仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.06.04
XML
カテゴリ: 仙台


中には入ったことがないので、外観だけの話ですが、建物単体で見ればたしかに今までにない気品というか、謳い文句のように、淑(しと)やかに輝く文化の波、なんでしょう。だけど、仙台駅前から見れば、遠くにSS30の異様な(威容、とも言える)てっぺんが見え、右には赤々とボーダフォンのネオン(まもなく黄色いソフトバンクになるの!?)、左手前にはターミナルビルが視界を見事に遮る。

ハッキリ言って、街としての文化性はないのです。昨年には南町通りのビルの保存運動もあったけど、50年したら、モントレの保存運動でも起きるか? 単体のビルに寄せる仙台市民の思いは勿論大事だろう。だけど、街としてどうしていくか、という根強い共通意識はないから、せいぜい誰かが立てたモノに「事後的に」ノスタルジーを寄せるだけだ。

もう20年近くになるか、泉ヶ岳の稜線を見事にさえぎる立派な観音様の登場で、私は仙台の街作りに対する、ある種の理想論を捨てた。理想論といっても、まち作り内容の具体論というのではない。行政を軸に市民や経済界が共通意識でまちづくりを進めることが「できるはず」というという組織論や運動論の側面だ。

だから、単体のビル保存や大手門復元などのような話には、私はかなり冷淡な立場だ。個別の文化性の顕彰はすばらしいことし、復元運動に努力する方には敬意を感じるが、それを仙台の文化だとか伝統だとか言い出すと大変困る。

市民の共通の財産としての町並みや景観、なんて意識はそもそもないだろう。金儲けしたヤツが観音様立てる、市民はありがたいと思ったかどうか知らないが、まもなく開発ブームが再来して、プラハや中国や、いろんな素晴らしい単体の建物ができて、町並みとしては結局雑然としてものになるのだろう。日本の都市がほとんどそうであるように。

良いか悪いかと言えば、何らかの共通意識を感じる町並み景観の方が、良い。だけどそのための合意やコストを考えると、まず無理だ。なにせ、公共に口は出してもカネは出さない経済風土だ。たまに志の篤い人といえば、金もうけて観音様にして自分は倒産する。そんな仙台経済界だ。

せいぜい、歩行者の視線でスポットやストリートとしての良さや個性を出すくらいだ。私は、それでいい。

■仙台百景画像散歩 以前の記事です。
仙台百景画像散歩(その6 佐々重ビル)( 06年5月24日)
 ○ 仙台百景画像散歩(その5 車止めポール)( 06年4月29日)
 ○ 仙台百景画像散歩(その4 オロナミンC)( 06年4月4日)
 ○ 仙台百景画像散歩(その3 東仙台案内踏切)( 06年3月22日)
 ○ 仙台百景画像散歩(その2 はんだや)( 06年3月18日)
 ○ 仙台ミステリー?風景 (06年3月4日)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.06.04 08:04:14
コメントを書く
[仙台] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

コメント新着

おだずまジャーナル @ Re:仙台「6時ジャスコ前」の今むかし(11/14) 仙台フォーラスは来月3月から長期休業。再…
クルック@ Re:黒石寺蘇民祭を考える(02/18) ん~とても担い手不足には見えませんけどネ…
おだずまジャーナル @ Re:小僧街道踏切(大崎市岩出山)(12/11) 1月15日のOH!バンデスで、不動水神社の小…

プロフィール

おだずまジャーナル

おだずまジャーナル

サイド自由欄

071001ずっぱり特派員証

画像をクリックして下さい (ずっぱり岩手にリンク!)。

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: