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1000万人以上の使用者がいると言われる、コンタクトレンズ。その購入形態は様々で、眼科専門医で処方されている方もいれば、インターネットの通販で安く購入されている方もいます。ネットで購入されている方の中には、「そういえば、もう何年も眼科にはかかってないや。」という場合が意外に多くあるのですが、コンタクトレンズというのは目に直接入れる高度医療機器であり、常にばい菌が付く感染症のリスクが伴っています。 特に日本というのは年間の寒暖さが激しく四季のある国です。季節に応じて様々な感染症が我々の大切な目を襲います。 そのため、 コンタクトレンズを使っている方は、季節の移り変わりごと、具体的には3ヶ月に1回程度は眼科専門医を受診して頂いて、目に異常が出ていないかを確認することが大切です。 かけがえの無い目の健康を守るため、是非覚えて置いてくださいね。
2011.09.20
さて、現在最も目に安全な「究極のソフトコンタクトレンズ」、ジョンソン&ジョンソン社のワンデーアキュビュートゥルーアイですが、いよいよ本日より、-0.5D~-6.0Dという良く出る度数が出荷可能となります。今までは一般的な度数でも出荷停止中のものがあり患者様に大変申し訳なく思ってきたのですが、今回の改善で状況はかなり良くなります。 復習になりますが、この「ワンデーアキュビュー・トゥルーアイ」 は、 「世界初のシリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てコンタクトレンズ」であり、競合他社は今のところまったく追随することが出来ていないことから、「世界で最も安全なソフトコンタクトレンズ」の名声を欲しいままにしています。 今回の出荷改善を機に、是非より多くの患者様にワンデーアキュビュートゥルーアイの別次元の快適さ・安全性を実感して戴きたいと眼科専門医として考えています。
2011.09.13
当院では、眼科手術補助薬のトリアムシノロンアセトニド(商品名マキュエイド硝子体内注用40mg)を採用しました。 このマキュエイドは「硝子体(しょうしたい)手術時の硝子体可視化」に用いるものです。具体的には白内障手術時に後嚢破損(こうのうはそん)という合併症が起こった場合に使用します。 後嚢破損が起こると、硝子体という目の奥の組織をうまく処理しないといけないのですが、この硝子体というのは透明から半透明のゲル状のものであるためなかなか見えにくいという問題があります。今までは経験と勘と処理する機械が硝子体を吸い込む音などを頼りに対処していたのですが、このマキュエイドを振り掛けると見えなかった硝子体が可視化されるので、より確実に安全に硝子体を処理できるようになります。 本当はこのマキュエイドが登場しないのが一番良いのですが、手術と言うのは「常に何があるか分からない」ものですし、これからも万全の備えを持って白内障手術に臨んで行きたいと考えています。
2011.09.06
私がクリニックを開業している四国・愛媛県八幡浜市にもいよいよノロノロ台風が近づいてきました。今、診察室から外の国道を眺めても凄い風が吹いているのが分かります。 こんな日は当然のことですが、患者様の来院は極端に少なくなります。眼科は命に関わる診療科ではないので、受診動向に天気の影響がとっても大きいんですね。(笑) 今日は今までの手術記録をまとめたりとのんびりと過ごしています。台風上陸は明日なので、明日の方が更に外来は空いているだろうと思います。
2011.09.02
私は名古屋出身で昔から中日ドラゴンズの大ファンなのですが、今日は心配なニュースが流れました。以下に引用します。 プロ野球の加藤良三コミッショナーは1日、中日の井端弘和内野手(36)に 「アンチ・ドーピング規則違反」があったため、けん責の処分を科したと発表した。 日本人選手の規則違反は2007年に検査が本格導入されて以来、初めて。 球団には制裁金300万円を科した。禁止物質を含む内服薬の申請を2009年に 一度はしたが、球団が申請期間失効後の反復申請を怠っていたため今回の処分となった。(引用終わり) 井端選手はその技術だけでなく人格も素晴らしい選手で、ドーピング違反などするはずはありません。ネットの情報を総合すると、井端選手は元々強度の近視でコンタクトレンズを装用して試合に出ていたのだが、イニング間に目薬を点しても試合終盤には間に合わなくなるほどの極度のドライアイでもあり、視力矯正のために2008年からレーシック手術を3回受けた。しかし視力は思ったように改善せず、逆に角膜を削りすぎてほとんど無くなってしまい、すぐに炎症を起こして視力が落ちるような状態になってしまった。そのため球団に申請の上で、炎症を強力に抑えるステロイドの目薬を使用していたが、球団が反復申請を怠っていたため、ドーピング違反になってしまった、ということのようです。 なので、今回の事件はドーピング違反などというような大げさなものではなく球団の単純ミスであり井端選手が責められる様なことではありませんが、眼科専門医としては、ネット上の情報が正しいと仮定すると井端選手がレーシック手術を受けられたことに対していくつかの疑問があります。それは、 1. レーシック手術後は、角膜の知覚神経の一部が切れてしまうためどうしてもドライアイ症状が出やすくなる。井端選手が「イニング間に目薬を点しても試合終盤には間に合わなくなるほどの極度のドライアイ」だったのだとすると、そもそもレーシックを受けられるような角膜の状態だったのかに謎がある。 2. レーシックは角膜の一部を削ることによって視力回復を目指す手術だが、削れる量には限界があるため(全体の20%程度まで)、あまりにも近視が強い場合には手術の適応が無い。井端選手は強度近視だったこと、更に普通は1回で済むはずの手術を3回も受けていることから、角膜を無理して削りすぎて角膜拡張症(エクタジア)という、レーシック治療後に角膜が突出してきてゆがみが出ることにより近視・乱視が進行してしまうやっかいな状態になってしまったのではないかとも考えられる。つまり、近視の度数・角膜の分厚さから考えて安全にレーシックを出来るような目の状態だったのかに謎がある。 ということです。皆様もレーシックを検討される場合には、是非信頼できる眼科専門医に御相談下さいね。
2011.09.01
コンタクトレンズ処方を希望される患者様からよく戴く質問の一つに、「結局、目に一番安全で良いソフトコンタクトレンズはどれなの?」というものがあります。 この質問に対する私の答えは毎回決まっています。それは「ソフトコンタクトレンズでは1日使い捨てタイプが感染症が少なくて最も安全です。その中でもシリコーンハイドロゲル素材といって酸素をたくさん通すタイプのものが一番良いのですが、現在のところジョンソン&ジョンソン社のワンデーアキュビュートゥルーアイというレンズのみがその条件を満たしています。私はこのトゥルーアイを「究極のレンズ」と考えており私自身も毎日使用しています。他のレンズに較べると高価ですが、予算が許せば自信を持ってお勧めしたいと考えています。」というものです。 この「ワンデーアキュビュー・トゥルーアイ」 は 、 「世界初のシリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てコンタクトレンズ」です。競合他社は今のところまったく追随することが出来ず、製造元のJ&J社の技術力・総合力の高さをまざまざと見せつける形になっています。1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズは他社からもそれこそ無数に発売されているのですが、その酸素透過性の差から、商品戦闘力はまさに「格が違う」状態です。具体的には、コンタクトを1日使うと夜に目の渇きを自覚することが多いと思うのですが、この渇きが非常に少ないのです。実際に使ってみるとほとんどの方にその差を実感して戴けると思います。 そのため1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズに関しては、 まず、ワンデーアキュビュートゥルーアイを考える。なんらかの理由で無理な場合に、他のレンズを検討する、ということで良いと思います。 次に、このトゥルーアイの欠点ですが、 1. 値段が高い。 2. 従来型の酸素透過度の低いハイドロゲル素材のコンタクトレンズに較べるとやや固いので、患者様によっては違和感が強くて合わないことがある。 3. 実はこれが一番の問題なのだが、我々眼科専門医の高い期待を裏切るような商品の自主回収が続き(現在までに2回)、また製造ライン改修のため、今でも度数によっては生産中止の状態が続いていて、全ての患者様に処方が出来ない。 となります。このうち3については、9月中旬には一般的な度数については供給が可能になるという未確認情報があり、私も皆様の目の健康を守る眼科専門医として、その日を首を長くして待っているところです。 以上をまとめると、 1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズに関しては、安定・安全供給さえされれば、この「ワンデーアキュビュートゥルーアイ」に勝てるコンタクトレンズは現状存在しないため、「これで決まり!」 です。 ところが、現在最も処方数が多く最激戦地の2週間交換タイプのコンタクトレンズになるとその様相は全く異なります。有力で戦闘力が高く出来の良い各社のレンズが揃っているからです。もしも皆様からのリクエストがあるようであれば、このタイプのレンズについてもいつか考えてみたいと思っています。
2011.08.30
いまや日本人の国民病とも言われる緑内障、これは見える範囲(視野)が欠けてくる病気なのですが、その治療には眼圧(目の底の血圧)を下げる目薬を主に使用します。 ところがこの緑内障の目薬というのは、大体において「しみる、さしにくい、おまけに値段が高い」の3重苦が伴っており患者様に大変不評です。更に悪いことには目薬には「緑内障を治す・良くするまでの効果は無く、ただ進行を食い止めるだけ」なのです。 そのため、最初は目薬をさしていてくれた患者様でも段々と「頑張っても治らないならつまらない。元々自分では全く自覚症状もなくて健康だと思うし、もう治療はやめたい。通院も今日で最後にして欲しい。」と言われてしまうことがたまにあります。言わないまでも心の中でそう思っている患者様はきっと多いと思います。。。。 でも、この緑内障、どうしても絶対に治療を続けて頂かなくては困る のです。以前にも書いていることなのですが、とっても大切なことなのでその理由を今日も改めて説明しましょう。 まず繰り返しになりますが、緑内障とは「眼圧(眼底血圧)がその人にとって高いことで目の神経が壊され、その結果として視野の中に見えない部分や見えにくい部分が出来てくる病気」です。 この緑内障による見え方を表す図としてパンフレットなどには、 よくこのような説明図が載っています。「こんな風に見え方が欠けていたら誰でも自分で気付くはずだろう。私は全然そんなことないし、先生は緑内障っていうけどほんとなのかな?」と疑っている緑内障の患者様がたくさんいらっしゃいます。 でも、実は、緑内障での実際の見え方はこのようなものでは全く無い のです。。。 上の図では道路に飛び出してしまったボールを拾おうとして、車の陰から子供が2人猛ダッシュしてきています。正常な方なら上記のように見えるのですが、もしも緑内障があると、、、、、、 初期でも車と子供達が消えてしまっています! これではなぜ道路にボールがあるのか全然分かりませんし、もしこのような見え方の人が車を運転していたとすると、最悪の場合子供達を車で跳ね飛ばしてしまうかもしれないですね。 緑内障が進行すると見え方は更に次のように変化していきます。 ↑ このくらいの見え方でも自分では正常と思っている患者様はたくさんいらっしゃいます。 お解り戴けたでしょうか? 実は緑内障というのは、 よほどの末期にならない限りは自分ではなかなか気付けない病気なのです。だから恐ろしいのです。 どういうことか別の角度から説明しましょう。 我々の頭というのは物凄く良く出来ています。視野が欠けてしまっても、頭でそれを補正することが出来るのです。そのため、上の図では本来見えていないはずの花びらがなんとなく見えるように感じてしまうのです。 そしてこの緑内障、良くはならないが悪くはなる のです。なので、出来る限り初期から治療を始め、その進行を食い止めて生活に支障が出ないようにする、ことはとっても大切なことなのです。 今でも毎月のように、「急に目の異変に気付いて我々眼科専門医のところに大慌てで駆け込んできたけど、すでに失明寸前で手遅れ!」 という患者様が多くいらっしゃいます。 現在緑内障を発見されて治療中の患者様は、実は病気をコントロールできているわけなのでとってもラッキー ということも出来るのです。なので、イヤになって通院をやめたりせず、是非我々眼科専門医と一緒に頑張ってくださいね。
2011.08.25
夏ももうすぐ終わりですね。さてこの時期なんですが、「このところ急に目がかゆくなった」という患者様が割と多いんですね。 実は今は、キク科・ブタクサ属の1年草であるブタクサ による花粉症の時期なのです。スギ・イネ・そしてこのブタクサが「世界3大花粉症」の原因で、日本でも花粉症の原因の第3位なのです。 テレビ等のマスコミでは何故かほとんど話題にならないのですが、夏というのは花粉症の多い時期なのです。有名なスギに次いで原因2位のイネ科の雑草(カモガヤ・イネなど)による花粉症が猛威をふるい、ようやくその季節が終わりに近づくと、次は残念ながらこのブタクサ花粉症の季節の始まりです。まさに、 花粉は続くよ、どこまでも。 なんですね。 目薬・内服薬で速やかに改善しますので、症状のある方は我慢せず早めにお近くの眼科専門医を受診されてくださいね。
2011.08.23
しばらく前にブログのコメント欄で、さおさんに「目薬を点した後、どうして1分ほど目を閉じておかないといけないの? 何の意味があるの?」という質問を戴きました。今日は、その質問について考えてみます。 目薬の点眼後に目を閉じた方が良い理由ですが、目薬が目頭にある涙点(るいてん)から流れ出て行かない様にするためです。涙点から目薬が流れ出ると、 1. 全身に成分が移行するので、目薬の内容によっては副作用を起こす危険性がある。(特に緑内障のお薬) 2. 肝心な目の中(角膜からの浸透)での濃度が薄まってしまい、目薬が期待される十分な効果を発揮出来ない恐れがある。 という、2つの問題点があるのです。 我々の目と言うのは、高速カメラで撮影して調べてみると、まばたきをするときには 「目尻側から目頭側へチャックを閉めるように閉じて行く」 ことによって、目の中の水分を涙点へと押し流していくようになっています。 ↑ これは、チモプトールという長年ベストセラーを続けている緑内障の名薬で、点眼後に、未処置(普通に瞬きをする)、閉瞼(へいけん:静かに目を閉じる)、涙のう部圧迫(目を閉じ、更に目頭の涙穴の部分を圧迫する)の3つに分けて、点眼成分がどれだけ血漿(けっしょう:要は血の中)に移行したかを見たグラフです。 このグラフからは大切なことがいくつか読み取れます。それは、 1. 点眼後にまばたきをすると、成分がかなり血の中(要するに全身)へ移行してしまう。これでは全身性の副作用が心配だし、目薬の濃度も下がってしまうので効果も下がってしまう。 2. 点眼後には、目を閉じるだけで(閉瞼)、目頭を押さえる(涙のう部圧迫)まではしなくても全身への移行はかなり防げている。患者様が目薬を貰うと、良く調剤薬局で「点眼後は5分ほど目を閉じ、更に涙穴を押さえてください」という指導をされると思うが、実際問題としては「忙しい日常生活の中で、目薬のためだけにそんな時間と手間なんかかけられるか!」というのが患者様の実感だろうし、 「点眼後は最低1分目を閉じておく」 くらいでもかなり大きな効果があると考えられる。 ということです。 以上をまとめると、目薬の点眼後は、 少しでも目を閉じてじっとする。そしてまばたきをしない。 ことが大切ということです。皆様も是非覚えておいて下さいね。
2011.08.19
私が専門としている白内障手術、水晶体の濁りを取って代わりに人工の眼内レンズを入れるというものなのですが、我々眼科専門医は手品師ではないので、手術のためには当然切開が必要となります。 私が眼科医になった10年程前には、強角膜で4.1ミリ程度が標準的な切開幅でした。その後、機械・手術手技の革新が続き、切開幅はどんどん小さくなっていきました。3.2ミリ、3.0ミリ、、、、、 そしてクリニックを開業した3年前、私は2.8ミリの切開幅で手術をしていました。その後手術機械のUSチップというものをSSサイズに変更し、自らの手術手技も極小切開に対応するべく改善を加え、使用する眼内レンズも変更して、2年前からは全ての手術を2.4ミリ切開という小さな傷から行ってきました。ただ時代の進化は続き、最近では切開幅は更に小さくなろうとしています。 そして先週のことですが、日本のHOYA社の「i Sert Micro251」という最新型の眼内レンズを使ってみました。 この新型レンズは直径は6ミリなのですが、上手い事考えて折りたたまれており、強角膜2.2ミリ!という小さな切開から目の中に挿入することが出来るのです。 それでは、実際の手術場面をお見せしましょう。 ↑ このように、とっても小さな傷口から無事に手術が終了しています。 小さな傷口から手術をすれば、術後の傷の治りが早く、乱視が少なく、感染にも強いと良いことばかりなのですが、我々手術をする外科医の立場からすると、手術時の操作性の低下や新しい技術手技を要求される等、非常に厳しい部分も実はあります。 ただ、大切な患者様のためには少しでも小さな切開幅を目指す努力をすることは当然のことです。当院では近いうちに白内障手術機械を最新型のものに買い換えることを予定しており、更なる新型レンズへの変更も含め、強角膜2.2ミリの超極小切開に対応していきたいと考えています。
2011.08.11
今日は、にしわき眼科クリニック の診療体制について2つのお知らせがあります。 1つ目は、お盆休みのお知らせです。 今年のお盆休みは8月13日(土)から8月16日(火)となります。なお、8月17日(水)からは、通常診療・通常手術となります。 2つ目は、コンタクトレンズ処方に関するお願いです。 コンタクトレンズ処方については、以前からですが「初めてコンタクトレンズを使われる方(我々の業界用語では初コン)」は、診療終了時間の1時間半前まで、「使われたことのある方」は、診療終了時間の30分前までの受付とさせて頂いております。 以上、よろしくお願い申し上げます。
2011.08.08
さて先週からデモを開始させて頂いた、新型白内障手術機械のステラリスですが、今日はそのファーストインプレッションを個人的なメモ書きとして残しておきます。なお、本日の日記は眼科専門医向けのやや特殊な内容となっていますことをご了承下さい。 1. 新開発の超音波ハンドピースは確かに出来が良い。 贅沢な6クリスタルなのが効いていて、思ったとおりの滑らかな溝がシャリシャリ掘れるので手術のストレスが少ない。この点、溝堀り能力では抜群の日本アルコン社のインフィニティとほぼ同格と感じる。 2. 溝堀後のセグメントモードだが、ハイドロダイセクションがしっかり回ってかつ2分割がきちんと出来ており、チン氏帯が普通ならばという前提付きだが、とにかくセールス文句通りのパフォーマンスで目を見張る。ベンチュリーならではの吸引力・水晶体核の保持力は驚異的であり、今のところ4分割して核処理をしているものの、実際には2分割さえ出来ていればUStipを前房のセイフティーゾーンにのんびりと置いているだけで魔法のように処理してくれる。 3. またその前房の安定性も掛け値なしに凄い。フットペダルを自信と確信を持って踏み込める感じで、ステーブル・チャンバー・チューブ・システムの威力をまざまざと感じる。極めて安全な手術を行える感じで、嬉しくて術中に「思わず笑みがこぼれる」ほどである。 4. IAでも特に違和感は感じない。アボット社のシグネイチャーのペリスタポンプでのIAの精度には叶わないと思うが、合格点のレベルには達している。 5. 逆に欠点としては、この間の福岡でのJSCRS2011でも指摘されていた通り、術中にエアバブルは確かによく発生する。これは率直に言ってかなり邪魔で手術のストレスになる。 6. 売りのステーブル・チャンバー・チューブ・システムだが、一日に5例くらい連続で手術をすると、やはり詰まってしまうことがあるようである。 実際のデモ中でも連続4例くらいが限界かな?と言う感覚があった。詰まると手術効率が急激に落ちるとの事で、危険でもあるしコストがかさむという問題もある。 7. 私も含めペリスタマシーンに慣れている術者が多いので、完全ベンチュリーマシンのこのステラリスに対応するには、気を使わなければならない点がいくつかある。具体的にはハイドロと核の2分割を確実に行うことが必須条件であり、手術の基本手技能力に対してはシビアなマシーンである。 8. まとめると、そのステーブル・チャンバー・チューブ・システムは確かに素晴らしい。圧倒的な吸引力と前房の安定性は、「これこそ次世代のマシーンだ」と素直に実感させられる。その一方でいくつかの欠点もあり、現段階ではまだ評価しきれないと感じている。
2011.08.05
現在当院では、製造販売元のアメリカのボシュロム社様及びディーラーの吉田メディカル社様の御厚意で、最新型白内障手術機械のStellaris(ステラリス)をデモ中です。 ↑ ボシュロムのロゴ、カッコイイですね。 このステラリスは、今我々白内障手術専門医の間で話題沸騰の超ホットなマシーンです。というのは、画期的で革新的なシステムを搭載しているからなんですね。 その最大の特徴は何と言っても「ステーブルチャンバーチューブシステム」にあります。 これはベンチュリーマシーンの欠点を大きく改良したもので、高い吸引圧で水晶体核を保持できるのに、流量は低くて安全で前房(ぜんぼう:目の中の作業スペース)が極めて安定していると言うものです。要は「めちゃくちゃ良くなったベンチュリーマシーン」ということですね。 またこの画期的なチューブシステムだけではなく、 新開発でレスポンス抜群のロータリーベーンポンプ 他社の4クリスタルに対して、6クリスタルと贅沢仕様で滑らかな超音波発振が可能な超音波ハンドピースも出来が抜群という話です。(これは車で4気筒よりも6気筒の方がフィーリングが上質というのと似ているかもしれません) さて、この話題騒然のニューマシーン、ステラリス、実際に使用してみたらどうだったのでしょうか、、、、、、(続く)
2011.08.02
今や日本の国民病とも言われる、緑内障。この緑内障で現在唯一その効果がはっきりしている治療法は「眼圧を下げる」ことだけなのですが、その治療には様々な系統の目薬が使われます。 現在、効果が最強とされているのは、「プロスタグランジン関連薬」と呼ばれる目薬です。具体的には、 上記の左から順番に、 日本が世界に誇る点眼薬メーカー参天製薬の自社開発で、副作用が少なくて瞳に優しいタプロス 効果長持ちでバランスとキレの良い、日本アルコン社の名作点眼薬のトラバタンズ そして1999年の発売が世界の緑内障治療を変えたと言われる、ファイザー社の歴史的名薬キサラタン 効果も、そして副作用も最強の「最後の切り札」的存在の千寿製薬のルミガン などがあるのですが、どのプロスタグランジン関連薬にも共通する「副作用」があります。具体的には、充血する、動物園に出かけたわけでもないのに目の周りがパンダみたいに黒くなる(色素沈着)、目薬がこぼれるとそこに毛が生える(養毛剤作用)あたりです。 そして、この副作用がイヤで点眼をやめてしまう患者様が後を立たないのですが、最近興味深い論文を見つけました。 「眼圧下降は、結膜充血の程度と強く相関する」というものです。この論文によると、 点眼後に充血する人ほど眼圧が良く下がっている、ということでした。 これは我々眼科専門医の臨床的実感とも良く一致します。また上記のルミガン点眼液という、現在緑内障点眼薬の中で効果最強の目薬が強烈に充血するのも、「なるほど、やっぱり。」と思わせるものがあります。 なので、緑内障でプロスタグランジン関連薬を使用されている患者様で充血が気になっている方は、 充血してると言うことは、薬がそれだけ効いているということだ と考えてみてくださいね。
2011.07.28
さて歩き疲れた私は、ヴィオロというファッションビルの中で、レモンスカッシュを飲んで休憩します。 ちなみに私は名古屋人なので喫茶店が大好きです。(名古屋は人口当たりの喫茶店数が日本一) 幼少の頃から家族で外食した後は必ず喫茶店に行くので、私はそれが全国どこでも普通なのだろうと思っていました。私がクリニックを開業している愛媛県は喫茶店が少ないのでちょっと寂しいです。 休憩した後はクリニックのスタッフの皆へのおみやげ探しです。今回はデパートの地下をグルグル回って、 「中がプリンで外がお餅」という不思議なスイーツ「もっちープリン」、他数点を買い求めました。食べてみると「雪見だいふく」みたいで美味しかったです。 さて今回のJSCRS参戦記もいよいよ最後の時を迎えました。 行きよりは広い、真ん中を通路に左右に2+2列の飛行機で地元の愛媛県へ戻ります。学会前よりも確実に進化を遂げて、また明日からの外来診療へと元気に向かいます。皆様、学会旅日記にお付き合い戴き有難う御座いました。 JSCRS2011参戦記 終わり
2011.07.26
さて昼ごはんを食べ終わった私ですが、松山へ戻る飛行機は最終便を予約しているためまだ時間がたっぷりあります。そこで街をブラブラ散歩していると、 良さそうな中古CD屋さんを偶然見つけました。思わず中に吸い込まれて数枚のCDを買います。私は1970年代~現在までのソウル、R&Bなどのブラックミュージックを中心に約4000枚のCDを収集しており、中古レコード屋さんが大好物なのです。そのため眼科医を引退したら私も中古CD屋さんになる予定です。ただ、もちろん地元の八幡浜地域の皆様に必要とされる限りはまだまだ眼科医として頑張りますが。(笑) さて小雨の振る中、街の探検を続けていると、 全身ブラックのクールでお洒落なビルを発見します。良く見ると都会で大人気と聞くファッションブランド、「アバクロ」のお店です。私も早速潜入します。 店内に一歩足を踏み入れると、大音量の音楽、落とした照明、立ち込める香水の香り、まるでナイトクラブそのものの空間が広がっています。入り口には何故か上半身裸のマッチョマンのイケメンがいて、ポラロイドで一緒に記念写真まで撮ってくれます。 「うーん、これは新しい。でも、店が薄暗くて商品を選びにくいし、眼精疲労(がんせいひろう)になりそうだな。」と思いながらも、せっかく来たので何点かの商品を買い求めます。 お店を出た後で、「あっ、この店は商品ではなく、哲学を、そしてブランドそのものを売っているんだな」と気付きました。そして、「医者の世界も一緒だな。絶え間ない努力と全国レベルの医療水準を前提として、そこに自分のクリニックならではの考え方を反映させていかなくてはいけないんだな」と感じました。(続く)
2011.07.25
さて楽しかった日本白内障屈折矯正手術学会総会(JSCRS)も終了しました。博多の中心地、天神に戻った私は、お腹が空いたのでガイドブックで見つけた、 テムジン 大名店 という「ひと口餃子」の専門店に出かけました。 メニューを見て、一通りの餃子メニューを注文します。 焼き餃子 水餃子 スープ餃子 どれも美味しかったです。それにしても、人生で一度にこれだけたくさんの餃子と正面から向かい合ったことは今までにありませんでした。新鮮な体験でしたね。(続く)
2011.07.24
さて早いもので学会も最終日となりました。この日は、 角膜疾患と白内障手術、眼科IT化における進歩という2つのセッションに参加しました。 ただ、学会の最終日と言うのはいつもそうですが、空気が穏やかと言うか、寝ている参加者もいるというか、ちょっとのんびりした雰囲気が漂っているんですね。(笑) みんな博多の夜の激闘で疲れているのかもしれませんが、昨日の昼の「対決!フェイコマシーン」のセミナーのような激アツさはかけらもありません。 さて、最終日のセッションで勉強になったことを下にまとめておきます。例によって眼科専門医向けの内容です。 1. 角膜混濁眼で、拡散光で前嚢(ぜんのう:水晶体の表面の膜)が確認できなければ、白内障単独OPはするべきではない。 2. 外来では問診を重視し、問診内容を前提として「今日は○○なんですね。」という質問を投げ掛けてあげるほうが、患者様は話しやすい。 3. イニシャルコスト(初期投資)の10倍を5年で回収できなければ、その投資は経営的には失敗である。眼科分野では機械が高額な上に、その投資が十分にペイしているか考えていない診療所・病院が多いので、強く注意しないといけない。
2011.07.23
さて大変勉強になった一日が終わりました。お腹もペコペコです。去年の緑内障学会の時に偶然入った焼鳥屋さんで、たまたま横に座ったおいちゃんに「めちゃ旨いよ。」と教えてもらったもつ鍋屋さん「もつ幸」に再び出かけます。 他の先生と一緒だったので声は掛けませんでしたが、お世話になっている眼科機械メーカーの営業の方も見かけました。人気店なんですね。 ぎょうざの皮が上に乗っているのが特徴です。 自分では何もしなくても、おつまみを食べてお酒を飲んでいる間に熟練の店員さんが目の前で作ってくれます。 出来上がりです。一緒に行った方は「もつ鍋が苦手。」とのことだったのですが、「ここのは、人生で初めて美味しかった。」と喜ばれていました。 ↑ ぎょうざも、 ↑ たっぷりのごまで風味豊かに仕上げてくれる締めのちゃんぽん麺も抜群です。 ふー、今日も美味しかった。「また早く博多で次の学会ないかなあ。」などと気の早いことを考えながら、お店を後にします。(続く)
2011.07.21
さて、熱い熱い「フェイコマシーン対決」のセミナーの後は、機械展示場で涼んだり久々に出会った眼科医の方と楽しくおしゃべりをして休憩し、その後、 メインシンポジウムの「白内障手術オープンソース2011~対難症例プログラムをインストール」へ参加しました。 この中で勉強になった話を自分用のメモ書きとして書いておきます。以下は専門的な話となりますので、難しい方は読み飛ばして下さい。 1. 水晶体の固い核では、とにかく大切なのは確実に4分割することである。2分割は常に掘りたいところにピントを合わせる こと、そしてとにかく 後嚢(こうのう:水晶体の袋の裏面のこと)ギリギリまで掘る ことが大事。 2. 2分割時も4分割時もそうだが、 「底まで割れている」ことを確認する ことが大切。 3. 溝堀時にフェイコパワーを上げるのを忘れがち なので注意。 4. スリーブ蹴りを防ぐため、 特に手前側をしっかりと掘る こと。 5. 固い場合、真ん中からではなく周辺から分割するのも有用。 6. IFIS対策では「来るぞ!」という心構えが大切。 7. 瞳孔の全幅切開について。12時部を大きく切ったら、手術終了時に下方を大きいバイトで3つくらい切っておけば、割とそれで問題はない。 8. 瞳孔縁切開は、マルチプルで切るのが一般術者には確実なので最も適している。浅いバイトをできるだけ多数作るのがポイント。瞳孔径は最低でも6.0ミリ以上にすること。その際、角膜のサイドポートは4つ開けても大丈夫。また、虹彩の下に粘弾性物質を多量に入れない こと。 9. CCCが不完全になると、大体その25%で後嚢破損が起こる。やはり確実なCCCは大切。 10. A-VIT時は「正しく電車道を歩く」 ことが大切。 具体的には、核娩出(まずビスコエクストラクション、無理なら機械的娩出)→A-VIT→IOL挿入・逢着(ここで眼圧が低ければサイドポートから虹彩下にBSSを入れて眼圧を正常化する。眼圧が上がっていればその後にIAしても大丈夫とのこと。これは知らなかった!)という 決められた手順を必ず守る こと。 11. ビスコエクストラクション時には、核の見た目の倍の切開幅が必要 。 というのは核には「厚さ」があるため。(トラブル時に切開幅の拡大をケチると虹彩を痛めたりして、より重篤な合併症につながるので本当に注意が必要。 要は 「トラブったら、思い切って大きく切開幅を広げろ!」 ということ。敗戦処理でベストを狙わないこと。) 12. JSCRSの最新の推奨では、IOL逢着は必ずしも同時手術でなくて良い 。 (網膜剥離等の重篤な合併症があり得るため。) 12. 下手な術者は顕微鏡のセンタリングが悪い 。 (これは自分の体験でも、また他の先生の手術を見学したときにも絶対に間違いない。そのため私も常に気を付けている。) いやあ、勉強になる、そして身につまされるシンポジウムでした。(続く)
2011.07.19
さて大好評を戴いてきた、この「対決!フェイコマシーン」シリーズですが、いよいよ最終回となりました。 4番手は唯一の純国産メーカー、二デック社の「フォルタス」です。 私は現在、このフォルタスの前機種のCV-7000を使用して手術をしています。国産らしくトラブル皆無で耐久力のある信頼できるマシンです。 その私がこのフォルタスをデモしたときの最初の印象は「うわぁ、良くなったなあ」というものでした。他社のように超音波の横振動をする訳ではないのですが、基本技術を磨き上げて非常に良いマシーンに仕上がっています。具体的には、手術中にトラブルを起きにくくするシステムが優れています。フットペダルをベタ踏みしていても、後嚢(こうのう)と言う大切な袋にUStipが接触しないように、内蔵されたコンピューターが検知してパワーダウンしてくれるのです。私も今回色々なマシンをデモさせて頂きましたが、一番安心してフットペダルを踏み込めたのはこのフォルタスでした。日本製らしい親切さと耐久力に満ちた極めて魅力的なマシーンですね。 セミナーでは、眼科の研修を始めたばかりの研修医の先生がフォルタスで実際に手術している動画が供覧されたのですが、恐らくまだ目の中のスペース感覚が全く掴めていないのでしょう、UStipで吸ってはいけない後嚢(こうのう)を何度も誤吸引し、それでもフォルタスの安全性能のおかげで破嚢(はのう)という合併症を起こさずに済んだというインパクトのある映像でした。会場からはフォルタスのこの驚異の安全性に対して感嘆の声が上がっていましたね。 逆にこのフォルタスの欠点としては、他社製品に較べて技術革新が少ないということが上げられます。普通の固さの水晶体核では差が出ませんが、固い難症例では現状やはり少し差がある、という印象です。唯一の国産マシーンですし、これからの更なる成長に期待したいですね。
2011.07.15
さて意外なほどの多くのアクセスを戴いている、この「対決!フェイコマシーン」シリーズですが、今日はその第3弾です。 3番手はコンタクトレンズでも有名なボシュロム社の「ステラーリス」です。最新鋭のマシーンですね。 (↑ 本人様、ブログ登場了解済みです) このステラーリスは、ペリスタかベンチュリーのどちらかのポンプを選んで購入する形になるのですが、写真にも登場して頂いたメーカーの担当の方が言うには「9割はベンチュリーを選ばれてますよ」とのことでした。 このステラーリス、とにかく学会場の内外で評判が高く「とにかく凄いらしい」、「前房(ぜんぼう:目の中の手術エリア)が驚異的に安定して安全らしい」、「このマシーンを買ったら、良すぎてもうテクニックの見せ所が無いらしい。その意味では技術が退化してしまって逆に危険らしい。」などの噂を私も元々聞いていました。 セミナーでは、このステラーリスが何故凄いのかの話がありました。具体的には、とにかくUSチップと、チューブシステムの出来が良い、ということでした。ただ、「エアバブルが発生しやすく、一日にたくさんの手術をすると水晶体の核がチューブに詰まりやすい、また、従来型のマシーンに較べて吸引圧の上がり方が異なるので注意が必要」などの欠点についても説明がありました。このステラーリスだけは私は実際に使ったことがないので、これ以上のコメントは現段階では差し控えますが、7月下旬より当院でも実際にデモさせて頂けることとになったのでとっても楽しみです。 まとめると、ステラーリスはどうやら凄そうだが良く分からない。日本市場に進出してきたばかりで、購入後のメンテナンス体制にも少し不安を感じる、というところかと思います。(続く)
2011.07.14
さて「対決!フェイコマシーン」、2番手はアボット社の「シグネイチャー」です。 このシグネイチャーは、1台のマシーンにペリスタとベンチュリーという異なった2つのポンプシステムを持つ贅沢なマシーンです。実際の手術では安全性に優れるペリスタと効率の良いベンチュリーを、柔軟に瞬時に切り替えて使用することが出来ます。更にアボット社のペリスタポンプと言うのは元々優れていましたが、このシグネイチャーになって更に良くなり他社の追随を許さないものがあります。 私も実際にマシーンをデモさせて頂きましたが、極めて快適に効率よくかつ安全に手術が施行出来ます。特に核片を1かけら処理した後はベンチュリーポンプに切り替えると、UStipを目の真ん中のセイフティーゾーンに置いておくだけで、核片の方が勝手にどんどん寄ってきてくれる感じで気分良く処理できます。この時後嚢(こうのう:水晶体の袋の後ろの部分)が微動だにしないのはまさにベンチュリーならではで、「あぁ、白内障手術機械はこんなに進化したんだな!」と実感します。このベンチュリーの使用感と言うのはちょっと癖になるような麻薬的な爽快感があります。(ただし、チン氏帯という部分が弱い患者様ではベンチュリーは危険な場合もあるので決して万能ではありません)。 また破嚢(はのう)という、水晶体の袋が破れてしまった時に使用するA-VIT(エービット)というモードがあるのですが、これが他社に較べて圧倒的高回転の2500回転まで回るというのも大きな利点です。要は「ピンチに強い」ということですね。演者の先生も「1台だけ買うなら、絶対シグネイチャーでしょう。」と力説されていました。 逆にこのマシーンの欠点ですが、現段階ではエリプスという横発振のプログラムがアルコン社のインフィニティに及んでいないと個人的に感じられること、またUStipという水晶体を削る機械の洗練度がやや他社に対して物足りない、ということだと思います。ただUStipに関しては、21G(ゲージ)の新型チップが近々登場予定とのことでしたし、シグネイチャーはまだ発売後日が浅いこともありこれからの更なる成長も期待できると感じています。 まとめると、シグネイチャーは現在伸び盛りの魅力的なマシーンであり、ダブルポンプ搭載で極めて戦闘力の高い機械です。今後の他社との死闘が非常に楽しみである、ということになると思います。(続く)
2011.07.12
さて驚異的な熱気を帯びて始まった「対決!フェイコマシーン」のセミナーですが、トップバッターは日本アルコン社の「インフィニティ」でした。過去数年に渡って人気ナンバーワンのまさに「王者」とも言えるマシーンです。発売後かなり時間が経過していますが、逆に言えば改良を重ねて「円熟の境地」に達しているという言い方も出来ます。 このインフィニティは世界で初めて、超音波の横振動を取り入れたマシーンでその効果は凄まじいものでした。ただ大きな弱点として吸い込んだ水晶体の核が詰まりやすいと言うことがあったのですが、現在は「オジールIP」という新プログラムでそれもほぼ解消されています。私も実際に体験したから良く分かるのですが、セミナーでも「手術の疲れが少なくなった。破嚢(はのう)という合併症が明らかに減った」と絶賛されていました。ただ欠点としては「機械につながるチューブが固くて操作性が悪い。後、核の引きがけという操作がしにくい。そのために、縦発振のみのモードを入れて、それを足で切り替えて使用する必要がある」と言う点と「マシーンの能力を発揮させるためにはケルマンチップという先っぽの曲がったやや特殊な道具を使う必要があり、術者によっては適応できない」点の2つが挙げられていました。 私もしばらく前にこのインフィニティをデモさせていただいたのですが、その完成度は驚異的と感じました。ただ会場でも指摘されていた欠点は確かにあり、水晶体の核を引き出す時に、横発振の超音波が強すぎて皿状にしてしまい思わぬ修羅場を迎えてしまう、ということも実際にありました。その点は気を付けないといけないと思います。 インフィニティは過去数年圧倒的に優れたマシーンだったのは間違いなく、更にライバルが出現した現在でも極めて良いマシーンです。ただ欠点も少ないですがあります。後、これは未確認情報ですがベンチュリーポンプ搭載の新型マシンの登場が近いという噂もあり少し注意が必要かと思います。以上をまとめると、ポイントはこの王者、インフィニティに他社のマシーンがどこまで迫れるか、もしくは追い抜けるのか、だと感じました。(続く)
2011.07.11
さて6月18日(土)のお昼のランチョンセミナー(ご飯を食べながら勉強できる)は、レンズメーカーのHOYA社が主催した、「対決!フェイコマシーン」に参加しました。 フェイコマシーンというのは「白内障の手術機械」のことです。非常に高額(大体どれを買ってもメルセデスベンツのSクラス以上、高いものだと多分フェラーリも買える!)な上に、最近は新製品の発売ラッシュということもあり、その販売競争は現在熾烈を極めています。 今回のセミナーは、4社の機械の内どれが優れているかを、日本を代表する著名な白内障術者4名が徹底的に討論すると言うものでした。会場に早めに着いた私は、美味しいお弁当を戴きながら始まるのをのんびりと待ちます。 ところがお弁当を食べていると、なんだか場内が異常にざわついています。会場の最前列に座っていた私が後ろを振り返って見渡すと、 どうやら眼科医だけではなく、眼光の鋭い明らかに機械メーカーの社員と思われるビシッと決まったスーツ姿の方が大量に陣取っていて、異様な熱気と活気です。 私は今まさに次のフェイコマシーンを選んでいるところであり、自分にとってのベストの機種を求めて勉強中です。そのためこれからその会場内での話を自分用のメモ書きとして、自らの使用経験と感想も含めて率直に詳細に書きますが、どのメーカーに対しても全く他意はないので御了承下さい。(笑) (続く)
2011.07.08
さて、ようやく学会場に到着しました。今回の日記、学会場に着くまでが長かったですね。ただし、この後も激アツな話が続くのでJSCRS参戦記は少しロングシリーズとなる予定です。御了承下さい。 最初に参加したのは、 「全身疾患と白内障手術」というシンポジウムでした。もちろん会場の最前列に座って気合を入れて勉強しました。 この中で勉強になったことを自分用のメモ書きとして下にまとめておきます。一般の方で難しい場合は読み飛ばしてください。 1. アトピー性皮膚炎がある患者様の白内障手術はとにかく要注意。鋸状縁(きょじょうえん:目の奥の網膜の一番隅っこの見えにくい場所)付近の毛様体上皮裂孔や、網膜剥離裂孔を伴っていることが多いので、強膜圧迫による手術中の眼底検査が必要である。 2. 前立腺肥大で排尿障害の治療のためにα1遮断剤というお薬を飲んでいる患者様が激増している。具体的には「ハルナール、フリバス、ユリーフ」などの商品名のものが多い。これらが日本では現在なんと年間で8億個!も処方されている。泌尿器科の先生はカジュアルに気軽に処方するが、これらの薬を飲んでいると白内障手術時に40%の確率でIFIS(アイフィス:術中虹彩緊張低下症候群)というやっかいな合併症を起こす。 これはα1遮断剤が「瞳孔散大筋のブロック」を起こすからだが、α1受容体を選択的に活性化させる「フェニレフリン」という薬剤でこのIFISは予防できる。ただしミニムスという使いきりタイプの点眼剤を個人輸入しないといけない。後、一般的な散瞳剤の「ミドリンP」にもフェニレフリンは入っているが、原液でないと前房内濃度が足りない。ミドリンPには防腐剤が入っているので原液使用は無理。 3. 糖尿病を合併している患者様の白内障手術は非常に多いわけだが、手術前にHbA1C値を3ヶ月で3%以上、つまり1ヶ月で1%以上改善させると、元々中等度以上の非増殖性網膜症では高率に術後に網膜症と黄班浮腫が悪化する(いわゆる糖尿病治療後網膜症)。そのため、内科の先生方に対して我々眼科医側から、「手術のための急速な血糖改善はかえって良くない」ことをしっかりと伝えていく必要がある。 後、糖尿病の基準が11年ぶりに改定されて、「HbA1C6.1%以上」となった。 4. 白内障手術前に抗血栓療法(ワーファリンや、アスピリンなどの抗血小板薬)を一旦中止すべきかどうかということが以前から議論されてきたが、基本的に休薬の必要はない。 (2009年の循環器科の治療ガイドラインにも記載されているとのこと) 白内障術中には0.04%の確率で「駆逐性(くちくせい)出血」という恐ろしい合併症が起こるわけだが、最近は「極小切開なので更に減っているでしょう」と。 「むしろ休薬によって高頻度(1%)の確率で虚血性の恐ろしい脳梗塞や心筋梗塞などのイベントが起こるので、そっちの方が危ない」 とのこと。そのため、「休薬する場合は必ず同意書を戴く必要がある」と。 ちなみに当院では開院時から抗血栓療法薬の休薬はしていません。 非常に勉強になるシンポジウムでした。(続く)
2011.07.06
さて頑張って早起きしてホテル最上階の朝食会場に向かいます。ちなみに今回は「ソラリア西鉄ホテル」と言う所に宿泊しました。福岡の中心地、天神の更にど真ん中でとにかく魅力的な立地でしたね。 アルコールに囲まれた通路を通って朝食会場に着くと、 またもや、アルコールの中に朝食が並んでいます。「おぉ、これはなかなか斬新な眺めだな」と思いながらご飯を食べて、最初のプログラムに間に合うように急いで学会場へ出陣します。(続く)
2011.07.05
この日記は、6月17日~19日にかけて福岡で行われた。第26回日本白内障屈折矯正手術学界総会(通称:JSCRS)参戦記の続きです。 さて博多の中心地、天神(てんじん)のホテルにチェックインした私ですが、松山空港での夜御飯が少し足りなかったこともあり、ホテルの方に美味しいレストランバーを教えて頂きとことこ歩いて出かけます。 出かけたカフェ・レストラン、「ラ・ボエム クアリタ」はビルの5~7階をぶち抜いた大箱です。 規模の大きさに圧倒されつつ、「やっぱり100万都市は違うなあ」と実感します。私がクリニックを開業している愛媛県は皆様ご存知の通り四国にあるわけですが、四国で最大の都市は松山市でその人口は50万人を少し上回るくらいです。100万以下の街ではなかなかこういう大箱の飲み屋さんというのは成立しないんですね。 カクテルを飲みながら何気なく窓の外を眺めると、 夜の12時過ぎなのにまだ店舗の内装工事をしています。「都会はエネルギッシュで忙しいんだなあ」と、そのパワーを実感しながら、 美味しいアボガトサラダで、野菜を補給しつつ博多の夜は過ぎていきます。明日からどんな勉強が出来るのか、楽しみですね。(続く)
2011.07.03
さて少し前のことですが、6月17日~19日にかけて福岡で行われた「第26回日本白内障屈折矯正手術学会総会(通称:JSCRS)」へ参加して勉強してきました。私の専門は何と言っても白内障手術なので1年で一番大切な学会の一つです。 6月17日の夕方、外来を少し早期終了させて頂いて松山空港に駆け付けます。到着したのは夜の7時過ぎでお腹ペコペコで空港2階のいつもの蕎麦屋さんの「そば吉」に駆け込みます。ただ閉店寸前かつ飛行機の出発時間が迫っていたこともあり、 軽く「鶏南蛮そば」を食べて、そのまま飛行機に駆け込みます。 私はANA派なのですが、松山-福岡間はJALしか就航していないため今回は当然日本航空に乗ります。通路を真ん中に2+1列しか座席の無いチビチビの飛行機で、シートも「軽薄短小」、薄くて小さくて数分座っているだけで体がちょっと痛くなります。こういった飛行機での飛行が多いのが地方空港の悲哀の一つですね。少し厳しい旅のスタートです。(続く)
2011.06.27
先日のことですが、「農作業中に右目をぶつけて真っ赤になった。」との訴えである患者様が来院されました。早速拝見すると、右目は結膜下出血といって表面の血管が切れて少し血が出ているだけで特に問題の無い状態でした。 「ついでに反対の目も診せて下さいね。」と言って左目を拝見すると、顕微鏡の視界に一瞬「黒い影」がよぎって消えました。 「うん!?、今、確かに何か黒いものが見えたぞ!」と思って下のまぶたを引っ張って調べてみると、、、、、、、 これは?、太いまつげ?、、、、、、 ところがじっと見ていると、、、、、、 なんとその「まつげ」がもぞもぞと視界から逃げていきます! 動いている! 良く見ると、、、、、、、 なんと「ヒル」が結膜(白目)に喰いついて血を吸いながら逃げ回っていたのです。ピンセットで逃げるヒルを追い掛け回し、必死の思いでやっつけて剥がしました。私は眼科医をもう10年以上していますが初めての経験でびっくりしました。「これは大変珍しいです。私は初めて見ました。ヒルが入って目の血を吸ってましたよ。」とお伝えすると、「そんなに珍しいものが入っていたんですかー。いやあ、取れて良かった。」と、患者様は大変喜ばれていました。 後で患者様に伺ってみると、「そういえば数日前に田んぼで作業をしていて何か左目にゴミが入った。」とのことでした。ヒルは目の中で血を吸いながら数日間も過ごしていたんですね。このように暑い季節になると、目の中には様々な異物が入り込みます。皆様も目にゴミが入って症状が改善しないときには、是非お近くの眼科専門医を気軽に早めに受診されて下さいね。
2011.06.23
さて今週からデモを開始させて頂いた、新型白内障手術機械のシグネイチャーですが、そのファーストインプレッションを個人的なメモ書きとして残しておきます。なお、本日の日記も眼科専門医向けのやや特殊な内容となっていますことをご了承下さい。一般の方向けにはこの後また新シリーズを予定しています。 1. US時の溝堀りがストレス無く快適に出来るようになった。シグネイチャーの前機種のソブリンを私は以前使用していたのだが、ソブリンは溝堀をするときに削っている面がガタガタになるという欠点があった。超音波発振を高いレベルで繊細にコントロールするのが難しいマシンという印象があったが、その悪癖は見事に解消されていた。 2. 楕円運動のエリプスの効果なのか、溝堀時に溝が少し自然に横に幅を持って掘れる様な気がする。そのためいわゆる「スリーブ蹴り」が発生しにくく、無理無く深い溝を作成できる。 3. 溝堀後のモードでも、エリプスの効果は確かにある。グレード3.75くらいの固めの核を今週2例したが、弾く事も無くジュルジュルとまでは言わないが無理無く吸えた。ただ硬い核に関しては今のところアルコン社のインフィニティにはやや及ばないと言う印象はある。今後のセッティング次第かもしれないが。 4. 核を4分割した後は、メーカーはベンチュリーポンプでの処理を推奨している。今週のOP7例中の1例のみで試してみたが、確かに効率良く処理できる感じはした。ただ、私は今までペリスタポンプのマシンしか使ってこなかったので、この点に関してはまだなんとも評価しにくい。 5. アボット社の白内障手術マシンは以前からそのペリスタポンプの精度には定評があり、具体的にはIAが良かった。前機種のソブリンも良かったが、今度のシグネイチャーは更に超絶品。IAに関しては間違いなくインフィニティよりも優れていると思う。ちなみにIAに関しては日本の二デック社のフォルタス(CV30000)もかなり良い。 6. まとめると、USに関してはこの1週間の経験ではインフィニティの方が上、IAはシグネイチャーの方が上。ただどちらのマシンも極めて高いレベルに仕上がっており、実際にどのマシンを購入するかということについては楽しい悩みが増えた、と感じている。来週も引き続きシグネイチャーをデモさせて頂けるので、本当に嬉しい。
2011.06.22
現在当院では、製造販売元のアボット社様及びディーラーのアーガス社様の御厚意で、新型白内障手術機械のSignature(シグネイチャー)をデモ中です。 このシグネイチャーには、いくつかの特色があります。一番の特色は、 「エリプスFX」と言って、水晶体を削るUSチップと言う機械が前後×左右に同時にブレンドされて楕円運動で動くことです。これにより、 従来型の縦振動のみの機械よりも破砕エリアが拡大し、濁って白内障になってしまっている水晶体を効率よく安全に処理することが出来ます。 また、USチップの先っぽが真っ直ぐでも曲がりでもその能力を発揮することが出来ることも大きな利点です。 更にこのシグネイチャー、 ペリスタルティックポンプとベンチュリーポンプという、2つのポンプシステムを内蔵しているのも魅力です。ペリスタポンプはコントロール性に優れ安全、ベンチュリーポンプは効率が良い、というそれぞれ独自の長所があるのですが、このシグネイチャーは、この2つのポンプを手術の各場面において瞬時に使い分けることが出来るのです。 そのため、水晶体の核を分割し1つ吸うまでは安全にペリスタで、その後はベンチュリーに切り替えて効率よく短時間で処理する、などという芸当が実際に出来てしまうのです。 おぉ、こう書いてくるとシグネイチャーは凄いマシンですね。現実に使ってみてどうだったのか、カタログスペック通りの能力を発揮したのか、皆様気になりますよね。(恐らく眼科専門医だけでしょうが) 実際に使ってみて、感じたことは、、、、、、(続く)
2011.06.21
今日の日記は新型白内障手術機械インフィニティの、白内障進行具合別の自分用の設定のメモ書きです。眼科専門医向けのちょっと特殊な内容ですので興味のない方は読み飛ばしてください。 UStipは0.9mmミニフレアーABS Ozil12 45°を使用。フルケルマン使わなくてもこれで十分という印象だった。 グレード2.0~3.5くらいまでの通常症例では、 水晶体核の溝堀 その後の処理 ↑ 吸引圧は、230から280まで最後は上げたが、それでも前房は全く安定しているので問題なかった。 Ozil IP IA グレード3.5~4.25くらいの固い症例では、 溝堀 ↑ かなり縦を入れている。このくらいはないと無理。 その後の処理 ↑ 同じく吸引圧は230から280へ最終的には上げたが、全く問題なかった。 表画面はグレード2.0~3.5用のモードに近いが、、、 ↑ 裏のOzil IPのthreshold(閾値)を93%に落とし、phaco pulse on timeも20に上げている。 グレード4.25以上の、従来ならECCEで対応していた症例。 溝堀 その後の処理 ↑ グレード4.25~は暫定的に設定してみただけ。実際にはまだ使用していないので、購入した場合には今後更に詰める必要がある。 インフィニティ、確かに極めて良いマシンですが、設定出来る項目が非常に多く、使いこなすにはその全てをしっかりと詰める必要があり、それは結構ハードルが高いと言う印象でした。ある先生が「インフィニティ、業者の方が入ってくれると抜群にいいんだけど、いなくなって一人になっちゃうとうまく使いこなせないんだよなあ。設定が難しいんだよ。」と仰っていましたが私も良く分かります。 もしも実際に買う場合には、更なる猛勉強が必要と感じました。
2011.06.20
さて今日の日記は、5月26日の 緑内障の方はなぜ定期的に視野検査をしなければならないのか? の続きです。まだご覧になっていない方は先にそちらをお読み下さい。 さて、緑内障患者様に頑張って定期的な視野検査をして頂くと、 上記のように緑内障の「進行具合」を示すグラフが作成できます。これをMDslope(エムディースロープ)と言います。MD値というのは年齢別の正常者との平均感度の差を数値化したもので、正常値は-2~2dB(デシベル)とされています。 緑内障が進行してくると、このMD値は段々マイナス方向に進んでいきます。分かりやすく単純化して言うと-2~-10dBまでが初期、-10~-20dBまでが中期、-20~-30dBまでが後期となります。 そしてこのMD値が-15dBを超えると視野障害で生活に不便が出てくるとされています。 ここで先ほどのMDslopeの話に戻ります。視野検査を複数回するとMD値が1年にどのくらい悪化しているか(=MDslope)が分かってきます。すると、その患者様が「いつ頃生活が不便になり始めて、いつ頃失明してしまうか」を推測することが出来るのです。 ↑ この患者様は40歳で、現在のMD値は-4dBと初期の緑内障です。このレベルでは自覚症状は全くありませんが、MDslopeが-1dBとかなり進行の早い緑内障です。このままの状態で病気が進行すると仮定すると、51歳で日常生活が不便になり始め66歳で残念ながら失明してしまう、ということになります。 我々眼科専門医は、常にそれぞれの患者様の現在のMD値とMDslopeを認識しながら日々の診療に当たっています。「大丈夫ですよ」と言うのは、「今くらいの進行具合ならまず間違いなく一生元気に目を使って頂ける」と判断していると言うことですし、「うーん、目薬を変更・追加しましょう」とか、「申し訳ない、これは緑内障の手術を検討しましょう」と言ったら、「このままの進行具合だとちょっと困るので、更に眼圧を下げてMDslopeの悪化を食い止めよう」という意味なのです。 このように、定期的な視野検査をすることによってこそ、それぞれの患者様にぴったりのオーダーメード感覚の安心な治療方針を決める事が出来るのです。ですので、緑内障の患者様は是非視野検査に頑張って取り組んでくださいね。
2011.06.16
当院では、患者様により親切で適切な応対を出来るように、定期的にスタッフ全員で接遇研修を行っています。 今日は外部講師を招いて、 お年寄りの疑似体験を通じて、高齢の患者様がクリニックの中でどういった部分に不便を感じ、それをどのように改善していくべきか、という検証の研修を行いました。 まずは体におもりを付けたり、利き手・利き足を使いにくくしたり、目を見えにくい状態にして、ご高齢の方の体の状態を再現します。 その上で、クリニックの入り口から入って実際に受付をし、待合室で待って、各種検査を受けて、診察室に入るという流れをシュミレートしていきます。 もちろん院長の私も実際に体験しました。 その後で、高齢者の方がどのような場面で不便を感じるか、どういった手助けが役立つのか、具体的な改善策にはどのようなものがあるのか?、などについて、スタッフ全員で討論を行いました。 これからも定期的にこのような研修を行い、クリニック全体の患者様へのより良い応対につなげて行きたいと考えています。
2011.06.13
今朝起きて何気なくテレビを付けると、 人気芸能人のオリラジの藤森さんが「流行性結膜炎」(テレビのテロップには少し間違いがあり、本当の病名は「流行性角結膜炎」です。)で休養というニュースが出ていました。 この「流行性角結膜炎(我々の業界用語ではEKC)」は俗に言う「はやり目」で、アデノウイルスというウイルスによって引き起こされ、目の強い充血・めやになどの激烈な症状が出ます。 感染力が非常に強く簡単に周囲の人に移ってしまうので、発症後1週間ほどは自宅で休養する必要があります。また睡眠不足などで免疫力が低下している時にはより感染しやすいので、藤森さんはきっと多忙を極めていたでしょうからこれを機にゆっくり休養されたら良いと思います。 さてこの流行性角結膜炎、実は原因のウイルスに直接効く目薬はありません。そのため炎症を抑える目薬と弱った状態の目に他の感染を起こさないようにするための抗菌の目薬を点眼しながら自分の力で治るのを待つしかないのですが、感染力がなくなった後に黒目(角膜)に濁りが残って視力低下やまぶしさなどの症状が続くこともあります。だからこそ、流行性「結膜炎」ではなく「角結膜炎」という病名が付いているのです。 ↑ これが実際の患者様の目の写真ですが、黒目(角膜)のど真ん中に白っぽい濁りが残ってしまい、視力も低下してしまっています。こうなると濁りを取るためにステロイドという切れの良い炎症を取る目薬をしばらくの間使わなくてはならなくなります。 なので、この「流行性角結膜炎」というのは決して甘く見ることは出来ない病気なのです。皆様も「目が赤い、めやにがひどい、治らない。」場合には必ずお近くの眼科専門医を受診するようにしてくださいね。
2011.06.09
「花粉症の時期も終わったはずなのに何故か目がかゆい!。おかしいなあ。」と言いながら、受診される患者様が今年も6月に入って激増しています。 おかしいことはありません。実は今は「世界3大花粉症」の一つ、「カモガヤ花粉症」のピークの時期なのです。潜在患者様は膨大な数に上るのですが、2~3月の有名な「スギ花粉症」の時とは違ってマスコミでもほとんど取り上げられないため、花粉症と知らずにじっと我慢している方が多いのが実情です。 このカモガヤというのは別名「オーチャードグラス」と呼ばれ、明治の初期に牧草として日本に輸入されました。きっと日本の気候に合っていたのでしょう、最初は北海道に輸入されたのですが、いつの間にか全国に野生化して広がったイネ科の植物です。 今の時期に「目がかゆい、鼻がムズムズする」という症状が出る方は、繁茂度と花粉飛散量がダントツのこの「カモガヤ花粉症」の可能性が高いです。オオアワガエリ、ハルガヤなどのアレルギーの場合もありますが、いずれもカモガヤと同じイネ科の植物です。 抗アレルギーの目薬・内服薬で症状は速やかに軽快することがほとんどですので、思い当たる方は是非気軽にお近くの眼科専門医を受診して下さいね。
2011.06.06
さて、発売前のデータで細菌性結膜炎・細菌性角膜炎への有効率がなんと驚異の「100%」と、まさに異次元の好成績だった期待の新型抗菌点眼剤の「スーパークラビット」こと1.5%クラビット点眼液ですが、ようやく本物の製剤見本を戴けたので、院長の私及び半数以上のスタッフでその実際のさし心地を試してみることにしました。 ↑ 従来の0.5%に較べて3倍の1.5%と濃度が高いせいか、やや黄色っぽい色調です。 実際に点眼してみると、、、、、、 「全然しみない。大丈夫。」 「0.5%のクラビット点眼液とさし心地は変わらない。」 「色が黄色なので、なんだか良く効きそう。」 「新薬と思って緊張して点眼したら、間違って口に入って苦かった。」 あたりがスタッフ及び私の感想でした。問題なさそうですね。 さてこの期待の新薬、1.5%クラビット点眼液ですが、実際に患者様に処方できるのは品薄が解消される6月20日前後になりそうです。待ち遠しいですね。
2011.06.03
「目やにが出る」などの症状に代表されるありふれた病気、結膜炎ですが、治療は抗菌点眼剤で行います。 この抗菌点眼剤には多くの種類があるのですが、現在国内で人気・売上No1なのは日本が世界に誇る点眼薬メーカー、参天製薬のクラビット点眼液0.5%です。このお薬は2000年に発売されたのですが、発売以来ずっとベストセラーを続けています。安全性が高く切れ味のよいバランスの良い薬で、総合力でなかなかこのクラビット点眼液を超えるものが出てこなかったからですね。そうでなければなかなか10年以上もベストセラーは続けられません。 さてそんな名薬のクラビット点眼液なんですが、来たる6月2日に濃度を3倍に上げた通称「スーパークラビット」、クラビット点眼液1.5%が発売になります。 この1.5%クラビット、臨床成績が凄いんですね。 ↑ 発売前の細菌性結膜炎・細菌性角膜炎への有効率はなんと「100%!」、私は今までたくさんの目薬を見てきましたが、有効率が100%というのは見たことがありません。圧倒的な濃度で様々なバイ菌をやっつけてくれる、頼もしい新薬です。 ↑ また、その効き目の早さも驚異的です。 この異次元とも言える臨床成績は1.5%という高濃度から来ています。ただ普通の抗菌剤を目薬にする場合にはここまで濃度を上げられないんですね。その理由は「溶けない」、「しみてとても点眼できない」などですが、大体0.3%とか0.5%とかそんなものです。クラビットというお薬が持つ元々の素姓の良さ、薬を目薬に仕上げる「溶かす」技術では世界一と言われる、発売元の参天製薬の技術力、それらが結集して誕生したのがこのスーパークラビット、クラビット点眼液1.5%なんですね。 ↑ これがその実物の見本です。ただ、中身の入っていない容器だけのもので、実際に点眼してみることは私も出来ていません。 このクラビット1.5%点眼液、発売前から注文殺到で超品薄とのことで、患者様に実際に処方できるのは6月下旬になるのではないか?とも言われています。どのくらいの効果を発揮してくれるのか?、眼科専門医としてとても楽しみにしています。
2011.05.27
緑内障の患者様と言うのは高齢化社会の進展と共に増える一方であり、当院でも多くの患者様を診せて頂いています。緑内障の状態を評価するためには「視野検査」というものが必要不可欠なのですが、これは暗い部屋で集中しながらボタンをピコピコ押すという非常に疲れる検査であり、患者様に大変不評です。 そのため私が「前回の検査から時間が経ったので、そろそろまた視野検査をさせて頂きたいのですが、、、、」と説明すると、「えーっ、あれまたしないといけないんですか? しんどいし、部屋が暗くてなんだか怖いしもうイヤなんですけど。」と良く言われてしまいます。 私も患者様に嫌がられるような検査はなるべくしたくありません。でも、この視野検査はどうしても定期的にさせて頂かなくてはならないものなのです。今日はその理由をお話しましょう。 緑内障と言うのは目の視神経が減っていくことによって視野(見える範囲)が欠けてくる病気です。我々人間は生まれたときにはこの視神経が大体120万本あるのですが、生きているだけで年に5000本は自然減があると言われています。緑内障の方は視神経が弱いので、放置していると年に1万本とか2万本減ります。そしてこの視神経が大体60万本を切ると視野検査で異常が出てきます。更に、残り10万本を切ると日常生活が非常に困難なレベルになると言われています。 緑内障と言う病気は一般的にいって進行は極めて緩やかなのですが、先ほど書いたように視神経には「自然減」がありますので、どうしても「ゆっくり」ではありますが、「確実に」進行します。そしてその最後の終着駅が「失明」であることは厳然たる事実なのです。 そうは言っても大切な患者様にそんなに簡単に失明されては我々眼科専門医もたまりません。そのため、定期的な視野検査によってそれぞれの患者様の「現在の状態」と「病気の進行具合」をしっかりと把握させて頂くことが極めて大切なのです。 次回は具体的に「定期的に視野検査をしていくとどのようなことが分かるのか?」を説明したいと思います。 (続く)
2011.05.26
今日の日記は眼科専門医向けのやや特殊な内容を含むものとなっていますので御了承下さい。 さて現在当院でデモさせて頂いている新型白内障手術機械のインフィニティですが、その特色である超音波の横発振によって、 1. 水晶体の核の動きが安定しており、まるで掃除機のように効率よく吸える。 2. 核を捕まえやすいのでUStipをあまり動かさずに処理が出来る。これは目の中の「セイフティーゾーン」のみで手術できることを意味し、従来型のマシンに較べて安全度が高い。 3. 術後の患者様の目の炎症が少なくて、手術した次の日から良い視力が出る場合が多い。 などのメリットを十分に実感することが出来ました。ただし、このインフィニティの能力を発揮させるためには、 ↑ 上記のような先端の曲がった、従来型とはやや異なる特殊な道具(UStip)を使わなくてはならず独特の難しさもあります。 また水晶体を効率良く処理するロジックも、従来型の機械とは少し異なります。 ↑ 何と言うか、「周りから攻めると◎」という感じなんですね。 さてこのインフィニティの具体的な設定ですが、現在は白内障グレード3.5くらいまでの通常症例に対しては、 水晶体核の溝堀 ↑ 最初は横発振のみでOPしていましたが、どうもイマイチなので縦発振をリニア(一定)で20%入れてみました。ただどうもまだ少しもっさりした感じでしっくり来ないので、 ↑ 縦発振を20%スタートで最大40%、横発振を50%スタートで最大80%にしました。この設定だとほぼストレス無く掘れますが、逆に核の突き抜け(punchout)には十分な注意が必要です。 その後の処理 ↑ 最初は水晶体核を引き寄せる力を示す吸引流量を26でしていたのですが、私にはUStipを目の中のセイフティーゾーンからほとんど動かさないという癖があり(これは自分が何よりも手術の安全性を重視しているからですが、逆に効率が悪く時間がかかるという欠点でもあります)、日本アルコン社の設定のプロの方と相談しながら現在はその流量を30に上げています。 Ozil IP IA ↑ 最初は吸引圧500、吸引流量26でOPしていましたが、私はIOL挿入時にヒーロン+ビスコートのダブルブロックをするため、挿入後に残ったビスコートが吸えない感じなので少し設定を上げました。この設定だとストレスがない感じです。 という設定で手術を行っています。現在までに合計4日使用したのですが、設定を詰めていくことにより使い心地はかなり良くなりました。マシンの持つ能力の高さ、潜在力の凄さを実感していますが、まだもう少し設定を詰めて行かなくてはならないと感じています。(続く)
2011.05.21
さて開院3周年を記念して、地元八幡浜市の某所に新デザインの看板を立てました。 ちょっと意外な、そして少し考えると「あー、なるほど!」という所に立っていますので皆様是非探してみてください。 看板はこれで3本目なのですが、1本目、 そして2本目 とはかなり異なるデザインを採用しました。もしも両方の看板を見つけた方がいらっしゃいましたら、是非どちらが良いか感想を教えて下さいね。
2011.05.19
当院では現在、製造販売元の日本アルコン社様、及びディーラーの吉田メディカル様の御厚意で、新型白内障手術機械のインフィニティをデモ中です。 このインフィニティは現在の日本では恐らく人気No1の実力派マシンなのですが、それにはある理由があります。 通常の白内障手術機械は、水晶体を削るための超音波が縦にしか出ないのですが、このインフィニティは縦だけでなく横にも出るのです。 そして横に出る超音波というのは、縦に較べて効率が良い上に目へのダメージが少ないのです。 ただ横発振だけでは白内障の進行が激しい場合などに手術が難しい局面もあるので、従来型の縦発振をどうブレンドするかがこのマシンを使いこなすポイントとなります。 このインフィニティはOzil IP(オジールアイピー)と言って、横発振だけでは無理でどうしても必要な時のみに縦発振を入れることが出来ます。車でいえばターボみたいなものですね。要はものすごくポテンシャルの高いマシンということです。 ただしこのインフィニティ、特色である横発振を活用するためにはケルマンチップという特殊な先っぽの曲がったUStip(水晶体を削るための道具)を使わなくてはならず、またそれぞれの術者に合わせてセッティングを最適化するのがなかなか難しい機械でもあります。 そのため私はこの2週間ほど、 DVD等のたくさんの手術教材で猛勉強を続けながら実際の手術に臨んでいます。マシンを使ってみての実際の感想はまた後日書きます。(続く)
2011.05.17
2種類以上の目薬を処方させて頂いている患者様から、「どうして点眼間隔を5分あけないといけないの? そんなのめんどくさいから、連ちゃんでちゃっちゃかちゃっちゃか点してるけどなにか悪いことでもあるの?」という質問を良く戴きます。 この質問の前提として、まず私は眼科専門医として「できるだけ処方する目薬の種類を減らす」ことを心がけています。出来れば絶対に必要な1種類だけ、ダメなら2種類、それで無理なら1増1減でやっぱり2種類、それでもどうしても無理ならやむを得ず3種類、そのあたりが限界だと思っています。患者様は目薬を点眼するためだけに日々を生活しているわけではないですし、点眼の種類が増えるとどうしても確実にさせなくなるからです。 さて最初の質問の話に戻りますが、点眼間隔を5分空けなくてはならない理由は、「先にさした目薬が後からさした目薬で洗い流されてしまって効かなくなるから」です。 上の図を見ると分かるように、もしも1分間隔で目薬を点すと最初に点した方は60%くらいしか効かない、というデータがあります。 専門的に言うと、目薬の目の表面(結膜嚢:けつまくのう)からの消失時間は一般的に2分と言われています。なので点眼間隔は最低2分空ければまあ大丈夫なのですが、目薬同士の相互作用を防ぐために、念のために「5分」というお願いを我々眼科専門医はしているわけです。(一部の緑内障薬では10分以上の点眼間隔が必要なものもあります。) なので、2種類以上の目薬を同時に使用するときは「最低2分、できれば5分」と覚えて置いてくださいね。
2011.05.15
スギ花粉によるアレルギー性結膜炎はようやくピークを過ぎて下火になりましたが、「スギ花粉の時期はどうもなかったのに、最近になって目がめちゃくちゃかゆい」という患者様が結構な頻度で来院されています。 これがどうも、中国からの黄砂(こうさ)によるものなのではないか?と個人的に思っています。黄砂は中国大陸内陸部の砂漠の土壌や鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛んでくるものなのですが、この黄砂、石英や長石などの造岩鉱物や、雲母・カオリナイト・緑泥石などの粘土鉱物だけではなく、アンモニウムイオン、硫酸イオンなどの中国の大気汚染物質をたんまり含んでいると言われています。 この黄砂の飛来と一致してアレルギー性鼻炎の患者様の70%が自覚症状が悪化したという報告もあり、日本ではまだあまり「黄砂によるアレルギー性結膜炎」の報告例がないのですが、実際にはこの黄砂によるアレルギーが激増しているのではないか?と推測しています。 なので、黄砂が良く飛んでいる日に目がかゆくなったら、アレルギーが出ていないかどうか是非お近くの眼科専門医で相談してみて下さいね。
2011.05.10
当院は本日5月7日で開院3周年を迎えることができました。 開院以来、多くの患者様に御来院戴けたことに心から感謝しています。また開院時のオープニングスタッフは今でも変わらず同じメンバーで働いてくれていますし、この3年間学会出張以外では一日も休診せずに楽しく診療を続けることが出来たことも本当に嬉しく思っています。 さて今日は3周年ですので、今までのクリニックの歴史を写真と共に少し振り返ってみたいと思います。 ↑ これは2007年11月の写真です。まだ完全に更地ですね。 ↑ 地鎮祭をしています。 ↑ これは2008年5月の開院時の写真です。 ↑ 壁面緑化を目指して植えたツタもまだひよひよです。最初はこんなに赤茶けていたんですね。 ↑ これは2009年5月、開院1周年時の写真です。ツタがまだあまり伸びていないですね。 ↑ そしてこれが、2011年5月現在の写真です。かなり壁面緑化が進んできていますね。 これからも日々成長しているツタのように眼科専門医としての毎日の鍛錬を欠かさず、八幡浜地域の皆様に安全で快適な最新の眼科医療を提供できるように、精進して行きたいと気持ちを新たにしています。
2011.05.07
さて先日うさぎの島に出かけた時のことですが、「ウサギの目は本当に赤いのか、良く観察して来よう。」と眼科専門医として思っていました。 その結果は、 ↑ 上の写真のように目が赤いウサギはもちろんいましたが、 ↑ このように目の黒いウサギもいました。 つまり結論としては、「ウサギの目は赤いことも黒いこともある。」ということになります。 この理由ですが、目が赤いウサギはアルビノといってメラニン色素を持っていないせいで体の全体もしくは一部が白いんですね。それで虹彩(茶目)にメラニン色素がないので、目の奥の網膜の血管の色が太陽光で透けて見えているわけです。目が赤いのは血管の色ということですね。逆に目が黒いウサギはメラニン色素があるので、太陽の光が目の奥まで届かなくて赤くならないわけです。 今回のうさぎ島では、眼科専門医としてたくさんのうさぎの目をじっくりと観察できたのも勉強になって良かったですね。
2011.05.04
ゴールデンウィークが始まりましたね。私は1日をかけて瀬戸内海に浮かぶ島の一つの大久野島(おおくのしま)と言う所に出かけてきました。 私の住む愛媛県からだと、しまなみ街道を大三島ICで降りて10分ほど車で走り、盛港というところからフェリーで渡ります。 この島に何故行ったかと言うと、「うさぎの島」として有名だからです。1971年に島外の小学校で飼育されていた8羽のウサギが廃校に伴って島に放されて野生化し今では約300羽が住んでいると言うのです。 島に着いてみると、本当にウサギだらけです。しかも観光客慣れしていてお腹の空いているウサギは餌を貰おうと思って駆け寄ってきます。 ウサギは穴を掘って住むのでしょう、島内の至る所に穴があります。 島の名物の「たこうどん」を食べて休憩した後は、 レンタサイクルで1周3.3キロの島を探検です。 山頂の道路にも、 遺跡にも、 ほんとに島内のどこにでも人懐っこいウサギが住んでいます。餌をあげると膝乗りくらいはしてきます。 ところでこの大久野島、かつて1930年代には戦争のための秘密の毒ガス工場があり「毒ガス島」、「地図に載らない島」と言われていたそうです。 島内には無邪気なウサギ達だけではなく、このような第二次世界大戦時の爪痕も多く残っています。複雑な陰影、魅力に満ちた島ですね。 さて、夕方島を出ようと思ってフェリー乗り場に戻ってくると2羽の子ウサギが遊んでいました。 そのうちの1羽は草を食べた後で何かが気になるのでしょうか? 口の周りをずっとペロペロ舐めていました。 また観光客から餌を貰いすぎたのか、眠そうで目が閉じかけているウサギもいました。 いよいよお迎えのフェリーがやって来ました。 楽しい1日の終わりです。この大久野島、ウサギ好きの方はもちろんそうでない方にも強くお勧めできるたくさんの魅力に満ちていました。まだ出かけたことのない方は是非一度行ってみて下さいね。
2011.05.01
楽しいゴールデンウィークが近づいてきましたね。ただ、活動的になり目の怪我も増えてくる時期ですので皆様十分に御注意下さい。 さて、当院のゴールデンウィーク中の診療日ですが、 上記のようになっています。簡単に言うと「カレンダー通り」ということです。よろしくお願い致します。
2011.04.27
さて大変勉強になった第5回四国EYEランドセミナーですが、その中では正しいコンタクトレンズケアについての講演もありました。 1DAYタイプの使い捨て以外のソフトコンタクトレンズを使用されている方は毎日のレンズケアが必要です。 ケアでは上記の5つがポイントなのですが、その中でも一番大切なのは、 [コンタクトを目に入れる直前のすすぎである] という話が印象に残りました。これが感染予防の最後の防波堤になるわけで、言われて見れば当たり前なのですが、私自身これまで患者様に十分にお伝えできていませんでした。今後気を付けたいと思います。 ところで、コンタクトレンズケアには市販のMPS(マルチ パーパス ソリューション=洗浄から保存まで1本でできる消毒液)というものを使用するわけですが、 実は商品の説明書というのは各社バラバラなんですね。レンズの「こすり洗い」の必要性はどの商品にも書いてあるのですが、上記の装着直前のすすぎの必要性については書いていない会社もあるんですね。 ↑ 実際、あるMPSでは堂々と「レンズはすすがずにそのまま装用できます」と説明書に書いてありますが、これは間違いなんですね。各社のMPSの説明書は早急な改善が必要だと感じています。 さて以上で「第5回四国EYEランドセミナー」体験記は終了です。次回からはまた通常の日記に戻ります。
2011.04.25
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