メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Apr 16, 2006
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 (さらに昨日からの続きです、、、)


 死後硬直というのは、死後直後に起きる現象で、一旦魚肉が堅くなることをいいます。これは筋肉中にあるグリコーゲンが解糖作用を受けることにより、乳酸に変わる事に起因し、また様々な化学変化が重なり合って起きるものです。

 硬直の速度については即殺したものが遅く、苦悶死させたものは速くなります。そして硬直がゆっくり進む方が品質的には高いと言えます。

 背骨の中心部を通る脊髄を鉤状の道具で抜くという"延髄刺殺"、(=イケジメ)は後に起こる死後硬直を緩やかに進めるために有効で、輸送の時間を計算に入れた方法と言えます。また、反対に苦悶死させたものは死後硬直が早く進み、品質劣化が早くなることになります。 

死後硬直へのアプローチが悪いと、どうしても後々の魚の味わいに影響を及ぼします。

 死後硬直の間は肉の酸性値が高く腐敗菌等の薇生物はとりつきにくい状態になっており、腐敗する事は起こりにくく、新鮮ではあるのですがこの時点ではまだ旨味成分に欠けるといえます。

 死後硬直の後、肉の内部ではタンパク質の分解が始ります。熟成、または自己消化と呼ばれる作用で、タンパク質の分解によって生まれる成分が「アミノ酸」です。アミノ酸は食物に旨味をもたらす呈味成分として知られていますが、アミノ酸とはこれらの成分の総称で、グルタミン酸、イノシン酸など幾種類もあります。

 もちろん、人間が感じる旨味については、魚の種類によっても基準変わってきます。しかし、こと真鯛などの旨味はそのイノシン酸が中心になるため、最も旨味が増すのは、水揚げから18~24時間生けすで泳がせ、絞める際は出きるだけ苦痛を与えないように行い、死後硬直から6~9時間を経過して自己消化がすすんだ時点といえるでしょう。

 古くから使い続けられてきた「腐っても鯛」という言葉は腐った鯛ではなくて、時間の経過を経て、充分に旨味の乗った鯛のことを差していたのかもしれません






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Last updated  Apr 16, 2006 09:23:04 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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