私訳・源氏物語

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May 15, 2010
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カテゴリ: 源氏物語

 京に戻られた源氏の君は真っ先に参内なさり、
帝に北山での御物語などをお話しなさいます。帝は、

「たいそうやつれたではないか」

 と仰せになり、『死にはせぬか』とご心配あそばすのでした。
そして、聖の事などをお尋ねになります。

源氏の君が、尊かった聖の事を詳しく奏上なさいますと、

「阿闍梨にもなるべき者であろう。
修行の功労は積っていたのに、朝廷には知られていなかったのだね」

 と、不憫にお思いになるのでした。

 内裏にはちょうど左大臣もおいでで、

「北山への御迎えに私も、と思っておりましたが、
お忍びでのお出掛けでしたから、憚り控えておりました。


このまま車でお送りつかまつりましょう」

と、申し出でなさいます。

源氏の君は気乗りなさらないのですが、左大臣の強引さに負けて退出なさるのでした。

左大臣はご自分の御車に君を乗せたてまつり、
みずからは後方に引きさがってお乗りになるのです。

婿君を大切にかしづきなさる左大臣のお心遣いを、
源氏の君はさすがに申し訳なくお思いになるのでした。






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最終更新日  March 7, 2017 06:26:13 PM
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