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さて今日の日記は「ぶどう膜炎の治療のポイント」の続編です。 ぶどう膜炎では、強いステロイド治療よりも「ほどほどの治療」が大切というのが前回のお話でした。そして同時に大切なのは、 きめ細かく診察をし、適切な散瞳薬(さんどうやく:瞳を広げる作用のある目薬)使用で、虹彩(こうさい:茶目のこと)とその後ろの水晶体が癒着してくっついてしまう事を防ぐことであると強調されていました。 またぶどう膜炎が長引いて眼圧(目の血圧)が上がると、2次的な続発緑内障という状態になることがあるのですが、 その場合、隅角(ぐうかく:目の中の水の出口のこと)をしっかり見て、それぞれの状態に合わせた治療が必要であることが説明されました。 またやむを得ず眼圧を下げる手術が必要になった場合にはトラベクトロミー(繊維柱帯切開術:せんいちゅうたいという目の中を流れている水の排水溝の切開術)、トラベクレクトミー(繊維柱帯切除術:同じ場所を切開するのではなく一部切り取る手術。眼圧を下げる効果は高いが同時に合併症も多い。)という手術があるのですが、この中のトラベクロトミーに関して、 北海道大学の陳(ちん)先生が開発した、「360°suture-トラベクロトミー」という眼球全体に渡って切開する手術の効果が凄いと言う話も印象に残りました。 この陳先生というのは、我々眼科専門医にとっては「グルメ」で有名で、その土地の美味しいお店を詳細に教えてくれるグルメガイドを様々な学会で発行していることで知られていたのですが、実は北海道大学に常勤医として勤務されている凄腕眼科医ということでした。私は全国のグルメスポットを年中飛び回って探している謎のフリーターの眼科医かと思っていたので、申し訳なかったです。
2013.10.25
さて次は同じく「ぶどう膜炎」のセッションから、印象に残った話をまとめておきます。 ぶどう膜炎の治療では基本的にどうしても「ステロイド点眼薬」を使わざるを得ないのですが、その際に抗菌点眼剤を一緒に処方されることが臨床の現場ではままあります。 今回講演されたのは日本のぶどう膜炎治療の第一人者の先生だったのですが、 そのありがちなぶどう膜炎に対しての抗菌点眼薬治療について、明白に「無効・無用である」と断言されていたのが印象的でした。 「ステロイド点眼薬により免疫が抑制されて感染を起こしやすくなるので、予防的に抗菌剤を点眼する。」という意見に対しては、「まず感染症は起こさない。私は毎週100人以上のぶどう膜炎患者様を診ているが、抗菌剤点眼が必要な方など一人もいない。」と断言されていました。 また、「ぶどう膜炎の中の細菌性眼内炎という眼の奥にまで最近による感染が起こっているタイプかもしれないので、抗菌点眼薬を使う。」という意見に対しては、「そもそも抗菌点眼薬はそこまで届かない。効かない。」と一刀両断にされていました。 点眼薬に限らずお薬と言うのは、 「少なければ少ないほど良い。」 訳ですし、 「出来の悪い医者ほど薬が多い。」 のは明白な事実ですから、私もこの言葉を肝に銘じて、無駄で余分な抗菌剤点眼を処方しないことをこれからも常に意識していこうと思いました。 次に印象に残ったのは、 「ぶどう膜炎治療では、ほどほどが大切。」 というお話でした。これはぶどう膜炎の専門家の先生方からは良く聞く意見なのですが、病気を徹底的に強いステロイドで叩くよりも、ある程度の炎症の持続は大目に見てそれよりも「最小限のステロイド点眼薬治療に留める」ことの方が、トータルで見て患者様のメリットが大きいということなんですね。私も毎日の診療でいつも心掛けています。
2013.10.20
さて続いては、「ぶどう膜炎」のセッションで印象に残った話題です。 ぶどう膜炎という言葉に聞き覚えが無い方も多いでしょうから最初に説明しておきます。これは、「目の中に炎症を起こす病気」の総称で、皆様にはあまり馴染みがない名前でしょうが、実はその患者様の総数は膨大です。 そしてこのぶどう膜炎の診断と治療は良く「推理小説と同じ」と例えられます。なぜかというと、ひとくくりにぶどう膜炎といっても実はその中には、 200近い別の病気があり、その中でメジャーなものだけでも50くらいはあるからです。つまり、ぶどう膜炎の原因は多岐にわたり、当然治療法もそれぞれに異なるわけです。しかも、これだけ医学が進んだ現在でも確定診断に至るぶどう膜炎はせいぜい全体の50%に過ぎず、未だにこのぶどう膜炎は 眼科界の巨大なミステリー であり続けているのです。 このように神秘的で深遠なぶどう膜炎の世界ですが、「良くあるぶどう膜炎」というのは決まってもいます。 そしてぶどう膜炎の診断には、 角膜後面沈着物(KP)というものの性状をじーっと良く見ることが役立ちます。 現在ぶどう膜炎の原因疾患1位のサルコイドーシスでは、 このように大きめで豚の脂のような、大小不同のKPが特徴ですし、 原因疾患5位のヘルペス性虹彩炎では、 同じ「豚脂様」でも、それが整然と配列しているのが特徴です。 講師の先生がこの2つの違いを、 ヘルペス性虹彩炎は少しスカスカしている。例えるならば「少ししょうゆの入った東京のとんこつラーメン」である。 一方のサルコイドーシスはギトギトに脂ぎっている。例えるならば「本場九州のとんこつラーメン」である。 と表現されていたのが、抜群に分かりやすく、かつ面白くて深く印象に残りました。
2013.10.14
さて次に勉強になったのは、白内障のセッションでの「レーシック術後の眼内レンズ選択の難しさ」のお話でした。 レーシックでは角膜(黒目)の真ん中を削るので、術後には中心がフラット(平ら)で周辺部がスティープ(傾斜が急)な特殊なOblate(オブラート)形になります。 白内障の手術では、濁った水晶体を取り除いて代わりに人工の眼内レンズを挿入します。この時、通常ではSRK/T式という数式を使って眼に入れるレンズをそれぞれの患者様に合わせて計算します。実際に当院でもほぼ100%このSRK/T式を使っています。 ところがレーシックを受けられている患者様にこのSRK/T式を使うとうまく行かず、検査データが遠視の方に著明にずれてしまう(具体的には+3.0Dくらい)のです。 そのためレーシック術後の場合は、OKULIX(光線追跡法を用いた新しい眼内レンズ度数計算ソフトを使用する方法。)などの別の数式を使う必要があります。そうしないと「度数ズレ」を来たしやすいんですね。 それ以外でもレーシックには、角膜の知覚神経を切ってしまうために術後にドライアイが必発する、通常の眼圧計で測定すると眼圧が平均4くらい低く出るので緑内障を見逃されたり過小評価されたりする可能性がある、などの問題点があります。 なので、レーシック術後の患者様は眼科を受診する際には必ずそのことを問診時にお伝え下さいね。
2013.10.09
さて次は、この怖い怖い病気、アカントアメーバ角膜炎の治療の実際です。 治療には「ブロレン+PHMBあるいはクロルヘキシジン+抗真菌薬」を組み合わせて使います。特殊なお薬を、しかも複数使わなくては退治できないところに、このアカントアメーバ角膜炎治療の難しさが端的に現れていますね。 このうち、ブロレンはイギリスでは市販薬として売られていますが日本では普通には入手できません。ただ「熱帯病の治療薬」として厚生労働省のホームページで手に入れることが出来るとの事でした。私は全く知らず非常に勉強になりました。 次にクロルヘキシジンですが、これは国内で簡単に手に入ります。なぜなら、 実は「ただの消毒薬」 だからです。でもアカントアメーバ角膜炎になってしまうと、超しみる消毒薬を目に1時間ごとに点さなくてはならなくなると言うことです。コンタクトレンズを適正に使用さえしていればこんな恐ろしい目にあうことはまずない訳ですから、良い子の皆様は少なくとも「ネットで買ったカラコンを1週間入れっぱなしにする」などの無茶は絶対に避けてくださいね。 以上をまとめると、アカントアメーバの治療は上記のようになります。酸素透過度の低い粗悪なカラコンをネットやドン○ホーテで買って、それを手入れもせず滅茶苦茶な使い方をする方が若い女性を中心に爆発的に増えていますし、それに比例してこのアカントアメーバ角膜炎もこれから更に激増すると思います。その意味でもこのセッションは本当に勉強になりました。
2013.10.06
さて今日は「眼科臨床実践講座2013参戦記の」続きです。 いよいよ初日の勉強会が始まりました。 最初のセッションは角結膜感染症をオーバービューするものでしたが、この中で特に勉強になったのは「アメーバ・真菌感染」のお話でした。今日は自分用のメモ書きとして印象深かったところをピックアップしておきます。以下、眼科専門医向けのやや特殊な内容となることを御了承下さい。 最近「粗悪なカラコン」の大流行により激増しているコンタクトレンズ関連の角膜炎ですが、その原因として約3分の1がアカントアメーバによるものとのことでした。これはアメーバの一種であるアカントアメーバが角膜に感染して起こる病気で、角膜の感染症のなかでは極めて重篤なものです。以前は稀な病気と言われていましたが、女子中高生の「3種の神器」が「カラコン、つけま(付けまつ毛)、スマホ」と言われる現在、恐ろしいことに増えているんですね。 このアカントアメーバ角膜炎の恐ろしさは、まずは診断が非常に難しくて治療が後手に回りやすいこと、次に診断がついても通常の抗生物質の目薬が効かないのでなかなか退治することが出来ずその間に重症化しやすいことです。 今回の勉強会ではそんな恐ろしいアカントアメーバについて、最新の診断と治療法について学ぶことが出来ました。具体的に見て行きましょう。 まずアカントアメーバを疑うきっかけとしては、 治療しても良くならないコンタクトレンズ関連の角膜炎が怪しいということでした。ただ、普通の外来顕微鏡で見ただけでは診断は難しく、アメーバの検出には蛍光試薬と蛍光顕微鏡が必要になります。そしてこれらのアイテムは実は、 ネットで安くで買えることが紹介され、勉強になりました。そしてこれを実際に使うと、 一発で判定できるとの事でした。(続く)
2013.10.03
当院で現在絶賛稼働中の、白内障手術マシンのインフィニティ。 日本アルコン社製のこのマシンは完成度が抜群で、モデル末期の今でもベストセラーを続けています。 私はこの信頼できる相棒のインフィニティーと共に楽しく御機嫌で毎週白内障手術を続けているのですが、機械である以上故障したり調子が悪くなったりすることもやはりあります。ただそういった時でも大切な患者様の目をお預かりしての手術にトラブルがあってはなりません。 そこで当院では、今回全く同じマシンをバックアップ用としてもう一台購入しました。これでもしも1台にトラブルが出ても2台目が控えているので安心です。具体的には2週間程度で入れ替えて順番に使用して行こうと思っています。 これからも当院では適切な設備投資を欠かさず、常に全国レベルの安全で快適な眼科医療を提供し続けていけるように、スタッフ一同研鑽を続けて行こうと思っています。
2013.09.30
さて昼食後はいよいよ勉強会の会場へ出発です。 会場のJPタワーは東京駅直結の最高のロケーションです。ただ、最近出来たビルなので私は初めて来ました。 中に入ると、 凄く開放的な空間の中にたくさんのショップが軒を連ねています。 さて、ようやく会場に到着しました。 いよいよ楽しいお勉強の始まりです。
2013.09.27
さてハリーポッター展を見終わると、 「魔法使いのカフェ&パブ」のお誘いの看板があります。ちょうどお腹も空いていたのでふらふらと矢印の方向へ進むと、 導かれるようにお店に到着します。 楽しげなメニューが並び、お店も大変賑わっているのですが、肝心の私の 「食いしん坊スカウター」 が反応しません。本能が「ここは何かちょっと違うよ。」と囁くのです。具体的に言うと、食べている人たちの表情が全体的に今一歩冴えないのです。それで仕方なく私は六本木ヒルズを散策しなおします。 2階に来ると小粋なカフェを発見し、「ここだ!」と直感します。見つけたのは、「ANTICO CAFFE」というところでした。 ヘルシーで美味しそうなパンが並んでいます。この中から私は、 「スピナッチ」という、ほうれん草と4種類のキノコ、カリカリベーコンを自家製マヨネーズで合わせたパニーニと、ラズベリーやブルーベリーたっぷりのソーダ水を選びました。 この断面図を見ると、ほうれん草の豊富さが良く分かりますね。 ほうれん草には、目の黄班部という眼の奥の最も大切な場所を保護するのに役立つ「ルテイン」という成分が豊富ですし、またラズベリーやブルーベリーには「アントシアニン」という暗いところで物を見やすくする成分が入っているので、眼科専門医としては「目に良くて実に安心できる」お昼御飯になりました。(笑)
2013.09.23
さて六本木に到着しました。その目的は、 世界各地を巡業中で、この時たまたま日本にやって来ていた「ハリーポッター展」を見ることでした。この展示会では映画で実際に使われたセットや小道具がたくさん展示されていて見たり遊んだりすることが出来るのです。 私はこの展示会を楽しむために、忙しい外来や手術の間に頑張ってハリーポッターシリーズを見てきました。ただ映画は全部で8部作なのですが、どうしても仕事が忙しく5作目までしか見ることが出来ませんでした。 展示会はとても楽しかったのですが、途中で「死んだ○○○が、、、、」などと、残りの3作を見ていない私には「思いっきりネタばれ」になってしまう内容もありました。(笑)。それだけが残念だったです。 会場の出口にはたくさんのハリーポッターグッズが売っていて、それもなかなか魅力的でした。 ただ、百味ビーンズが500円 忍びの地図が5000円 など全体にかなり高額で、「うーむ、ファンタジーの世界を体験するにはずいぶんとお金が要るんだなー。」と妙に納得もしました。 グッズの中では、ふくろうがかなり可愛かったです。 また来年2014年には大阪のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に、 ハリーポッターのテーマパークが総工費450億円で出来るとの事でそれもまた楽しみです。ちなみに次世代型の最新のライド系のアトラクションなども複数予定されているようです。USJはディズニーに較べて「お金の使い方」が上手なので、450億円あればかなりのものを作ってくると思います。オープンしたら是非行って見たいですし、それまでには8部作の映画も最後まで見ようと考えています。(続く)
2013.09.18
さて次の日は勉強会の開始までに少し時間があったので、 六本木を目指します。 東京は私にとっては「街全体が巨大迷路」のようなものなので、 どんなに迷っても、電車に乗り間違えても大丈夫なように、 東京メトロ・都営地下鉄の1日乗車券を買って元気に出発です。
2013.09.16
さてフォーサム2013大阪に続いては、8月3日(土)~4日(日)にかけて東京で開催された「眼科臨床実践講座2013」という勉強会に参加してきました。これは今年から始まったものですが、プログラムの内容が良く非常に楽しみにしていました。 8月2日(金)は外来を早期終了させて頂き松山空港に駆けつけます。乗った東京羽田行きの最終便は、運行が再開されたばかりの問題児ボーイング787でしたが、幸い無事に東京に到着しました。まあ、そうでなければ今こうして日記を書いていることも無いわけですが。(笑) 空港からはバスでホテルのある渋谷へ向かいます。 可愛いリラックマのバスでした。 渋谷駅に着いたのはもう深夜と言っても良い時間帯でしたが、スクランブル交差点は相変わらず凄い人です。 「私の住んでる愛媛県八幡浜市は今くらいの時間だと商店街には既に人っ子一人いなんだけどな。やっぱり日本の首都は凄いなあ。」と感心しながら、旅の始まりです。(続く)
2013.09.11
さて楽しかったフォーサム2013大阪も終了し、私は大阪伊丹空港に着きました。「出来る医者ほど学会好き。」という法則通り(?)、様々な学会に行くために全国各地の空港を訪れている私は、しばらく前にこの大阪伊丹空港の、 「ある秘密」 を発見していました。今日はそれを読者の皆様だけにお教えしましょう。 私は飛行機に乗るときには現在ANAをメインで利用しています。空港に着くと誰でもそうだと思いますが、スーツケース等の荷物を預けますよね。ところが伊丹空港くらいのメジャーな空港になると、大体においてこの預け場は非常に混雑しています。こんな具合ですね。 ところがこの預け場、実は混みこみの1階だけでなく2階にもあるのです。そして2階の方は「ほぼいつもガラガラ」なのです!。 ↑ このようにその混み具合の差は歴然としています。では何故、2階はこれほどまでに空いているのでしょうか? その理由は、2階は「ANAの上級会員やプレミアムクラスなどの高額席の上客優先」の検査場だからです。でも実は、エコノミークラスに乗る一般の乗客も検査を受けることが出来ます。 もちろんステータスの高いお客さんが後ろから来た場合には順番は後回しにされるのですが、元々ガラガラのためそれを差し引いても1階で並ぶよりは圧倒的に早く荷物を預けることが出来るのです。皆様も大阪伊丹空港を利用する時には、是非この裏技を試してみてください。 さて全10回に渡ってお送りしてきた「フォーサム2013大阪参戦記」ですが、これでおしまいです。皆様、長い間お付き合い戴き有難う御座いました。 フォーサム2013大阪参戦記 終わり
2013.09.07
さてたこ焼きで小腹を満たした後は、クリニックのスタッフのみんなへのおみやげを探す旅に出ます。女性だけの職場なのでみんなおみやげへの欲求は厳しいです。「新しくて珍しいものを。でも同時に美味しくないとイヤ。」というのが毎回のスタッフからの要望で、私はそれを満たすために毎回奮戦しています。たまに失敗して不評を買うこともありますが、大体はうまく行きます。 なぜかというと、私には通りを歩きお店をじっと眺めるだけで、かなりの確率で良いお店を見抜くことが出来る、 「食いしん坊スカウター」 という天賦の才能が備わっているからです。人は誰でも何らかの才能を持って生まれてくると言われていますが、私の場合にはそれは「良いお店を直感で瞬時に見抜く。」という特殊なものだったのです。 さてそんな私が大阪三越伊勢丹のデパ地下をブラブラと歩いていると、ピピッと食いしん坊スカウターが反応するお店を偶然見つけました。 これは何て読むんだろう。 「ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ」という北ドイツの中心都市ハノーファで100年の伝統があるというお店です。バウムクーヘンが有名なようですね。日本には東京と大阪に1つずつの2つしかお店がないと言う事でそれもまた心惹かれます。ディスプレイを見ると、 これはかなり美味しそうです。 と言うことで早速買いました。 でも実はその前にグランフロント大阪の、 「キルフェボン」というスイーツのお店でもおみやげとして既にクッキーを買ったりして、 荷物がパンパンだったので、 バウムクーヘンはスーツケースの外に結わえ、ぶら下げて帰りました。 肝心のスタッフの皆の反応は、 「凄く美味しかったけど、10人で食べたら1人にはちょっとしかなくて物足りなかった。次はもっと大きいの買ってきて♪。」 と言うことでした。 ふー、これでもスーツケースに入りきらないくらいの大きさではあったんだけどな。。。。。。。 やっぱり眼科専門医は知力・気力だけではなく体力も必要なんだな、としみじみと再確認する私でした。
2013.09.04
さてフォーサム2013大阪のプログラムも全て終了しました。知り合いの先生と大阪駅に戻ってブラブラと散歩します。地下街をのんびりと歩いていると、偶然美味しそうで活気のあるたこ焼き屋さんに通りかかります。 食いしん坊が2人、フラリと吸い込まれます。ボリューム満点の大阪セットと、 生ビールセットを注文します。 くーっ、お勉強の後の一杯は効きますね。肝心のたこ焼きは、 外はしっとり、 中はトロトロで、 実に美味しかったです。 また大阪セットの、 ネギ焼きもまさに「ネギまみれ」で、 抜群の旨さでした。この「たこ八」、偶然入ったのですが値段も安いですし美味しいですし凄く良いお店でした。「次の学会でもまた絶対来よっと。」と思いながら、大阪の夜は更けていきます。。。。(続く)
2013.08.31
さて学会最終日のランチョンセミナーは、「スムーズな関係づくりのためのコミュニケーション術」に参加しました。 ちなみにこのフォーサムは毎回そうですが、お弁当の内容が実に良いです。「力のあるエネルギッシュな学会」であることを端的に示していますね。今回のすき焼き弁当もとっても美味しかったです。 さてこのセッションでは、どのようにして患者様と「安心と信頼の関係を築くか」についての示唆に富んだ話を聞くことが出来ました。具体的には、患者様の話を「いかに聴くか」が大切であることが強調されていました。以下にそのポイント列挙しておきます。 まず最初に医療者に多い以下のような言葉遣いは厳禁であることが説明されました。「前回説明したはず」、「先ほど申し上げたとおり」、また「ご家族に、、、のような方はいないですよね?」、「、、、、、していないですよね?」、「いえ、そういうことではなくて」、「おっしゃることはわかりますが(「が」はいらない。この表現は患者様ではなく「自分」が先行してしまっている)」などの否定的な表現を極力避けるべきであることが強調されていました。その上で、 1.「はい」、「そうですね」など、あいづち・うなづきを交えて聴く。この時「はいはい」、「うん」などの言葉を使う医療者が多いが、これはダメ。 2.「事実のフィードバック」を使う。「オウム返し+相手の言葉を自分の言葉で返す」のがポイント。具体的には、「、、、ですね。」、「、、、ということですね。」、「○○さんの仰るとおり、、、、」など。 3.「感情のフィードバック」を使う。感情を受け止め、「共感」を表現する。具体的には「確かに、大変でしたね。」、「おつらいですね。」、「良かったですね。」、「分かります。」、「私も同じように感じます。」など。 この時、講師の先生から「医者はこの共感を表現するのが苦手な人が多い。その場合は{大変でしたね。}の一言だけでも良い。この言葉をトーンを変えて7色に使い分けるだけでも患者様からの信頼は全然違う。」という言葉があり、会場から「オーッ。」という感嘆のどよめきが漏れたのが印象的でした。 4.「要約フィードバック」を使う。「お話の途中ですが、私が今までの内容を理解しているかまとめさせてください。、、、、、ということですね。」 の4つがポイントで、まとめると「共感」する姿勢を前面に出し、患者様が「私のために頑張ってくれている」、「私の立場に立ってくれている」と感じられるように意識することが大切と言うことでした。 大変勉強になる、良いセミナーでした。
2013.08.28
さて今日も学会旅日記、「フォーサム大阪2013参戦記」の続きです。 7月14日(日)、この日最初に参加したのは「基礎から学べるHCL(ハードコンタクトレンズの略語)」というセッションでした。 HCLは酸素透過性が良いことから、20年程前にはコンタクトレンズ処方の主流だったのですが、長期間(20年以上)使っていると高率に眼瞼下垂(がんけんかすい:まぶたが下がってくること)を起こすことが知られるようになり、SCL(ソフトコンタクトレンズ)の材質改善で酸素透過性が良くなってHCLにほぼ追いついたこともあり、最近ではその処方数は急減しています。この「HCL性の眼瞼下垂」の原因は未だにはっきりとは確定していないのですが、HCLはSCLに較べてレンズに厚みがあり、それが上まぶたの中にあるミュラー筋という組織を慢性的に刺激することによって擦れて痛んでしまい、それでまぶたが下がってしまうというのが今現在一番有力な説です。 具体例を1つ見ておきましょう。下の患者様はまだ40歳代に入ったばかりの女性ですがHCL使用暦が25年、「最近まぶたが下がってしまい、おでこの筋肉を使って無理矢理眼を開けないと物が見えにくい。また眠くも無いのに友達から「眠いの?」と良く聞かれる。」という訴えで来院されました。 HCLの長年の使用のせいで完全にまぶたが下がってしまっており、こうなるとまぶたを吊り上げる手術をしないともう回復はしません。こういった患者様は本当にたくさんいらっしゃいます。 そのため私は現在患者様には「極力HCLを処方しない」ことを大原則としているのですが、それでも強度近視、不正乱視、円錐角膜(えんすいかくまく:黒目の真ん中が尖がっている)などのためにどうしてもHCLでしか視力を出せない患者様も一定の数でいらっしゃいます。ただ逆に言うと、現在HCLを処方せざるを得ない状況というのは同時に難しい目の状態であることが多くなっており、HCLの処方の難易度と言うのは実は以前よりも上がっているともいえます。 今回のセッションではそんなHCL処方についてしっかりと復習することが出来て大変勉強になりました。以下にそのエッセンスを自分用のメモ書きとしてまとめておきます。眼科専門医向けの内容となることを御了承下さい。 正常の角膜ではケラト値の平均値よりも2段階フラット、つまり0.05~0.1ミリ大きいベースカーブのテストレンズを選択すると良い。 強度近視の場合には頂点間距離補正や、レンズの上方偏位を予防するためにフロントカットという特別なHCLへの加工が必要である。 直乱視の場合は弱主経線値を参考にベースカーブを選択する。 ケラト値が測定できるような軽度の円錐角膜では十分に普通の球面レンズで対応できる。その場合ベースカーブは7.80ミリ前後を第一に選択する。そしてレンズ下方の浮きを気にしない。角膜上方の圧迫が無いかが最重要ポイント。またオルソケラトロジー効果で角膜形状が改善する効果もある。 瞼裂班がある患者様では、HCLへの溝加工でセンタリングを改善させたり、エッジリフトを上げて物理的な摩擦を減らすのが有用。
2013.08.24
さて今回の学会では大阪駅の目の前にある「ヒルトン大阪」というホテルに宿泊していました。 ここは宿泊料がかなり高額ではあるのですが、利便性が抜群なのととにかく朝食が美味しいのでどうしても泊まりたくなるんですね。魅惑のブレックファストの一端を皆様にも御覧戴きましょう。 凄いボリュームですね。そして大阪ですから、もちろん、 たこ焼きもあります。 そして朝食の抜群に美味しいホテルには、 必ずこのように「オムレツシェフ」がいます。私の発見した オムレツ理論 ですね。 今回はこのような豊富すぎる選択肢の中から、 ヘルシーにオムレツとたっぷりのサラダを戴いて、元気に学会場へ出発です。
2013.08.19
さてお盆休みも終わり当院も本日から通常診療を再開致しました。今日はシリーズでお送りしている学会旅日記「フォーサム2013大阪」参戦記の続きです。 7月13日(土)の学会スケジュールも終了しました。シャトルバスで大阪駅に戻ってみるとすっかりと日も暮れています。 「そういえば大阪駅の北側には何か新しいビルが出来たんだったな。」と思い出し、早速向かいます。 新ビル、「グランフロント大阪」は夜というのに凄い賑わいです。ずんずんと奥に進んでいくと、 サントリーウイスキーハウス というウイスキー好きの私にはぴったりの場所を見つけました。早速中に入って探検します。 美味しそうなウイスキー樽です。余談ですが、私はこの樽の山崎モルト原酒100%の「サントリーシングルモルトウイスキーー山崎12年」が大好物なので、一つ家に持って帰りたいくらいでした。(笑) ウイスキー好きにはたまらない、レアアイテムも満載です。更に奥に進んでいくと、、、、、 最深部には小粋なダイニングもありました。喜び勇んで駆け寄りましたが残念ながら貸切でした。「いつかはここでお酒を飲みたいな。」と思いながら、サントリーウイスキーハウスを後にしました。
2013.08.16
今年は本当に毎日暑い日が続きますね。さて当院は本日8月12日(月)から8月15日(木)までお盆休みとなります。 8月16日(金)からは再び通常診療となります。スタッフ一同しっかりとお盆休みで精気を養い、お盆明けには再び元気全開で頑張りますのでよろしくお願い致します。
2013.08.12
さて学会場には到着したもののこの日のプログラムは既にほぼ終了し、会場には濃厚な「宴の後」感が漂っています。しばらくブラブラしていると、お弁当を食べながら勉強が出来る「イブニングセミナー」が残っていることに気付き、早速そちらへ向かいます。 美味しいお弁当を戴きながら、ようやく勉強の始まりです。 サークルレンズ、いわゆる「カラコン」ですがこれは、瞳を「大きく・美しく」魅力的に見せるためにレンズの周辺部に様々な装飾が施されているものです。最近は女子中高生の「3種の神器」の一つと言われるほどで、つけま(付けまつ毛)・スマホと一緒に若い女性に爆発的に広まっています。 ところがこのサークルレンズ、「カラコン」に関しては、眼科専門医の指導を受けずに自己流で使用し、結果として重い眼障害を発症してから駆け込んでくる患者様が急増しています。 今回のセミナーでは、このサークルレンズに関する諸問題が取り上げられていました。その中で印象的だったのは、眼科専門医とカラコンを装用されている患者様との間には物凄い「意識のギャップ」があり、そのことを我々は常に念頭に置かないといけないという話でした。 カラコンというのは私達眼科専門医の立場からすると、あまり酸素を通さないので目の負担が大きい、角膜(黒目)の上皮の障害が出やすい、見え方も悪い、目の健康が損なわれやすい、と欠点のオンパレードで、とても「第一選択として自信を持ってお勧めしたい」ようなレンズではありません。むしろ、出来ることなら処方したくない、「鬼っ子」のような存在です。 ところがカラコンを装用されている患者様と言うのは、流行の洋服やアクセサリーを購入するのと同じ感覚でカラコンを使われており、貪欲なまでに「美」を追求しています。そのため我々がカラコンに関してネガティブなことを言ったりすると、「あなた、その洋服、全然似合わないわよ。」と言われたような気分になり、不快感をあらわにされることが多いのです。こういう状態になると、我々眼科専門医と患者様の間には大きな溝が出来てしまい、二度と再診されないということになってしまいます。そのため、我々眼科専門医はその「意識のズレ」を認識して「なんでも否定する」ことがないように、誠心誠意を尽くして丁寧な診察をすることが大切であることが強調されていました。 また、元々カラコン患者様というのは、ほとんどがドンキホーテなどのディスカウントストアやインターネットでレンズを気軽に購入し、友達が装用するのを見よう見まねで使い、正しい取扱は知らず、目の具合が悪くなってから眼科を受診する、そして症状が改善したら2度と受診しない、というのがゴールデンパターンです。そのため、カラコン患者様が目の前に現れた時にはレンズの取扱いや材質の問題点などについて説明させて頂ける「最初で最後の機会」であることを心に留め、治療に全力を尽くし、「まずとにかく治しましょうね。」と声を掛け、決して患者様を責めてはならないということが繰り返し述べられました。 ま、いずれにせよ、これからもカラコンによる目のトラブルは更に急増するだろうと思います。私は眼科専門医として角膜感染症の病態や治療に関して、更に勉強を加速しなければならないな、と思いながら会場を後にしました。 ちなみにこの「カラコン」問題については、以前にも深く掘り下げて日記で書いていますので、興味のある方は こちら も是非あわせて御覧下さい。
2013.08.05
さて大阪駅に到着後は、シャトルバスに乗って学会場を目指します。 ふー、ようやく学会場に到着です。到着したのは夕方18時でした。眼科専門医のポイント獲得が18時30分までで、どうしてもそれには間に合いたかったのでこれで一安心です。 ちなみにこのポイントは「5年間で100ポイント」が専門医更新の条件なのですが、私は「普通の眼科専門医の最低でも3倍は勉強する」ことを目指しており、平均的な眼科専門医が年間25ポイント獲得しているとの推定の元に、現在「年間75ポイント」を最低目標としています。また昨年2012年度は1年間で78ポイントの獲得だったので、今年はその数字を上回ることも同時に目標としています。 もちろん、ただポイントを取るだけで学会で実際に勉強しなければ何の意味もありません。私は参加した全てのプログラムで必ず会場最前列に座り、集中して学ぶようにしています。 さて会場に着くと、最初のお楽しみは学会特製のコングレスバッグです。今回は、 大阪発祥の「ミカヅキモモコ」さんのトートバッグでした。どれもカラフルでポップでカワイイので迷いましたが、 今回はこのハートだらけのバッグにしました。正直少しおっさんが入り始めた私が持って歩くのには覚悟が必要なレベルですが、眼科専門医として常に「攻めの姿勢」を貫くために、勇気を持って決断をしました。(続く)
2013.07.30
このところ仕事があまりにも忙しく日記の更新がしばらく出来ませんでした。申し訳ありません。 さて少し前のことですが、7月12日(金)~14日(日)に開催された、「フォーサム2013大阪」という学会に参加してきました。 私は7月13日(土)の午前中の外来終了後、車に飛び乗り最寄の四国松山空港に駆けつけました。 予約していた15時15分発の大阪伊丹行きの飛行機に、何とかギリギリで間に合いました。全身から滝のような汗が流れ落ちます。 おや? 今日はいつもと飛行機までのルートが違います。到着の手荷物受取場の前を通りがかります。 いつも思うのですが、「一度出られると入れません」は少し日本語として引っ掛かります。「一度出ると入れません」か「一度出られるとお入りになれません」の方がスムーズのように思います。 このようにいつもの如く下らない事を考えながら、炎天下の中、ちびちびボンバルディアで大阪に向かいます。(続く)
2013.07.27
しばらく前のことですが、「子供のめやにと充血がひどい。」との訴えで、女の赤ちゃんを連れた若いお母さんが受診されました。 目を診せて頂くと、確かにひどく充血し目やにもびっしりと付いています。ところが目を良く観察していると、まつげがチリチリでほとんどありません。 「あれ? お母さん、まつげ、どうかされましたか?」 と質問すると、 「はい、まつげを短く切っておくと、毛根の生命力が刺激されて大きくなった頃にまつげがフサフサの美人になると聞いたので、全部私が切りました。」 とのことでした。 まつげは、目の中にゴミなどの異物が入らないようにするために生えており、とても大切なものです。この赤ちゃんはまつげを切られてしまったので、それで目が剥き出しになり炎症を起こしてしまったのです。 赤ちゃんの時にまつげを切ると将来フサフサになる、かどうかは検証した論文もなく真実は分かりませんが、目の健康のためには間違いなく良くないことですし、またどうしても将来まつげフサフサになりたければ、 ↑ このような「プロスタグランジン関連薬」という系統の緑内障用の目薬をまつげの付け根に塗れば、驚くほどあっという間にフサフサに出来ます。それはこれらの薬に「増毛」の作用があるからです。(ただし、美容薬として保険診療機関で処方することは出来ません。一般に美容外科や美容皮膚科での自費での購入となります。) まつげは大切な役割があるからこそ生えているのです。ですので、皆様も安易にまつげを抜いたり切ったりしないようにして下さいね。
2013.07.06
毎年この季節は新しいタウンページが届く時期ですね。 タウンページは知名度抜群ですが、その分広告料も目が飛び出るほど高いので、毎年費用対効果を考えて様々なバリエーションを試してきました。 開業初年度は知名度向上を目指して 頑張って2分の1ページ(モノクロ)の大きな広告を載せたのですが、患者様からの反応は「白黒で見にくい。」、「くすんでいて印象に残らない。」とイマイチでした。 その後は、フルカラー広告にする代わりに、 サイズを4分の1ページや6分の1ページに抑えたものを出稿してきました。 そして今年は開業5周年を記念して、 目立つ巻頭特集のページに、 どーんとフルカラー2分の1ページの広告を出稿しました。 それ以外に「病院・歯科マップ」というページにも、 ちっこい広告も載せています。 今年はタウンページ広告を超奮発して頑張ったので、来年はその反動で逆に物凄くちびっこくなるかもしれません。(笑) 皆様も実際の広告を目にすることがあったら、是非感想を聞かせてくださいね。
2013.07.01
さて白内障手術をするときには、開瞼器(かいけんき)という目を開く器械を使うのですが、私が開業をしているエリアは、目が奥に窪んでいたり(奥目)、目が細くて物理的に開きにくい(狭瞼裂:きょうけんれつ)患者様が多いんですね。 そのため手術の時に術野に水が貯まって見えづらくて苦労すると言うことが以前からありました。それに対しては吸引開瞼器という、術野の水を吸い取る器械で対応してきたのですが、最近新型の、 この「秦/三好氏 調節式開瞼器 吸引孔付」という器械を買って使ってみたところ、べらぼうに使い勝手が良く手術の安全性が上がることが分かったので、たくさん買い増しして白内障手術全症例に導入しました。 一般的な吸引開瞼器は、水を吸い取る吸引孔が大きすぎて結膜(白目)を吸いつけてしまって水が吸えないというトラブルが割りと頻繁に起こって使いにくいものが多いのですが、この「秦/三好氏 調節式開瞼器」はちびっこい孔がたくさん開いていてその弱点が劇的に緩和されています。また開瞼器自体も元々奥目・狭瞼裂(きょうけんれつ)様のものなのでその意味でも最高です。 奥目の患者様が多いエリアで白内障手術を手掛けていらっしゃる先生方には是非お勧めしたい素晴らしいアイテムだと思います。
2013.06.23
さて銀座の街を散歩していると、閉店セール真っ只中の「銀座松坂屋」へ辿りつきました。 中に入って上の階にトコトコと上っていくと、 黄金の世界展という企画展をしていました。中に入ると、「あなたがもしも金塊だったら、いくらの価値があるのか?」が分かる、素敵な体重計が置いてありました。早速載ってみると、 なんと私には4億2千万円もの価値がありました。! 一緒にいた仲良しの先生には2億円代の価値しかなかったので、いかに私が自分を大切に肥育しているかがわかりますね。(笑) さて最後は「銀座三越」地下で、スタッフのみんなに小粋なお土産を買って 私の学会は楽しく幕を閉じました。 皆様、今回も最後まで学会旅日記にお付き合い戴き有難う御座いました。(第117回日本眼科学会参戦記 終わり)
2013.06.17
さて第117回日本眼科学会のプログラムも全て終了しました。会場の外に出ると、昨日の暴風雨が嘘のように晴れ渡っています。 仲良しの先生と銀座の街をブラブラしながらランチを食べます。 もちろんデザートも戴きます。お勉強をした後は疲れた脳みそにブドウ糖を補給してあげることも大切ですからね。(笑) さて栄養補給も済んだ所で、楽しい銀座散歩はもう少し続きます。(続く)
2013.06.13
さて普通の学会だと最終日、日曜日のプログラムと言うのはメインの演題は既に終了していて内容がスカスカなことが多いのですが、最近の日眼はプログラム改革に力を入れてくれていて日曜日の午前中にも勉強になるセッションがたくさん用意されていました。我々開業医を意識してくれているのでしょうが、本当に助かります。 日眼はメジャーな学会なので参加者が多く、また会場も巨大なのでまるで迷路のようです。 行きたい会場を探してウロウロしていると、あちこちに眼科専門書の出張本屋さんが出店しているのも楽しみの一つです。 さてこの日の午前中は緑内障のセッションに集中して参加しました。開業医になるとどうしても慢性疾患である緑内障の患者様の数が勤務医時代よりも多くなるので、緑内障に関してはとにかく常にしっかりと勉強し続けることが大切なんですね。 今日は私が勉強になった内容をメモ代わりに箇条書きにしてまとめておきます。眼科専門医向けのやや特殊な内容となっていますので御了承下さい。 大乳頭の過大評価、小乳頭の過小評価には本当に注意をする必要がある。大乳頭は通常よりも目の視神経乳頭が大きいもの、小乳頭は逆に小さいものだが、大乳頭は緑内障に見えやすく、小乳頭は異常が隠れていても分かりにくくて正常に見えやすい。 視野異常=緑内障、ではない。白内障、近視性網脈絡膜萎縮、BRVO(網膜静脈分枝閉塞症)のレーザー治療後、頭部外傷後の視神経萎縮、SSOHなど、多彩な疾患が緑内障に似た視野異常を来たすので、冷静に深く鑑別する必要がある。 緑内障の進行具合を判定するためには視野検査で基準となるベースラインの設定が必要だが、そのためには「2年で6回」の視野測定が必要である。(chauhan BC、Br J Ophthalmol 2008) 達成できていない施設が極めて多いので更なる努力が求められる。 OCTはGON構造障害の一端しか捉えていない。そして視野検査は視路全般の機能障害・可塑性を反映している。そのため、OCTと視野は相補的・補完的検査であることを肝に銘じる必要がある。 非常に勉強になるセッションでした。(続く)
2013.06.08
さて今日は久々に「第117回日本眼科学会参戦記」の続きです。 日曜日の朝は、ホテルでしっかりとバランスの良い和食を食べて、 歩いて学会場へ出発です。 山手線に沿ってとことこと10分ちょっと歩けば会場に着くのですが、ガード下にはたくさんの飲食店が立ち並んでおり、食いしん坊の私には目に楽しい光景が続きます。 あっという間に到着しました。 日眼はメジャーな学会なので、開催期間中は毎日「学会新聞」が発行されます。 これがまた勉強になるんですね。 さて学会場に入ると、まずは学会特製の「コングレスバッグ」という荷物入れを貰います。最近はこのバッグ、どの学会でもかなり洗練されたデザインになっており楽しみの一つなのです。今回は、 水色と赤色からの2択でした。 水色のバッグを貰って、ようやく私にとっての学会が始まります。とは言っても実はすでに最終日なんですけどね。(笑) それにしても今回のコングレスバッグはスタイリッシュでカッコよかったです。(続く)
2013.06.03
今の時期は学校健診の季節です。私も幼稚園から中学校までいくつかの学校の校医を務めており、時間を調整して外来の昼休みの時間にコツコツと出かけています。 健診には斜視がないかをチェックするためのペンライトや 目の角膜(黒目)、結膜(赤目)、更にその奥の水晶体に異常がないかをチェックするための、手持ちスリットという機械を持っていきます。 学校に着くと、体育館や保健室に小さな椅子と机が用意されており、ズラッと並んだ生徒さん達の目を順番に見ていきます。一番気を付けているのは斜視がないかですが、それ以外にも強いアレルギー性結膜炎やさかまつげ、めいぼなどがないかもチェックしていきます。 その際全ての子に「何か目で気になることはないですか?」と質問をします。最近は日本全体が極めて清潔になったことが影響しているのでしょうか? 以前に較べてアレルギー性結膜炎の患児が激増しています。 そのため自分から「目がかゆいです」と訴える子と言うのは割と多いのですが、特に幼稚園児や小学校低学年の場合だと、1人が目がかゆいというと、それを後ろの列で並んで聞き耳を立てていて、 そういえば私もかゆいです。 僕は○○君よりも超かゆいです。 などとみんなが次々にかゆみを訴え始めて収集が付かなくなったりすることもあります。健診には健診なりの独特な苦労があるんですね。(笑) それ以外でも、 あくびをしたら涙が出るのが気になります。 こないだ目に虫が入ってからずっと目が赤いので、もしかすると目の中で卵を産んだかもしれません。 など、目に関する難問珍問が続出することもあります。(汗) そんなこんなで、毎年この時期は楽しく眼科健診をさせて頂いています。
2013.05.26
「花粉症の時期も終わったはずなのになんだか急に目がかゆい!。 変だなあ。おかしいなあ。」と言いながら受診される患者様が、今年もゴールデンウィーク明けから増え始めました。そして最近になって更に激増しています。 おかしいことは一つもありません。実は今は「世界3大花粉症」の一つ、「カモガヤ花粉症」のピークの時期なのです。 その潜在患者様は膨大な数に上るのですが、2~3月の有名な「スギ花粉症」の時とは違って何故かテレビや新聞などのマスコミでもほとんど取り上げられないため、目が猛烈にかゆくても花粉症とは夢にも思わずにじっと我慢している方が多いのが実情です。 このカモガヤというのは別名「オーチャードグラス」と呼ばれ、明治の初期に牧草として日本(北海道)に輸入されました。そして日本の気候に合っていたため、いつの間にか全国に野生化して広がったイネ科の植物です。 今の時期に「目がかゆい、鼻がムズムズする」という症状が出る方は、繁茂度と花粉飛散量がダントツのこの「カモガヤ花粉症」の可能性が高いです。オオアワガエリ、ハルガヤなどのアレルギーの場合もありますが、いずれもカモガヤと同じイネ科の植物です。 抗アレルギーの目薬 点鼻薬 内服薬などを適切に組み合わせることで症状は速やかに軽快することがほとんどですので、思い当たる方は是非気軽にお近くの眼科専門医を受診して下さいね。
2013.05.17
さて今日は「第117回日本眼科学会参戦記」の続きです。 さて「俺のイタリアン」の店内に入ります。この日は暴風雨だったとはいえ、かなり込んでいますし厨房も凄い活気です。 カウンター席に案内されてまずは一杯。 付きだしのチーズからしてえらく美味いです。 メニュを見渡して、まずは「こだわり野菜のいろいろ調理(580円)」をチョイスします。 見た目にも鮮やかで食欲をそそります。 次に店員さん一押しの「オマール1尾まるごと! ポワレ サフランソース(1480円)」です。 海老がプリプリで分厚、く歯ごたえ抜群で凄く美味しかったです。 間にハイボールを挟んで、 次は「アンチョビとキャベツのピザ(580円)」です。 このピザ、私の顔よりも直径が大きかったです。このボリュームでこの値段は破格に安いですね。 最後は、「ワタリガニのトマトクリームスパゲッティ(780円)」です。 トマトよりもワタリガニの香りの方が強い、リッチな一品でした。 ふー、大満足です。 「これは美味しかった。絶対また来よっと。」と決意しながら、東京の夜は過ぎて行きます。(続く)
2013.05.13
当院 にしわき眼科クリニック は本日5月7日で開院5周年を迎えることができました。 開院以来、多くの患者様に御来院戴けたことに心から感謝しています。またこの5年間学会出張以外では1日も休診せずに、スタッフと力を合わせ仲良く楽しく診療を続けることが出来たことも本当に嬉しく思っています。 さて今日は5周年ですので、改めて今までのクリニックの歴史を写真と共に少し振り返ってみたいと思います。 ↑ これは開院前の2007年11月の写真です。元々この場所には八水蒲鉾(はっすいかまぼこ)というかまぼこ屋さんの工場がありました。その工場は出世して郊外に移転したのですが、その工場跡地は移転後長い間そのままの状態で、この先どうなるのか、何が出来るのかは我々八幡浜市民には全くの謎で良く飲み会の話題にも出ていました。 というのは、この場所は八幡浜市の中でもおそらくナンバーワンの一等地なんですね。私も「ここは本当にいい場所だし、大きな電気屋さんとかくるくる寿司屋さんとか、街が盛り上がる施設が出来たらいいなあ。何が出来るのか楽しみだなあ。」と思っていました。なので、ある日自分にこの地でのクリニック開業のお話を戴いた時には本当にびっくりしました。そして同時に「こんな良い場所なら自分の持っている力を極限まで存分に発揮できる。」という喜びで武者震いしました。 ↑ その後、縁あって実際にこの地で開業することになり、地鎮祭をしています。 ↑ これは2008年5月の開院時の写真です。ちなみに開院日は水曜日で午前中のみの診療だったのですが、午前7時40分に最初の患者様を診始めて、午前中の診療が終わったのは午後2時30分でした。私も新規導入した電子カルテの操作にてこずっていましたし、スタッフも実際の患者様にお会いするのが初めてで検査がうまく回りませんでした。例えば一番のルーティーン検査である目の血圧を測る「眼圧検査」でも、患者様にあご台に顔を載せて頂き位置を調整し、片手でまぶたを軽く持ち上げて、もう一方の手でジョイスティックを操作して眼圧を計測する、という一連の行動が必要なのですが、スタッフの中には「どうしても両手を同時に動かせない。片手ずつしか言うことを聞かない。それに緊張で体全体が石みたいに固くなってもうどうにもならない。(泣)」という者もおり、みんながドタバタして大騒ぎの1日でした。 ↑ 壁面緑化を目指してクリニックの側面に植えたツタもまだひよひよです。最初はこんなに赤茶けていたんですね。 ↑ これは2009年5月、開院1周年時の写真です。ツタがまだ全然伸びていないですね。 ↑ そしてこれが開院3周年となった2011年5月の写真です。かなり壁面緑化が進んできていますね。 ↑ そしてこれが開院5周年となる、2013年5月7日現在の写真です。壁面緑化がついに完成しました。! ↑ 側面から見ると、綺麗で優しい「緑のトンネル」が出来ていますね。 これからも日々成長していくツタのように、眼科専門医としての毎日の努力・勉強を欠かさず、八幡浜地域の皆様に常に安全で快適な最新の眼科医療を提供し続けていけるよう、スタッフ一同精進して行きたいと気持ちを新たにしています。
2013.05.07
今日も「第117回日本眼科学会総会」参戦記の続きです。 さて学会場を出て暴風雨の中ホテルへ向かいます。 学会場は有楽町の東京国際フォーラムですが、私が泊まったのは隣駅の新橋にある「東京第一ホテル」です。有楽町・銀座エリアというのは日本一物価が高いことで知られていますが、ホテルも非常に高いです。ところが隣の新橋は安くて美味しい飲み屋も多いですし、ホテルも安い、といいことばかりなんですね。しかも学会場からトコトコ歩いても10分ちょっとくらいと実は非常に近いのです。 さてお腹が空いたので、ホテルのコンシェルジュでどこか美味しいお店が無いかを聞きます。「最近テレビでも話題の俺のイタリアンというイタリアンレストランが評判がいいですよ。基本立ち飲み・立ち食いですが、コストパフォーマンス抜群です。普段は超満員ですが、今日はこの暴風雨ですから空いているかもしれませんよ。行って見たらどうですか?」ということで早速向かいます。 傘の吹き飛ばされそうな強風の中お店に着いてみると、 「只今 空席あり」と書いてあります。ラッキー。(続く)
2013.05.02
さて今日も「第117回日本眼科学会総会」参戦記の続きです。 展示場巡りも終わりが近づいてきました。MEテクニカのブースに別れを告げてブラブラと歩いていると、 コーワという点眼・器械メーカーのブースに辿り着きました。キューピーコーワゴールドで有名な会社ですね。 このコーワは緑内障の進行判定に用いる自動視野計という検査機械を作っています。実は私は開院時にこのコーワのAP-6000という当時の最新のマシンを買っていたのですが、しばらく前にAP-7000という新型マシンにモデルチェンジしたので、是非実際に触ってみたいと思っていました。 見た目は少しカラフルになっていますが、私の持っているAP-6000に非常に良く似ています。 そばに担当者の方がいたので、「あの、このAP-7000って、どこが6000から進化したんですか?」と聞いてみると、 「ここだけの話ですが、ぶっちゃけ、あんまり変わっていません。別に急いで買い換える必要はないですよ。」 とのことでした。なんと正直なお答え。コーワは実直なメーカーですね。次のAP-8000が出るまでのんびりと待ちます。(笑) こういう「生きた情報」が手に入るのが学会の魅力なんですね。(続く)
2013.04.27
さて機器展示場巡りを続けます。次にやってきたのは、 MEテクニカという私がいつもお世話になっている手術道具メーカーのブースです。 ↑ これは白内障手術で最も大切な手技であるCCC(水晶体の前嚢という表面の一部を切り取る工程)に用いる特殊なセッシなのですが、先端の形状やハンドルの長さなどで細かく型番が分かれています。それぞれの術者によって微妙に好みが違うんですね。 ちなみに私は、 ↑ 「FR2272S 池田式マイクロカプスロレキシス摂子 BEAK ショートハンドル」という、器具の先端が鳥のくちばしのように尖っていて操作性が抜群なものを愛用しています。 これは1本が16万円もするのですが、白内障手術というのは極論すれば「CCCが全て」という面があり、その手技の安全性・確実性が担保できるのであればお金はいくらかかっても全く構わないというのが白内障手術医としての本音です。そのため、当院ではこの高価なセッシを大量に購入し、全ての手術で実際に使用しています。 展示場の話に戻りますが、偶然にも私の普段からの担当者の方が大阪から来ており、様々な手術小物を実際に触って体験させて頂きます。 ↑ これは「吸引開瞼器(きゅういんかいけんき)」と言って、奥目(目が窪んでいて術野に水が貯まりやすい目)の方に使う、手術時に目を開ける器械です。 私の開業している地域にはこの「奥目」の方が非常に多く、私は当然既に吸引開瞼器を持っているのですが、写真の器械は目を開く部分に工夫が凝らされていて、より無理なく目を開けることが出来るので買い増しを検討しようと思いました。 ↑ これはIOLカッターと言って、手術で何らかのトラブルがあった時に、目の中でIOL(眼内レンズ)を切って、傷口をあまり広げずに摘出できるという特殊なハサミです。当院でも危機管理対策で購入済みなのですが、今日は担当者の方に使い方のコツを聞いて実際にレンズを切って練習をしました。 こういう体験が出来るのも学会の楽しみの一つなんですね。(続く)
2013.04.22
さて医療機器展示場に到着しました。 さすが、日眼はメジャーな学会なのでたくさんの機械メーカー、製薬会社がブースを出しています。私もようやく楽しい気分になってきました。 ポスター展示を眺めた後は、これから買いたい検査機械を見て回ります。これが実に愉しいんですね。 私が今一番欲しいのは、この新型の「角膜内皮測定装置」です。角膜内皮(かくまくないひ)というのは、角膜(黒目)の一番深いところに敷石状に並んでいる、透明性を維持している大切な細胞です。コンタクトレンズの不適切な使用や加齢等で減少することがあり、白内障手術前などにはその測定は欠かせません。 私のクリニックにも当然その機械はあるのですが、5年前の開院時に程度の良い中古を買ったもので細胞数の測定を手動で行わなくてはならず時間がかかります。その点最新型の機械は、 フルオートで短時間で測定でき、かつ細胞数も瞬時に機械側で計算してくれて正確で快適です。 「うーん、これ欲しい。でも広角眼底カメラのオプトス(定価1000万円以上!)もどうしても欲しいし、本当にお金がいくらあっても足りないなあ。」と悩みながら、展示場散歩は続きます。(続く)
2013.04.18
今日も「第117回日本眼科学会総会」参戦記の続きです。 さて東京へ着きました。この日は「春の嵐」で風が強くて飛行機の出発が遅延し、事前の想定よりもかなり遅れての到着となりました。 切符を買ってダッシュで浜松町行きのモノレールに乗り込みます。急いでいるのには訳がありました。 以前にも書いたとおり、眼科専門医制度の改定でこの日眼参加は「専門医の資格更新」に必須となったわけですが、具体的には「5年に1回、1日でも単位を取ればよい」というものです。そのため私はこの日の単位受付時間である夕方の16時30分までにどうしても辿りつきたかったのです。 ふー、何とか1分前で間に合いました。空港からずっと走ってきたので全身汗びっしょりですが、これで一安心です。 さてノルマの単位は取ったわけですが、肝心の学会のプログラムはもう全て終了してしまっていました。この日は外は「春の暴風雨」ということもあり会場は既に人も少なく閑散としています。「あーあ、困ったな。どうしようかな。」 キョロキョロしていると、 学術展示(ポスターの展示)・医療機器展示会場のボードが目に留まりました。ここは18時まで開いているとの事で、息を整えそちらに向かいます。(続く)
2013.04.15
さて今日も「第117回日本眼科学会参戦記」の続きです。 ラウンジの中には新聞や週刊誌がたくさん置いてありました。 そこで週刊誌を手に取ってパラパラと見ていると、 日本サッカー界の至宝、本田圭佑選手がレーシック手術に失敗してしまい、それでワールドカップ予選に欠場することになったのではないか?という気になる記事が出ていました。 この記事だけでははっきりとしたことは分かりませんが、裸眼視力をしっかり出すためにやや過矯正気味に角膜を削りすぎてしまい、それで様々な心身の不調が出ている可能性があるという内容でした。心配ですね。 レーシックは基本的には非常に安全で確実な手術ですが、しばらく前には銀座眼科での集団感染症の発症もありましたし、「レーシック難民」という言葉があるように術後にドライアイ・微細な両眼視機能異常を始めとする様々な多彩な症状に悩まれている患者様が一部にいることも事実です。 ただこの手の週刊誌での「医療バッシング記事」はやや割り引いて読まなければならない場合もあります。というのは、バッシングされるのは美容外科、歯科のインプラント手術、眼科のレーシック手術などの保険の効かない「自由診療」のことが多いのですが、これらの業種は広告宣伝費を多く使うことで知られています。 そして広告代理店はマスコミに医療バッシングの記事が出ると、バッシング先に出かけていって「あなた方のアピール力が足りないからこういう記事が出るんです。もっと広告をする必要があります。」という営業をかけるということがあるんですね。それは巡り巡って広告料の還元と言う形でマスコミを潤すことがあり、マスコミ側にはそういった動機・インセンティブが少なくとも無意識下のレベルで働いている可能性があるということです。全てマスコミの記事と言うのは多面的に深く捉える必要があるんですね。 すいません、少し話が脱線してしまいました。最初の話の続きですが、皆様もレーシック手術を検討されるときには、手術の長所ばかりでなく短所もしっかりと説明してくれる、術前に十分な問診と両眼視機能検査を含む詳細で慎重な検査をしてくれる、また術後のフォローアップ体制がしっかりとしているクリニックを選ぶようにしてくださいね。(続く)
2013.04.11
さて先週末は東京で行われた第117回日本眼科学会総会へ参加してきました。私は4月6日(土)の午前の外来受付を11時で早期終了させて頂き、外来終了後はそのまま松山空港へ車で向かいました。 乗る予定の飛行機は14時15分発のANAの東京行きです。今日は私には珍しく時間に余裕を持っての空港到着となりました。 さて松山空港では3月に改装工事があって、搭乗待合室に「ANAラウンジ」という素敵な待合室が出来ました。私はそれを一度は体験しようと思って今回は奮発してプレミアムクラスという、ラウンジに入れる高いチケットを購入していました。 早速入ってみましょう。 快適で上質な空間が広がっています。しかもなんだか良い香りもします。クンクンしていると、 なんと香りを発生する装置が壁際に設置されていました。 さてこの手のラウンジではソフトドリンク・アルコールやちょっとしたおつまみが無料で戴けるのが楽しみな訳ですが、 この「愛媛県内で栽培された柑橘の皮を使用」した、果の香という愛媛県産かんきつビール菓子が目を引きます。近寄ってみると、 かなり美味しそうです。。。。。。 そうかー、ビールに合うお菓子なのか、、、、、 おっと、何と言うことでしょう。ビール菓子の真横には何故かビールサーバーが置いてあり、私は魔法にかけられたかのように注いでしまいました。まぁ、一杯だけ。。。 ふー、確かにこれは美味しい。ビールの苦味と柑橘の爽やかな酸味が抜群にあいます。交互に楽しむとまるでオレンジピール入りのベルギービール(私はヒューガルデンが好きです)のような感覚ですね。♪ まだ学会前なのに、すっかり気分が良くなった私はラウンジで極上の一時を過ごすことになりました。(続く)
2013.04.08
さて来たる4月6日(土)のことなのですが、私の学会出張に伴い外来の受付終了時間を午前11時00分とさせて頂きます(通常は12時まで)。 出席するのは、日本眼科学会(略して日眼)です。眼科の世界では最も歴史のある学会ですね。 ところでこの日眼は我々眼科専門医全員が所属している「日本眼科学会」の総会でもあり、ある意味では出席して当然なのですが、実は学会の内容が基礎系(動物実験の結果を発表したりの研究系のもの)に偏っていることもあり、万年不人気の学会でした。 そして参加者が少ないことに業を煮やした日本眼科学会は強制力を発揮し、「眼科専門医の更新には最低5年に1回の日眼参加を義務とする」という制度変更をしたのです。 そのため、この日眼参加は我々眼科専門医にとっては今や必要不可欠なものとなりました。一部では、 「眼科専門医の参勤交代制度」 とも呼ばれています。(笑) まあ、私も考えてみると滅多にこの日眼には参加してきませんでしたし、今年は久々にどんな内容なのかをしっかりと見てこようと思っています。
2013.04.01
毎日の外来をしていて患者様から良く頂く質問というのがあります。最近多い質問に「皇潤(こうじゅん)って眼にもいいんですか?」というものがありますが、ヒアルロン酸は点眼液として直接目に点したほうが濃度的にも圧倒的に有利ですし、直接の有益な作用はあまり期待できないと思います。 ちなみにこの「皇潤」は宣伝が上手なので高齢者の方を中心に大人気なのですが、以前知り合いの整形外科の先生が、「患者さんが処方する薬よりもテレビのCMを信じて皇潤ばっかり飲んで困っている。あんなのバケツ一杯飲まないと効かないんだけどなあ。」とぼやいていました。(笑) まあ、それだけ皇潤は健康に不安を抱える方を精神的に満足させてくれる素晴らしい商品ということで、我々医師もそれに負けないくらいの説得力と安心感のある医療を提供していかなくてはならないと肝に銘じています。(汗) さてここからが本題なのですが、今日は「患者様から良く頂く質問」ベスト3を、以前書いた日記を交えて紹介して見たいと思います。 1位 ブルーベリーって目にいいんですか? この質問は本当に多いです。バリエーションとして「どのブルーベリー製剤が一番眼にいいんですか?」というものもありますが、さて、その真実は?、、、、、 2位 加齢黄班変性とサプリメント 食生活の欧米化に伴って近年日本でも激増の一途を辿っている加齢黄班変性症。この怖い病気の予防には伝統的な日本の食生活が有用であることが強く示唆されています。その最新の研究データを是非御覧下さい。 3位 コーヒーが緑内障に悪いって本当なの? 仕事中毒で生真面目な方が多い日本では、常に覚醒し努力し続けることが社会的に求められています。そこに大きな効力を発揮するのが「快感を伴わない覚醒剤」とも称されるカフェインであり、最も気軽に摂取できるコーヒーは我々日本人の生活に深く入り込んでいます。このコーヒーには多くの長所短所があり古来様々な角度から研究分析が続けられています。 そしてこのコーヒーに関しては、「緑内障に非常に悪い」という説が根強くあり、患者様の中にも「緑内障と診断されて以来、大好きだったコーヒーを1滴も飲んでいません。愛していたスターバックスコーヒーを見るたびに、泣きながら目を背けています。」という方まで現実にいらっしゃいます。果たしてコーヒーは緑内障に対してどれほど悪いのか、その真実は、、、、、、、? 私はこれからも、様々な分かりやすい切り口から目に関する話題を取り上げて行きたいと考えています。それではこれからも にしわき眼科クリニック院長日記 をよろしくお願いいたします。
2013.03.26
さて今日は「名薬、ムコスタ点眼液の悲劇」シリーズ最終回です。 この素晴らしい薬効を誇るムコスタ点眼液ですが、実は私自身も毎日寝る前に使用しています。 圧倒的に眼の調子が良くなりますし、 点眼すると目がかすんで見えなくなるのでそのまま良く眠れる という意外な作用もあります。(笑) 「苦い、しみる、かすむ」と3拍子揃った強面のハードボイルドなムコスタ点眼液 ですが、ドライアイ患者様なら一度は挑戦してみるべき素晴らしいポテンシャルを秘めたクスリでもあります。 私は眼科専門医として、この「悲劇の名薬」ムコスタ点眼液をこれからも適切に患者様に処方していきたいと考えています。
2013.03.22
さて今日も「名薬、ムコスタ点眼液の悲劇」シリーズの続きです。 ムコスタ点眼液の作用を専門的に言うと、まずは結膜(白目)の杯細胞を増加させます。そしてこの杯細胞は「分泌型ムチン」というものを出すので、結果として分泌型ムチンが増加するということになります。これによって、涙の質と量が劇的に改善されるのです。更にドライアイには炎症が深く関与しているのですが、ムコスタには炎症を抑える作用もあります。 つまり、 杯細胞の増加&抗炎症作用の2つの力 があるので、ムコスタ点眼液はドライアイに抜群に効くのです。 今日はここでムコスタ点眼液がどれほど眼の表面の炎症を取り、ツルツル綺麗にしてくれるのかの実例を1つ見ていただきましょう。 色々な原因で角膜(黒目)に糸状の付着物が付着してしまい、強い異物感や痛み、充血などを引き起こす「糸状角膜炎」という病気があります。 これはなかなか難治性の病気で目薬で治す事が難しく、治療は、 ピンセットや綿棒で糸状の付着物を取るくらいしかありませんでした。当然すぐに再発もしますし、痛みなどの自覚症状が強いために多くの患者様が苦しんできました。 さて、上の写真の患者様はこれまでも強力に炎症を抑えるステロイドを筆頭に様々な目薬を処方した上で2週間おきに糸状物を取り除く治療をしていたのですが、ある時試しにムコスタ点眼液を処方したところ、 2週間後の再診時には、長年苦しんでいた糸状角膜炎(filamentosa)が嘘のように全て消えてしまっていました。! 患者様も「今まで目がしょぼしょぼし過ぎてほとんど新聞が読めなかったのに、ある日読めそうな気がしてそれから日毎に紙面が読みやすくなりました。感動しています。」と大喜びでした。 私も大変驚きましたが、その後他の同じ病気の患者様にもムコスタ点眼液を処方してみたところ、ほとんどの方が劇的に症状が改善しました。 これがムコ点のパワー なんですね。「効く人には劇的に効く。患者様自身が症状の改善をダイレクトにはっきりと実感できる」、ムコスタ点眼液は本当に素晴らしいクスリだと感じています。(続く)
2013.03.18
さて、今日も「名薬、ムコスタ点眼液の悲劇」の続きです。 このように製造販売元の大塚製薬の高い期待とは裏腹に厳しい船出となったムコスタ点眼液ですが、発売後の実際の臨床の現場では結局、 その実力の高さに驚嘆 することとなりました。 「今まで様々なドライアイの目薬を使ってきたけど、どれも症状が改善したのか良く分からなかった。でもムコスタは1日点して次の日に起きて目を開けたら視界がパッと明るくなって全てが美しく見えた。目の色々な不快感も全く無くなった。こんなクスリがあるなんて信じられない。」とか、「ムコスタを使うまでは一日中目の調子が悪くていつもイライラしていた。点し始めたら目のことが全く気にならなくなって気持ちまで明るくなった。」、「ムコスタを使い始めてからは常に目が温かく潤っている。今までのクスリとは全然レベルが違う。なんでもっと早く処方してくれなかったのか!」などの、旧来のドライアイ治療薬ではほとんど戴く事の無かった患者様からの絶賛が相次いだからです。 どうしてムコスタ点眼液はこれほどまでに患者様から激賞されるのか?、それは何よりも有効成分「レバミピド」が優れているからです。これは大塚製薬が自社開発したもので、内服薬としてはずいぶん以前から発売されています。そして、胃潰瘍や胃粘膜病変に抜群な効果を発揮するベストセラー薬として知られてきました。 内服で良い薬は、目薬になっても良い。 これはほぼ外れたことのない、 目薬の法則 であり、「良薬口に苦し」の典型のムコスタ点眼液もやはり期待通りの優れたクスリだった、ということなのです。(続く)
2013.03.14
さて、必死の思いで発売に漕ぎ着けたムコスタ点眼液ですが、実際に出来上がってきた製品は成分が安定しにくいために一回毎の使いきりタイプのみで、液は濃く白濁し点眼すると強い苦味を感じる、という典型的な、 「良薬口に苦し」のややハードボイルドな使いにくい目薬 でした。 また、ドライアイの患者様には高齢者の方が多いのですが、この1回1回使いきりのユニットドーズの目薬は、「開封が難しい」、「小さいので点しにくい」などの大きな欠点がありました。 また、目薬が白色の濁り液なので、点眼した後にしばらく目がかすんで見えにくくなる、点した後に強い苦味が来る、というのも大きな欠点でした。 このような弱点から、発売後のムコスタ点眼液は臨床の現場では「かなり処方しにくい」、「処方した後に患者様からのクレームが出やすい」、気難しい薬となってしまいました。 製造販売元の大塚製薬では発売前のマーケティング調査で、「使いきりタイプで濁り液なので、それにより普通のフルボトルタイプの無色の点眼液だった場合に較べて売上が1割程度減る。」というデータが出ていたということなのですが、私は初めてムコ点の見本を見た瞬間に「これは実力の3分の1売れればいいところだろうな。」と直感したくらいだったので、やはり発売前のマーケティングに甘さがあったのは事実ではないか?と個人的には考えています。 そしてこの厳しい状況に輪をかけたのが、ライバルの参天製薬のジクアス点眼液の「トータルでの圧倒的な完成度の高さ」でした。 参天製薬は「クスリの成分を溶かして目薬に仕立て上げる能力」では世界一と言われており、またその眼科薬メーカーとしての長い歴史から、「使いやすくて点しやすい」目薬を作ることに長けています。 具体的には参天製薬の目薬というのは、 瓶の真ん中にくぼみ(ディンプル)があって、高齢者等指の力が弱い方でも楽に確実に点眼しやすい工夫がされています。 また目薬に含まれる防腐剤というのは、角膜(黒目)や目の周りの皮膚の荒れを引き起こすことがあるのですが、参天製薬はこの防腐剤に関する 特許 をたくさん持っており、他社よりも目に優しくて安全な目薬を作ることが出来ます。 つまりジクアスは「点眼薬としての総合力が抜群」で、しかも販売でも既に圧倒的に先行していたのです。 発売が遅れ、しかも製品としての総合的な洗練度もガクッと落ちるムコスタ点眼液、その戦いに数多くの苦難が待ち受けていることは初めから明らかだった、残酷な言い方をすれば「最初から勝負は見えていた」ともいえるんですね。(続く)
2013.03.11
さて、「日本発、世界初」の2つのドライアイ新薬、ジクアス点眼液とムコスタ点眼液が発売されて1年以上が経過しました。 この2剤にはそれぞれに従来型のドライアイ治療薬であるヒアルロン酸ナトリウム(代表は参天製薬のヒアレイン点眼液)を間違いなく超える長所があるわけですが、なかでも大塚製薬が社運を賭けて開発した「ムコスタ点眼液」の出来の良さ・薬効の高さは際立っています。 ところがクスリの出来の良さとは裏腹に売上はズタボロに低迷し、大塚製薬の担当MRの方々はプレッシャーから自社のベストセラー胃薬の「ムコスタ錠」を片時も手放せない、青息吐息の日々であるとの噂も聞いています。(笑) 今日からシリーズで、この「ムコスタ点眼液」の素晴らしさ、そしてそれなのにどうしてこんなに売れないのかについて、様々な角度から考えてみたいと思います。 ムコスタ点眼液の悲劇、その最大の理由は「発売が遅れたこと」でした。ムコスタは後でも書きますが元々は胃薬でした。ところが大塚製薬はその成分を溶かして目薬に仕立て上げるのに苦しみ抜き、実際の発売は遅れに遅れました。それは一部で、 「出る出る詐欺」 とまで言われるほどでした。 そしてムコスタ点眼液の発売が遅れる一方で、ライバルの参天製薬からは、 世界初のP2Y2受容体作動薬で、目の水分分泌・ムチン分泌を促進する、ジクアス点眼液が先行して発売されました。 このジクアス点眼液は、それまでのドライアイの標準治療薬であったヒアレイン点眼液を確実に着実に上回る薬効を持っており、この分野では待ちに待たれていた15年ぶりの大型新薬だったこともあって、あっという間にベストセラーとなりました。 また製造販売元の参天製薬は「眼科一筋」の製薬会社で、眼科分野では日本でナンバーワンの製薬会社であり、MR(医薬品の情報を医師に伝える営業マン)さんの数が多くて宣伝体勢が充実していたこともそれを後押しする形となりました。 つまりムコスタ点眼液は、発売前から強力なライバルに圧倒的に先行されるという過酷な状況にあったわけです。しかし、ムコスタ点眼液の悲劇はこれだけに留まりませんでした。(続く)
2013.03.07
さて当院では、最新型の「角膜形状・屈折力解析装置」である、日本の二デック社のOPD-ScanIII(オーピーディースキャン3)を今月新規購入しました。この機械の導入は、愛媛県内では愛媛大学医学部附属病院眼科に続いて2件目となります。 この機械が具体的にどのように役立つのかというと、角膜移植後や円錐角膜といった角膜(黒目)の病気の患者様の状態把握や今後の診療方針の決定に抜群の力を発揮します。 また最近では近視矯正のためにレーシック手術を受けられる方が激増していますが、このレーシック、施行されて数年も経つと傷跡は顕微鏡でもほとんど見えなくなります。しかも患者様の中には術後の状態が快適で違和感が全く無いために、自分が元々は近視であったことやそのために頑張って手術を受けたことなどをきれいさっぱり全てケロッと忘れてしまっている方まで実際にいらっしゃいます。(笑) 傷跡は見えない、患者様は自分で覚えていないでは、眼科専門医としては様々な意味で診断が狂う可能性があるので大変なのですが、このOPD-ScanIIIがあればもう心配はありません。レーシック術後眼を一発で判定してくれます。 また白内障のある患者様は見え方の質が色々な意味で低下しているのですが、このOPD-ScanIIIがあれば、 患者様の現在の見え方をシュミレーションで表示することも出来ます。実際に患者様に聞いてみても「うん、言われてみるとそんな見え方です。」と割と精度が高いようです。 このようにOPD-ScanIIIは、多彩な機能、簡単な撮影法、分かりやすい出力画面を兼ね備えた3拍子揃った素晴らしいマシンです。買った私が言うのもなんですが、未導入の全国の眼科開業医の先生方は是非一度実際にデモして戴ければと思います。驚くほど頼りがいがありますし、クリニックに1台あると非常に心強い機械です。 名機OPD-ScanIIIを得て、にしわき眼科クリニックはまた一歩パワーアップしました。これからも適切な設備投資を欠かさず、全国レベルの眼科医療をここ愛媛県八幡浜市で提供し続けることが出来るよう、スタッフ一同精進し続けていく所存です。
2013.03.04
さて「第6回東京眼科アカデミー」も終わりました。帰りの飛行機の時間が迫っているので急いで電車に飛び乗ります。 地下鉄で新橋駅に到着してそこから都営浅草線を目指してトコトコ歩いていると、 地面に面白い案内図を見つけます。ここは新橋駅ですが、数百メートル歩くとそこはそのまま汐留駅なのです。 東京ではこういう、「同じ駅に2つの名前が付いている」ということが良くあります。これは東京という街の複雑さ、奥の深さを端的に示しています。 医学の世界でも全く別の名前で呼ばれていた2つの病気が、時が流れその病態の秘密が解き明かされて解明が進むと実は1つの同じ病気だったということがたまにあるのですが、それと同じことだと思います。 「うーん、東京はやっぱり凄い街だなあ。」と感心しながら電車に乗ります。都会の電車は凄く混んでいますし、私は普段は田舎暮らしでそもそも電車に乗ることがほぼ皆無なので、電車の激しい揺れに対応できず隣の人に荷物ごとドシンとぶつかって迷惑をかけてしまうことが頻繁にあります。そのため都会の学会に来た時はスーツケースを柱にくくりつけて目的地まで行くようにしています。 ふー、ようやく羽田空港に到着しました。食いしん坊の私は良く崎陽軒(きようけん)のシウマイを自分用に買うのですが、そういえばクリニックのスタッフの皆が「そんな食べ物知らない」と言っていたのを思い出し、お土産として大量に買い込みます。 ただ、東京の街でも色々なものを買っていてスーツケースは既にパンパンだったので、シウマイはスーツケースの外に吊り下げる形となり地獄のように重い状態です。 「でも考えてみると、シウマイって呼び名はおかしくないかな、普通はシュウマイじゃないのかな。いや、でもキューピーじゃなくてキユーピーが、キャノンじゃなくてキヤノンが正式名称だったりするし、やっぱりシウマイが正しい呼び方なのかな?」などとスーツケースの重さを忘れるべく下らない事を考えながら、手荷物預けのカウンターに向かいます。 結果的には今回の旅では、 スタッフのみんなに充実した東京土産を買うことが出来ました。 「次の学会でも、またみんなが喜ぶような面白くて奇想天外なお土産を買わなくちゃいけないな。」と決意しながら、今年初めてとなる勉強旅行は楽しく有意義に終了したのでした。皆様、長い間学会旅日記にお付き合い戴き有難う御座いました。 第6回東京眼科アカデミー参戦記 終わり
2013.02.27
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