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先日、『罪灯』(佐々木丸美)というミステリを紹介しました。今回は、同じ作者の『崖の館』という作品を紹介したいと思います。「館」というと、いわくありげな人物たちが館に閉じ込められて、連続殺人が発生する、などを思い浮かべるかもしれません。館と聞いただけで、ぞくぞくするかもしれません。本作では、かつて館で起こった出来事(女性(千波)の「事件」or「事故」死)への疑惑からストーリーが始まります。その館にすむおばのいとこたちが集まり、「事故」ということに疑惑がもたれます。千波(亡くなった女性)は日記帳を残していた?それはどこにあるのか?探そう。そんなところへ、飾ってあった絵の消失、さらには人間の消失といった事件が起こり始め・・・。という館にふさわしいストーリーが展開していきます。前にも書きましたが、ミステリの仕掛けだけでなく、情景や信条の描写もこの作者の魅力です。始まりはこのような文からです。「目もくらむ断崖。切りたつ岩にうちよせる波。散ってくだけてまたうちよせてくる。冬の波濤は非情に人を拒み隔離された世界を構築してゆく。沖の海は銀盤にゆらめき流れる潮の花を浮かべていた」(7ページ)。いきなり物語の世界に心を飛ばせそうです。また、所々で出てくるミケランジェロ、リルケ、パステルナークなど詩人や画家に関する語りもあり、情景と相まって作品のロマンを形成しています。確かにストーリー的には王道的な館の事件ですが、様々な描写が館を恐ろしいものとしてよりどこか美しく見せている、そのような雰囲気もまた魅力でした。崖の館 (創元推理文庫) [ 佐々木丸美 ]崖の館佐々木丸美コレクション16【電子書籍】[ 佐々木丸美 ]
2021.01.17
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ミステリといえば、殺人をイメージする方も多いともいます。私も実はそうです。そのトリックを読み解き謎を解く興味がある一方、殺伐とした印象がないでもないかもしれません。今日紹介する本『あなたに謎と幸福を』は、基本的にはそういった印象から離れた作品のアンソロジーです。日常生活で発生した謎や事件を解き明かす作品が中心で、読み終わった後にいやな後味が残らない作品を集めています。いくつか収録作品を紹介したいと思います。あなたに謎と幸福を ハートフル・ミステリー傑作選 (PHP文芸文庫) [ 宮部 みゆき ]「割り切れないチョコレート」(近藤史恵)なぜか、19個入りとか23個入とか、割り切れない数のチョコレートが売られている。それはなぜか、という謎。この作品は『タルト・タタンの夢』に収録されています。私はこちらも購入しました。ちょっと料理に詳しくなれる、というおまけもある作品です。タルト・タタンの夢 (創元推理文庫) [ 近藤史恵 ]「次の日」(矢崎存美)これはびっくりするので、多くは語りません。事件としては立てこもりを扱っています。あなたはいったい・・・?「ドルシネアへようこそ」(宮部みゆき)ドルシネアという高級らしいディスコがあるという。速記の勉強をしている青年は、伝言板に「ドルシネアで待っている」と、誰にも当てもなく書いた。まさかそれに返事があるとは…。その返事の理由と正体は?「謎と幸福」にふさわしい宮部みゆきの一品。『返事はいらない』に収録。ミステリに求めるものはいろいろあるでしょうし、いろいろな楽しみもあります。もし、求めるものが謎と、読み終わった後の温かい読後感ならば、この作品集はぴったりだと思います。
2021.01.16
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2020年の創元推理文庫復刊フェアで復刊した『罪灯』を読みました。作者は佐々木丸美という方です。この本は、いわゆるプロバビリティの犯罪を扱った4つの短編からなっています。プロバビリティの犯罪とは、例えば「毎日料理に余分に塩をかける」とか「道を聞かれたとき、事故に合う確率が高そうな道をあえて教える」などのように、それ自体では罪に問われないような行為によって、あわよくば殺しを実行するというような犯罪です。江戸川乱歩の短編「赤い部屋」や谷崎潤一郎の「途上」などが有名です。今日紹介する『罪灯』は、そのような「犯罪」を扱った4つの短編が収録されています。4つは連作で、いずれも春夏秋冬を名前に持つ女性と謎を解く男性が登場します。プロバビリティの犯罪とその発想、どのようにほころびるかということはもちろん興味の中心で、その興味に十分こたえてくれる作品でした。しかし、それだけでなく、「犯人」の女性の感じ方や情景描写も独特で、味わい深いところがこの作品の魅力となっています。例えば「水死体が引き上げられた。彼女の十七年間も彼女を取り巻く憎しみも、やわらかな黄昏に溶けていく。高慢と咲いた大輪は散った。その姿に一抹の憐憫」(16ページ)「私は冬の娘。厚い雲の中、冷たい水の中、寒さに凍結した青春」(22ページ)などのような表現が随所に見られます。トリックだけでなく、描写も味わえます。罪灯 (創元推理文庫) [ 佐々木丸美 ] 谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫) [ 谷崎潤一郎 ]「途上」はこの作品集に収録されています。また、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/card56849.html)にも収録されているので、そちらを使えば無料で読めます。江戸川乱歩全集(第1巻) 屋根裏の散歩者 (光文社文庫) [ 江戸川乱歩 ]「赤い部屋」はこちらに収録されています。また、青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/001779/card57181.html)にも収録されているので、そちらを使えば無料で読めます。
2021.01.11
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100円ショップの「レモン」で、マジック専用(仕掛けがある)トランプを売っていたので、紹介しようと思います。その名も、「マジックトランプ」です・・・。このトランプ自体に仕掛けがあり、いくつかのマジックができるというものです。簡易な説明書がついています。できるマジックとしては、選ばれたカードを完全に混ぜられた山から抜き出す、カードを透視する、などが考えられます。練習したら、動画も上げたいと思います。ケースはこのような感じです。滑りは良く、広げやすいです。レモン以外の100円ショップにあるかどうかはわかりません。
2021.01.10
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先日、100円ショップダイソーで売っている「CIRCUS」というバイシクル風の本格的なトランプを紹介しました。その時は、赤色のみだと思っていたのですが、ほかのお店で青色も発見したので、紹介したいと思います。赤と青、バイシクルっぽいですね。2組あれば、マジックの幅も広がるかもしれません。ジョーカーはこんな感じ。エースとおまけ?のカード。
2021.01.04
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今日は久しぶりに、ミステリの紹介をしたいと思います。今日紹介するのは宮部みゆきさんの『長い長い殺人』という本です。夜の9時ころ読み始めたのですが、一気に真夜中までかけて読んでしまった、それくらいに引き込まれた本でした。宮部みゆきさんの作品に触れたのはあるアンソロジーにあった「ドルシネアへようこそ」という短編でした。温かみがあり意外性もある作品に引き付けられ、その後いくつか彼女の作品を購入し、読んでいるという次第です。今回の『長い長い殺人』は、財布が語り手をつとめるというところに意外性があります。いろいろな財布が語り手になるので、語り口にバラエティがあって表現的に面白いです。また、明るい作品ではないですが、財布の語りにはユーモアが感じられて、救いになっている面もあります。逆に、動けない財布であるが故のもどかしさもあります。事件の始まりはひき逃げらしき事件なのですが、どうもその事件には裏があるようで、いろいろな人の財布の語りを通して、その事件の全体像が少しずつ見えてくるという構成をとっています。一見関係ない財布が事件にかかわってくるので、続きをどんどん読みたくなってしまうのです。財布だけでなく、デカ長、探偵、少年などキャラクターとそれぞれの心情も印象深いです。長い長い殺人 (光文社文庫) [ 宮部みゆき ]
2021.01.02
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2021年がやってきました。去年のブログ読者の方、ありがとうございました。去年は多少は更新できたかな、と思っています。今年も更新できるように取り組んでいきたく思います。今年が平穏な年となりますように。それでは、本年もよろしくお願いします。
2021.01.01
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