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前回、前々回と『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』を読んで、そこで気づいたことをまとめてきました。 今回は「狩猟採集社会の多様性」ということをフォーカスしてまとめたいと思います。そして、最後に全体的なまとめをしていきたいと思います。では、いってみましょう! 認知革命によって多様な社会になった?認知革命の主な遺産の1つは、言語や文化が、何千、何万と存在したことです。虚構を生み出す能力のおかげで、創り出される想像上の現実は、集団ごとに千差万別になりました。 農業革命が起こる直前、世界には500万~800万の狩猟採集民が、何千、何万もの部族に分かれて住んでいました。狩猟採集社会は、ものすごく多種多様だったということです。 これが、狩猟採集社会の重要なことであり、とくに目立つ特徴でもあります。狩猟採集社会は、地域ごとに違うだけではなく、同じ地域のなかでも、言語や文化、規範や価値観が、ばらばらだったのです。 たとえば日本でも、北海道と沖縄を大昔の視点で見てみると、たぶん同じ言語ではなかったはずです。アイヌ語と琉球語は、たぶんほとんど違うのではないか、と想像できるわけです。 言語が違うのであれば、この2つの集団は、社会、政治、また家族構成、タブー、宗教なども違うものになってきます。そうなると、大昔の狩猟採集民のあいだでも、民族的・文化的な多様性は、きわめて大きかったと考えるほうが自然です。 狩猟採集民の選択肢の幅はずっと広かったはずです。認知革命以降、サピエンスにとって、唯一の自然な生き方というものはなくなったと言われています。それは、ぼうだいな選択肢の中から、文化的に選びとるものになったからです。 では、これからのサピエンス(人類)の「自然な生き方」とは、いったいどんなものになっていくのでしょうか? 『サピエンス全史』とは?『サピエンス全史』は、人間の進化、農業革命、帝国の興亡、科学と技術の進展など、人類の重要な節目を取り上げています。その中で、社会や文化の形成における信念や虚構の役割を強調しています。 著者のユヴァル・ノア・ハラリは、言語や、共有のストーリーテリングの能力が、人間を他の生物とは異なる存在にした、と言います。それが、法律、宗教、経済システムなどの法的虚構をつくりだし、人間社会の基盤となったのです。 ハラリ氏は、人類の進化が新たな段階に入りつつあると主張しています。サピエンスが自然の摂理に従って生きる存在から、技術や科学の進展により、より進化した存在であるホモ・デウスに変容しつつある、と言っています。 『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』を振り返るいかがだったでしょうか? サピエンス全史の漫画版を簡単にまとめてきました。 ポイントを3つにまとめると、「認知革命」「虚構」「多様性」と言ったワードにまとまると思います。認知革命によって、虚構が生まれ、そしてそれが、いまの社会を生んだのだと言えるでしょう。 以前のブログで、「認知バイアス」についてまとめましたが、結局、認知バイアスも人間が作ってきたものなのです。作ったのならば、つくりかえることもできるはずです。 そして、狩猟採集社会は、どうやらだいぶ多様社会だったようです。いま世の中では、多様性、多様性、と言っていますが、もともと人類は多様だったのでしょう。では、そこに問題が生じるのは、なぜでしょうか? 私たちの繋がり方に問題があるのでしょうか? 無理に一つになろうとしない、という選択肢もあると思います。ヒヒ、ゴリラ、オラウータン、チンパンジーと、それぞれにそれぞれの暮らし方があるように、人間にもそれぞれのライフスタイルがあるのです。 このブログ記事をまとめている最中に、中野信子さんが講演している動画を見ました。そこで中野さんは、「人類にとって今が大事な時期」ということを言っていました。 サピエンスの自然な生き方は、まだ発展途上なのかもしれないですね。そして、その自然な生き方に向かって、いまが大事な時期なのでしょう。 それでは読んでいただき、ありがとうございました。 【関連記事】・(YouTube動画)-福武教育文化振興財団設立35周年記念講演 中野信子氏講演会「アートは人を耕す」(2023/3/4) 【参考文献】漫画 サピエンス全史 人類の誕生編 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]価格:2,090円(税込、送料無料) (2023/5/11時点)楽天で購入漫画 サピエンス全史 文明の正体編 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]価格:2,640円(税込、送料無料) (2023/5/11時点)楽天で購入ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪
2023/05/17
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私たちは、昔と比べて物質的に恵まれています。100均に行くと、「これがこの価格で手に入るのか!?」と驚くこともあるのではないでしょうか。そして、昔に比べて長生きになりました。人生50年と言われる時代から比べたら、その時代の倍生きられるようになってきたのです。 けれども、昔よりも問題や悩みを抱える人も増えたと言われています。恵まれた時代になったのに、どうしてでしょうか? さて今回も『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』のまとめ記事を書いていきたいと思います。今回のテーマは「認知革命」と「狩猟採集民の精神」という2つを見ていきたいと思います。 私たちが手にした「認知革命」とは?サピエンス(人類)は、物語を創って、人々に信じさせることができるようになったため、協力し合うのが得意になりました。川や木、ライオンやウサギなど、実在する話だけではなく、架空の“ライオン人間”の話をこしらえることができたのです。 これは、特異なコミュニケーション能力を持っている、と言えます。これは、特殊な認知能力、つまりは、創作、記憶や学習、コミュニケーションの能力のおかげなのです。 この認知能力が登場したのは、今から7万年ほど前です。そしてこれを、「認知革命」と呼びます。 サピエンスが、虚構を作る能力を身につけたのは、たまたま遺伝子の変異が起こり、脳の配線が変わったからだと言われています。それから、考え方ががらりと変わり、まったく新しい種類の言語を使ってコミュニケーションがとれるようになったのです。 私たちは二重の現実を生きている?「認知革命」以来、サピエンスは二重の現実を生きています。 一方には、川や樹木や動物など、客観的な現実があり、もう一方には、神々、国家、会社などの想像上の現実があります。言葉を紡いで、想像上の現実を生み出す能力のおかげで、人間は、大勢の他人と協力していけるようになったのです。 そして、時とともに想像上の現実のほうが強力になってきています。いま現代では、川や木々、ライオンやウサギの存続すら、全能の神、合衆国、グーグル、アマゾンなどの想像上の存在のお情けしだいになっているほどなのです。 潜在意識は今も狩猟採集民の世界を生きている現代社会に生きる私たちは、昔の人々より物質的に恵まれています。さらに、長生きもできるようになりました。しかし、昔より疎外感や抑鬱、プレッシャーを感じることも増えています。私たちは、豊かになったはずなのに、それはどうしてでしょうか? それは、人間の潜在意識は、今も狩猟採集民の世界に生きているからです。 どういうことかと言うと、生物種としての歴史上、人類は、ずっと狩猟採集民だったということです。 私たちは、今となって工場や事務所で働くことは当たり前となっていますが、それより以前の1万年間は、ほとんど農業か牧畜を仕事にしてきたわけです。ですから、いま現代の当たり前は、「ほんの一瞬の出来事」みたいなものなのです。 進化心理学的に見ると、人間の社会的・心理的な特徴は、農耕以前の長い時代に培われてきた部分が大きく、今でも、人類の脳は、狩猟採集生活に適応したままなのです。 つまり、狩猟採集民の精神で、工業化以後の世界に取り組んできた結果として、いま現代の私たちの食習慣、性の葛藤があるのです。 人類の性質や歴史や心理を理解するためには、狩猟採集民だった先祖の身になって考える必要があります。「どうして私たちの問題があるのか」、その理由を理解するためには、人類を形作ってきた狩猟採集民の世界をよく知ることが必要なのです。 いかがでしょうか? 今回は、『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』から、「認知革命」と「狩猟採集民の精神」という2つのテーマをまとめてきました。 認知革命によって、私たちは「みんなで協力する」という大きな力を手に入れましたが、その結果である凄まじい発展は、つい最近起こったことなのですね。私たちの体や潜在意識は、まだ狩猟採集民の世界にいるようです。 ですから、プリミティブな生活というのも、時に必要になるのかもしれませんね。私たちは、何万年も狩猟採集民だった、ということを忘れてはいけないようです。 それでは読んでいただき、ありがとうございました。 【参考文献】漫画 サピエンス全史 人類の誕生編 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]価格:2,090円(税込、送料無料) (2023/5/11時点)楽天で購入漫画 サピエンス全史 文明の正体編 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]価格:2,640円(税込、送料無料) (2023/5/11時点)楽天で購入ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪
2023/05/16
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今回から『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』のまとめ記事を書いていきたいと思います。 まず始めにまとめたいのが、虚構(フィクション)についてです。本の中では、「虚構がすごく大事」と言っています。それはどうしてでしょうか? なぜ、虚構(フィクション)が大事なのか?虚構がすごく大事な理由は、そのおかげで「人々が協力し合える」ようになったからです。 もし人々が、お金、会社、国家の価値や存在を信じなかったら、国際的な貿易ネットワークが崩壊したり、誰も税金を納めなかったりしてしまいます。すると、全国的な教育や医療制度などは、成り立ちません。 つまり、お金、会社、国家など、人々の集合的な想像の産物を信じて、私たちは協力し合っているのです。 「会社」は、法的虚構に属します。これは人間の最も冴えた発明のひとつと言われています。会社を創り出しす方法は、歴史を通じて、神官や魔術師が、神々や精霊を創り出してきたのと同じ方法です。会社を創るのは神々を創るのと同じことです。それは、物語を創って、人々に信じさせているものだからです。 国家や国境、通貨、言語、名誉などは、「社会的虚構」にあたります。他にも「宗教的虚構」「文学的虚構」「科学的虚構」などがあります。 物語のネットワークを通じさせる実効性のある物語は簡単には創れません。そこには問題があります。 その問題とは、どうやってその物語をみんなに信じさせるか、ということです。どんな物語を創るかではありません。 歴史はたいてい、1つの大問題を中心に展開していきます。神、国家、あるいは会社などの物語を、大勢の人にどうやって信じさせるか、という問題です。 しかし、それがうまくいったからこそ、サピエンス(人類)はとても大きな力を手にしました。なぜなら、何百万、何千万という他人同士が、同じ目標に向かって協力できるようになったからです。 川や木、ライオンやウサギなど、そういった実在するモノのことしか話せなかったのならば、国家、宗教、法律を創るのは、ものすごく難しかったことでしょう。 長い年月のうちに、人間は途方もなく複雑な物語のネットワークを織りあげてきました。この物語のネットワークを通じて生み出される物事を、専門用語で「虚構(社会的構成概念、あるいは、想像上の現実)」といいます。 虚構について忘れちゃいけないことけれども忘れてはいけないことは、虚構は「ただの道具」だということです。虚構は、人が使うものであり、便利なものとして考え出されたものだということです。 けして、道具の奴隷になってはいけないのです。それを忘れて、会社の利益や、国の威信のために戦争を始めるということは、愚かなことなのです。 虚構のために、現実の人間を苦しめてはいけないのです。 会社は倒産しても苦しみません。会社に、肉体や心があるわけではないので、痛みや悲しみを感じるということはないのです。国家というものも、たとえ戦争に負けたとしても苦しむわけではありません。 でも、人間は戦って怪我を負えば、痛い、と苦しみを感じます。だからこそ、忘れてはいけないこと、気をつけなくてはいけないことは、虚構のために現実の人間を苦しめてはいけないということです。 いかがでしょうか? 今回は『漫画サピエンス全史』のまとめで、「虚構(フィクション)」というテーマをまとめてきました。 サピエンス(人類)は、虚構のおかげで、発展してきた側面もあるようです。そのおかげで、今の私たちの生活があるのでしょう。 その反面、虚構のネガティブな部分と言うべきでしょうか、人間は虚構にとりつかれて争いを生んでしまうのかもしれませんね。私たちは、そういった歴史を通過しているのでしょう。 さて、お次も「サピエンス全史」をまとめたいと思います。次回のテーマは、「認知革命」についてです。お楽しみに! それでは読んでいただき、ありがとうございます。 【参考文献】漫画 サピエンス全史 人類の誕生編 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]価格:2,090円(税込、送料無料) (2023/5/11時点)楽天で購入漫画 サピエンス全史 文明の正体編 [ ユヴァル・ノア・ハラリ ]価格:2,640円(税込、送料無料) (2023/5/11時点)楽天で購入ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪
2023/05/15
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「二極化」という言葉を目をにしますが、コンピューターのアルゴリズムによって、二極化が進んでいるんだな、と感じます。それは、SNSのタイムラインを見ても、「自分の好きなもの・興味があるもの」ばかりが流れてくるからです。 これではたしかに、偏りができてしまうのも、わかるような気がします。「これが正しい」と思えば、その情報しかやってこない仕組みになっているのかもしれません。それは、私たちの身の回りにある道具が、認知バイアス化していると言えるのではないでしょうか。 今回も「認知バイアス」ということにフォーカスして、このブログをまとめていきたいと思います。そもそも認知バイアスの偏りが強い場合、どんなデメリットがあるのでしょう? 認知バイアスの偏りによる3つのデメリット認知バイアスの偏りが強い場合のデメリットを、次の3つにまとめました。 ①誤った判断や意思決定認知バイアスの偏りが強いと、情報の選択や解釈に偏りが生じるため、誤った判断や意思決定をくだす可能性があります。重要な情報を見落としたり、特定の情報に過剰に重点を置いたりし、パフォーマンスや成果に影響を及ぼす可能性があります。 ②偏見や差別認知バイアスの偏りが強いと、人はステレオタイプや先入観に基づいた判断を行い、個人やグループに対する偏見や差別を助長することがあります。特定の人種、性別、宗教、国籍などに対して偏った見解を持ち、不正確なステレオタイプに基づいて評価することがあります。 ③意思決定の制約認知バイアスの偏りは、人の意思決定の自由度を制約することがあります。特定の情報や視点に偏っているため、他の選択肢や解決策を見逃したり、採用しなかったりする可能性があります。これによって、より良い結果や効果的な解決策を見つける機会を逃すことがあります。 見えるようになると見える「ルビンの壺」や「妻と義母」といっただまし絵があります。これらは、意識できたり、わかったりすると、違った2つの絵として見えるようになります。 これが「見えるようになると見える」ということです。意識の変動に自覚し、さらに注意を向けることで、明確にわかるようになるのです。 「これが正しい」と思うことは、ときに自由の制限(意思決定の制約)になります。ですから、様々な視点を持つことが大切なのだと思います。 ではこの、「見えるようになると見える」に、なるためにはどうしたらいいのでしょうか。言い換えると、認知バイアスの偏りを解消していくためにはどうしたらいいのでしょうか。 認知バイアスの偏りを解消するためには認知バイアスの偏りを少しでも解消するために、その方法をここでは2つ取りあげて、見てみたいと思います。 ①自己認識を高めるまず、「認知バイアスを自分は持っている」と自分自身が気づくことが、はじめの一歩です。それが「自己認識を高める」ということであり、自分と正直に向き合うということです。バシャールの言葉でも、次のようなものがあります。 『観念は見つけ出すだけで、変わったことになります。なぜなら、観念を見つけたら、あなたのコントロール下に納まるからです。観念に気づいていない状態は、観念にコントロールされていることに気づいていない状態です。観念を見つけたことによって、コントロールされている状態から解放されるのです』 観念とは認知バイアスのことです。自分自身の偏りや先入観に対して正直に向き合い、自分の思考や判断が、どのように影響を受けているのかを理解することが大事です。 ②多様性と評価・判断力を磨く様々な視点から情報を手に入れることで、より客観的な判断が可能となります。それは、情報の多様性を追求してみることです。また、情報や主張を受け入れる前に、慎重に評価し、根拠や論理に基づいて判断する能力を磨くことも大切です。 自分自身が持っている考え方や価値観に気づくために、自分の思考を観察してみることです。また、他の人の視点や意見に積極的に耳を傾け、異なる意見や視点に触れことが、多様性や客観性を養います。 「見えるようになる」ためには、自分の内側を変化させる必要があります。あなたの内側の変化によって、新しい世界が見えるのです。 それでは読んでいただき、ありがとうございます。 【関連記事】・知覚と意識の関係性 ~変化はあなたの環境の中で映しだされる~(2022年12月25日記事)・観念とは何か? ~観念を手放す方法~(2023年3月3日記事)ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪
2023/05/09
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人は変化を嫌います。安定していた何かが変化するのは、脅威だからです。なので、もとの状態を保とうと、自分自身を説得するのです。そしてそれは、ときに無理やりにでも自分を説得します。 今回は、前回に続き、認知バイアスについてまとめていきたいと思います。今回のテーマは、「認知バイアスとホメオスタシスの関係性」です。 ホメオスタシスとは?認知バイアスとは?ホメオスタシスとは、生物が内部環境を一定の範囲に維持しようとする生物学的なプロセスです。たとえば、人間の体温を一定に保つことです。ホメオスタシスは、生物が外部の変化に適応し、内部の安定性を保つために重要な役割を果たしています。 認知バイアスとは、人間の思考や情報処理において生じる偏りや傾向を指します。認知バイアスにより、人は特定の情報を重視したり、他の情報を無視したり、判断を歪めたりすることがあります。 ホメオスタシスと認知バイアスの関係性ホメオスタシスは、生物が外部の変化に対して、内部の安定性を維持することを目指します。この安定性の維持は、生物の生存や適応に重要です。生物は、外部の刺激や状況が内部の安定性に影響を与える場合、適切な反応や調整を行います。 同じように、人間の思考や情報処理においても、認知バイアスが一種の安定性を提供しようとする傾向があります。 認知バイアスは、複雑な情報処理を簡略化し、判断を迅速に行うためのフィルターとして機能することがあります。これにより、情報処理と判断効率が向上し、認知の負担が軽減されます。 ただし、認知バイアスはときに、客観的な判断や意思決定を歪める可能性があります。個々の経験、信念(観念)、社会的影響などに基づいて、特定の情報を偏った方法で評価したり、他の情報を無視したりすることがあります。 ホメオスタシスと認知バイアスの違いは、ホメオスタシスは生物学的な安定性を維持するためのプロセスであり、認知バイアスは思考の効率を向上させる一方で、客観性や公平性に影響を与える可能性がある、ということです。 安定性を求める2つの認知バイアス人の認知は、安定性を提供しようとすることがあります。それは認知の負担を軽減させるためです。しかしそこには、偏った認知が生まれてしまう場合があります。ここでは、認知バイアスが安定性を提供しようとした2つのバイアスを見てみましょう。 ①フレーミング効果②ステレオタイプ ①フレーミング効果フレーミング効果とは、どこを強調して表現するかによって問題の印象が変わり、意思決定が影響される現象です。同じ情報を異なる枠組みで提示することで、人の意思決定に影響を与えます。 たとえば、「95%の確率で成功」と「5%の確率で失敗」とは同じ意味ですが、提示の仕方によって、人間は異なる判断を行うことがあります。フレーミング効果は、人が大量の情報を処理する際に、情報を簡略化し、認知の負荷を軽減するために働く認知バイアスです。 ②ステレオタイプステレオタイプとは、性別・出身地・職業などの特定の集団やカテゴリに対して、個人の違いを無視して、1つの特徴でまとめてとらえることです。たとえば、女性はおしとやかで優しく、男性は勇敢で力強いといったイメージです。これは多くの人に浸透している先入観だと言えます。 複雑な社会現象や集団に対して、簡略化された認知的なモデルを提供することで、認知の負荷を軽減しようとすることが、ステレオタイプという認知バイアスです。「あの人は○○だから」という言い方は、人間の負担を軽減させるための認知だと言えます。しかし、それがある種の固定観念や偏見に繋がります。 いかがでしょうか? 今回は、「認知バイアスとホメオスタシスの関係性」というテーマでまとめてきました。 まとめると、認知バイアスとホメオスタシスの関係性は、「認知の負担を軽減することで安定性を保とうとする」という働きが人間にはあるようです。 「過去を生きることは安全だ」と、あなたは思っていませんか? 人は自分の知っている世界に留まりたいのです。 けれども、時間は今のところ前にしか進みません。つねに私たちは変化しています。ですから、もとの状態には戻れないのです。 人間には、ホメオスタシスという機能がありますが、私たちは「つねに変化をする」ということを受け入れなければなりません。経験することは経験し、起きることは、自然に起きるのです。 と、ちょっと仏教の考えみたいな、まとめになりましたが(仏教・禅についても調べたので、また今度まとめたいと思います)、また次回も認知バイアスについてまとめていきたいと思います。お楽しみに。つづく。 それでは読んでいただき、ありがとうございます。 【参考文献】情報を正しく選択するための認知バイアス事典 [ 情報文化研究所 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2023/5/6時点)楽天で購入情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編 [ 情報文化研究所 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2023/5/6時点)楽天で購入“それ”は在る【電子書籍】[ ヘルメス・J・シャンブ ]価格:1,870円 (2023/5/6時点)楽天で購入ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪
2023/05/08
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『人は自分が見たいものだけを見、信じたいものだけを信じる』 これは、ユリウス・カエサル(紀元前100~前44)という人の言葉です。この言葉の通り、人は見たいものだけを見ており、そしてそれは、信じたいものを信じているだけなのかもしれません。 カエサルさんの名言を、別の言葉でいうと「認知バイアス」となるでしょう。 認知バイアスとは、「人は情報を解釈する際に、自分の信念や経験に基づいて、偏った思考をする」ということです。 人間の「解釈の基準」とは?では、人が情報を解釈するときの基準は、どうやって生まれるのでしょうか? この「解釈の基準」は個人の経験、学習、文化的背景、社会的影響などの要素によって形成されます。ここからは、基準が生まれる4つの要素を詳しく見ていきます。 ①経験と学習過去の経験、過去の学習から得られた情報は、将来の判断や評価の基準となります。たとえば、以前、成功した経験は、その人の評価基準、状況判断、課題対応となる可能性があります。 ②社会的影響社会的な環境や文化的背景は、個人の認知基準に影響を与えます。社会的な価値観や規範、言語、文化の慣習などは、その人の評価や判断における基準を形成します。 ③信念と価値観個人の価値観は、特定の情報を重視したり、特定の観点から評価したりする傾向があります。 ④個人の特性個人の性格、特性、スタイルなどは、解釈の基準の形成に影響を与える要素です。たとえば、楽観的な人は、ポジティブな結果や見解に基づいて評価する可能性があります。 これらの要素は相互に関連、作用し、個人の基準を形成します。この基準は、新しい情報や経験に基づいて、修正される場合もあり、柔軟に変動します。ここで重要なことは、認知基準が主観的であるということです。 マスク氏が言っている50個の認知バイアスとは?今回、私が「認知バイアス」をまとめようと思ったきっかけは、「イーロン・マスクが若い人は全員学ぶべきと絶賛した50個の認知バイアス一覧」という記事を見かけたからです。 「やっぱり認知バイアスを理解しておくことって大切だよな」 と、思ったので、50個はまとめられないけれど(すみません)、せめて基本的なことを振り返っておこうと思ったわけです。(関連記事を下に貼りつけておきます) ということで、次回も認知バイアスについてまとめたいと思います。次のテーマは「認知バイアスとホメオスタシスの関係性」です。お楽しみに! つづく。 それでは読んでいただき、ありがとうございました。 【関連記事】・現代社会における50個の認知バイアス・イーロン・マスクさんがすべての人に教えるべきと言う「認知バイアス」ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪
2023/05/07
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感情には2種類しかありません。「気分のいい感情」と「気分の悪い感情」です。 この感情が尺度となっています。エイブラハムの本にある「感情のスケール」というものがありますが、この感情のスケールの各段階が「ソースエネルギー(自分らしさ)」とのつながりを許可している程度を示しています。 感情のスケールとは?「感情のスケール」とは、ソースエネルギーとのつながりを許可している状態から、そのつながりを許可していない状態までを、段階的に示す目盛りのことです。このスケールは、22段階あります。 「感情のスケール」①喜び/気づき/力があるという感覚/自由/愛/感謝②情熱③熱意/意欲/幸福④前向きな期待/信念⑤楽観的な姿勢⑥希望⑦満足⑧退屈⑨悲観的な姿勢⑩不満/苛立ち/焦り⑪打ちのめされている状態⑫失望⑬疑い⑭心配⑮非難⑯落胆⑰怒り⑱復讐心⑲嫌悪/憤り⑳嫉妬㉑不安/罪悪感/自信喪失㉒恐れ/悲しみ/うつ状態/絶望/無力感 ソースエネルギーとの「つながり」とは?感情はあなたが放つ波動の周波数を示しています。感情はソースエネルギーとの同調の程度を示し、気分がよければ、望むものとの同調を認めているということです。 「ソースエネルギーと無条件に同調しているとき」・あなたは自由である・あなたには力がある・あなたは善である・あなたは愛である・あなたには価値がある・あなたには目的がある・すべてはうまくいく あなたの本質の理解につながることを考えているとき、あなたは本当のあなたと全面的に同調しています。この思考がもたらす感覚が、「つながった」という究極の感情です。 思考により感情のスケールを上る感情のスケールを少しずつ上がっていくためには、まず、「最高に気分のいい思考を見つける。さらなる解放感を求める」と宣言することです。 ・憤りを感じると、うつ状態、悲しさ、絶望、恐れ、罪悪感、無力感から解放される。・復讐心が湧くと、憤りから解放される。・怒りが湧くと、復讐心から解放される。・他人のせいにすると、怒りから解放される。・打ちのめされているとき、他人のせいにする気持ちから解放される。・苛立ちが湧くと、打ちのめされている状態から解放される。・悲観的になると、苛立ちから解放される。・希望が湧くと、悲観的な見方から解放される。・楽観的になると、希望にすがっている状態から解放される。・前向きな期待が湧くと、楽観的になるしかない状態から解放される。・喜びを覚えると、前向きに期待するしかない状態から解放される。 人生が思いどおりにならないように見えるのは、たいていの場合、どこに向かっているかがわかっていないからです。あなたが「どう感じるか」は、自分の経験に何を引き寄せているかを示す唯一の尺度になります。 少しずつでも「前向きになる」「楽観的になる」「価値があると思う」ということに意識を向けていくことが、感情のスケールを上がっていくことに繋がります。そのために、まず自分自身に宣言することが大切です。 いかがでしょうか? 今回は、エイブラハムの本に書いてあった「感情のスケール」を振り返ってみました。 「喜び」や「愛」などを感じているとき、あなたが望む結果や状態に向かっています。反対に、「不安」や「怖れ」などを感じているとき、あなたの望みから逸れていることを示しています。 これが、「自分の感情がガイドになる」ということです。「気分のいい感情」に修正していきながら、より良い人生にシフトしていきましょう。 それでは読んでいただき、ありがとうございました。 【関連記事】・「感情のスケール」とはソースエネルギーとのつながりの状態を22段階で示す目盛り【感情のスケール 前編】 ~エイブラハムまとめ⑫~(2022年2月28日記事)・最高に気分のいい思考を見つけることで感情のスケールを上る【感情のスケール 後編】 ~エイブラハムまとめ⑬~(2022年3月1日記事) 【参考文献】新訳 願えば、かなうエイブラハムの教え 引き寄せパワーを高める22の実践 [ エスター・ヒックス ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2023/5/4時点)楽天で購入新訳 引き寄せの法則 エイブラハムとの対話 [ エスター・ヒックス、ジェリー・ヒックス ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2023/5/4時点)楽天で購入ブログ村の「本ブログ」のランキングに参加中です!いつも応援クリック、ありがとうございます♪
2023/05/06
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季節の変わり目だと、体が重たいと感じている人もいるのではないでしょうか。私も、疲れがたまるな、と感じている今日この頃です。さて、今回は「五月病」についてまとめてみました。 五月病とは?五月病とは、新しい環境や繁忙な期間でストレスを感じやすく、心身の不調を訴える人が多くなる現象のことを指します。通常は4月末から5月初めにかけて発生することが多く、主に就職や転職、学校の進級や入学、新しいプロジェクトの始動など、新しいスタートや変化がある時に見られます。 では、五月病になる原因は? 原因は、新しい環境に適応することや新しい仕事や学校生活に慣れることなど、多岐にわたります。ストレスが蓄積することで、身体的な症状として頭痛、めまい、吐き気、倦怠感、食欲不振などが現れる場合もあります。心理的な症状としては、集中力の低下、やる気の減退、イライラ、不安、憂鬱感などが見られます。 五月病の対策とは?五月病にならないためには、新しい環境に適応するための自己研鑽や周囲とのコミュニケーションの充実、十分な休息やストレス解消法の確保、バランスの取れた食生活や運動などが必要です。また職場では、上司や先輩、同僚や友人に相談することも有効な対策の1つです。 ここでは、効果的なストレス解消法を3つ見てみましょう。 ①リラックス法日常の心身の緊張をほぐしたり、ストレスを解消するために、リラックス法を取り入れてみましょう。深呼吸、瞑想、ヨガ、プログレッシブ・マッスル・リラクゼーション(筋肉の緊張を緩める方法)など、自分に合った方法を試してみてください。 ②適度な運動適度な運動はストレス解消に効果的です。散歩、ランニング、サイクリングなどの有酸素運動や、ヨガやピラティスなどのストレッチや筋力トレーニングもおすすめです。運動によって体が活性化され、ストレスホルモンの分泌が抑制され、心身のリフレッシュにつながります。 ③時間管理と休息ストレスを軽減するためには、休息をバランスよく取ることが重要です。予定を適切に管理し、無理のないスケジュールにしましょう。また、十分な睡眠時間の確保や、リラックスできる時間を作ることで、体と心の回復を促しましょう。 ストレス解消には、適度な運動がおすすめだと、私も思います。自然が多い総合公園やスポーツ公園などに行き、そこを歩いたり、軽く走ったりするだけでもいい運動になると思います。さらに太陽の光を浴びれば、気分も良くなっていくのではないでしょうか。 五月病は、多くの人が経験するものなのだそうです。ですから、専門家の助言やサポートを受けることも有益になると思います。十分な休息と、ストレス解消をしていき、五月を乗り越えていきましょう。 それでは読んでいただき、ありがとうございました。【関連記事】・「人の目が気になる」の対処法(2022年11月27日記事)・人間関係の中で生まれるイライラとは? ~「怒り」について深掘り⑥~(2022年5月29日記事)
2023/05/05
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