ジアンの陶器工場訪問の話

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2003年05月02日

食べるのが好きだと自然と食器にも関心が湧くもので、「毎日お気に入りの器でごはんが食べたい」と思います。陶磁器に詳しいというほどではないけれど、イギリスにいる間に安くてきれいで面白い器を少しずつ集めたいなぁと考えていました。フランス旅行の準備中に、ヨーロッパの陶磁器工場には、たいてい、ちょっとした絵ずれや汚れのあるB級品を売る一角が付設してあるというのを知り、工場の様子も見られて、破格値の器が手に入るんなら行かない手はないわ！ということで、今回は、ロアール川沿いにある「ジアン」という街の、同名の工場に立ち寄ることにしました。日本ではまだあまり知られていないブランドですが、青山に直営店があるようです（ジアンの日本語HP ）。

着いてすぐ展示室で貴重な逸品を見学、制作工程のビデオを見せてもらいました。それからいざ、ブティックへ。ブティックといっても体育館みたいな広いプレハブに山と積まれた皿！皿！皿！
faiencerie gien

（↑あまりの量に圧倒される親子）
ここにあるのはセッ器（セキは火へんに石と書きます、吸水性のない材質で焼く器）で、手描きよりもシールを使った日用品レベルが多いものの、どれも色使いがとても華やか。お花や果物など典型的なモチーフながら、デザインが大胆です。どれも正規品でない印に、裏面をわざとちょっこり汚してあります。瑕疵の程度にもいろいろあるので、できるだけ目立たないきれいなものを選ぶのが肝心。まず、どの柄のどの形を買うか決めたら、その中で一番できのいいのを選びます。わたしは、日本で食器を一通り揃えようと思ったら絶対買えないような、遊びごころのある皿を中心に探すことにしました。

最初に入り口であった買い物帰りのおばさんが、大きなカートいっぱいの皿を車のトランクに詰めかえているのを見て、「あんなに買ったのー？」と驚きましたが、ある時点で脳の制御作用がぷちっと切れて、結局わたしたちも3家族向けに20点ほど買い込んでしまいました。梱包用の紙とガムテープがレジの後ろの台に置いてあり、包装は自分で行います。
seafood

（↑戦利品の一部）

さんざん品定めして疲れた後は、ロアール川ほとりのカフェで、ジャンボン（ハム）のバゲットサンドと、チキンとエメンタールチーズのサラダをいただきました。白熱のショッピングの後に、晴れた川を眺めながら飲むシードルは、すばらしくさわやかでおいしかった！フランス人が、サンドイッチのバゲットにあんなに大量にバターを塗るのを（片面3mm厚くらい×両面）初めて知りました。具がカマンベールチーズだけのときでもこってり塗るんですね。ちなみにサンドイッチが載っているパンジー柄のお皿は「ジアン」製。シードルの瓶も、なんとも可愛らしいのでした。
cafe@gien