メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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May 8, 2006
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 あちこちのレストランでは「グラスワイン」が提供されています。


 さて、グラスワインなどで一杯づつを提供していると、開栓してから時間の経ったものなど、味わいが下り坂に差し掛かかってきます。もともと、それまではグラス売りをしていますので、ワインに欠陥があった訳ではありません。また、何時間かで急に腰の弱るタイプもあれば、何日間かに渡ってフレッシュさを維持するものもありますので一様に「何時間を経過したものは処分」というものでもありません。

 私でも実際に少々判断に迷う時などがあります。体調が優れなかったり、お昼に食べた賄いが異常にスパイシーであったり、などの要因はあるのですが。

 さて、まず「赤ワイン」に限っての事ですが、そんな時は、ほんの少量、「塩」をなめてから、ワインを口に含んでみると言うのもひとつの方法をとっています。

 ある日の営業中のこと、

「T君(仮名)、このグラスワインで使った赤ワイン、もうそろそろ落ちてきてるからキッチンに回してよ。でも、ちょっと自分の勉強の為にもテイスティングしてみたら?」

T君(仮名)は若いスタッフのひとりですが、今年のソムリエ試験に挑戦するそうで、今はソムリエの勉強中です。

「…うーん、、、これってだめなんですかぁ?ボクはまだ美味しいと思うんですけども、、、」



「分かりにくい?じゃあ、調理場からちょっと塩を貰ってきてみ。それをひとなめしてからワインを口に含む。」

「…そう言われると、なんだかエグ味を感じますねぇ、、、」

「じゃあ、こっちの開栓したばかりのワインは?ちょっと甘く感じない?」

特別大サービスで、「健全な」ワインもテイスティングさせてみました。

「ホンマですねぇ!甘いッスよ!おどろきですねぇ~」

これが、可愛い女のコのスタッフだったら、もう少し親身になって教えてあげるのですが、ここは彼の為にもこの辺りでレクチャーは終わりです。


 生理学的な話はさておき、実際に食物に塩を加えると、塩辛さでは無くて「甘味」が引き立つ場合があります。

 代表的なものに、スイカに振る「塩」塩の味が、水っぽさを打ち消して、甘味が増すように感じます。また、ぜんざいやお汁粉など、あんこを使った甘味菓子にも隠し味として最後にひとつまみの塩を加えることがあります。

「塩」が「油脂分」と相性がよいことは、よく知られています。唐揚げにアクセントとして用いられるのが山椒の粉を混ぜた「山椒塩」だったり、お店で提供した生ハムの余った「脂」に塩を振るとちょっとしたワインのアテになることあります。

 フランス料理で使われる調味料は基本的に「塩・胡椒」ですので、「味」のベースは「塩」であるとも言えます。特に「肉に相性がいい」とされる赤ワインは塩を口に含んで、テイスティングを行うと料理とのマリア-ジュとの関連付けができると思います。

 日本語には非常に適当な言葉があって、塩によって味が引き立つことを指して



といわれるようです。







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Last updated  May 8, 2006 10:16:18 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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