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2016年06月07日
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 2016年5月28日、三菱自動車は、開発体制と不釣り合いな車種数が燃費データ不正問題を引き起こした要因の一つになったとして車種を削減する方向で調整に入った。

 「過去10年間に販売された30車種のうち、不正は27車種、200万台強に上るとみられている。
 さらなる販売や生産の停止に追い込まれる可能性も高く、顧客への補償やエコカー減税の返還など、対策費は数千億円規模に膨らむ恐れがある」
 (大手自動車メーカー役員)

 という三菱自動車工業(三菱自動車)の燃費不正についての報道もあった。




 無理を強いられたからといって嘘をついていいということにはならない。

 かつてリコール隠しを行った三菱自動車で、研究開発費が少ないから燃費不正を働いたということではなさそうだ。




 新車開発に関する社内圧力の強さを想像させる。


 また、組織を守る、先輩を大切にする社風が過去からの悪弊を正さない風土となったことも十分考えられる。

 過去からの間違ったやり方を正すと、当時の人(先輩)を「悪人」にすることになるからだ。




 ところで三菱自動車の研究開発費は多いのか、少ないのか。

 金額の絶対値をみて少なくないという見解や、売上げ比率で少なくないという見解がある。




三菱自の研究開発費は少なかったのか?
益子会長と相川社長は辞任へ
 2016年4月27日 AUTO WORLD NEWS

…(略)…

 三菱自、スバル、マツダ、スズキの研究開発費は

 では、実際に三菱自動車の開発費は他の自動車メーカーと比べて極端に少ないのだろうか。
 有価証券報告書によると、13年3月期は599億円、14年3月期は675億円、15年3月期は746億円で、売上金額に占める割合は3.3%、3.2%、3.4%となっており、16年3月期は820億円の見込みだった。
 この金額自体は、国内企業の中でもトップ40~50には入る額で、極端に少ないわけではなさそうだ。




 一方、近年自動車メーカー各社は自動運転や電気自動車など次世代技術の開発やその実用化にしのぎを削り、研究開発費は年々増加傾向にある。
 2016年3月期の大手自動車メーカー7社の研究開発費は前年と比べ6.17%増加し、合計で2兆7240億円と過去最高額となる見込みだ。


 三菱自動車と売上げが近い富士重工業(スバル、金額は自動車事業以外も含む)の場合、13年は491億円、14年は601億円、15年は835億円で売上げに占める割合は2.5%、2.5%、2.9%と、三菱自動車よりも低い割合だ。
 ただ、16年1000億円を超える見込みで、近年は金額が大きく増えている。
 同じく売上げが近いマツダの場合、13年が899億円、14年が994億円、15年が1084億円で、売上げに占める割合は4.0%、3.7%、3.8%と、金額、売上げに占める割合ともに上回っている。
 売上げが三菱自動車の約1.5倍ほどあるスズキの場合は、13年が1193億円、14年が1271億円、15年が1259億円で、売上げに占める割合は4.6%、4.3%、4.4%と、4%以上を研究開発費にあてている。




 世界の自動車メーカーを見てみると、研究開発費が売上げに占める割合は、フォルクスワーゲン、BMW、ホンダ、フォードなどが5~6%、日産が4.5%程度となっており、起亜や現代は3%を下回る。
 売上げが多いトヨタの場合、割合は高くないが、金額は1兆円を超え、日産やホンダも5000億円だ。

 …(略)…





 金額の絶対値や売上比対比で「研究開発費は少なくは無い」とデータで語られたなら三菱自動車の研究開発陣はたまらない。





 クルマのうんテク
やり切れない三菱自動車の燃費偽装
事業構造の抜本的な再構築が不可避
 鶴原 吉郎
 2016年4月22日 日経ビジネスオンライン

 …(略)…

 見劣りする研究開発費

 …(略)…

 スズキの世界生産台数が約300万台と、三菱の2.5倍以上あるのだから、研究開発費で上回るのはある意味当然といえる。
 そこで、この中で軽自動車メーカー4社だけを取り出し、さらにこの研究開発費のうち軽自動車に振り向けられるのはどの程度なのかを考えてみる。
 そこで、非常に粗い計算になるが、それぞれのメーカーの世界生産台数に占める軽自動車の比率が、そのまま研究開発費に充てられる比率だと考えてみると、それぞれのメーカーの軽自動車にかけられる研究開発費用は下のようになる(ホンダの場合は4輪事業の売上比率をまず考え、その中で、さらに軽自動車の生産台数比率を勘案して算出した)。




 すると、非常に大雑把にいって、ホンダの約400億円、スズキとダイハツの約300億円に対して、三菱自動車は180億円となった。
 しかも実際には、この比率以上に三菱の研究開発費用は見劣りすると考えられる。
 なぜなら、スズキやダイハツの数字は、世界生産台数から、純粋に国内で生産する軽自動車の比率だけを出して、上の数字を算出したが、実際にはスズキもダイハツも、海外で生産している車種の多くが軽自動車の技術をベースとしており、世界生産台数に占める実質的な軽自動車の比率は、もっと高いと考えられるからだ。

 …(略)…





 海外生産分でも軽の技術を応用しているスズキやダイハツ、車種の大胆な絞込みを行ったマツダ、スバル(富士重工)に比べて、軽からパジェロまで、プラットフォームが異なる車種構成の三菱自動車は、車種別の研究開発費が少ないとみられる。



 環境性能の向上が問われる時代となり、研究開発費の増大により各社で車種の絞込み、共通化がすすめられた。

 生産・販売台数に見合った大胆な車種の絞り込みも行わず、不正を是正せずに研究開発を続けたことが今回の事件の原因のひとつだとすると、単体での存続が前提なら、三菱自動車の構造改革は「三菱」でなくなるぐらいの厳しい、規模の大きいものでなければならない。

 規模は異なるが、ゴーン時代前後の日産自動車のような改革を想像すべき。




 かつて三菱自動車はフルラインナップが好きだった。

 パジェロブームのときは「フルラインナップ4駆」で、他社に先駆けたガソリン直噴エンジン投入時は「フルラインナップGDI」で売り出し、ひと時のブームが過ぎると大きく躓いた。

 売上、販売台数に対して多くの車種を抱えたまま、起死回生の画期的な技術実用化にかけた三菱自動車は、当たりくじを引くことができなかった。




 教えて!goo

直噴エンジン(GDI)はどうなったのですか?
 2006年3月18日



直噴エンジンとは?
 メリットもデメリットも教えます!
 2015年12月22日 GOIN





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最終更新日  2016年06月07日 22時26分52秒
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