼ごうとする。その変貌ぶりには驚くばかり。そして、それまでの変遷が十分には描かれていない。それゆえ、絹同様、麦の言動には面食らう。破局へと向かうことは必然ともなっていく。絹は1ミリもぶれずに別れに向かうのに対し、麦は大きくぶれる。結婚しようと言い出す始末。若いカップルを見ていたたまれなくなり店外に出た絹を麦が追いかけ抱きしめる。ここで二人は付き合いだした頃を思い出し、元サヤにおさまるかに思えたが別離を決意。なんで!?私には理解不能のことが多く?????のオンパレードとなった本作。感動する、しないより以前に作品となっているのか。最後に2020年を描くのにコロナやマスクがまったく存在しないのもどうなのかな、と思えた。
2021.03.14
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離婚調停?いや、子供の親権問題。10歳の娘の親権を獲得するために、クビ間際のハイヤー運転手の父親の奮闘ぶりと彼が4人目となる運転手として雇った調香師女性の再生物語。上から目線の調香師、独身中年女性のアンヌ。”マダム”と呼ばれ、”マドモアゼル”と訂正する。香りに敏感な彼女は酒もタバコも敬遠するが…。アンヌに気おされて、ドライバーのみならず書記や荷物運びといった秘書的な手伝いをする中年おやじギヨーム。彼もまた香りには敏感であった。知らされていくアンヌの過去。親権を継続するために引っ越しを迫られるギヨーム。とあることで生活が一変し、離れてしまったふたり。それが…。調香師と運転手の関係性が妙味である。ラスト、じわっと感動したのはいい作品からなんだあろうなぁ。2019年/フランス/101分/G監督:グレゴリー・マーニュ脚本:グレゴリー・マーニュ出演:エマニュエル・ドゥボス、グレゴリー・モンテル、セルジ・ロペス、ギュスタブ・ケルベン、ゼリー・リクソン、ポリーヌ・ムーレン原題:Les parfums(「香水」)お薦め度「パリの調香師 しあわせの香りを探して」★★★★(80%)字幕翻訳:柏野文映ヒューマントラストシネマ有楽町にて
2021.02.23
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【速報】ってわけでもないけれど。私が2020年映画館で見た作品は22本。決して、多くはないけれど、ベスト10をピックアップ!!① TENET テネット② ジュディ 虹の彼方に③ キーパー ある兵士の奇跡④ フォードvsフェラーリ⑤ レイニーデイ・イン・ニューヨーク⑥ パブリック 図書館の奇跡⑦ 男はつらいよ お帰り 寅さん⑧ ようこそ映画音響の世界へ⑨ ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語⑩ ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密②③④は実話が元ネタなんだよね。
2021.01.09
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「マイ・インターン」「オーシャンズ8」と映画館で見てきて、「魔女がいっぱい」も期待して、期待を込めて見に行った。しかし、私好みではなかったようだ。そもそも映画がヒットした「チャーリーとチョコレート工場」さえ、私にはピンとこず、面白いものとは思えなかったので、同じ作家ロアルド・ダール原作のこの作品が面白いと思えないのも当然なのかもしれない。期待のアン・ハサウェイは大魔女グランド・ウィッチを演じて凄みを見せるが、子供向けのためなのか、恐怖心をあおり、おびえさせる感じはほぼない。たとえるなら大人には厳しい役職あるこどもにはやさしい親戚のおばさんみたいなものなのかもしれない。それゆえ、ネズミ対魔女の攻防もドタバタコメディのようであり、ああ、気軽にみられるように作ってあるんだなぁと思えた。ただ、内容に関してはネズミになってしまった息子を認めようとしなかった親だったり、ラストのどうしようもない末路を思うとシビアというか、やさしくない結末に暗澹たる思いを抱いた。観客のこどもたちはそこまで思いをはせるかどうかわからないけれど。2020年/アメリカ/104分/G監督:ロバート・ゼメキス原作:ロアルド・ダール脚本:ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキス、ケニヤ・バリス出演:アン・ハサウェイ、オクタビア・スペンサー、スタンリー・トゥッチ、クリス・ロック、クリスティン・チェノウェス、ジャジル・ブルーノ、コーディ=レイ・イースティック原題:The Witches(「魔女隊」)お薦め度「魔女がいっぱい」★★★(60%)
2020.12.31
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