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さすがというか、これどもかというか、見どころ満載・見ごたえ十分。トム君大活躍の作品である。過去、このシリーズでいろいろとやり前回飛行機でのアクションまでやってのけたので、それを超えるとなるとなかなか大変だ。今回はヘリコプターでもアクションがあり、その壮絶さはアクションもさることながら、どのようにして撮影したのかと想像を超えている。山の外壁でのシーンもセットでの撮影と実際の山岳をCGで合成しているのだろうけれど、現代の映像技術を駆使すれば実写かCGか合成か、見分けがつかない。つまるところ決闘・格闘シーンであったり、カー・チェイス、今回はバイクでのチェイスとなるが、スピード感あふれる実写が見る者をハラハラとさせる。緊張感半端ないアクションシーンの連続である。中国企業アリババが制作に参加しているのもかかわらず、舞台はフランスとイギリス、そしてカシミール(インド・パキスタン)であった。クレジットを見るとニュージーランドユニットがあったのでカシミールのロケ地はニュージーランドだったのかもしれない。誰が敵で、誰が味方か。深層心理の探り合い、バトルの丁々発止がてんこ盛り。話が込み入っててついていくのが一苦労だけれど、途中、話が破綻(辻褄が合わない・展開がおかしい)と思えるところがあったけれど、私の理解不足か?友愛と正義というか人情を加味しているところがヒューマニズム、市井(しせい)の人間を感じさせる。(=庶民感覚)それにしても、今回、トム・クルーズは走りに走った。本当によく走った。全速力であれだけの距離を本当に走れるならオリンピックで金メダルが取れるだろう!本当に、それくらいの走りだった(笑)2018年/アメリカ/147分/G監督:クリストファー・マッカリー出演:トム・クルーズ、ヘンリー・カビル、ビング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセット、バネッサ・カービー、ウェス・ベントリー、フレデリック・シュミット、ミシェル・モナハン、アレック・ボールドウィン原題:Mission: Impossible - Falloutお薦め度 「ミッション・インポッシブル フォールアウト」★★★★(80%)字幕翻訳:戸田奈津子
2018.08.13
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前年公開の「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」から始まった、新しい冒険を描いて、とのことだが、初期の別バージョンという形なので、現在のテレビ放映作品とはまったくことなるし、大人子供双方というより大人目線となっていった物語を初期レベルに戻した作品である。壮言な壮大な話にはならないけれど、それでも町の治安や人間とポケモンの関わり合いにハートウォーミングなものがあって、ところどころじ~んとする。ロケット団のかかわり方がもうひとつふたつ対峙できるものであればよかったかなと思える。ヒスイ(野沢雅子)やリサ(川栄李奈)の活躍はよかったねぇ。2018年/日本/100分/G監督:矢島哲生声の出演:松本梨香、大谷育江、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、川栄李奈、芦田愛菜、濱田岳、大倉孝二、野沢雅子、中川翔子、山寺宏一お薦め度 「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」★★★★(80%)
2018.08.05
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さすがに映画館で見る作品だ。この醍醐味、スペクタクル。すごいなぁ!!恐竜を復活させた人類の責任が問われる作品なのかもしれない。このような難問を査問会(公聴会)を開いているような映像も映されるが、現代社会(都会)に放たれた恐竜に未来はあるのか?このようにしてしまった人類に未来はあるのか?続編を作られる可能性を残して、ジュラシック・ワールドが展開する。見ごたえ十分のスペクタクル作品。映画館の大スクリーンで見れば、驚き、おののき、感嘆する。字幕は手書きのように見えたが、懐かしいなぁ。(笑)ジェラルディン・チャップリンの登場も懐かしいなぁ。2018年/アメリカ/128分/G監督:J・A・バヨナ出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、レイフ・スポール、ジャスティス・スミス、ダニエラ・ピネダ、ジェームズ・クロムウェル、トビー・ジョーンズ、テッド・レビン、ジェフ・ゴールドブラム、B・D・ウォン、ジェラルディン・チャップリン、イザベラ・サーモン原題:Jurassic World:Fallen Kingdomお薦め度 「ジュラッシック・ワールド 炎を王国」★★★★(80%) 字幕翻訳:戸田奈津子
2018.07.16
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見ごたえのある作品である。わざわざ映画館まで足を運んで見たい、見て良いと思える。細かい点において納得のいかない点や都合の良い解決をよろしくないといえば、いいとは思えないが、冒頭から見続けると正しくそうならざるをえないし、ミラクルな解決方法も快哉をもって迎え入れたくなるような出来である。すごい。私個人としてはラブストーリーを織り込んだ前作「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」が作品の完成度、内容ともに今作より素晴らしいと思えるのだが、中盤にしらけムードが感じられるもののクライマックスに向けての畳み込み、盛り上げ方がうまくてクライマックスにはとっても手の込んだ名作を見せられている気になってしまう。そして、タイアップで書かれた福山雅治の楽曲「零 ZERO」の歌。この歌にしびれてしまう。福山、最高だな~!著作権の問題からか”NASA”を”NAZU”として表現している点に違和感が・・・。アメリカならばきちんと申請して使用許可をもらって”NASA”と表現するだろうに、と怪訝に思ったしだい。2018年/日本/110分/G監督:立川譲 声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、古谷徹、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、上戸彩、博多大吉 お薦め度 「名探偵コナン ゼロの執行人」★★★★(80%)
2018.04.29
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この作品なら、見る価値はあるかも。とはいえ、非常に奇想天外な内容である。この作品がアカデミー賞作品賞とは意外だな。ありえなさすぎる内容だからね。まったく空想なら「アバター」くらい別次元の世界の話なら良かったけれど、程度で言えば「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」くらいの世界である。とはいえクライマックスでの出来事に感動し、エンディングでは目を見張り、驚きとともに”なんてこと!?”と思わずにはいられない。えも言われぬ感動は主人公の喜びとともにあり、見るものの心を打つと思われる。久々にまざまざと見た映倫のぼかしは、ぼかしでなくあきらかに封印であった。18歳以上指定で無修正の方が良い気がする。2017年/アメリカ/124分/R15+ 監督:ギレルモ・デル・トロ出演:サリー・ホーキン、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタビア・スペンサー、デビッド・ヒューレット 、ニック・サーシー 、ナイジェル・ベネット 、ローレン・リー・スミス 、マーティン・ローチ 、モーガン・ケリー原題:The Shape of Waterお薦め度 「シェイプ・オブ・ウォーター」★★★★(80%) 字幕翻訳:稲田嵯裕里
2018.03.21
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ロバート・ルイス・スティーヴンソンの「宝島」をモチーフに、”ノアの箱舟”と”タイムマシン”を参考に作られたであろう作品である。その意味ではオリジナリティにとぼしく、先人たちのレガシー(痕跡)によって成り立っている。しかし、それらの知識をまとめ上げ、一つの作品として結実できたことは認めるべき偉業である。話としてはつっこみどころは多々あるけれど、子供向け作品に重箱のすみをつつくようなことをしても意味はないし、映画館で見ていて、思いもよらないところで反応する子供たちの笑いがあったので、良しとすべきであろう。きっちりと最後まで見させていただきました。2018年/日本/109分/G監督:今井一暁 出演(声):水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、高橋茂雄、長澤まさみ、大泉洋、山下大輝、折笠富美子、大友龍三郎、早見沙織、悠木碧お薦め度 「映画ドラえもん のび太の宝島」★★★☆(70%)
2018.03.10
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先週見に行ったにもかかわらず、今週書くことになった。オープニング、私には不評だ。おもしろくもない始まり。見方によれば期待感をあおる導入部なのかもしれないが、思えば、オペラの前奏曲よろしく大々的に音楽だけでやってのけてもアカデミックでよかったのかもしれない。さて、この作品、ラブやラブ・ストーリーがたくさんつまった作品だとご存知でしたか。私はショービジネスを始めたおっさんの成功物語だと思って見たので、朝ドラのように幼少期から始まる冒頭がなぜかついていけなくて、どうなるかと気をもんだら、あっというまに大人になってしまった。ひょんなことから博物館(?)から妖怪屋敷(?)へと発展していくが、すべて前向き、弱音なし、歌って、踊ってのレビューで見せていく。驚きの作品である。公私ともに順風満帆かと思いきや・・・見てのお楽しみの展開は見てのお楽しみである。私は三度(三か所)泣いてしまった。エンディングで泣いたのは覚えているが、あとの2か所ははたしてどこだったか。ぜひとも見聞してください。2017年/アメリカ/105分/G監督:マイケル・グレイシー出演:ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ、レベッカ・ファーガソン、ゼンデイヤ、キアラ・セトル、ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世、サム・ハンフリー、エリック・アンダーソン、ポール・スパークス、バイロン・ジェニングス、ベッツィ・アイデム原題:The Greatest Showmanお薦め度「グレイテスト・ショーマン」★★★★☆(90%)字幕翻訳:石田 泰子
2018.03.05
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映画を見る場合、ほとんど予備知識なく、見るようにしている。概要やあらすじなど知らなければ、初めて起こる出来事として見ることができるし、どんでん返しや犯人探し(推理)を楽しむこともできる。いつもはキャストや監督や雰囲気で作品選びをするのだが、テレビCMでのビーチでカップルたちが氷の大波に襲われるというシーンのイメージしかなかった。この作品を知人が見に行きたいと言っていたので2月1日の映画デーに見に行った。(予備知識ほぼなし)TVCMを見る限り、無名の俳優たちを使った天変地異のスペクタクル作品だと思っていた。ところが違った。有名一流俳優たちを使い、宇宙ステーションと大気圏地球大地で繰り広げられる超大作スペクタクル作品であった。砂漠で起こった不思議な現象に始まり、度肝を抜く大都市崩壊、原因究明に追われる人類。そこに暗躍する黒幕。SFでありながらスパイアクション、人間ドラマなどなどいくつもの見どころをてんこ盛りにした娯楽大作であった。クライマックスの劇的大団円に喝采をおくりたい感動作である。2017年/アメリカ/109分/G監督:ディーン・デブリン 出演:ジェラルド・バトラー、ジム・スタージェス、アビー・コーニッシュ、アレクサンドラ・マリア・ララ、ダニエル・ウー、エウヘニオ・デルベス、エド・ハリスレナード・デッコム、アンディ・ガルシアお薦め度「ジオストーム」★★★★☆(90%)字幕翻訳:松崎広幸***** ***** *****<ネタバレあり>作品の内容、物語には触れずに感想を伝えるのは至難の業である。印象だけを伝えるのが関の山。当然、今回もそのとおり。ただ、クライマックス+結末に感動したので、それを伝えないわけにはいかない。そう思えた感動作である。しかるに傑作ではない。というのも、あとから思い返し、分析をしてみるといいかげんな作り事、リアリティに欠けることが多すぎるから。さて、冒頭でも書いたが、無名出演者のスペクタクル作品だと思った。しかし、そうではなかった。オープニングにむさくるしい汗臭いおやじが登場する。冴えない感じのこの野郎はなんとジェラルド・バトラーではないか。聴聞会のような場面で免職(くびに)されてしまう。彼は世界を操る気象衛星を作り上げた科学者であったのに。それから数年後宇宙気象衛星が不具合を起こし地球に天変地異を巻き起こしたので、現場に急遽カムバックすることになる。そして、原因究明で起こる事故、事件。ここから先は映画をお楽しみください。男兄弟二人が主演に見えるが、ダブルセンター(笑)なのか。兄役は今作のヒーロー、ジェラルド・バトラー。「オペラ座の怪人」の映画化作品では最も傑作である2004年作品にファントムで出演。「300スリーハンドレッド」で注目を集め、世界的ベストセラー「P.S.アイラブユー」は原作の舞台を作り変えたためにこけたけれど、「エンド・オブ・キングダム」では大活躍、「キング・オブ・エジプト」でも存在感を示した一線級のスター。冴えない感じの弟役はジム・スタージェス。「ブーリン家の姉妹」「ワン・デイ23年のラブストーリー」と見ているが、今作が初めて認識した。弟の恋人、SP役のアビー・コーニッシュは八面六臂の大活躍。キャスリーン・ターナー(「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」)を彷彿とさせる金髪美女だ。宇宙船船長役のアレクサンドラ・マリア・ララに再会できたのは嬉しかった。オーストリア人だと思っていたが、出身はルーマニアのようだ。長身の美女で「トンネル」でひと目惚れしてしまった。「ヒトラー最期の12日間」「愛を読むひと」「ラッシュ プライドと友情」を見ているが、彼女が出ていた記憶はない。今回の活躍はとても嬉しく、クライマックス、ラストと申し分ない。アメリカ合衆国国務長官役にエド・ハリス。主演級スターの登場にびっくり。海洋海底映画「アビス」で注目を浴び、「アポロ13」「ニクソン」「ザ・ロック」「トゥルーマン・ショー」「めぐりあう時間たち」と活躍し、監督と主演の「ポロック2人だけのアトリエ」で名声と地位を確立したと思う。重要な役どころはさもありなん。アメリカ大統領役はアンディ・ガルシア。「アンタッチャブル」で注目され、「ブラックレイン」「ゴッドファーザーPART3」と続き、「男が女を愛する時」には人気絶頂だったのでは。「オーシャンズ11」「オーシャンズ12」「オーシャンズ13」「モディリアーニ真実の愛」とコンスタントに活躍をつづけ、チョイ役出演の「パッセンジャー」に比べ今作「ジオストーム」では重要な役どころである。Zazie Beetzもいい役どころの女優だ。国務省でコンピューターを操っている女性だ。さて、ネタバレをあまり書かないでお薦めするには苦慮するけれど、ここからは本当にネタバレ。見ていた時は次から次へと起こる天変地異に目を奪われ、事故が人為的なものとされたときから犯人探しに集中し、とても犯人とは思えない人間で宇宙船の機密事項を操れる人があやしいと思い、宇宙船船長が犯人ではと考えていた。とても、お門違いだったけれど。見ている時には、次から次へと起こる事象に疑問をはさむ余地というより時間がなかったけれど、見終わって考えてみれば、おかしな点がいくつもある。リアリティからいって、すべてありえないことだ。それを考えるとフィクションにはありがちなすべてご都合主義で作られている。まず、根幹を揺るがす点からあげれば、全世界の気象を操作する衛星が誤作動を起こし、制御不能になり交換衛星で誤作動衛星を撃破するシーンがある。衛星が制御不能になり、撃破したいのであれば、アメリカ、いや、全世界が持つすべてのミサイルで衛星を撃破すればすむこと。異常気象にはなるけれど、天変地異は解消される。よって、世界が滅びることはない。と、なれば、この作品は映画とならない。だから、地上から何らかの手段で衛星を抹消するという話は全くなかった。宇宙船に自爆装置があったのなら、衛生にも自爆装置がなかったのか。全世界のチームと言っておきながら、一部の国しか参加してなかった。しかも、今、宇宙競争しているロシアや中国のクルーが一人もいないことがおかしい。日本人クルーもいなかったね。半面、興行成績を気にしてか、ロシア、ブラジル、日本、ドバイ、中国(香港)、スペインの都市を衛星の攻撃場所として映し出している。地理からアジアのマーケットを気にしているということがよくわかる。クルーにはイギリス人、メキシコ人、スペイン人(?)というのもマーケット戦略のためだろうか。ありえない話ではアメリカ大統領がアメリカ人ではなかった点。リアリティを追及するならばキューバ移民のアンディ・ガルシアが大統領を演ずることは不可能であったはずだ。それなのに彼を大統領にしたということは、この作品はフィクションですよという意味合いを暗に知らせているのかもしれない。また、本作では民主党の大統領となっている。これは共和党の大統領だとすれば、いくらフィクションだとしても、裏切り者が出る作品であれば、お蔵入り(未公開)にされたかもしれない。女性シークレットサービス(SP)が登場するが、実際の大統領警護に女性SPを見た記憶がない。これもフィクションなのだろうか。というわけで、つっこみどころはたくさんあって、調べればもっと出てくるだろう。しかし、そのご都合主義の筋立てで作られた本作はクライマックスが予想外で新しく感じられ、私に大いなる感動をもたらした。その点だけでも特筆すべきである。そして、この作品を作り上げたのが、本作が長編映画監督デビューという驚くべき経歴の持ち主ディーン・デブリン監督だ。製作畑を歩いてきて、「スターゲイト」「インデペンス・デイ」「GODZILLAゴジラ」「パトリオット」「インデペンス・デイ リサージェンス」などを製作してきた。本作では製作・脚本・監督と自分の力で見事に作り上げた。彼の次回作に期待する。
2018.02.02
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タタタ、ター、ター、タタタター、ター、タタタター、ター、タタタター♪で始まるオープニング。宇宙に繰り出していくメッセージの行進とともに小気味良い鼓舞され心はやる音楽。さすがのテーマ曲である。オペラの序曲のようにさんざん聞かせて静かで懐疑的な音楽にかわり物語が始まる。この導入部は傑作である。しかるに、なんだ、この破綻した物語は。おかしな点、つっこみどころ満載である。あれこれ上げ足をとってもしょうがないけれど、スター・ウォーズだから見過ごされている=問題視されていないのか?調べてみて驚いた点、アジア系の姉妹は日系か中国系かと思いきやベトナム女性たちであった。一点だけ書いておこう。冒頭の戦闘シーンから、やたらと爆撃、攻撃されてあっというまに戦闘員たちが死んでいく。爆撃機や戦闘機が撃墜される。あまりに激しくやりすぎで、また、自己犠牲が過ぎる気がした。なにかと自爆してしまうのは映画「アルマゲドン」の犠牲的精神を感じさせはするが、またカミカゼや爆破テロのイスラム信者を想起させてしまう。自爆することが勇ましい、素晴らしい、みたいな描き方はしない方が良いと思う。やむを得ず、やむを得ず、まったくやむを得ず、そうしなければならないならば、しょうがない気もするが、この作品はあまりに多すぎる。と思えた。映画館で映画終わりにクレジットタイトルが始まるや否や隣の席の女性(おひとりさま)がスマホを取り出して、なにやら確認していた。暗闇に光る蛍光物。”はぁ!?”ありえない、と思いながらよっぽど注意しようかと迷っていたら、消した。ほっとしたのも、つかのま、思い出したように、スマホを取り出し、再度チェックし、消した。エチケットのない人だと思った。2017年/アメリカ/152分監督:ライアン・ジョンソン出演:デイジー・リドリー、ジョン・ボヤーガ、アダム・ドライバー、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ルピタ・ニョンゴ、アンディ・サーキス、ドーナル・グリーソン、アンソニー・ダニエルズ、グウェンドリン・クリスティー、ケリー・マリー・トラン、ローラ・ダーン、ベニチオ・デル・トロ、ヨーナス・スオタモ、ジミー・ビー、ティム・ローズ、トム・ケイン、アマンダ・ローレンス、アンドリュー・ジャック、ビリー・ロード、ベロニカ・ンゴー、ポール・ケイシー、マーク・ルイス・ジョーンズ、ジャスティン・セロー、リリー・コール、ワーウィック・デイビス、ジョセフ・ゴードン=レビット原題:Star Wars: The Last Jedi お薦め度「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」★★★☆(70%) 字幕翻訳:林完治
2018.01.14
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原因不明の病に冒されたニューヨーク・ポストの記者スザンナ・キャラハン(21歳)の闘病記を、シャリーズ・セロンがプロデューサーとなり、映画化。クロエ・グレース・モレッツは僕が好きな女優さんだ。しかし、映画館で彼女を見るのはこれが初めてかもしれない。「ヒューゴの不思議な発明」(2014.7.27鑑賞)「(500)日のサマー」(2016.7.20鑑賞)と見ているが認識してなくて、「早熟のアイオワ」(2016.7.24鑑賞)で注目し、「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」(2016.2.7鑑賞)で惚れこんだ。いや、時系列がおかしいなぁ。僕の記憶ではこのようなのだが、「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」で惚れこんだ彼女を「早熟のアイオワ」で認識したというのが実際のところだろう。「アクトレス 女たちの舞台」(2016.5.4鑑賞)も見ているが記憶にない。演技巧者と思える彼女、「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」のような役どころと内容を期待して見たが、原因不明の病の実話だけあって、辛いというかきびしい内容の作品だ。そして、この作品は良い人たちしか出てこない。(実話だから悪人が描けないのか?)状況により辛辣な態度をとる人も出てくるが、そこは立場と状況からして仕方のない話。現代の作品としてとても生々しい、いや精彩に富みリアリティのある内容だ。重い内容に沈思黙考しながらも、クライマックスでは人知れず涙を流してしまった。母親役として、キャリー=アン・モスが出演。良い作品だと思う。2017.12.29に角川シネマ有楽町で見たが、下の階のよみうりホールでは加藤登紀子がコンサートをしていた。2016年/カンダ・アイルランド/89分/G監督:ヘラルド・バレット出演:クロエ・グレース・モレッツ、トーマス・マン、リチャード・アーミテージ、ジェニー・スレイト、キャリー=アン・モス、タイラー・ベリー、アレックス・ザハラ、ジェン・マクリーン=アンガス、ケン・トレンブレット、ナビド・ネガーバン、ロバート・モロニー、アダム・ダーシー、ジャネット・キダー、ビンセント・ゲイル原題:Brain on Fireお薦め度「彼女が目覚めるその日まで」★★★★☆(90%) 字幕翻訳:松浦美奈
2017.12.30
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これはドキュメンタリーなのだろうか?ロダンを撮った作品としては、ロダンの佇まいをロケしているように撮っているだけの作品。彼の思いも彼の迷いも彼の嘆きも芝居として入っているものはない。これほどまでに敬われ、慕われ、愛され、彫像の被写体となる女たちを幾人も抱き寄せ、決して結婚することもなくひたすらデッサン、デッサン、デッサン、する日々。彼のまわりで女たちはくねり、のたうち、叫び、過ごした。創作家としてのロダン。ロダン、彼の姿。この作品が日本と交わるのはなぜ?ラストシーン、無言で見守るしかなかった。「ポネット」のジャック・ドワイヨンならではの作品という気がした。邦題はカミーユとの作品と勘違いさせるから、原題通り「ロダン」か「ロダン そのアトリエ」くらいが良いのでは。2017年/フランス/120分/PG12監督:ジャック・ドワイヨン出演:バンサン・ランドン、イジア・イジュラン、セブリーヌ・カネルお薦め度「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」★★★☆(70%)字幕翻訳:横井和子
2017.12.01
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予告編を見て「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」のような快活な作品かと思い、見たかった。トム・クルーズの前作「マミー」では作品的にいまひとつだったので、こちらの方が当たりかな、と思ったのだけれど。見終わってみると、”アメリカにはめられた男”だった。花形パイロットがCIAエージェントから麻薬の運び屋へと転身していって、ラストは政府の庇護のもとに保護されなければ、このような危ない橋を渡る人間はでてこないだろう。身内を危険にさらし、犠牲にし、自らもねらわれることになってしまうとは。快活に描いてはいるけれど、悲劇だよね。楽しい作品とは言い難い。2017年/アメリカ/115分/G監督:ダグ・リーマン出演:トム・クルーズ、ドーナル・グリーソン、サラ・ライト、E・ロジャー・ミッチェル、ジェシー・プレモンス、ローラ・カーク、アレハンドロ・エッダ、ベニート・マルティネス、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジェイマ・メイズ、マウリシオ・メヒア原題:American Made お薦め度「バリー・シール アメリカをはめた男」★★★☆(70%) 字幕翻訳:戸田奈津子
2017.11.19
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期待で話題の「ブレードランナー2049」。前作「ブレードランナー」は大ヒットしたとはいえないはずだが、大注目作で傑作と語り継がれるSF作品となった。そして、35年の時を経て続編が作られた。しかし、163分とは長尺な、見る前に疲れてしまう。そして見てみると、長尺さを感じてしまった。作り手としてはこの長さが必要だったのかもしれないが見る側からすると長さを感じてしまうのはよろしくない。砂漠や霧雨の中のシーンをうまく編集すれば30分は無理でも15分は短く出来ただろう。さて、ライアン・ゴズリングは良くやっている。もともとイケメンではないので容姿や立ち姿に気を配る必要もなくレプリカントの刑事として黙々と仕事をこなしていけばよい。ゴズリング演ずる”K”の映像恋人ジョイとしてキャスティングされたアナ・デ・アルマスはとてもチャーミングで惚れてしまう(笑)。かわいらしさでなく、色っぽさを要求されているのがアイドル的人気者になるには足枷か。清純さがなければ、M.モンローのようなチャーミングな女優になれればいいのだが。作品においては前作を踏襲している割には、疑問に思えるというか、物語として破綻している気がする。というのもレプリカントとは人造人間なので機械なのでは?機械と生命体から子孫が発生するとはありえない、と、思い、今ネット検索して見たら、レプリカントとは有機体、つまり生命体ということだから、その意味では子孫が出来ても不思議ではない。とはいえ、「ブレードランナー」で”私の血は赤い?”と尋ねていたシーンがあったと記憶するが、今回、新レプリカントはまったくの人間として生存し赤い血を流す。この点の整合性はとれていないし、血液が赤く変わったのならばその変遷というか事実を示しておく必要があったのでは。コンピュータの回答が日本語だったり、ひらがなや感じがところどころ使われていたので、日本びいきに作られていることを前作同様に感じた。他にもところどころ疑問に思う点もあるけれど、あれこれつっこみを入れても仕方がないので、現代のSFとして楽しむべし。それにしても2049とはすぐではないか。このようなレプリカントの世界になるとは思えないが。2017年/アメリカ/163分/PG12監督:ドゥニ・ビルヌーブ 出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルビア・ホークス、ロビン・ライト、マッケンジー・デイビス、カーラ・ジュリ、レニー・ジェームズ、デイブ・バウティスタ、ジャレッド・レト、バーカッド・アブディ原題:Blade Runner 2049 お薦め度「ブレードランナー2049」★★★★(80%)
2017.11.12
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「ドリーム」を絶賛する。必見の作品である。前回のアカデミー作品賞で見た中で、「メッセージ」「フェンス」「ムーンライト」「ラ・ラ・ランド」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」「ドリーム」とあるが、この「ドリーム」が作品賞としてはピッタリという気がする。実話で、成功物語で、ある種ハッピーエンドだから。”ドリーム”とあるように夢を叶える、実現する物語だから。それなのに、なぜ、選ばれなかったか?「ラ・ラ・ランド」があまりに評判で素晴らしかったから?「ムーンライト」があまりに切実だったから?正直、「ムーンライト」を見て、何?と思わざるを得なかった。「ムーンライト」を感じる感性が私にないのかもしれない。この「ドリーム」を見終わった時、アメリカは黒人や女性に差別しているのではないだろうかと危惧した。女性作品が賞をとることを望まない。黒人作品が賞をとることを望まない。また、これは実話を基にしていて、登場人物となった黒人女性たちは存命である。その彼女たちに改めて賞賛を与えたくなかったのではないだろうか。と、うがった見方をしてしまった。さて、この作品、中心となる黒人女優タラジ・P・ヘンソン、オクタビア・スペンサー、ジャネール・モネイが三人共に素晴らしい。差別も侮蔑も受け止め受け流し、敢然と仕事に挑んでいく姿。声高に差別を訴えはしない。しかし、ここぞという時には主張する。この主張するところがアメリカ的ではある。中年カップルの恋もはさんで、アットホームなところも描き、秀逸である。脇を固めている、キルステン・ダンストもケビン・コスナーもいい。ある種「遠い空の向こうに」に通じる世界なのかもしれない。「遠い空の向こうに」も実話で、田舎町の高校生がロケット作りから大学に進学してNASAで宇宙開発に携わるようになる話である。この「ドリーム」は周回軌道ではあるが、アメリカが初めて有人飛行で宇宙に飛び出す作品で、女性たちの活躍が観客を鼓舞するように感じる。いい作品である。2016年/アメリカ/127分/G監督:セオドア・メルフィ出演:タラジ・P・ヘンソン、オクタビア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケビン・コスナー、キルステン・ダンスト、ジム・パーソンズ、マハーシャラ・アリ、キンバリー・クイン、グレン・パウエル、オルディス・ホッジ原題:Hidden Figures お薦め度 「ドリーム」★★★★(80%) 字幕翻訳:
2017.10.11
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エイリアンということで見に行った。帰宅して見てみるとこの作品は「エイリアン」の前日譚であり、「プロメテウス」の続編、後日譚とのこと。「プロメテウス」はわけがわからず、面白くなかったな。この作品も、そこまでひどくないけれど、やや難解、キリスト教がからんでくるみたいだけれど、そのキリスト教の素養がない私には皆目わからない。で、純粋に映画作品として見てみた場合、今までの「エイリアン」に繋がるべくあらゆるエイリアン的要素がそのまま描かれているが、編集ミスなのか、脚本ミスなのか、つじつまが合わないというか、なぜラストの戦いが起こったのか?という疑問が残る。九死に一生の思いで、敵をやっつけたはずなのに、はずなのに、である。数々の映画作品で繰り返されてきたからくりをそのまま提示されても、やはりそうかと思うだけで喜びよりは落胆の方が大きかった。予測予想できるものを作っていては過去をなぞっているだけで観客は落胆するばかりだろう、と思う。数々のSF映画作品で描かれてきた冬眠もすべて、新鮮味がなく、画期的なこともなく、アンドロイドにしても、意外性がなく、ただただ、残念に思う。「エイリアン」の衝撃も「エイリアン2」の胸揺さぶる内容も「3」「4」の楽しみも、ここにはない。「プロメテウス」と比べても、突出した出来ではない。映画館にわざわざ見に行ったが、残念であった。2017年/アメリカ/122分/R15+監督:リドリー・スコット出演:マイケル・ファスベンダー、キャサリン・ウォーターストン、ビリー・クラダップ、ダニー・マクブライド、デミアン・ビチル、カルメン・イジョゴ、ジャシー・スモレット、キャリー・ヘルナンデス、エイミー・サイメッツ、ナサニエル・ディーン、アレクサンダー・イングランド、ベンジャミン・リグビー、ウリ・ラトゥケフ、テス・ハウブリック原題:Alien: Covenant お薦め度「エイリアン コヴェナント」★★★(60%)(映画字幕・松浦美奈)
2017.10.01
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原田眞人監督作品ということで、期待して見た。また、岡田准一主演ということで期待して見た。はたして、この作品で初めて関ヶ原の戦いを見た人が、その内容を理解できるだろうか、と疑問を抱いた。否、きっとわかるはずあるまい。この複雑な人間関係、戦国武将の相関図、力関係がわかっていなければ理解できないだろうし、はたまたなにゆえに関ヶ原の戦いが起こったのかも理解できまい。数々の時代劇を見てきて関ヶ原の戦いを知っていても把握することが難しいと思えた作品である。加えて、音響が大きいせいかセリフがよく聞こえない。何を言っているかわからないのだ。邦画なのに、テロップ付のテレビに毒されたのか、字幕付きでないと何を言っているのか理解できないかもしれないと思えた。石田三成と徳川家康は、岡田准一と役所広司ということがわかるが、それ以外の登場人物はNHKの大河ドラマでも見ていなければなかなか理解できないだろう。「真田丸」を見ていてよかった。それにしても初芽(有村架純)は実在の人物なのだろうか?小早川秀秋の寝返りの真相はこの通りなのだろうか?と疑問がわく。戦闘シーンに力が入っているが、このようなものだったのだろうか。比較して申し訳ないが、見てみてわけがわからないながらも、すごいと感じた黒澤映画ほどの衝撃や圧倒感はなかった。その意味では、よくぞ作ったが、素晴らしくはなかったということなのかもしれない。岡田の演技はもちろん良かったが予測できた出来である。2017年/日本/149分/G監督:原田眞人出演:岡田准一、役所広司、有村架純、平岳大、東出昌大、北村有起哉、伊藤歩、中嶋しゅう、音尾琢真、松角洋平、和田正人、キムラ緑子、滝藤賢一、大場泰正、中越典子、壇蜜、西岡徳馬、松山ケンイチ、麿赤児、久保酎吉、春海四方、堀部圭亮、三浦誠己、たかお鷹、橋本じゅんお薦め度「関ヶ原」★★★☆(70%)
2017.08.27
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”ホームカミング”とは、何ぞや?と思って調べてみたら、大学などの年1回の同窓会とのこと。プラムのパーティみたいなものなんだな、と思って見ていた。親のいないホームパーティも白人社会のありようと思え、裕福な高校なんだな、と思えた。スパーダーマンが小柄な男性ということなのか、本作のトム・ホランドも小さく、お目当ての女子よりも小さい。見かけがちんけな少年がスパイダーマンとは情けない感じがするけれど、そんな少年がニューヨークの市井の平和を守り、安全を保つ、映画の中でもアイアンマンに近所の平和を守れと言われる。宇宙の敵と対峙するアヴェンジャーズからするとまったくジャンルが違うと思えるが、同じ作品に登場するのは、どういう意図なのか。メイおばさんがマリサ・トメイと美形なので戸惑ってしまう、この役は中年小太りの白人女性が良いのではと考えるが。年齢が近いせいかメイおばさんがおばさんに見えない。悪役になるマイケル・キートンが、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」や「バットマン」を想起させる鳥男を演じるのは、安易な感じがした。作品としてはちょっと遊びが過ぎるというか、変化球の多い内容に、存分に楽しめることができなかったのは残念だし、現代の作品らしく、複雑な人間関係に困惑してしまう=勧善懲悪とはいかない点がすっきりしないところなのかもしれない。2017年/アメリカ/133分/監督:ジョン・ワッツ出演:トム・ホランド、マイケル・キートン、ジョン・ファブロー、ゼンデイヤ、マリサ・トメイ、ロバート・ダウニー・Jr.、ドナルド・グローバー、タイン・デイリー、トニー・レボロリ、ローラ・ハリアー、ジェイコブ・バタロン、アンガーリー・ライス原題:Spider-Man: Homecoming お薦め度「スパイダーマン ホームカミング」★★★☆(70%)
2017.08.14
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トム・クルーズ主演映画史上OP興収NO.1といううたい文句の作品だが、内容の古さを否めないのは1932年公開の「ミイラ再生」をリブートした作品だとのこと。最近、リブート作品という言葉を聞くが、コンピュータ用語だと思っていたのでリメイク作品でいいと考えるのだが、リメイクは原作に忠実に作り直すもので、リブートとは原作とは違った視点、違った切り口で新たに作るものらしい。ジキルとハイド氏を模した人物が登場したり、その設定も謎もわからないまま、長い眠りに閉じ込められた王女のミイラがよみがえり、また、しもべとして動くミイラたちは近年のゾンビのようでパクリが多くオリジナリティが感じられない。パロディ映画でもないのだから、そんなにパクッてどうすんの?と思えて、残念でならない。それゆえ新鮮味はまったくなく、リブートした意味も見当たらない。果敢に孤軍奮闘するトム・クルーズは主役としての働きを見せるが設定が微妙でそのポリシーというか信念や心情がわからず、描き切れていないので共感をえることは難しく、なにゆえにこのホラー作品(?)に出たのかわからない。とはいえ、夏の大作として一興として見てみるにはそれほどひどくもないといえようか。2017年/アメリカ/110分/G監督:アレックス・カーツマン出演:トム・クルーズ、ソフィア・ブテラ、アナベル・ウォーリス、ジェイク・ジョンソン、コートニー・B・バンス、マーワン・ケンザリ、ラッセル・クロウ原題:The Mummy お薦め度「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」★★★☆(70%)
2017.08.11
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今さらピカチューとの出会いを描くなんて、なぜ?と、思ったが、スタートから20年たち、その当時のことを知る子供もいなくなってしまったということなのか、ネタ切れなのかわからない。テレビアニメの第一話のラストの続きを完全オリジナルで見せてくれるという。さて、ポケモン映画としては短編もなく、古い内容だが、新しさを取り入れ、出てくるメンバーもサトシとピカチューとロケット団以外は新鮮味のある登場人物たちだ。ラストのじいさんのメッセージをポケモンを見る子供たちに伝えたくてこの作品を作ったのかもしれない。こどもたちにどこまで伝わったか?はたして記憶に残ったのか、わからないけれど、私の心にはズサッっと届き、思わず涙ぐんでしまった。こんな焼き直しのような作品を作ってどうしようというのだろうと思っていたが、このメッセージで、この作品を作る意義はあったのだろうと思える。2017年/日本/99分/監督:湯山邦彦声の出演:松本梨香、大谷育江、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、本郷奏多、佐藤栞里、山寺宏一、古田新太、中川翔子お薦め度「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」★★★☆(70%)
2017.07.30
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なんだこれは!?身内が自身の練習風景を見るために撮影した録画なのか?家庭ビデオサイズのちゃっちい映像が映し出され、バレエのレッスンが繰り広げられる。ドキュメンタリー映画を作ろうと思って撮影されたものではないと思われる。それらの映像がいくつも映し出され、その後、スクリーンフルサイズの映像も映しだされるようになった。それは映像として世に出すつもりがあったのかも。練習風景、本番風景、舞台裏などあまねく撮影して、切り貼り編集したものかな。これを映画館で見させられても・・・と思った。テレビのドキュメンタリー番組としても編集の余地がある気がした。2015年/フランス/85分/G監督:マレーネ・イヨネスコ出演:マチュー・ガニオ、アニエス・ルテステュ、ウリヤーナ・ロパートキナ、オニール八菜、バンジャマン・ペッシュ、ウィリアム・フォーサイス、アマンディーヌ・アルビッソン、ジョシュア・オファルト、エリザベット・プラテル、バンジャマン・ミルピエ、ジャン=ギョーム・バール、ローラン・イレール、ジェレミー・ベランガール、ステファン・ビュリヨン、ギレーヌ・テスマー原題:Backstage お薦め度「パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち」★★★☆(70%)
2017.07.26
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マンチェスターというからイギリスが舞台かと思っていた。アメリカの話だね。アメリカのとある港町。現在と過去と映像が行き来するので、分かり辛いけれど、子供が幼児なのか、高校生なのかで判別した。過去の悲劇に耐えきれず、離婚し住んでいた街を離れた男の兄が、急死した。葬儀もあったが、高校生の甥の後見人とされてしまって当座、面倒をみることになった。高校生の生活を垣間見せながら、過去の悲劇から脱却できない大人たち。心が壊れてしまった大人たち。それでも、日々生活し、生きている。悲しみを吐露することは少ない。アメリカの生活がここにある。アメリカの現代がここにある。田舎町であろうとも、心が壊れてしまったとしても。人間関係の困難さをありのまま描き出している気がした。淡々とではないが、静かなる生活風景描写である。家族に対する思いが、愛おしく、そして悲しい。2016年/アメリカ/137分/G監督:ケネス・ロナーガン出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、カーラ・ヘイワード、C・J・ウィルソン、グレッチェン・モル、マシュー・ブロデリック、アンナ・バリシニコフ、ジョシュ・ハミルトン、テイト・ドノバン、スーザン・プルファー、ロバート・セラ、トム・ケンプ原題:Manchester by the Seaお薦め度「マンチェスター・バイ・ザ・シー」★★★★(80%) 字幕翻訳:
2017.06.01
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どうにも意味不明というか、難解な作品だ。時空を超越して問題解決へと向かうのだか、過去に戻るわけではなく、未来を見ることができるというカラクリ。そんな寝言話を信じれるわけもなく、またどれが未来でどれが現在かもわからず、過去のことだと認識していたことがすべて未来の出来事であるということに愕然としてしまう。なんともわけのわからない作品で、何が解決したのか、何で解決になったのか示すこともない。戦闘になりそうだったのに・・・。まったく、???な作品だ。わざわざ映画館まで見に行ったのに、大画面もサラウンド音響も効果をなしたとは思えない。2016年/アメリカ/116分/G監督:ドゥニ・ビルヌーブ出演:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー、マイケル・スタールバーグ、マーク・オブライ、ツィ・マー原題:Arrival お薦め度「メッセージ」★★★☆(70%) 字幕翻訳:
2017.05.31
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銃弾で撃たれても、人はそう簡単に死なない。という事実の本、諍いから発展したドンパチを撮る。ドンパチを映す。延々と続くドンパチ。ドンパチ。ドンパチ。ドンパチ。・・・。ドンパチ。・・・。ドンパチ。ドンパチ。これだけのドンパチがありながら、しかも爆発もありながら、警官も何も誰も来ないのか。ドンパチ、ドンパチ。仲間割れ?なんだかよくわからない流れながら、ドンパチ。誰が誰の敵なのか、もうわからない、ドンパチ。最後の最後までドンパチを見せてくれたドンパチであった。2016年/フランス・イギリス/90分/PG12監督:ベン・ウィートリー出演:ブリー・ラーソン、アーミー・ハマー、キリアン・マーフィ、シャルト・コプリー、ジャック・レイナー、サム・ライリー、マイケル・スマイリー、バボー・シーセイ、エンゾ・シレンティ、ノア・テイラー、パトリック・バーギン、トム・デイビス、マーク・モネロ 原題:Free Fire お薦め度「フリー・ファイヤー」★★★(60%) 字幕翻訳;
2017.05.18
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霊感を感じる女。双子の兄が死に、その霊との対峙を試みる。そんな導入部がありながら、霊なのか何なのかわからない存在に付きまとわれ、苦悶する主人公。主人公の職業はパーソナル・ショッパー。何のことかわからなかったけれど、超多忙なセレブに代わり、買い物代行を行う人。個人的買い物代行業ということになる。時には借り物の場合もあるようだ。そして、事件が起こる。ところどころに出現する霊的なものははたしてなんなのか。説明も解明もない。事件はショッキングである。2016年カンヌ国際映画祭監督賞授賞。2016年/フランス/105分/G監督:オリビエ・アサイヤス出演:クリステン・スチュワート、ラース・アイディンガー、シグリッド・ブアジズ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、タイ・オルウィン、アンムー・ガライア、ノラ・フォン・バルトシュテッテン、バンジャマン・ビオレ、オードリー・ボネット、パスカル・ランベール原題:Personal Shopper お薦め度「パーソナル・ショッパー」★★★☆(70%)字幕翻訳;
2017.05.18
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ようやく「美女と野獣」のハリウッド実写版を見に行った。結論から言おう、素晴らしかった。(ネタバレしますよ。周知の内容だからいいですよね)実は冒頭の舞踏会シーンから中盤までは大したことないなと見ていた。つまらなくはないが、新鮮味も醍醐味も楽しみも感じられなくて、評価は低かった。しかし、野獣の独唱、ベルを思い孤独をかこつことを決め、ベルの幸せを願い、また愛することで偲ぶ、その歌声、詩の内容、憐憫を感じさせる立ち姿に感動した。大いに感動した。まるでミュージカルの舞台かオペラを見ているようだった。拍手を大拍手を贈りたかった。大いに感動した。野獣に魅了された私はこの作品の中に引きずり込まれ、心を鷲掴みにされた。野獣でなく、魔獣。そう感じたほど素晴らしい歌唱であった。そのあとのベルとの再会、野獣の死。あまりにショックだった。ベルと野獣の心に、気持ちに、私の心が揺さぶられ、ぐわんと感動した。そして、エンディング。クレジットを見て、キャスト(出演者)がイギリス人俳優たちということに気づく。この作品のためのエンディング曲と歌、次にあの名曲(アニメのデュエット曲)、そして本編にあった野獣の独唱!そう、野獣の独唱でこの物語は終わるのである。まるでオペラのカーテンコールでオペラ歌手が今一度熱唱するかのように、観客に感謝の意を表するかのように。ああ、スタッフもこの曲がこの歌が大好きなんだな、と思えた。この作品のキモ(肝)、素晴らしい楽曲である。この歌を聴くだけでも見に行く価値はある。日本人ハーフ女優、ソノヤ・ミズノが出演している。何役なのだろう。2017年/アメリカ/130分/G監督:ビル・コンドン出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーブンス、ケビン・クライン、ルーク・エバンス、ジョシュ・ギャッド、ユアン・マクレガール、イアン・マッケラン、エマ・トンプソン、ネイサン・マック、オードラ・マクドナルド、ググ・バサ=ロー、スタンリー・トゥッチ、ハティ・モラハン、ソノヤ・ミズノ 原題:Beauty and the Beastお薦め度「美女と野獣」★★★★☆(90%) 字幕翻訳:松浦美奈
2017.05.04
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コナン映画の第21作。少々難解だ。字幕映画やテロップテレビに慣れてしまったのか、聞き逃したセリフがいくつかある。というか、聴きづらいセリフを聞き逃してしまった。アニメだからセリフについては実写作品よりシビアに録音しているはずなのに、なぜ聞き逃してしまったのか。今回の作品は難解な気がする。見終わって何が謎というか、疑問に思ったのか忘れてしまったが、聞き逃してしまったことが原因なのか、本筋からすると枝葉末節なことなのか、それさえもわからなくなってしまったが、来年テレビで放映されたら録画してチェックしなければと思った。それが二か所ある。さて、非常に凝ったつくりの映画作品であるからして爆破事件などスペクタクルな見どころをたくさん盛り込んでいる。また、ホテルオークラ大阪などラグジュアリで豪華なホテルや豪邸などを映しだし、豪華さを出してもいる。百人一首のカルタ取りは漫画で人気を博し、映画化された「ちはやふる」で頂点に達したと思うが、そのブームを取り入れ、注目をさらうというのは、なんでもパくるディズニー的商法のような気がする。しかし、その読み札に隠された恋の思いをこの作品の物語にうまく調合し、内在させ、秘めたる恋心を如実に、また切なく描いている。この点をとってみれば青春の淡く切ない恋心が、初恋の思いが、強く真摯に感じられ、犯人探しと謎解きと並行して、見る者の心をとらえた。それにしても、事件の真相は難解と思えるもので、その動機も犯罪の手口も腑に落ちる物かといえば、いまひとつ説得力に欠ける。とはいえ、見ごたえ十分で、堪能できるものである。しかし、やはり難解だな。もう一度見てみるしかないか。関西弁、いいね。クレジットでのエンドソング「渡月橋 ~君 想ふ~」倉木麻衣の歌もいい。2017年/日本/112分/G監督:静野孔文 声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、堀川りょう、宮村優子、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、宮川大輔、吉岡里帆、ゆきのさつきお薦め度「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」★★★★(80%)
2017.05.03
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「ドラえもん」映画の第37作。ものすごい連作だ、といえるけれど、寅さん映画「男はつらいよ」シリーズが第48作まで続いたので、「ドラえもん」も負けじとがんばってほしい。今日見ていて気付いたのだが、フィルム映写のような光線が見えない。リールを回す音も聞こえない。と、いうことはデジタルシネマでの上映だったのだろうか。今まで、まったく気にしたこともなかったが、昨日見た「パッセンジャー」もサイドから見たけれど、歪みもなく綺麗に映っていた。そして、よく見えた。これもデジタル上映だったのかもしれない。さて、この作品。ドラマとしてはファンタジーというかSFというか、10万年前と行きつ戻りつしているのだから、SFの要素が強いのかもしれない。とてつもない巨人が出てくるのは、「進撃の巨人」いや「風の谷のナウシカ」の巨人がモデルなのかも。そんな得体のしれないものと対峙し、悪戦苦闘を繰り広げるのび太やドラえもんたち。ドラマとしてので完成度は足りない点はあるだろうけれど、十分楽しめた、といえよう。観客、特に子供たちには人気だ。幼児などは何が何だかわからずとも活躍するドラえもんたちを見ているだけで興奮してくるのだろう。今回も子供と見に行ったが、あと何回一緒に「ドラえもん」を見ることができるだろうか。2017年/日本/101分/G監督:高橋敦史声の出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、千秋、織田信成、浅田舞、高橋茂雄、八木真澄お薦め度「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」★★★☆(70%)
2017.03.29
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時間が空いたので、見てみた。それほど魅力のある俳優たちではない。いわゆるイケメンや美女が出ていないので日本の観客には、いまひとつなのかもしれない、と面食いの私は思う。しかし、こと西洋人にいたっては肉食系(体育会系)を好む人たちが多いので、その意味では、かの地では(欧米では)受けるかもしれない。宇宙空間において、白人と黒人しか出てこないのは、いかにもアメリカ的だ。その意味では世界を意識した作品ではない。また、非情な設定で行われる、冬眠中断は自分勝手なアメリカ人的発想といえよう。この作品を見ても思うのだが、人類がどんなに素晴らしい機械を発明しようとも、コンピュータが進歩しようとも、結局、アクシデントが起きた時には人力が必要だということ。すなわち、人間に優る機械はないということになる。さて、この作品、ある意味、至上のラブ・ストーリーを描いているが、わけわからず非現実的論理で納得させてしまおうとするのが、ありえない。極論すれば、風が吹けば桶屋が儲かる論理である。しかし、その論理でも、ある種感動を生むのは不思議だ。それを感じ取れる観客も不思議た。人間とは不思議な生き物である。2016年/アメリカ/116分/G監督:モルテン・ティルドゥム 出演:ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット、マイケル・シーン、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシア 原題:Passengersお薦め度「パッセンジャー」★★★★(80%) 字幕翻訳:アンゼたかし
2017.03.28
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ホントの話=実話は、いまはもう実話として作られなくなり、ハリウッドから始まった、”inspired”版=実話をもとに作られた話、よってあちらこちらに作り話が混じっていてもOK。(ホントの話とチョットちがうもOK?)ということだと思う。ダンスの実話といえば、「フラガール」が思い起こされる。「フラガール」は炭鉱閉鎖に追い込まれた地方都市の生死を賭けた、町の盛衰をかけた話だっただけに、壮絶であった。真摯であった。テレビ番組でドキュメンタリーを見た時に、このフラダンスで都市再生を成し遂げた話を映像化、映画化できれば良いなと感じた。この時期の松雪泰子の演技は真に迫っていたし、蒼井優という名女優があって傑作として結実した作品だった、それだけに素晴らしかった。同様の感動を期待した。真実のダンスの話で成功物語という共通点はあるものの、この「チア・ダン」は部活動の延長線上にあるもので、感動物語ではあるが、「フラガール」ほどではない。しかし、とても感動したし、泣いたし、見て良かったと思える作品である。今、映画にはまって、演技開眼している広瀬すずが素晴らしく、このまま映画女優として羽ばたいてほしい。みんなを応援する立場になった広瀬すずの舞台そででみんなを見送った後のなんともいえない微妙な表情に胸を打たれた。ラストに誰?と見まごうばかりの大人メイクの広瀬すずもまた絶品、絶妙であった。広瀬すずを応援したいと思う。作品としては、退団する先輩部員たちの描き方が荒唐無稽すぎて、なんだろうと思える。顧問先生の描写(描き方)が不自然である。あとだしで顧問の気持ちを表現されるが、そこはいらない、というか描くなら同時進行が良いと思えた。人物としての顧問先生を天海祐希は演じにくかったと思う。その点、補助というかインストラクターの大野を陽月華は演じやすかったと思う。動線がつながっているから。このふたりタカラヅカなんだよね。ひかり(広瀬すず)の父を木下隆行が好演していたが、役者が演じていれば、もっと良かったと思う。真剣佑は見せ場がなかったね。チアのメンバーとして大原櫻子が出てたのにはびっくりしたし、中条あやみはよくやっていたと思う。彼女が部長役ということにビックリ。山崎紘菜を初めて見たが、笑顔のできないヒップホッパーは素に近いのではと思えた。ダンスの演技はみな素晴らしく、みんなで揃ってピルエットをダブルで回っていたのには脱帽だ。なかなかの特訓だったに違いない。テレビで天海祐希と広瀬すずが福井商業高校を訪れた番組を見たが、笑顔がどれだけ大切かを伝えていた。この作品を見るまで、チアダンスをチアリーディングと同じと思っていた。リフトやトスなどアクロバティック技があるのがチアリーディング。チアダンスはチアリーディングのダンス部分を独立させた競技で、「Pom/Hip Hop/Jazz/Line Danceの4つのカテゴリーをそれぞれ連続して20秒以上(Line Danceは除く)取り入れて演技構成をすること」らしい。2017年/日本/121分監督:河合勇人 出演:広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、柳ゆり菜、健太郎、南乃彩希、大原櫻子、陽月華、木下隆行、安藤玉恵、緋田康人、きたろう、天海祐希お薦め度「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」★★★★☆(90%)
2017.03.17
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この作品を見て、冒頭いきなり歌とダンスのミュージカルシーン、ハイウェイでの群舞。「ラ・ラ・ランド」のタイトル表示前に繰り広げられた。ミュージカル好きでない人はこの冒頭シーンに拒絶反応を起こさないだろうか。物語は進んでいき、途中、つまらない内容になっていった(と感じた)。不覚にも1分くらい目を閉じた(寝た?かも)。終盤も残念な方向へ向かっていき、このままだとつまらない映画で終わる・・・と思いきや、大展開クライマックス、めくるめくロマンチックシーン。大感激だなぁ。隣の女性客は号泣して、嗚咽していた。(こっちが興醒めする!)と、かくいう私は感動しさめざめと泣いていた。アカデミー賞作品賞に一歩及ばなかったのはむべなるかなと思えたりもするが、いい作品である。<ネタバレ>ネタバレを気にしないで書くので、ご注意あれ!ヒロイン、ミア(エマ・ストーン)の1人称で始まる。そのまま進行するのかと思いきや、主役セバスチャン(ライアン・ゴズリング)との出会いで、セブ(ゴズリング)の1人称でハイウェイからシーンが繰り返される。この二人の出会いからは、主役どちらかの目線ではなく、一般的な観客の目線で描かれていくことになる。オープニングの衣裳は良く計算されていると思えた。モブ(群衆ダンス)シーンではダンサーの服の色合いが赤・青・黄色などはっきりと区別されていて、カラフルであった。それは、あとの夜会パーティへ出かけるミアを含む女性4人組の横一列ウォーキングシーンでも、ドレスが赤・黄・青・薄緑とはっきりと色分けされていた。ダンスで闊歩するこのシーンは「セックス・アンド・ザ・シティ」を想起させた。(女性4人組だからね)オーディションでのミア(エマ・ストーン)の表情が絶妙。感情を移入し絶妙な演技を披露しているところへ、いらぬメッセンジャー(秘書?)が入ってきて、演技が中断し、感情が断ち切られ、このあと演技を再開しなければならないのかとモチベーションを上げなおそうとしたところ、オーディション終了と言われ、落胆する。このわずかな時間での感情の起伏、表情の表出は素晴らしかった。なかなかここまでやれる女優は少ないであろう。このシーンを見ただけでも彼女がアカデミー主演女優賞を受賞したことがうなずける。ミアとセブがお互いを思いやるが、仕事に追われ、すれ違うジレンマ、このあたりが中だるみというか、つまらなくなってしまったあたりである。このままつまらなく終わってしまうのであれば、残念な作品だなと思った矢先、もし、あの時こうだったならばという空想の世界へ飛んでいき、ダイジェストで送るハッピー・アワー、クライマックスとなる。(ここで隣席の女性はグスグス、ズルーと嗚咽、号泣)とってもとっても感動し、さめざめと泣いてしまった。現実世界へと戻り、映画は終わるが、拍手喝采したい気持ちになる。評判で注目の丘の上夕暮れダンスシーンだが、ミアはハイヒールからタップシューズへ履き替えている。なぜ?と思えるが、何事もないようにセブとシンクロしてダンスする。なんということか。ここに理由はない。この突拍子さを認めるか否か、どうなんでしょうねぇ。映画「理由なき反抗」を見に行って、フィルムが焼け溶けて、上映中断になるシーンがある。デジタル全盛の今、映画がフィルムであることを知る若者はいるのだろうか。フィルムが焼け溶けるところを現実に見たことはない。雨が降ったり(映写機の熱で、フィルムに細かい穴が開き、雨が降ったように見える)することは名画座などではよくあった。我が人生で一度きりだが、フィルムが切れて上映が30分中断したのち再開した体験がある。この映画の中であったようにフィルムが溶けてしまうというのは、ありえないと思えるが、そこは監督が表現したかったのではと思うしかない。ミアは首尾一貫、演奏に惚れて、セブに恋するのはわかるけれど、ミアを無視していたセブが、どうしてミアに恋するのか、自身の主義を曲げるのか、心情がつながっていないので感情移入がしづらい。この辺がゴズリングがアカデミー賞を取れなかった理由かもしれない。演技に光るものもなかった、かもしれない。ジャズに関してのウンチク、というか説明がある。説明されればジャズの良さがわかるけれど、反面、行き過ぎたジャズは鼻つまみもの。長すぎる演奏、強調しすぎるソロパートなど、生演奏をきくと辟易することが多い。それゆえミアがいう「ジャズは嫌い”I hate jazz.”」というセリフは共感を呼ぶと思う。夢をあきらめない、自分を貫き通したミアと主義を曲げてジャズにこだわらず、店名もかえたセバスチャン。どちらもスター女優と自分の店を持つという夢を叶えたが、セバスチャンが幸せそうにみえないのはなぜだろうか。2016年/アメリカ/128分/G 監督:デイミアン・チャゼル出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、キャリー・ヘルナンデス、ジェシカ・ローゼンバーグ、ソノヤ・ミズノ、 ローズマリー・デウィット、J.K.シモンズ、フィン・ウィットロック、ジョシュ・ペンス、ジョン・レジェンド原題:La La Landお薦め度「ラ・ラ・ランド」★★★★☆(90%)字幕翻訳:石田泰子
2017.03.03
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「沈黙」の原作文庫本を読んだのが、33年前、はっきりと内容を覚えているとは言えないが、その時のショックの大きさは強烈だった印象がある。パードレ(神父、司祭)が棄教するという話。あまりにありえない話に、暗澹たる思いになった。読んだことを後悔していまうくらい痛切な思いを感じた。それほど、悲痛な悲惨な残酷な話であった。この作品が映画化されると聞いた時から、とてもとても待ち遠しく、密かに期待したものだった。しかし、キャストをふくめ二転、三転し遅滞遅延しながらもようやく完成した作品。原作通りに作り上げることはまずありえないことではあるが、良く出来た作品だけに、ラストの棺桶のシーンはあのようなものだったのだろうか、と疑念がわいた。何しろ33年前に原作を読んだきりなので、記憶にないからといって否定することは出来ない。今一度原作を読み返して検証してみたい。作品の前情報をなるべく入れない映画鑑賞を心がけているので、冒頭、リーアム・ニーソンが出てきた時に彼が主人公の神父かと思った。おおきな勘違い、主人公はアンドリュー・ガーフィール。「アメイジング・スパイダーマン」で主役を演じた若者だ。英語での作品であるが、設定としてはポルトガル語のようである。(ポルトガル語として英語を使っている。そこまで、気にする人、気づく人いるかな?いるだろうな。)皆、素晴らしい演技をしているが、なかでもイッセー尾形がみごとだ。流ちょうな英語、明晰な撥音。まねできないなと思えるくらい秀逸であった。塚本晋也のモキチも秀逸であった。本来好きじゃないが、小松菜奈もよかったし、加瀬亮も良かった。片桐はいりも良かったし、坊主役の中村嘉葎雄も良かった。気づけたのは渡辺哲くらいかな、そうそうたる日本人俳優たちに感服。浅野忠信も良かったが、織り込み済みなので・・・。とてもとてもよくぞ作ったと思える作品であるが、原作の驚愕さを凌げなかったといえる。この作品、ポルトガル人が作ったら、どうなっていただろうか?2016年/アメリカ/162分/PG12監督:マーティン・スコセッシ出演:アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、浅野忠信、キアラン・ハインズ、リーアム・ニーソン、窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ、遠藤かおる、井川哲也、PANTA、松永拓野、播田美保、片桐はいり、山田将之、美知枝、伊佐山ひろ子、三島ゆたか、竹嶋康成、石坂友里、佐藤玲、累央、洞口依子、藤原季節、江藤漢斉、菅田俊、寺井文孝、大島葉子、西岡秀記、青木崇高、SABU、渡辺哲、EXILE AKIRA、田島俊弥、北岡龍貴、中村嘉葎雄 高山善廣、斎藤歩、黒沢あすか 原題:Silenceお薦め度「沈黙 サイレンス」★★★★(80%)字幕翻訳:松浦美奈字幕監修:川村信三
2017.02.02
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トム・クルーズ主演で「アウトロー」の続編。「アウトロー」が面白く、また「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」が映画館で見て、映画館ならではの鑑賞にとても感激して、トムなら映画館で見るべき素晴らしい作品を提供していくれると思って、見に行った。作品はまぁまぁ、面白かった。トムの娘と称する学生が出てきて、その娘を守るという枷がありながら、事件(?)解決に尽力する作品。コンビ(?)を組む女性少佐が俊敏でイケている。恋バナは・・・。楽しめたが、期待しすぎたかな、と思えた。ドンパチ、ドンパチやっていくうちに、理由も謎も解決も関係なくなってきて、恨み、つらみ、相手を倒したいという野望(?)だけになっていく。さて、人気となって今後もシリーズが続くか・・・。2016年/アメリカ/118分/G監督:エドワード・ズウィック出演:トム・クルーズ、コビー・スマルダーズ、ダニカ・ヤロシュ、オルディス・ホッジ、ロバート・ネッパー、パトリック・ヒューシンガー、ホルト・マッキャラニー、マダリン・ホーチャー、ロバート・カトリーニ原題:Jack Reacher: Never Go Backお薦め度「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」★★★★(80%)字幕翻訳:戸田奈津子
2016.11.20
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トム・ハンクスの映画だ。ロン・ハワード監督の映画だ。二人の作品ということであれば、「スプラッシュ」「アポロ13」「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続く作品だ。これだけ著名な二人がタッグを組むということは、些細なことはあっても仲が良いということなんだろう。さて、この作品。冒頭があやしい。というか混迷、昏睡、意識混濁の主人公の気分を存分に味あわせてくれるので、何が起こったのか、正直わからないといった主人公と同じ状態に置かれる。それゆえ、状況も今起こっていることも把握するのは少々難しい。とはいえ、展開が進んでいくにつれて、その全容と状況がわかっていき、なんとか解決へと向かっていける。と、アンビリーバブルな展開が!!!驚きの展開だ!その点をとって、おもしろい作品だと言えるかもしれない。ラストのバトルは壮絶を極めるがシークエンスとしてロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)の恋バナをいれたのか、不可解ではある。ちょっと色を添えたかったのかな。映画としては楽しめたかな。トム・ハンクス出演作の傑作としては「スプラッシュ」「プリティ・リーグ」「フィラデルフィア」「フォレス・ガンプ 一期一会」「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」「ハドソン川の奇跡」がお薦め。ロン・ハワード監督作の傑作としては「スプラッシュ」「バックドラフト」「ラッシュ プライドと友情」がお薦め。2016年/アメリカ/121分/G監督:ロン・ハワード出演:トム・ハンクス、フェリシティ・ジョーンズ、イルファン・カーン、オマール・シー、ベン・フォスター、シセ・バベット・クヌッセン原題:Infernoお薦め度「インフェルノ」★★★★(80%)字幕翻訳:戸田奈津子
2016.11.15
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素晴らしい!楽しめる作品だ!どんな話だったかわからないくらい前の話で元彼だったとだけわかる彼(コリン・ファース)と新しく出会ったニュー・フェイス(パトリック・デンプシー)の間で揺れる乙女心(?)解決したくても、解決できない大問題が横たわる。この大問題が何なのかは見てのお楽しみ。簡単に解決できない謎が彼女の荒唐無稽な行動に原因がある。十代の娘でもやりそうでやらない、しかし、40代の彼女でなければ起きなかったアクシデント(?)。ありえる話に抱腹絶倒だ。思い悩む仕事も恋も人生も、しかし、暗くならずに明るく前進するのは彼女のキャラクターのなせるわざかもしれない。ああ、楽しめた。痛快な作品だ。 ネタバレ!(ドラッグすれば読めます)映画ファンには快感のお姫様抱っこに“Up Where We Belong”(『愛と青春の旅だち』)のBGM。映画ファン垂涎(すいぜん)の名場面、名シーンのオマージュ(?)快哉を叫びたいくらい感激し、心の中でガッツポーズをした!↑これがあれば、最高!と思った。(私が90点つける理由)2016年/イギリス/123分監督:シャロン・マグワイア出演:レニー・ゼルウィガー、コリン・ファース、パトリック・デンプシー、ジム・ブロードベント、ジェマ・ジョーンズ、エマ・トンプソン、ダン・メイザー、ジェームズ・キャリス、サリー・フィリップス原題:Bridget Jones's Babyお薦め度「ブリジット・ジョンーズの日記 ダメな私の最後のモテ期」★★★★☆(90%)
2016.10.31
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見ごたえあるなぁ。のっけからのドンパチ、カーチェイス。ハリウッドでなきゃ、作られない作品だ。冒頭のアテネのシーンは圧巻だ。スナイパーというか、暗殺者というかヴァンサン・カッセルが出てくるのは見どころなのかな。私は女性CIA局員のアリシア・ビカンダーに魅かれたなぁ。美女には一歩足りないんだけれど何か魅力ある女性だ。女神(ニンフ)とでも言えようか。さて、ジェイソン・ボーン(マット・ディモン)の無敵さ、立ち回りの良さを存分に見せてくれて仇敵(ヴァンサン・カッセル)との死闘は、これまたクライマックスで見どころである。カーチェイスの圧倒的破壊力をまざまざと見せてくれる。ただ、決着のつけ方が映像としわかりにくかったかな。ラストもちょっと意味不明に感じた。作品のディテールとして気になるところが散見し、ちょっと惜しい気がした。しかし、映画館で見るには迫力満点。ジェイソン・ボーン復活、続編製作となればうれしいな。2016年/アメリカ/123分/G監督:ポール・グリーングラス出演:マット・デイモン、トミー・リー・ジョーンズ、アリシア・ビカンダー、バンサン・カッセル、ジュリア・スタイルズ、リズ・アーメッド、アトー・エッサンドー、スコット・シェパード、ビル・キャンプ、ビツェンツ・キーファー、スティーブン・クンケン原題:Jason Bourneお薦め度「ジェイソン・ボーン」★★★★(80%)字幕翻訳:戸田奈津子
2016.10.25
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「事実は小説より奇なり」というが、「事実はシミレーションより正なり」と言いたくなる作品だ。この作品の素晴らしさを語る時、その内容にふれることは出来ないと思った。というのも、この事故は大々的に喧伝され、世界中の人々が知っている不幸中の幸いであり、英雄とされた機長の身に何が起こったかを、そして真実を解き明かす話であるからだ。事故が起こって、その壮絶さを時系列に追っていく話かと思いきや、事故が起こった後、機長の身に降りかかった機長判断の正否についての話であった。原題は”Sully”と、機長の名前であるから、機長の物語であるのは当然である。国家運輸安全委員会から執拗な追及を繰り返され、それに立ち向かう機長。事故の映像も着水のもようも映像としてしっかりと見せてくれて、観客としては満足できた。とてもアメリカらしい内容の作品だと思える。感激はしなくても感動の一本であり、多くの人に薦めたい作品である。クリント・イーストウッド監督の演出が手堅い。2016年/アメリカ/96分/G監督:クリント・イーストウッド出演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー、クリス・バウアー、マイク・オマリー、アンナ・ガン、ジェイミー・シェリダン 原題:Sullyお薦め度「ハドソン川の奇跡」★★★★★(100%) 字幕翻訳:松浦美奈
2016.10.10
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なぜ、こんなに話題を呼んでヒットしているのか?評判に促されて見に行ったが、私には疑問である。素早い展開、怒涛の如く続く進撃、そして大量の避難民、くりだす自衛隊、アメリカ軍等々。ゴジラの進化には目をみはるばかり。かといって、このような無敵なものが、出現していいのだろうか?出現した経緯は謎、その対峙方法も謎、撃退する方法も謎。国連など、外部圧力もあって、対処するのは至難の業。ところで、このゴジラのシーン、CGだと分かっているが、市街地で歩き回る映像はどのようにして作ったのか?CGのことはわからないだけに、不思議で驚嘆ものである。出演者も数多く、数多くのエキストラもあって避難民の映像も迫力はあった、と思う。そして、主な出演者だが、主役の長谷川博己と首相役の大杉漣は気に入らない。もっと違った人選が良かったと思う。長谷川は長身であるが、合わない気がする。共演者の竹野内豊の方が適役な気がする。でなければ、玉山鉄二はどうだろうか。首相役の大杉漣も小者のように見えて、ここには主役級を投入したほうが厚みが出て良かったのでは、と思える。たとえば、北大路欣也や役所広司などが良かったのでは。平泉成は適役だったなぁ。石原さとみも流ちょうな英語とともに適役だった気がする。あと、良かったのは、市川実日子だな。2016年/日本/78分/G監督:庵野秀明出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、大杉漣、柄本明、余貴美子、市川実日子、國村隼、平泉成、松尾諭、渡辺哲、中村育二、矢島健一、津田寛治、塚本晋也、高橋一生、光石研、古田新太、松尾スズキ、鶴見辰吾、ピエール瀧、片桐はいり、小出恵介、斎藤工、前田敦子、浜田晃、手塚とおる、野間口徹、黒田大輔、吉田ウーロン太、橋本じゅん、小林隆、諏訪太朗、藤木孝、嶋田久作、神尾佑、三浦貴大、モロ師岡、犬童一心、原一男、緒方明、KREVA、石垣佑磨、森廉、岡本喜八(写真)、野村萬斎お薦め度「シン・ゴジラ」★★★★(80%)
2016.09.11
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今評判の作品である。「君の名は。」と“。”がついているのは、“モーニング娘。”なんかと同じつもりだろうか?時空を超えたものとしてはジブリ作の「思い出のマーニー」より好きだし、いいと思えるし、男女が入れ替わるという内容にしても映画「転校生」以来何度となく使われてきた素材だが、うまく生かされていて、良いと思える。映像が精密で作画も大変だったように思えるがCGを駆使すれば、それほど困難なことではないのだろうか。さて、この作品、主人公がいい。タキよりみつはがいい。みつはがいいことによってぞんざいなタキが活かされている気がする。同じ時間や同じ時空、あるいはパラレルワールドかと思いきや、まったくの時空のねじれだということがわかるころになると近づきがたい相手になんとか近づこうとする一生懸命さが見るものの思いをいざない映画の向こう側へと連れて行ってくれる気がする。映像もきれいで音響も素晴らしく、地響き響き渡る映画館で見れたことは幸せである。その衝撃度は物語の衝撃度とあいまって、ハッピーエンドになってほしい、と思わずにはいられず、かといって時空のねじれから無理だと思える、不可能と思えるクライマックスは切ない。“誰そ彼”という、忘れてはならない君の名は、記憶の彼方へと消し去ってしまう。覚えていたい、書き留めたい、君の名は、君の名は…。奥寺先輩が長澤まさみだったことに、驚き。奥寺先輩も良かった。必見とお薦めしたい作品である。 2016年/日本/107分/G監督:新海誠出演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音お薦め度「君の名は。」★★★★☆(90%)
2016.09.04
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ポケモン映画を家族で見に行った。めずらしく、眠くもならずに最後まで見た(笑)見終わって。ボルケニオンの市川染五郎とエンディングの歌「ポストに声を投げ入れて」のYUKIがすごくいい。やはり歌の上手い人(声の綺麗な人)の歌はいいなぁ。2016年/日本/97分/監督:湯山邦彦出演:松本梨香(サトシ)、大谷育江(ピカチュウ)、牧口真幸(セレナ)、梶裕貴(シトロン)、伊瀬茉莉也(ユリーカ)、林原めぐみ(ムサシ)、三木眞一郎(コジロウ)、犬山イヌコ(ニャース)、市川染五郎(ボルケニオン)、中川翔子(ラケル)、松岡茉優(キミア)、山寺宏一(ジャービス)、あばれる君(オニゴーり)お薦め度「ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」」★★★★(80%)
2016.07.31
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「インディペンデンス・デイ」がどんな作品だったか、詳細は思い出せない。ただ、20年前はものすごい話題で、全世界を席巻した。世紀末が近かったこともあって、騒然となったのかもしれない。国を、世界を、地球を守るために果敢に戦ったアメリカ人たちをうっすらと覚えているくらいだ。あれから20年。新たな敵が飛来した。地球外生物を侵略者として対峙する形はかわっていないが、敵の敵は味方とする論理。死をいとわず果敢に爆死するパイロットたち。それらを見ているとイスラム過激派たちとかわりない思想なのではないかと思えてくる。また、シーサイド・ボンズ(決死肉弾隊)は太平洋戦争当時のカミカゼや人間魚雷と同じではないかと思えてくる。それは是なのだろうか?アメリカや人類のために命を賭すというのは、あまりに直情的なのかもしれない。ところで、今回、チャイニーズ・ビューティ(中国人美女)が登場する。アンジェラ・ベイビーだ。天使のかわいこちゃん(赤ちゃん)という芸名、あまりに源氏名すぎないか。また、アジア人としては日本人の勢いが失せ、中国人が再び台頭してきている。宇宙飛行士の実績から見れば、日本人がキャスティングされるべきだが、中国のパワーが現在強いということなのだろうか。シャーロット・ゲンズブールが出演しているのにはびっくりした。クレジットを見るまで、全く気付かなかった。彼女とジェフ・ゴールドブラム以外はビッグネームもなく、前回ウィル・スミスが主役だったことを思うとちょっと知名度足りないかな。とはいえ、宇宙船の巨大さや何かを感じるにはテレビよりもスクリーンといえよう。映画館で見るべき作品ではある。2016年/アメリカ/120分/G監督:ローランド・エメリッヒ出演:リアム・ヘムズワース、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、マイカ・モンロー、ジェシー・アッシャー、トラビス・トープ、ウィリアム・フィクトナー、シャルロット・ゲンズブール、ジャド・ハーシュ、ブレント・スピナー、セラ・ウォード、アンジェラベイビー、ビビカ・A・フォックス、チン・ハン、デオビア・オパレイ、ニコラス・ライト、ジョーイ・キング原題:Independence Day: Resurgenceお薦め度「インディペンデンス・デイ リサージェンス」★★★★(80%) 字幕翻訳:戸田奈津子WEBLIO辞書よりリサージェンス・・・英語「resurgence」の音写。もともとは復活・再起といった意味合いの語。日本語としては特に、害虫駆除において害虫の天敵である益虫をも駆除してしまい、結果として将来的に害虫の増殖を招いてしまう、といった事柄を指す場合が多い。
2016.07.23
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「マネーモンスター」って誰の事だろう?ジョディ・フォスター監督作なので、見に行った。見どころのある作品だけど、見ごたえはない。ストーリーというか枝葉末節で破綻している展開がある。そんなこと気にしない?ということなのかな。映画を作っている人なら誰もが気づくおかしな点なんだけど、なおざりにされてるね。この緊張感半端ない事件を生中継するという超緊張感。使命感に燃える警官や罵倒する彼女などリアリティがあり見物である。しかし、なにゆえにジョディがこれを監督したのか?不思議でならない。彼女は何を訴えたかったのか。あと、商魂がみえみえ。というのもアルゴリズムのプログラマーが韓国人である必然性必要性はない。海外の人間にしたければ、インドの方がよほどリアリティがあると思えるのだが。台頭する韓国を意識してのこととしか思えない。商業主義、商業ベースを考えたところはキャスティングにも表れていて、主役二人以外に「アウトランダー」でブレイクしたカイトリオーナ・バルフェを起用している。う~ん、脚本に問題ありと思えた作品である。とはいえ、見て損をしたとは思わない、見て得をしたと思えないだけだ。2016年/アメリカ/99分/監督:ジョディ・フォスター出演:ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル、ドミニク・ウェスト、カイトリオーナ・バルフェ、ジャンカルロ・エスポジート、クリストファー・デナム、レニー・ベニート、デニス・ボウトシカリス、エミリー・ミード、コンドーラ・ラシャド、クリス・バウアー、アーロン・ヨー、グレタ・リー原題:Money Monsterお薦め度「マネーモンスター」★★★☆(70%)字幕翻訳:風間綾平
2016.06.10
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レイチェル・マクアダムス、僕の好きな女優さんだ。期待して見たが、出番が少なかった。さて、この作品、チラシに見られるようにカップル=夫婦の愛あるボクシング映画かなと思ったけれど、「チャンプ」の親子のように、関係性は違うけれど、父と娘の、そして父のドラマである。裁判社会のアメリカを反映しているシーンもあるし、マッチ(試合)のシーンは見ごたえがあるように殴り合いになるし、感動して涙してしまったなぁ。満足度的には満足なんだけれど、大満足までいかない微妙~。僕としてはやはりレイチェルをもっと見たかったな。クレジットを見ればわかるけれど、ボクサー二人に専属のスタンドインがいたので、スタントなし俳優自ら演じた(撮影した)とのことだけれど、そのカメラテストのためにスタンドインした二人は大変だったろうね。2015年/アメリカ/124分/G監督:アントワン・フークア 出演:ジェイク・ギレンホール、レイチェル・マクアダム、フォレスト・ウィテカー、オオーナ・ローレンス、カーティス・“50セント”・ジャクソン、ナオミ・ハリス、スカイラン・ブルックス、ボー・ナップ、ビクター・オルティス、リタ・オラ、ミゲル・ゴメス原題:Southpawお薦め度「サウスポー」★★★★(85%) 字幕翻訳:林完治
2016.06.04
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この作品、はたしてアカデミー賞作品賞の候補になるほどの作品なのか、と問いたくなる。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」もそうだが、これくらいの内容の作品なら、数多ある。何が良いのか、皆目わからん。この「マネー・ショート 華麗なる大逆転」では実話に根差している、実話物というところが良いのだろうか。世界を恐慌の渦に落としたリーマン・ショックの顛末、そこが描かれてはいる。題名が意味不明だ。マネー・ショートなんて、お金が足りなくなったのか?と思ってしまう。実際そのような話が出てはくるが・・・。原題は”THE BIG SHORT”と日本人の頭で考えるとますます、わけがわからなくなる。字幕をみると”SHORT”とは”空売り”のことのようだ。このカラ売りというのも理解しがたい株式用語だ。というより証券用語というべきか。けれど、映画ではその説明が予想賭け金のオッズのように説明されている。これじゃぁ、また意味不明になる。観客にわかりやすく説明したつもりだろうが、そもそも、債権を取り扱っていて、その利ザヤが儲けとなる債券相場で、やったことのない人はわからないことだろうし、やったひとでもわかりにくいことである。まして、サブ・プライムローンの焦げつぎがなんたるかなんて、それがどう影響して、リーマンショックまでいったかなんて理解できた人は何人いるだろう。加えて、この作品での主要人物というか、3チームというか、3つの独立したカラ売りをした人々がいる。それを並行して描くものだから、これまたわかりづらい。丁寧に観客に説明するも事象は似ていても、カラ売りとオッズは全く違うはずだし・・・。そもそも冒頭の話からわかりづらく観客にわかりやすく描いているとは思えない。冒頭でややこしい理解不能な話だなと観客に思わせてしまうので、入り込めるファンはいないだろうなぁ。2015年/アメリカ/130分/G監督:アダム・マッケイ 出演:クリスチャン・ベール、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピット、マリサ・トメイ、カレン・ギラン、メリッサ・レオ、ジョン・マガロ、フィン・ウィットロック、ジェレミー・ストロング、レイフ・スポール、ハミッシュ・リンクレイター、トレイシー・レッツ、アデペロ・オデュイエ、バイロン・マン、マーゴット・ロビー原題:The Big Short お薦め度「マネー・ショート 華麗なる大逆転」★★★☆(70%)
2016.03.19
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へぇ~、これってリメイクなんだ。当時の作品を知らない人には新しいし、映像も変わっているんだろうけれど、評判を読んだからといって、次々とリメイクしていっては、芸がないね。新しモノにチャレンジすることがほしいね。家出で始まる話に感心はしないが、まぁ、楽しめたとしておこう。2014年/日本/116分/G監督:八鍬新之介 出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、千秋、棚橋弘至、真壁刀義、小島よしお お薦め度「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」★★★☆(70%)
2016.03.14
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ネタバレは出来ないから、書くことはなかなか難しいけれど、感想を述べてみよう。こんな作品、子供が見て大丈夫なのだろうか。大人が見ても、問題あるかも。というのも、猟奇的というか、あってはならない争い、殺しを綺麗に描いているからである。絵空事と思えばいいのだが、絵空事と分かっていても、いやわかっているからこそ現実味がなく、現実の世界で起こしてしまうととんでもないことになる。そのことがわかって、その影響力がわかってこのような作品にしたのだろうか。もともとダース・ベーダとの関係からして、そうなんだから仕方ないということも言えるけれど・・・。親子の確執、極まれり。ラスト、エピローグというか、戦いの決着がついてからが長かった。蛇足と思えるほどに。今までの映画作品なら、続編で起こり得ることを予感(予測)させて、終わっていた。それが、観客の話題になったし、予想し合うことで盛り上がった。期待値も上がった。しかし、この作品は予測されることを嫌うかのように、種明かしというか、続編の冒頭(オープニング)で描かれることを、明らかにしており、その存在もはっきりとさせた。これは、観客を信用していないのか、バカにしているのか、それとも大きなお世話でなく、親切すぎるのか。映画ファンの力を見くびった描き方は現代の潮流なのだろうか。それともディズニー作品だからなのか。巷ではレイア姫ことキャリー・フィッシャーの劣化が話題となっているが、第一線で出演していなかった過去の女優なのだから、仕方がないというか、年相応の感じでよいと思うのだが、ブッシュ元大統領に似た感じになっているけれど、「恋人たちの予感」に出演していた時にすでに中年太りで悲惨な容姿だったのだから、よくぞここまで持ち上げたといえると思うけれど。フルフェイスメットを簡単に取り外して顔を見せてしまったら、クライマックスで顔出しするインパクトが薄まると思うのだけれど・・・。なにかとわかりやすく描いているのはディズニーだからか、いや、ディズニーこそフルフェイスメットの中を見せないように配慮すると思うんだけれどなぁ。何かが違うのかも。主人公の名は、レイ。ガンダムのアムロ・レイからパクッたんじゃないだろうね。2015年/アメリカ/136分監督:J・J・エイブラムス 出演:デイジー・リドリー、ジョン・ボヤーガ、オスカー・アイザック、アダム・ドライバー、ドーナル・グリーソン、グウェンドリン・クリスティー、ルピタ・ニョンゴ、ハリソン・フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アンディ・サーキス、アンソニー・ダニエルズ、ケニー・ベイカー、ピーター・メイヒュー、マックス・フォン・シドー、ワーウィック・デイビス原題:Star Wars: The Force Awakensお薦め度「スター・ウォーズ フォースの覚醒」★★★★(80%)字幕翻訳:林完治
2016.01.05
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新宿の東宝IMAXシアターで見た。音響は素晴らしかったけれど、その特性を生かした作品でないとその凄さをなかなか実感できないんじゃないだろうか。サウンドを体験させる宣伝映像が一番体感できたなぁ。さて、この作品。007の生い立ちに触れているが、冒頭のアクションに次ぐ、アクション。わけのわからないアヴァンチュール。モニカ・ベルッチの登場に胸がざわついたけれど、カメオ出演に毛が生えた程度の登場に???これって???「007/カジノロワイヤル」で見せた、ヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)との痛切な恋模様。だまし、だまされる、虚実入り混じった展開に真実の愛は!?と心を鷲掴みされた記憶があればこそ、今回のマドレーヌ(レア・セドゥー)との恋模様は唐突すぎ、気持ちがのらない、のりきらない。ドンパチやカーチェイスはいうまでもなく、ギネス記録になるほどの大爆発大音響も圧倒されても感心できる物ではなかった。(サウンドを体感させる宣伝映像の方が上?)作品を比べてはなんだが、「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」の方が秀逸だと思う。もちろん、「007/カジノロワイヤル」はもっと上だ(好評価)。2015年/アメリカ/148分分/G 監督:サム・メンデス 出演:ダニエル・クレイグ、クリストフ・ワルツ、レア・セドゥー、レイフ・ファインズ、モニカ・ベルッチ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、デビッド・バウティスタ、アンドリュー・スコット、ロリー・キニア、イェスパー・クリステンセン、ステファニー・シグマン原題:Spectreお薦め度「007 スペクター」★★★★(80%) 字幕翻訳:戸田奈津子
2015.12.14
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杉原千畝の存在を我々が知ることになったのは、現在(いま)なのか。「シンドラーのリスト」の日本人版とも言われるのに、「シンドラーのリスト」公開時には、まったく話題にものぼらなかった杉原千畝。いま、ウィキペディアで見てみると、テレビドラマもあったようで、彼を今日まで知らなかったというのは私の不徳の致すところである。ところで、この映画作品である。前半、語学に堪能な杉原が英語・フランス語・ロシア語を披露するところがあるが、それ以降は外国語はすべて英語。リアリティでいえばありえないのでは。国はリトアニア、言語はリトアニア語。他にあるとすればポーランド語であったりドイツ語であったはずだ。登場するロシア人やユダヤ人など、すべて映画だというのは英語圏での配給を意識したものなのか、どうなのだろう。感動したり、共感・共鳴するところはところどころにあれど、成功しない(うまくない)作品だと思える。それは、ビザ発給のクライマックスが前半にあり、後半のあれこれは、余談の感じを否めない。もちろん、杉原千畝の人となりを描くには、この作品のような内容になるのかもしれない。とはいえ、ただ時系列に事柄を並べればいいというものでもないと思う。ドイツへの諜報活動に活躍したところなどは特に描かれてはいるが、後半としてはクライマックスに欠けた。外務省への「センポチウネ」の照会やユダヤ人が船に乗る件など、誤解をまねく描き方をしているように思える。奥様とのなれ初め。デートを四季折々丁寧に描いているが、これは恋愛ドラマではないのでもっと簡略化しても良かったのでは。それよりビザ発給場所を転々としたところなどをもっと丁寧に描いてほしかった。そうすれば感動も深まった気がする。ウィキペディアで見つけた第70回アカデミー賞短編実写部門賞受賞作、映画『ビザと美徳』を見てみたいと思う。2015年/日本/139分/G監督:チェリン・グラック 出演:唐沢寿明、小雪、小日向文世、塚本高史、濱田岳、二階堂智、板尾創路、滝藤賢一、石橋凌大、ボリス・スジック、アグニェシュカ・グロホウスカ、ミハウ・ジュラフスキ、ツェザリ・ウカシェビチ、アンナ・グリチェビチ、ズビグニェフ・ザマホフスキ、アンジェイ・ブルメンフェルド、ベナンティ・ノスル、マチェイ・ザコシチェルニお薦め度「杉原千畝 スギハラチウネ」★★★☆(70%)
2015.12.06
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若かりし頃のヒュー・グラントの映像が出てくると、「若かったんだなぁ…」とつくづく思う。しわもなくつるっとした二枚目。それがいまやしわになり年齢の出たお肌の親父。年をとったことを実感するなぁ。さて、この作品、実際、原作者や脚本家がいて実体験をもとに書いたんじゃないかと思わせる。実際どうなんだろう。アカデミー賞脚本賞をとった一発屋の脚本家が仕事なく映画「トワイライトゾーン」のロケ地の田舎町の大学に講師として赴任する。生徒に教える気が全くないから、ぜんぜん教師らしくない行動をとり、それが風紀委員の教師とぶつかることになる。生徒との恋のさや当てもあるけれど、本筋は老境にさしかからんとする男やもめが生き方を考え直すといったスタイルの作品だ。原題は脚本にかけて“書き直し”となっているのに、わざわざ「リライフ」(和製英語?)としたあたり、狙いすぎなんじゃないのかな。見て楽しめるけれど、感動はないかな。2014年/アメリカ/107分/G 監督:マーク・ローレンス 出演:ヒュー・グラント。マリサ・トメイ、ベラ・ヒースコート、J・K・シモンズ、クリス・エリオット、アリソン・ジャネイ原題:The Rewrite お薦め度「Re:LIFE リライフ」★★★☆(70%)字幕翻訳:佐藤 恵子
2015.11.22
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アン・ハサウェイ、好きな女優さんだ。思ったより見ている作品は少ないが、「プリティ・プリンセス」に始まり、「ブローバック・マウンテン」「プラダを着た悪魔」「ワン・デイ23年のラブストーリー」「ダークナイトライジング」「レ・ミゼラブル」「インターステラー」といったところか。まだ、20代のような印象があったけれど、30代の役をするようになって、大人になったと感じた。子持ちのキャリア・ウーマン役なんだもんね。デ・ニーロも70歳の役。実年齢より若いとはご老体、年を取ったものですな。 さて、この作品見どころ満載である。シニア雇用の福祉事業でやもめおやじを雇った新進気鋭の急成長インターネット通販会社のCEOとのからみ。目端に機転がきく老人を疎ましく思った若き女性CEOが打ち解けていく有様は心温まり、見ていてグッとくる。会社おかかえのマッサージ師のレネ・ルッソも美しく、小ざっぱりしたデ・ニーロとお似合いだ。出過ぎず、やり過ぎず、でもしっかりとフォローする仕事ぶりは参考になる。ラストのシーンは何を意図するのか、?だったけれど総じてグッドな作品である。映画ファンを喜ばせる「オーシャンズ11」をもじったり、「雨に唄えば」を見たりといったところもあり。ほっこりする感じの作品です。2015年/アメリカ/121分/監督:ナンシー・マイヤーズ出演:ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ、アダム・ディバイン、アンダース・ホーム、ジョジョ・カシュナー、リンダ・ラビン、ジェイソン・オーリー、ザック・パールマン、アンドリュー・ラネルズ、クリスティーナ・シェラー、原題:The Intern お薦め度「マイインターン」★★★★(85%)字幕翻訳:岸田恵子
2015.11.12
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裁かれるは善人のみ”という題名に惹かれて見てみた。“正直者は馬鹿をみる”的な作品なのかな…なんて思いながら。オープニングが暗い。スクリーンが暗い。それは、天候のせいなのか、まだ朝が明けきらぬせいなのか。波音が暗い、そう感じた。状況が呑み込めぬまま、巨悪につぶされようとしている市民が、反旗を翻そうとするけれど、結局はやられてしまうような話であった。裁かれた人は善人なのだろうか。若干の違和感と、殺伐とした環境と体制に気持ちがつぶされてしまう。ある意味自滅してしまったともいえる主人公たち。共感や絶賛を呼べる作品なのだろうか。クライマックスに起こる不可解な出来事に、首をかしげるばかりであった。2014年/ロシア/140分/監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ 出演:アレクセイ・セレブリャコフ、エレナ・リャドワ、ウラジーミル・ウドビチェンコフ、ロマン・マディアノフ、セルゲイ・ポホダーエフ、アンナ・ウコロワ、アレクセイ・ロージン原題:Leviathan お薦め度「裁かれるは善人のみ」★★★☆(70%)
2015.11.11
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