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こらえてはみても一度涙がこぼれてしまいますと、
後は堰を切ったように我慢できなくなり、出家を後悔することも多くなります。
これでは仏様も『帰依していながら、反って卑しいではないか』と御覧になるでしょう。
世俗の濁りに染まっているときよりも、
生半可に出家するほうが却って悪道にさまようと思いますね。
夫婦となったからには、前世の因縁は浅くないものです。
もし尼になる前に探し出したとしても、出家騒動を思い出しては
恨めしい気持ちになることでしょう。
良くも悪しくもお互いに連れ添い、どんなことがあっても寛大に許し合う仲であってこそ、
契り深く愛情のある夫婦といえるでしょう。
しかし一騒ぎあった後では、女も男も不安で気が置けるものですよ。
世間並みのちょっとした心移りであっても恨みに思い、
それをすぐ顔に出し出家しようとするのもまた、馬鹿げた事ですね。