型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2020.08.06
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カテゴリ: 芸術
演奏会実習ゼミを担当した2004年から2018年までコンサートの他に、
毎年録音を行い自主制作のCDをコンサートで売っていました。
自分が若かった頃には全て合わせれば何百万円もかかっていた録音が、
今や大学内で会場も機材も録音技師も揃い、
録音の著名な先生がマスタリング(編集)作業をして下さっていたのです。

初めは、コンサートではなくレコーディングの貴重な体験をできれば素晴らしい、
楽譜に忠実に演奏することの重要性、コンサートの緊張ではない緊張感、
残すからには完成度の高さはもとより、その意義や役割など、
まだまだ考えや経験の少ない学生相手に気軽に行うことの危険性もありましたが、


その先駆け的なことをクラシック音楽で行なったわけですが、
今でこそ誰でもが行うようになり、このコロナ禍においてはリモート演奏と言う、
現代的なテクノロジーではあってもお手軽な音楽が増え、
あたかもそれが新しい音楽のあり方であるかのような風潮が心配です。

クラシックでは、よく知られていて生演奏はされる曲であっても、
お手本となるような演奏は有料サービスでなければ聴けないことも多く、
YouTubeなどでも楽譜どおりではない、録音が悪いものが散見されます。
ゼミの演奏はもともと動画用ではありませんので映像はありませんが、
音源としてのクオリティが高く、なぜ録音したかと言うコンセプトも明確です。

最近アップしたものに、9年前のダリウス・ミヨー作曲「ルネ王の暖炉」があります。
木管五重奏のスタンダードですが、かなり素晴らしい演奏と考えています。

この曲を含めてさまざまな会場でこの編成を目玉にコンサートをしていました。

楽譜に書かれているコンセプトが見事に再現されていることや、
楽器感の音色のバランスや入替などがとてもよく美しいことが特徴です。

フルート 千田淑生
オーボエ 久下あずさ

ホルン 舟橋有紀
ファゴット 荒木千尋



それぞれが卓越した技術を持っていることもありますが、
ホルン、ファゴットの的確な発音とバランスが全体的な効果を上げています。



もう1曲は、これぞクラリネットというフランス近代の作品、
クロード・パスカル作曲「3つの伝説」より第1曲です。
クラリネットの多彩な機能性、音色を感じさせる曲ですが、
ピアノパートも雄弁で二つの楽器のつくる音楽性が聴きどころです。
ちょっとしたリタルダンドや曲調の変化がウイットに富み、
フランス音楽のエスプリやお洒落なムードが感じ取れる演奏になりました。

この曲の「伝説」の内容が文献を調べても見つからないため、
動画に使う画像はシュルレアリスティックなもので構成もシュールにしました。
画像と音楽の関連性がなく同時的に別の物語を想像させる試みです。
録音から10年が経ちましたが、今も録音物が少なく、
この曲のお手本となる演奏になったと思います。

クラリネット 安本夏海
ピアノ 初鹿早菜



クラシック音楽の特徴を音楽の授業程度のことで説明したり、
一部分を誇張して知らない人や子供にウケを狙うテレビ番組がある一方、
本当のクラシックファンが見ておもしろい番組はFMラジオなのかもしれません。
音楽的内容が本当によくわかるようにリードしてくれる番組が望まれるところです。

藤井聡太棋聖のニュースが多いこの頃ですが、
彼の偉業はわかっても将棋の中味はよくわからず、
勝負飯の親しみやすさで人気が出ていく様子は、
クラシック音楽の今の状況とよく似ているのではないでしょうか。





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最終更新日  2020.08.06 22:29:28
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