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霧の夜・・・ミステリ・・・といえばシャーロック・ホームズ的な古き良き英国のミステリが想像されます。あるいは、切り裂きジャックの恐ろしい世界?今回紹介する「霧の夜にご用心」(赤川次郎 作)は現代(とはいっても今から30年近く前ですが)の日本を舞台にしたミステリです。しかし、切り裂きジャックと無関係というわけではありません。なぜなら、この話の主人公は切り裂きジャックのような殺人に憧れ、自ら手を下そうとするからです。主人公はその思いに囚われ、作戦を立て、準備をしてターゲットを定め、犯行に乗り出しますが・・・。本のカバーにすでに書いてあるので、ネタバレにはならないでしょう。実は彼は犯行に失敗します。ドジを踏んだからとか名探偵に邪魔をされたとかではありません。他の人が先にターゲットを殺してしまったからです。そんな偶然が?でも、もし意図的なものだとすると、一体なぜ?切り裂きジャックになろうとした主人公はここから奇妙なミステリの世界を彷徨います。彼は切り裂きジャックになれるのか・・・?殺人事件の真相は?ドキドキしながら読める作品です。私は試しませんでしたが、静かで本当に霧が出そうな真夜中に読んでみるのも悪くはないでしょう。ちょっとポップな感もある紙書籍の表紙が私は好きです。霧の夜にご用心 (徳間文庫) [ 赤川次郎 ]霧の夜にご用心【電子書籍】[ 赤川 次郎 ]
2022.07.31
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私は結構「倒叙」のミステリが好きです。倒叙とは、犯人と犯行が先に描かれてその後で謎解きがなされていくタイプのミステリです。犯人が気づかなかったミスは何か、犯人と探偵役のやり取りの緊迫、犯人の心情・・・などが見どころになるミステリです。古くは、シャーロック・ホームズのライヴァルたちの一人として名高いソーンダイク博士シリーズがあります。犯人が残した痕跡を科学調査によって暴いていくスタイルです。歌う白骨【電子書籍】[ オースチン・フリーマン ]ソーンダイクシリーズは倒叙の長編もありますが、こちらは短編で気軽に読めます。その倒叙の系譜は21世紀に至るまで続いていくのですが、今日紹介する「福家警部補の挨拶」もその系譜に連なる名作の1つです。この作品は、ドラマで有名な「刑事コロンボ」の後継者と位置づけられるようです。コロンボといえばあのキャラクターと色々な職業の犯人とそれに関連する犯罪が特徴的です。本作でも、図書館の管理者、大学の先生、酒造会社の社長などバラエティに富んだ犯人が登場します。事件の舞台ももちろんそれぞれの職業に関連する場所と内容なので、短編ごとに色々な世界をのぞけるという楽しみもあります。犯行の手がかりや動機なども職業世界としっかりと結びついています。その職業ゆえにできたこと、その職業ゆえに残ってしまった手がかりなど、1話1話にそれぞれの世界が詰まっています。コロンボの場合も服装や台詞回しに個性がありますが、この福家警部補も、よく調査時に警部補だと認識されなかったり、バッジをなくしていたりというコミカルな特徴があります。なお、本作品はトリックに凝ったものではないと思います。やりとりや手がかりなど倒叙の本流が見どころです。本作の中で私のおすすめは「月の雫」。タイトルもさることながら、犯行場面が映像のように記憶に残ります。福家警部補の挨拶 (創元推理文庫) [ 大倉崇裕 ]福家警部補の挨拶【電子書籍】[ 大倉崇裕 ]
2022.07.30
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